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白紙の恋文  作者: 千比絽
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3通目

旦那様、突然ですが私の保険証は何処にありますか?

連日の雨で風邪を引いてしまったらしく、病院へ行きたいのですが私は一応結婚しておりますので、新しい保険証が欲しいのですが、家の中にはありませんでした。


まあ無理だろうなとは思っていたのですが案の定電話もメールも無視されてしまったので仕方なく薬局へ薬を買いにいきましたよ。


なんと!まさかその薬局で旦那様にお会いするとは思ってもおりませんでした。


しかもお連れの女性の可愛いこと。

もしや旦那様、本命の女性でしょうか?でしたら是非ともご紹介いただきたい。


私も可愛らしい女性とお友だちになりとうございます。

此方に越してくる際の条件であったため携帯電話は処分してしまったので連絡する友がおらず退屈なのです。


なんて強がってはみましたが、実際目にするとなんとも虚しいものですね。


帰ってくることのない夫のために毎日掃除、洗濯、料理をして。

何の音もしない部屋にいつもひとりぼっち。


風邪を引いても病院にも行けず、友達と連絡を取ることが許されず。


あげく、体調不良のなか出てきた外出先で夫が他の女性に微笑んでキスしているシーンを見せ付けられる。


旦那様、今私と目が合いましたよね。

私がここにいるって認識しているはずなのにそれですか?


私は何のために生きているのでしょうか。

貴方に愛して欲しいなんて最初から思ってはおりませんでした。

それでも夫婦としてやっていくのだから、友達くらいにはなれるかなと、期待した私がバカでしたね。


貴方が本当に欲しいものがなんなのか。

実は私知っているんです。


だから、貴方がこの部屋に来て一言私に言ってくれたなら...

それで終わったのに。


わざわざ、他の女と居るところを見せなくったって。


あぁ、だめだ。

こんな恨み言言ってはいけない。

でもこの手紙は書き直さないと自分に決めたのです。

思ったことを素直に貴方に伝えたいから。


でも、それさえも無駄になるのなら...


いや、きっと体調が悪いからこんな思考になってしまうのです。

今日はもう寝ることに致します。おやすみなさい、旦那様。

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