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ブラッド・チルドレン  作者: フミナベ
3/12

謎の男と奇襲

ライティア学園の生徒で上級貴族であるバルサ、バスラ、ヤラダの3人は、下民のエルクを毛嫌いしていた。


授業で自分自身の能力で武器を召喚することを学んだ3人は、エルクを挑発して試し切りをしようと、エルクを連れて裏の山にウララ山に移動した。


だが、3人はエルクに返り討ちに合い、学園から追放されることになった。

【ライティア(こく)・バーミュル()来客室(らいきゃくしつ)夕方(ゆうがた)


バーミュル()は、ライティア国内(こくない)三本指(さんぼんゆび)(はい)るほどの資産家(しさんか)であったが、(くろ)(うわさ)(おお)かった。


ライティア学院(がくいん)から追放(ついほう)されたバルサ、バスラ、ヤラダの3(にん)上級貴族(じょうきゅうきぞく)親達(おやたち)来客室(らいきゃくしつ)(あつ)まっていた。


来客室(らいきゃくしつ)中央(ちゅうおう)天井(てんじょう)には様々(さまざま)な宝石(ほうせき)(かがや)いている(おお)きなシャンデリアがあり、その真下(ました)(おお)きな(まる)テーブルとその(まわ)りに椅子(いす)一定間隔(いっていかんかく)(なら)()かれており、その椅子(いす)に3(にん)(おや)(すわ)っていた。



「なぜ、私達(わたしたち)子供達(こどもたち)学院(がくいん)から追放(ついほう)されねばならないんだ!追放(ついほう)されるべきは下民(げみん)(ほう)だろ!そもそも、名高(なだか)いライティア学院(がくいん)下民(げみん)がいる時点(じてん)可笑(おか)しいだろ?」

バルサの(ちち)であるラガイル・バーミュルは、激怒(げきど)しながら右拳(みぎこぶし)()()ろして(つよ)(つくえ)(たた)いた。


「そうだ!今回(こんかい)(けん)のせいで、私達(わたしたち)人殺(ひとごろ)一族(いちぞく)()われ迫害(はくがい)され、由緒正(ゆいしょただ)しい名家(めいけ)()(きず)(はい)った。いや、それどころか(きゃく)足取(あしど)りは()り、(さら)には雇用(こよう)してやっている者達(ものたち)がボイコットを()こし、多大(ただい)被害(ひがい)()けている。このまだと、経営(けいえい)破綻(はたん)(つぶ)れるかもしれん」

バーミュル()には(およ)ばないが、(おな)じく上級貴族(じょうきゅうきぞく)権力(けんりょく)(たか)いバスラの(ちち)であるナイサルも激怒(げきど)しながらギリッと()()()りながら右手(みぎて)(まえ)()して、(なに)かを(にぎ)(つぶ)すかの(よう)(つよ)(こぶし)(にぎ)()める。



(とく)にラガイルとナイサルは、パワハラ、セクハラ、過剰(かじょう)労働勤務(ろうどうきんむ)強制(きょうせい)させているなどの(くろ)(うわさ)(おお)く、実際(じっさい)はその(とお)りだった。


しかし、(いま)まで権力(けんりょく)(おど)して内部告発(ないぶこくはつ)(おさ)()んでいたが、今回(こんかい)(けん)がきっかけで内部告発(ないぶこくはつ)されて(すべ)てが(おおやけ)となった。

そのため、暴動(ぼうどう)などが()こり、もう収集(しゅうしゅう)がつかないほど大変(たいへん)事態(じたい)になっていた。


「たかだか下民(げみん)によって、私達(わたしたち)はこの(くに)()みづらくなってしまった。絶対(ぜったい)(ゆる)さん!(かなら)ず、(ころ)してやる!()きていることを後悔(こうかい)させてやる!」

「ああ、(わたし)全力(ぜんりょく)加勢(かせい)するぞ」

ラガイルに賛同(さんどう)するナイサル。


二人共(ふたりとも)気持(きも)ちはわかるが、まずは()()け。一番(いちばん)問題(もんだい)は、その下民(げみん)はアリス(さま)直属(ちょくぞく)のボディーガードということだ。下手(へた)手出(てだ)しはできんぞ」

二人(ふたり)()()かせるヤラダの(ちち)であるマラガは、ラガイルやナイサルと(おな)上級貴族(じょうきゅうきぞく)であり、二人(ふたり)とまではなかったが被害(ひがい)はあっていた。



「そんなことは、(ひゃく)承知(しょうち)(うえ)だ!それでも、あの下民(げみん)(ころ)さないと、(わたし)(はら)(むし)(おさ)まらん!それに、どのみち私達(わたしたち)はこの(くに)にはいられないのだ」

