#07
#07
イルミネーションが街を煌びやかな空間に変える。改札を出て、修斗の家がある方の出口から出ると、ツンとした冷気とともに、キラキラとした世界が待ち構えていた。
「綺麗」
次の瞬間、冷たい風が吹き、思わずマフラーに首を埋める。私は、手に持ったレジ袋と箱を慎重に持ち直した。
結局、クリスマスはお家でゆっくりすることになった。
修斗のお願いだったホールケーキは、いろんなところのパンフレットを貰って、2人で選び抜いた。さっき受け取りしたときに、中身を見たけど、可愛いし美味しそう。
これから、修斗の家に向かって、クリスマスパーティーをする。
家を掃除するから待って!と言われた私は、先にケーキとチキンを受け取っておくことにした。
家に着いたらこの前買っといた、材料でスープとサラダを作る。好きなパンを買っておいてと頼んだら、通りの反対側にある、ここら辺ではちょっと有名なベーカリーでバタールを買ったらしい。私が以前通りかかったときに、食べみたいと言ったこと、ちゃんと覚えていてくれたみたい。
肌に刺さるような冷たさに凍えていると、スマホが震えた。
「もしもし」
『今どこー?』
「駅前から歩いてるよ」
『コンビニの近く?』
「うん」
『そしたら、寒いし、コンビニで待ってて!迎えに行く!』
プツンと切れた通話。このまま行った方が早いと思ったけど、とりあえず言った通りにコンビニで待っていた。
5分もしないうちに白い息を吐きながら、修斗が現れる。
「今日寒いね!!!」
「鼻真っ赤じゃん」
ほんと?って言いながら、自分の鼻を触る修斗。
「お家、あったかくしておいたから早く帰ろ」
「うん」
ちょっと持っててって言って、持っていた荷物を預ける。コンビニで好きなミルクティのホットを買った。
「これあげる!」
「え、なんで」
「お迎え来てくれたから」
帰ろうと手を繋いで歩く帰り道。
繋いだ左手が絡め取られて、ポケットに入れられると、さっき買ったミルクティがあった。
「これなら一緒にあったまれるでしょ?」
そう言って得意げに笑った。
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