表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
時計と指輪  作者: 憂花
17/17

#17


「神田さーん」




「はーい!」




大きくも小さくもない不動産の隅っこで営業を始めて、早2年。

それなりに頑張って、自分のテリトリーを築いたし、なかなか居心地も良くなった。




「明日、合コンどう???」



「うーん、、、」



「お願い!来てよぅ!

大学時代の男友達に雪乃見せたら、紹介してって言われたんだもの!」



「それ聞いたら余計行きたくないなぁ?」



「じゃあ、奢りで!

でも、たぶんそもそも払う必要無さそうだけど」



「お相手はどこなの?」



「実は…四菱なの!」





ドキッとした、和泉がいるのではないかと期待した。




「ねぇ、誰が来るかって名前聞いてる?」



「え?まぁ、名前だけは」



「和泉って人いる?」



「うーんと…あ、いるよ、和泉陵くん」




久しぶりに聞く名前に、脈が不規則になる。


まさかとは思ったけど本当にいるとは…




「ごめん、それ行けない」



「なんで?」



「予定あったの思い出しちゃった、その日」




その時だった、



和泉≫来いよ


和泉≫誘われてるだろ?合コン




何年振りかに来た連絡に驚くしか無くて。

思わず周りを見渡したけど、さすがにその姿はなかった。


それにしても、こいつはエスパーか?



和泉≫話したいことあるから




「…ごめん、やっぱ行く」



「え?」



「…えっと、、、日付勘違いしてたみたい!たまには行こうかな!」



「無理してない?大丈夫?」



「大丈夫!大丈夫!」



震える手でLINEを開く。

『わかった』と返信するだけなのに、何度も何度も読み返した。




_和泉に、会う。



送信ボタンを押す手が震える。



_ちゃんと向き合うために。




深呼吸をして、親指を動かす。

画面から指が離れた瞬間、私のコメントに既読が付いた。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] もう引退されちゃったんですかね??( ´ . _. `) 思い出した時でいいので気が向いたら書いて頂けたら嬉しいです(੭˙꒳˙)੭
[一言] 更新待ってました☺ あまり無理せずにでいいのでゆっくり更新してください(*´ω`*) 次も楽しみにお待ちしております( ゜д゜)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