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ブラッド・チルドレン  作者: フミナベ
6/12

戦闘後

【ブラッド・チルドレン】9番隊の隊長【ゴーレム・マスター】のゴンサレスと【白き死神の白夜叉】のエルクの戦いが始まる。

【ライティア(こく)・ライティア学院(がくいん)・グランド】


「それにしても、(なん)とか無事(ぶじ)()わったわね。エルク」

アリスは、能力(ちから)召喚(しょうかん)したレイピアを解除(かいじょ)して、足元(あしもと)(たお)れているエルクに(はな)()けた。


「アリス、それって(おれ)のこと?それとも、ゴンザレスのこと?」


「ゴンザレスに()まっているでしょう。それより、ゴンザレスに宿(やど)っていた聖霊(せいれい)ノームは、今度(こんど)(だれ)宿(やど)ったのかが()になるわね」

アリスの()(とお)り、聖霊(せいれい)(うつわ)がなくなると(つぎ)適合者(てきごうしゃ)(もと)めて転移(てんい)するのだ。


「ハハハ、(たし)かに()になるな。ん!?これは…」

苦笑(にがわ)いを()かべるエルクは、アリスを見上(みあ)げた瞬間(しゅんかん)(けわ)しい表情(ひょうじょう)になった。


「どうしたの?エルク。そんなに(けわ)しい表情(ひょうじょう)をして。まさか、ゴンザレス以外(いがい)にも(ちか)くに【ブラッド・チルドレン】がまだ()るの?それとも、アスカ(さま)(もど)ってきたの?」


「いや、それよりも、もっと深刻(しんこく)問題(もんだい)だ」


「え!?それ以上(いじょう)問題(もんだい)って(なに)!?ま、まさか、【ブラッド・チルドレン】の総隊長(そうたいちょう)か2番隊(ばんたい)隊長(たいちょう)、3番隊(ばんたい)隊長(たいちょう)()たの?」


「いや、もっと深刻(しんこく)事態(じたい)判明(はんめい)したんだ、アリス」

深刻(しんこく)表情(ひょうじょう)()かべるエルク。


「だから、(なん)なのよ?」

アリスは、緊張(きんちょう)した面持(おもも)ちで固唾(かたず)()む。


「アリス、ピンクの下着(パンツ)可愛(かわい)いけど、校則違反(こうそくいはん)だぞ!」

エルクは真面目(まじめ)(かお)で、アリスのスカートの(なか)()ながら忠告(ちゅうこく)する。


「ほぇ?きゃっ!」

予想外(よそうがい)なエルクの(こた)えに理解(りかい)ができずにいたアリスは、(すこ)(おく)れてエルクの言葉(ことば)意味(いみ)理解(りかい)した瞬間(しゅんかん)瞬間湯沸(しゅんかんゆわか)()(よう)一瞬(いっしゅん)(かお)()()()めて(あわ)てて両手(りょうて)でスカートを()さえた。


「けしからん、けしからんな、アリス。(きみ)は、この(くに)のお姫様(ひめさま)というのに校則違反(こうそくいはん)するのは(いただ)けないな。(おれ)個人的(こじんてき)(よく)()えば、校則違反(こうそくいはん)するなら大事(だいじ)なところが()えそうで()えないパンツ。そう!勝負(しょうぶ)パンツ!しかも、(くろ)!まさに、世界中(せかいじゅう)(おとこ)全員(ぜんいん)理想(りそう)としているパンツがオススメだ!どうだろう?アリス。この()に、アリスも(くろ)勝負(しょうぶ)パンツを()いてみないか?」

エルクは、上半身(じょうはんしん)()こして(あご)()()てて何度(なんど)(うなず)きながら力説(りきせつ)する。


「……。」

アリスは無言(むごん)(うつむ)いたまま、能力(のうりょく)でレイピアを召喚(しょうかん)し、ゆっくりとエルクの(まえ)()()り、そして、()きを(はな)った。


アリスが(はな)ったレイピアがエルクの(ほお)(かす)めた。


「えっ!?あ、あのアリスさん、いえ、アリス(さま)。これは…」


「フフフ…。ねぇ?エルク」


「な、(なん)でしょうか?」


(てき)は、全力(ぜんりょく)(たお)さないといけないわよね?」

アリスは、殺気(さっき)(はな)ちながらニッコリと微笑(ほほえ)む。


「は、はい…」

(このままでは…)

