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神龍の血を持つ少年ホムラ  作者: えのしぃ
第3章 白龍の血を持つ少女
12/23

第12話 不気味な宿屋の中で

オイデオイデ......

 神龍の聖地ビワコスクランブルの南には、飲食店、酒場、宿屋などが多く建ち並ぶ街がある。ホムラ達はこの街で次の戦いに備え、休息をとることにした。


 朝からこの街にやって来て桃色硬貨の邪神を倒し、昼間に神龍器の儀式を行いトウカと出会う。その直後に再び戦闘、そして二度目の儀式。半日の間に沢山の事があった。


 夕日が沈んで行く中、ホムラとトウカは街の中で食事と宿泊が出来る建物を探す。

「ここにしよっか!」

 【CF旅館】と書いてある看板が入口に置いてある3階建ての旅館へと、二人は入って言った。

 建物の中は、電気はついているが人気ひとけが無い。

「すいませーん、誰かー!」

 ホムラが呼びかけると、奥から声が聞こえてくる。

「オイデ......オイデ......」

 謎の声に導かれ歩いていく二人。

「ちょっと不気味だねぇ、本当にここに泊まるの?」

 トウカが辺りを見渡しながら聞く。

「ここの宿泊費が、まあまあ安いって聞いたからさ、ここを選んだんだけど。」

「え!?そんな理由!?世界を救うための冒険してるんだから、お金くらいは出し惜しみしないでどんどん使ってこうよー。」


「オイデ......オイデ......」

 上の階に声の主がいるようだ、警戒しつつゆっくりと階段を登って行く。のぼるたびにギシギシと音がなる。

「ねぇーもう帰ろうよ、他の宿探そ?」

「大丈夫だよトウカ。ここに泊まろう。」

「なんで平然とした顔でそんなこと言えるの!?」


 声の元へと辿りついた。

 そこにいたのは大きなクリに煙突が生えたような見た目をした化け物だった。

「な、な、何コイツー!」

 その姿を見てトウカが声をあげると、化け物がこちら側を向いて話し出す。

「ソンナニ......オドロクコトハナイデショ......オラハ......ロードンジュウシチバシラジュウサンバン......キョウリョクノキジャシン......クリホーダインダヨ。」

「邪神か!」

 ホムラとトウカが戦闘態勢に入る。

「マッテ......ココデキミタチトタタカウツモリハナイ......ヨウスミト......ヒトツケイコクヲシニキタダケサ......」

「警告だって?」

「アアソウサ......アシタ......ハシラノヒトケタバンダイノハンブンガフッカツスル......ノコリノハシラタチノフッカツモチカイ......クンシュロードンサマモ......アトイッシュウカンモアレバフッカツスルダロウ......ヤスンデルバアイジャナイネ......」

 そう言って、クリホーダインは霧になって消えていった。


「嘘だろ......早すぎるってば!明日には一桁番の邪神の半分が復活するだって!?」

 クリホーダインの話を聞いて焦るホムラ。

「大丈夫だって、私達だってもう二つの神龍器を加護を受けたんだよ!このペースで行けば、明日もう二つ、明後日には全部揃うじゃん!」

 トウカがホムラの背中を軽く叩き、話す。それを聞いてホムラも少し安心したようだった。

「そうだね、そうだよね!問題無いよね!」

「明日邪神が沢山復活するとて、やる事は変わらない!今日はしっかり食べて寝る!起きたら元気に神龍器探しと邪神退治!」

「うん、トウカありがとう!」

 トウカが明るく振る舞う。ホムラもこれ以上心配させまいと元気を出して答える。


 二人は別の旅館に泊まり、食事と睡眠をとる。


「ふぁーあぁ......よく寝たぁ。」

 トウカが目をさまし、ベッドから起き上がる。

「おはよう、トウカ。」

「ふぁー、ホムラおはようー。」


 朝食を済ませ、次の神龍器がある地へと向かう準備をする二人。ホムラが神龍に目的地を問う。

「神龍、次は何処に向かえば良いんだ?」

「ハーブフォンの森。そこに第三の神龍器【原初げんしょ世界樹せかいじゅ】がある。」

「ありがとう神龍、次は世界樹から加護を貰うのか、良し!それじゃあ早速、黒い翼!」

「待って!」

 飛びたとうとするホムラにトウカが待ったをかける。

「私さぁ、その黒い翼とやらが使えないからさぁ......飛べないのよ。」

「あ、そっかぁ......」


 困り果てるホムラとトウカの中から白龍が声をかける。

「二人とも、手繋いで見てよ。」

「え、えぇ?なんでいきなり!」

 少し頬を赤くして、照れながら話すホムラ。

「いやー、私白龍の使える力の中でね、触れている生き物が使っている能力をコピーする【透明の鱗】って言うのがあるんだけど、トウカがそれを使えるようになっていれば、一緒に飛べるかなーって。」


 トウカが頷く。

「それじゃあ試してみよっか。ホムラ、手ぇ繋ご!」

「う、うん。」


 手を繋ぐとトウカの背中に、ホムラと同じ黒い翼が生えてきた。彼の翼より一回り小さいが、どうやら能力をコピー出来たようだ。

「すごーい!これで私も一緒に行けるね!」

「う、うん。そうだね。」

 真っ赤になった顔をトウカに見られないように、彼女とは反対側を向いて話すホムラ。

「それじゃあ、行こっか!黒い翼よ、ハーブフォンの森へと、羽ばたけ!」

 第三の神龍器の元へ、二人は羽ばたく!

次回、第2章開幕。

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