「ラガイル殿(どの)()(とお)りだ」

ラガイルに肯定(こうてい)するナイサル。


その(とき)(そと)()(ぐち)()たせている警備員(けいびいん)悲鳴(ひめい)()こえた。

「ぐぁ」

「がはっ」


そして、ゆっくりとドアが(ひら)き、(ひら)くと(とも)(きし)みの(おと)(ひび)く。


「「何者(なにもの)だ!?」」

ラガイル達は、能力(のうりょく)(けん)召喚(しょうかん)して強張(こわば)った表情(ひょうじょう)でドアの(ほう)視線(しせん)()ける。


「フフフ…。(はなし)()かせて(もら)ったぞ」

ドアは(ひら)き、そのドアに()()かるように()っているローブ姿(すがた)(おとこ)がいた。


(おとこ)はフードを(ふか)(かぶ)っており、口元(くちもと)しか()えなかったが、(おとこ)口元(くちもと)不敵(ふてき)(わら)っていた。



「ちっ、(はなし)()かれたからには(いた)(かた)ない。始末(しまつ)するしかないな」

ラガイルは、殺気(さっき)(はな)ちながら(けん)(おとこ)()ける。


()ちな!(わたし)は、お前達(まえたち)力添(ちからぞ)えしにきただけだ」

ローブを()(おとこ)は、右手(みぎて)(まえ)()して()めた。


力添(ちからぞ)えだと!?」

ラガイルは怪訝(けげん)表情(ひょうじょう)のまま警戒(けいかい)(つよ)め、ナイサルとマラガは戸惑(とまど)う。


「そうだ、(わたし)以前(いぜん)からあの下民(げみん)のことが()()らなかったのだ。しかし、あの下民(げみん)()()せば同時(どうじ)に、この(くに)相手(あいて)にすることになりかねん。(くに)(うご)かないとしてもアリス(さま)一人(ひとり)でも(うご)くだろう。そうなれば、結局(けっきょく)、アリス(さま)(まも)るために(くに)(うご)くことになる」


「そんなことは承知(しょうち)(うえ)だ。まさか、わざわざそんなことを()いに()たのか?」


「そうではない、()()け。さっきも()ったが、(わたし)はお前達(まえたち)力添(ちからぞ)えをしに()たんだ。(わたし)提案(ていあん)がある」


提案(ていあん)だと?」


「そうだ、この(さい)一層(いっそう)のこと下民(げみん)復讐(ふくしゅう)するだけではなく、この(くに)()()ったらどうだと()いているんだ」


「はぁ?(なに)()っているんだ。それこそ、馬鹿(ばか)げているぞ。アリス(さま)はだ(おさな)いが、数少(かずすく)ない【聖剣(せいけん)】なのだぞ!お(まえ)、【聖剣(せいけん)】の称号(しょうごう)(あた)えられている意味(いみ)()っているのか?【聖剣(せいけん)】の称号(しょうごう)(あた)えられている(もの)は、(ほか)者達(ものたち)(ちが)い、聖霊(せいれい)加護(かご)ではなく、精霊(せいれい)そのものを宿(やど)している(もの)だ。そして、その実力(じつりょく)一人(ひとり)(くに)制圧(せいあつ)できるほどの(ちから)保有(ほゆう)しているのだぞ。下民(げみん)始末(しまつ)するのは可能(かのう)だが、(くに)()()るのは無理(むり)だ」


勿論(もちろん)()っている。じゃあ、どうしたらアリス(さま)(たお)せると(おも)うか?」


「それは…。ま、まさか、(おな)じ【聖剣(せいけん)】をけしかけるのか?だが、無理(むり)だ。(ちか)くの隣国(りんこく)にいる【聖剣(せいけん)】は、アリス(さま)(なか)()いと()いたぞ。けしかけるのは無理(むり)だ」


「もう(すこ)冷静(れいせい)になって(かんが)えてみろ。精霊(せいれい)宿(やど)しているのは、本当(ほんとう)に【聖剣(せいけん)】だけではない」


「ん?(ほか)に、そんな(やつ)がこの()存在(そんざい)するのか?」

ラガイルは、(あたま)(かし)げて(たず)ねる。


「まさか、【ブラッド・チルドレン】か!?」

ナイサルは、フッと(あたま)()かんだことを(くち)にした。


「ちょっと()ってくれ!【ブラッド・チルドレン】と()えば、反乱軍(はんらんぐん)レジスタンスの()()である子供達(こどもたち)のことだろ?精霊(せいれい)宿(やど)しているとは、(うわさ)すら()いたことがないぞ」