地面(じめん)(すわ)っているエルクは、たじろぎながらお(しり)(こす)(うし)ろに()がっていく。


(とく)(おんな)(てき)確実(かくじつ)(ころ)して(いき)()()めないといけないと(おも)うよね?どう(おも)う?エルク」


「あの、アリス(さま)、このままだと本当(ほんとう)冗談抜(じょうだんぬ)きで(おれ)()んでしまいますけど…」

エルクは(かお)(あお)ざめ、激怒(げきど)しているアリスはレイピアを(にぎ)っている右手(みぎて)()いて(ふたた)()きを(はな)とうする。



そこに、学院長(がくいんちょう)であるランドールや教師(きょうし)のサリサとヤザンが()けつけた。


大丈夫(だいじょうぶ)ですか?アリス(さま)、エルク(くん)

ランドールは、心配(しんぱい)した面持(おもも)ちでアリスとエルクを()る。


(わたし)大丈夫(だいじょうぶ)です。ですが、エルクが怪我(けが)をしていますので治療(ちりょう)をお(ねが)いします」

ランドール(たち)によって冷静(れいせい)()(もど)したアリスは、能力(のうりょく)を解除してレイピアは(ひかり)粒子(りゅうし)()わり()え、エルクの治療(ちりょう)依頼(いらい)した。


(たす)かった…。ところで、アリス。(おれ)平気(へいき)だから」


駄目(だめ)よ!エルク。あなたの右腕(みぎうで)()れているかもしれないのよ!治療(ちりょう)しないといけないわ!」

アリスは、心配(しんぱい)した面持(おもも)ちでエルクの左手(ひだりて)(つか)む。


「わかったよ」

(いま)にも()きそうなアリスの表情(ひょうじょう)()たエルクは、(あたま)()きながらため(いき)して渋々(しぶしぶ)と了承(りょうしょう)した。


「さぁ、エルク(くん)(わたし)一緒(いっしょ)()頂戴(ちょうだい)

「はぁ、わかったよ。サリサ先生(せんせい)

サリサとエルクは、保健(ほけん)教師(きょうし)()(もら)うために()いに()った。



アリス(たち)(ところ)生徒達(せいとたち)教師達(きょうしたち)(あつ)まる。


ゴンザレスから(はな)れて【ブラッド・チルドレン】と(たたか)っていた教師達(きょうしたち)教師達(きょうしたち)によって土壁(つちかべ)(おお)われて()(まも)って(もら)った生徒達(せいとたち)は、アリスがゴンザレスを(たお)したと(おも)っており興奮(こうふん)していた。


「アリス(さま)流石(さすが)です!あの【ブラッド・チルドレン】の9番隊(ばんたい)隊長(たいちょう)の【ゴーレム・マスター】を(たお)すとは!なぁ、アルダ」

アリス(たち)(おな)じクラスメイトのイルダは興奮(こうふん)し、双子(ふたご)(あに)であるアルダの(かた)(たた)く。


「そうだな!」

口元(くちもと)(ゆる)めて(うなず)くアルダ。


「それは(ちが)うわ。とどめを()したのはアスカ(さま)よ。()たらわかるとは(おも)うけどゴンザレスは跡形(あとかた)もなく()()きたわ。ほら、その証拠(しょうこ)に、あれを()て」

(あたま)左右(さゆう)()りながら否定(ひてい)したアリスは、(はな)れた場所(ばしょ)(ゆび)()した。


生徒達(せいとたち)教師達(きょうしたち)は、アリスが(ゆび)()した場所(ばしょ)視線(しせん)()けると、その場所(ばしょ)は、アスカのアポロンによってゴンザレスが跡形(あとかた)もなく()()くされて消滅(しょうめつ)しており、大地(だいち)(いま)赤黒(あかぐろ)(ねつ)(おびて)びていた。


(すご)い…。大地(だいち)が、こんなにも(おお)きく(ふか)(えぐ)れて、マグマの(よう)()けているなんて…」

(みんな)呆然(ぼうぜん)としている(なか)、アリスと(おな)じクラスメイトのララが(つぶや)く。


「これは、本当(ほんとう)俺達(おれたち)(おな)人間(にんげん)がしたのか…?まるで巨大(きょだい)なビーム兵器(へいき)攻撃(こうげき)した(よう)(あと)だぞ。これはもう、まるで(かみ)のみわざじゃないか」

