第17話 ダルセロス 再び
最初のボスと改めて戦う展開!
「ここが、悪夢の都......」
「なんだか、凄く不気味。」
二人は残り二つの神龍器が眠る、悪夢の都マァマムーズカシィへとやってきた。都にはそこらじゅうに謎の箱が浮いたり亡霊のような声が鳴り響いたりしている。
「この近くに、神龍器【真実の鍵】と【一輪の赤い花】があるはずだ。」
神龍の話を聞いて頷くホムラ。
「ロウドウロウドウ。」
「今何か声が聴こえなかった?」
トウカがホムラの肩を叩いて話す。
「え?」
「ロウドウロウドウロウドウロウドウロウドウロウドウロウドウロウドウロウドウロウドウロウドウロウドウロウドウロウドウロウドウ!!」
「ホントだ......もしや、この声は!?」
振り向くと、紫色のマントをした2キロメートル程の巨人のような生物がいた。
そう、ダルセロスである。ホムラが神龍の力に目覚めたばかりの頃は全く歯がたたなかったが、神龍器の加護を受けた今であればどうであろうか。
「蒼い炎!白銀の爪!いっけー!」
右手から炎を、左手から刃を飛ばすホムラ。
「私も行くよ!透明の鱗!白銀の爪!」
ホムラの白銀の爪をコピーし放つ!
「シャシャシャ......ロウドウロウドウロウドウロウドウロウドウロウドウロウドウロウドウロウドウロウドウロウドウロウドウロウドウロウドウロウドウロウドウロウドウシャア!!」
ダルセロスの身体はどんどん傷ついていき、動きも鈍って行く。
「このまま一気に畳み掛けよう!」
「うん!いっけー!おらあああああああ!」
ダルセロスに降り注ぐ、無数の刃と大きな炎の波!
「ロ......ウ......ド......ウ......シャ......」
ダルセロスは跪いた後フラつき、地面に倒れる。2キロメートル程あった身体もどんどん萎んでいく。
「やったぁ、やったよホムラ!」
「うん!神龍器の加護と二人の力で、あのダルセロスを倒す事が出 来た!!」
ハイタッチをする二人。
そこに小さな花が降ってくる。
「それだ!それが【一輪の赤い花】だ!」
神龍が突然声をあげる。
「ああ!びっくりしたぁ!」
「すまないな。だが、この神龍器の加護を受ければ力はほぼ完全なものとなるのだ。最後の【真実の鍵】は、お前の金色の瞳の本当の力を引き出す為だけのものだからな。それ以外の力は全てこの花の加護で得られる。」
「なるほど。」
「あと、もう一つ言っとかなければならない事がある。」
「なに?」
「なんとなく気づいているとは思うが、神龍器の加護を受ければ受けるほど、私たちの声がお前たちに届かなくなっているのだ。きっとこの神龍器の加護を受けた頃には、声は届かなくなっているだろう。」
「うん、やっぱりそう言う事なんだよね。僕たちの中の神龍と白龍は、神龍器のありかを教える為に先祖が残したメッセージみたいなものなんでしょ?」
「そういう事だ。」
「うん......今までありがとうね、神龍!」
「ああ、では後は任せたぞ、龍の血の戦士たちよ!」
ホムラはこの会話の内容をトウカにも伝えた。トウカは龍の声がどんどん聞こえなくなっていく理由をすでに白龍から聞いていたらしい。
「ハク、楽しかったよ!後は任せて!」
「ええ、私も楽しかった。それではご機嫌よう。」
トウカも白龍に別れを告げる。
「それじゃあ、始めよっか。」
儀式を始める二人、一輪の赤い花に祈りを捧げる。
その儀式の最中にビビアンが合流する。
「お、やってるやってるー♪」
静かに後ろで見守る。
2時間30分で加護の儀式が完了する。
「すごい......今までとは比べものにならないくらいの恩恵を感じる。まるで、自分自身が神龍になったかのようだよ。」
「今までハクに聞かなきゃわからなかった新しい力の使い方も、直感的に分かる。すごいよ!これ!」
加護の力に感動する二人。
「うわ!物凄い圧を感じる。近くにいるだけで、ウチが消えてしまいそうになるよ。」
近くにいたビビアンがそう話す。
「これならきっと、残りの邪神たちにも勝てるよ!」
トウカがウキウキしながら話す。
「うん!それじゃあ、最後の神龍器目指してがんばるぞ!」
最強の二人