第5話 神龍器を求めて!
神龍の力を目覚めさせる方法。それは......
「力を目覚めさせるって、どうやって?」
「この星の各地に存在する5つの【神龍器】の加護を受けに行くのだ。全ての加護を受けし時、私の力が完全に蘇る。」
「分かった、つまりこれから僕はロードン十七柱との戦いに備えて、神龍器の加護を得るための旅に出ればいいわけだ。」
「その通りだ。神龍器の場所は金色の瞳で見ることが出来ないからな、私がお前の心の中から導いてやろう。最初に目指すべき場所は、神龍の聖地、ビワコスクランブルだ。」
「うん、よーっし!それじゃあ、冒険の旅に出発だ!」
ホムラが目を覚ます。
「ホムラ!ホムラ!起きてよホムラ!」
モンズが必死に声をかけている。
「大丈夫だよモンズ、今起きたよ。」
「良かったー、しかもさっきより元気そう!」
胸をなでおろし、ほっとするモンズ。
「それじゃあモンズ、今度こそ行くね。」
「うん、行ってらっしゃい!」
小さく手をふるモンズ。
「黒い翼よ!神龍の聖地、ビワコスクランブルへ、羽ばたけ!」
黒い翼で過去に飛んで行った時の負荷が影響か、スピードが半年前よりも出ていない。
心の中の神龍がホムラの脳内に直接話しかける。
「この力の弱体化も神龍器の加護を受ければ、回復するだろう。」
ホムラは頷いた。
神龍の聖地 ビワコスクランブル
ドラゴル教と呼ばれる龍を崇拝する信徒たちの聖地で、この地の中心には神龍の像が建てられている。
「ここが、ビワコスクランブルかぁ!なんか凄く神秘的で、どこか暖かい。眠くなってきそうだ。」
ホムラはふぁーあぁ、とあくびをする。
「随分と呑気だねぇ?神龍の血の少年。」
後ろから、声が聞こえる。
「誰だ!?」
ホムラが振り返ると、そこにはピンク色のウニの様な形に3つの目玉と2つの口を持った怪物が宙に浮いていた。
「あぁ、ワタシはロードン十七柱十六番、桃色硬貨の邪神、シャガミシャガムラシャルセヌスだ。君を、始末しに来た。」
ロードン十七柱!?まさか自ら姿を現すなんて。
「お前たちの目的はなんだ!?誰に封印を解かれた!?」
ホムラがシャルセヌスに問いかける。
「同時に2つも質問をしないでくれないか?ワタシには口が2つあるが、おしゃべりだからって訳じゃない。教えてあげるよ。どうせここで君は死ぬんだからね。」
2つの口が一緒ににやける。
「ワタシたちの目的は世界に混沌をもたらす事。封印は、誰かに解かれたのではなく、何憶年もの年月がたち効果が弱ってきた封印を自分で解いたのさ。」
「自分で解いただって!?」
「ああそうさ、いずれ他の邪神たちも復活するだろう。一桁代の奴らは、より強い封印を施されているから、もう少しかかるかもね?」
ロードン十七柱の邪神は主より与えられた番号が小さければ小さいほど、強く、地位が高いとされていた。
昔聞いた伝承を、ホムラは思い出した。
「質問は以上かな?それじゃあ、始めようかぁ!!」
桃色硬貨の邪神との、戦いが始まる!!