アルダは、(しん)じられない表情(ひょうじょう)()かべて(つぶや)いた。


流石(さすが)数少(かずすく)ない聖剣(せいけん)(なか)でも四宝(しほう)()われ(あが)められている【炎帝(えんてい)のアスカ】(さま)だな」

教師(きょうし)のヤザンは、納得(なっとく)した(よう)(うなず)く。



「アリス(さま)!ご無事(ごぶじ)ですか?」

ライティア(こく)騎士団(きしだん)のリーダーであるベルと部下(ぶか)騎士団達(きしだんたち)()けつける。


「ベル、(おそ)いわよ。(わたし)大丈夫(だいじょうぶ)だけど、エルクが怪我(けが)をしたわ。でも大丈夫(だいじょうぶ)(いのち)には別状(べつじょう)ないから」


(もう)(わけ)ありません、アリス(さま)大臣(だいじん)のベネゼブラ(さま)からアリス(さま)のところにはエルク(くん)がいるから大丈夫(だいじょうぶ)だから、(さき)国民(こくみん)皆様(みなさま)避難誘導(ひなんゆうどう)優先(ゆうせん)にしろと()われましたので(おく)れました」

ベルは、片膝(かたひざ)地面(じめん)について深々(ふかぶか)と(あたま)()げた。


事情(じじょう)はわかったわ。だから、()にしないで()いわよベル。それに、ベネゼブラの()うことも一理(いちり)あるわ。それよりも、怪我(けが)をしている先生(せんせい)生徒達(せいとたち)治療(ちりょう)手伝(てつだ)って()しいの。それと、お父様(とうさま)国民(こくみん)無事(ぶじ)()わったことを()らせて」


(かしこ)まりました」

アリスの指示(しじ)で、早速(さっそく)ベル(たち)行動(こうどう)(うつ)った。



それから、無事(ぶじ)戦闘(せんとう)()わったことが国中(くにじゅう)(ひろ)まっていき、次第(しだい)()()きを()(もど)していった。

普段通(ふだんどお)りに(もど)ったのは、夕日(ゆうひ)(のぼ)(ころ)だった。




【ライティア(こく)・ライティア(じょう)玉座(ぎょくざ)()


玉座(ぎょくざ)()には、国王(こくおう)のジニールと(きさき)のアリーナが豪華(ごうか)椅子(いす)腰掛(こしか)けており、その両隣(りょうどなり)騎士団(きしだん)のリーダーであるベルと大臣(だいじん)のベネゼブラが()ち、国王達(こくおうたち)(まえ)にはアリスが()ち、(となり)にはエルクが片膝(かたひざ)をついて敬礼(けいれい)していた。


防犯(ぼうはん)カメラを解析(かいせき)した(もの)から、エルク殿(どの)無理矢理(むりやり)アリス(さま)(くちびる)(うば)い、(みずか)らの封印(ふういん)解除(かいじょ)したとの報告(ほうこく)()けています。これは、死刑(しけい)(あたい)する(つみ)です!」

ベネゼブラは、(おお)きく(うで)()ってエルクを指差(ゆびさ)国王(こくおう)ジニールに進言(しんげん)する。


(なに)!?(くちびる)(うば)っただと!?」

ベネゼブラの(はなし)()いたジニールは、()(おお)きく(ひら)いて驚愕(きょうがく)する。


「なっ!?ちょっと、ベネゼブラ(なに)勝手(かって)解釈(かいしゃく)しているの!エルクは(わたし)(みんな)(まも)るために、仕方(しかた)なく…自身(じしん)封印(ふういん)解除(かいじょ)したのよ!それに、エルク。あなたも(なに)反論(はんろん)しなさいよ!このままだと、あなた懲罰(ちょうばつ)()けるわよ」

仕方(しかた)なくと言葉(ことば)にしたアリスは、途中(とちゅう)表情(ひょうじょう)(くら)くなったが(あたま)左右(さゆう)()気持(きも)ちを()()えて反論(はんろん)した。



「アリス、(かば)ってくれてありがとう。だけど、無理矢理(むりやり)アリスの(くちびる)(うば)ったのは事実(じしつ)だ。それが、どんな理由(りゆう)があっても(つみ)(つみ)だ」


「そんな、エルク…」

悲痛(ひつう)面持(おもも)ちなるアリス。


「エルクよ、(みずか)(みと)めるのだな?」

ジニールは、(するど)眼光(がんこう)でエルクを(たし)かめる(よう)()る。


「はい」

エルクは、()()らさずジニールの()()たままに()()いた態度(たいど)声音(こわね)肯定(こうてい)した。


「ちょっと、エルク!お()(くだ)さい、お父様(とうさま)(わたし)はエルクからキ、キスをされましたけど、(いや)じゃありません。む、むしろ…」

どうにかエルクを必死(ひっし)(かば)おうとしたアリスだったが、エルクからキスをされたシーンを(おも)()した瞬間湯沸(しゅんかんゆわか)()(よう)一瞬(いっしゅん)(かお)()()()まる。


「あらあら、まぁ…」

愛娘(まなすむめ)反応(はんのう)()(きさき)のアリーナは、口元(くちもと)()()てて(うれ)しそうに微笑(ほほえ)んでいた。


「そ、そんなことよりも、エルクのお(かげ)(わたし)だけでなく、学院(がくいん)(みんな)(たす)かりました」

(あわ)てながら(はな)すアリス。


姫様(ひめさま)、お言葉(ことぱ)ですが、【ゴーレム・マスター】のゴンザレスにとどめを()したのは、あなた(さま)(おな)聖剣(せいけん)である【炎帝(えんてい)のアスカ】(さま)だとお()きしております」


(たし)かにそうだけど、ゴンザレスを(よわ)らせたのはエルクなのよ」


姫様(ひめ)がエルク殿(どの)と交代せず、ゴンザレスと(たたか)った場合(ばあい)でもゴンサレスが(よわ)っていたと(おも)われます。なので、わざわざ(くちびる)(うば)必要(ひつよう)がなかったのは明白(めいはく)です。それに、姫様(ひめさま)()にしていらっしゃらない(よう)ですが、一国(いっこく)(ひめ)(くちびる)(うば)った(つみ)重罪(じゅうざい)です。このことが他国(たこく)()(わた)れば…」


「アリス(さま)もベネゼブラ(さま)一度落(いちどお)()いて(くだ)さい。状況(じょうきょう)から、エルク(くん)がアリス(さま)()(あん)じて、(みずか)らゴンサレスの相手(あいて)()()けたことの(ほう)可能性(かのうせい)(たか)いかと見受(みう)けられます。そのため、アリス(さま)(くちびる)無理矢理(むりやり)かどうかはわかりませんが(うば)ったのも事実(じじつ)重罪(じゅうざい)かもしれません。ですが、エルク(くん)のお(かげ)でアスカ(さま)()られるまでの時間(じかん)(かせ)いだのも事実(じしつ)だと(おも)います」

ベルは、二人(ふたり)(はなし)仲裁(ちゅうさい)(はい)った。


「くっ…」

ベネゼブラは、苦虫(にがむし)()(つぶ)した(よう)表情(ひょうじょう)()かべる。


「ふむ、そうだな。ベルの()うことは(もっと)もな()にかなった意見(いけん)だな」

ジニールは、(あご)()()てて(うなず)く。


「こ、国王様(こくおうさま)!ですが…」

(おお)きな(こえ)(あら)げるベネゼブラ。


「まぁ、()()けベネゼブラよ。ところで、(わたし)はお(まえ)に1つ(たし)かめたいことがあるのだが」


「な、(なん)でしょうか?国王様(こくおうさま)


「ゴンサレスが(あらわ)れた(とき)、お(まえ)は、アリスの護衛(ごえい)()かおうとしたベル(たち)()()めて国民(こくみん)誘導(ゆうどう)優先(ゆうせん)する(よう)指示(しじ)()したそうではないか?」


「は、はい。ですが、(わたし)第一(だいいち)国民(こくみん)安全(あんぜん)考慮(こうりょ)してのことで、あの(とき)(わたし)指示(しじ)行動(こうどう)(なに)間違(まちが)ってはいないはずです」


「うむ、(たし)かに、お(まえ)判断(はんだん)間違(まちが)ってはおらぬが、しかし、()っているとも()えぬ。なぜならば、ゴンサレスとその部下全員(ぶかぜんいん)はアリス(たち)がいるライティア学院(がくいん)()かっていることに、お(まえ)気付(きづ)いていたはすだ。ならば何故(なぜ)、ベル達全員(たちぜんいん)国民(こくみん)誘導(ゆうどう)する(よう)にと指示(しじ)()したのだ?普通(ふつう)(だれ)しもその状況(じょうきょう)(おちい)った場合(ばあい)半分(はんぶん)半分以上(はんぶんいじょう)戦力(せんりょく)をアリス(たち)(ところ)(まわ)すはずだ。ベネゼブラ、お(まえ)指示(しじ)は、わざと強制的(きょうせいてき)にエルクの封印(ふういん)解除(かいじょ)せざる()えない状況(じょうきょう)誘導(ゆうどう)している(よう)にしか()えないのは(わたし)だけか?」


「そ、それは…」


「まぁ、(こた)えづらいのならば()い。日頃(ひごろ)、お(まえ)やエルクには世話(せわ)になっているからな。そもそも、今回(こんかい)(けん)は、お前達(まえたち)双方(そうほう)(つみ)()わぬつもりだ。それで、()いな?ベネゼブラ」


「くっ、国王様(こくおうさま)(おっしゃ)るならば、わかりました。(わたし)は、まだ仕事(しごと)(のこ)っておりますので、お(さき)失礼(しつれい)させて(いただ)きます」

ベネゼブラは、ジニールに(あたま)()げる。


「わかった、()かろう」

ジニールの了承(りょうしょう)()たベネゼブラは、1()ジニールとアリーナに会釈(えしゃく)してゆっくりと(ある)く。


貴様(きさま)だけは、絶対(ぜったい)(ゆる)さんぞ」

ベネゼブラは、エルクの真横(まよこ)(とお)りすれ(ちが)(さい)殺気(さっき)(はな)ちながら小声(こごえ)()った。


「ベネゼブラ、あなたね…。えっ?エルク」

ベネゼブラの(こえ)()こえたアリスは、()()めようとしたが、エルクから()()()られて()(かえ)る。


「……。」

エルクは、無表情(むひょうじょう)無言(むごん)のままだった。


「フン。そもそも、ここに下民(げみん)()()居場所(ばしょ)じゃない。()をわきまえろ」


「ベネゼブラ!」

ベネゼブラの()台詞(ぜりふ)()いたアリスは、激怒(げきど)して(こえ)(あら)げるが、ベネゼブラはそのまま部屋(へや)から退出(たいしゅつ)した。


「はぁ~、そういうことだ。これで、(はなし)()わりだ。アリス、エルク、お前達(まえたち)(もど)って()いぞ」


「はい、わかりました。お父様(とうさま)

「では、失礼(しつれい)します」

「エルクよ。此度(こたび)(けん)愛娘(まなむすめ)(たす)けてくれて(こころ)から感謝(かんしゃ)する」

アリスとエルクは、部屋(へや)から退出(たいしゅつ)しようとした(さい)、ジニールから(はな)()けられたのでアリスとエルクは()()くとジニールとアリーナは()()がって(あたま)()げていた。


「お二人共(ふたり)(あたま)()げて(くだ)さい。(おれ)契約(けいやく)…いや、約束(やくそく)(まも)っただけですので、()にしないで(くだ)さい」


「これからもアリスを(たの)むぞ、エルク」


「はい、この(いのち)()けてでもお(まも)りします」


「エルク(くん)だからこそ、安心(あんしん)して(まか)せられるわ」


「お、お父様(とうさま)、お母様(かあさま)、それにエルクも心配(しんぱい)()ぎです。(わたし)聖剣(せいけん)地位(ちい)(あた)えられているのですよ。自分(じぶん)()自分(じぶん)(まも)れます!」

エルク(たち)会話(かいわ)()いたアリスは、(かお)()っ赤かに()めて反論(はんろん)したが、エルクの返事(へんじ)(あたま)から(はな)れず、アリスは口元(くちもと)()みを()かべていた。


「フッ、そうだったな。だが、エルク、これからもアリスを…」



「は、(はや)()くわよ!エルク。今日(きょう)宿題(しゅくだい)()ていたでしょう。一緒(いっしょ)にするわよ」

アリスは、この()から()げる(よう)にエルクの()()って退出(たいしゅつ)した。


「「フフフ…」」

そんな二人(ふたり)をジニールとアリーナは、()みを()かべて(あたた)かく見守(みまも)(よう)見送(みおく)った。

もし宜しければ、次回もご覧下さい。

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