「それは、そうだろう。前線(ぜんせん)一度(いちど)()たことのないお前達(まえたち)には、わかるはずがない。【ブラッド・チルドレン】の隊長達(たいちょうたち)能力(ちから)異常(いじょう)なまでに(つよ)く、血塗(ちまみ)れになっても(たたか)(つづ)け、我々(われわれ)、帝国軍(ていこくぐん)数多(あまた)犠牲(ぎせい)をもたらした。我々(われわれ)、帝国軍(ていこくぐん)は、(おおやけ)には公表(こうひょう)はしていないが、【ブラッド・チルドレン】の各隊長達(かくたいちょうたち)は、我々(われわれ)、帝国(ていこく)の【聖剣(せいけん)(たち)(おな)じく、その()精霊(せいれい)宿(やど)している可能性(かのうせい)(たか)いと(にら)んでいた。そして、(わたし)戦争終結後(せんとうしゅうけつご)、【ブラッド・チルドレン】と(つな)がりができ、各隊長達(かくたいちょうたち)精霊(せいれい)宿(やど)しているのは間違(まちが)いないと()ることができた。その【ブラッド・チルドレン】の隊長(たいちょう)(なか)で、(つち)精霊(せいれい)ノームを宿(やど)している9番隊長(ばんたいちょう)()っている。(いま)も、その部隊(ぶたい)健全(けんぜん)だ。しかも、(うれ)しいことに彼等(かれら)(くに)権力(けんりょく)には(まった)興味(きょうみ)がなく、お(かね)しか興味(きょうみ)がない。だが、(わたし)個人(こじん)資産(しさん)では(やと)資金(しきん)()らない」


「なるほど。そこで、我々(われわれ)がその資金(しきん)(まか)えれば()いのだな?」

ラガイルは、(あご)()()てて(うなず)く。


「そういうことだ。理解(りかい)(はや)いで(たす)かる。で、どうする?」


「「……。」」


「わかった。資金(しきん)(わたし)準備(じゅんび)をして()そう。その()わり、(わたし)(みずか)らがその子供達(こどもたち)直接(ちょくせつ)()って交渉(こうしょう)させて(もら)う。勿論(もちろん)資金(しきん)(わた)すのも(わたし)直接(ちょくせつ)支払(しはら)わせて(もら)うぞ」

ラガイルは提案(ていあん)()み、条件(じょうけん)()した。


「ああ、勿論(もちろん)だ。それは、お(まえ)当然(とうぜん)権利(けんり)だからな」

ローブの(おとこ)(すなず)いた。


「ナイサル殿(どの)、マラガ殿(どの)はどうする?(わたし)は、この(おとこ)提案(ていあん)賛同(さんどう)するが」

ラガイルは、二人(ふたり)(たず)ねる。


勿論(もちろん)(わたし)賛同(さんどう)する」

(わたし)は…」

ナイサルは(まよ)わずに賛同(さんどう)するが、マラガは()(よど)む。


「マラガ殿(どの)。お(まえ)は、まだ()(なお)せる可能性(かのうせい)があるから無理(むり)はするな。その()わり、このことは内密(ないみつ)(たの)む」


「いや、(わたし)二人(ふたり)について()くさ。(むかし)からのよしみだろ。今更(いまさら)、お前達(まえたち)見捨(みす)てることなど、できるはずがなかろう」


「マラガ…すまない」

感謝(かんしゃ)する」

ラガイルとナイサルは、マラガに(あたま)()げた。


()まったようだな。では、交渉成立(こうしょうせいりつ)()いのだな?」

ローブを()(おとこ)はラガイルに(あゆ)()り、悪魔(あくま)(よう)不気味(ぶきみ)()みを()かべながら()()()べる。


まるで、悪魔(あくま)との契約(けいやく)(よう)だった。


「~っ!ああ…」

1()躊躇(ためら)いそうになったラガイルだったがローブを()(おとこ)()()り、ナイサルとマラガも緊張(きんちょう)した面持(おもも)ちで(うなず)いた。




【ライティア(こく)・ライティア学院(がくいん)


バルサ、バスラ、ヤラダの三人(さんにん)がエルクを(おそ)った事件(じけん)から翌日(よくじつ)、バルサ(たち)三人(さんにん)退学(たいがく)になったことが学院中(がくいんじゅう)(とど)まるどころか国中(くにじゅう)(ひろ)まり、国中(くにじゅう)はざわついていた。


アリスのクラスも、アルダ、イルダ、ララやクラスメイトが(あつ)まって、その話題(わだい)()()がっていた。


「バルサとバスラとヤラダラの三人(さんにん)には(なに)かしらの(つみ)があるとは(おも)ったが、まさか、あの三人(さんにん)一斉(いっせい)退学(たいがく)になるとは予想外(よそうがい)だった。(とく)に、あの三人(さんにん)貴族(きぞく)(なか)でも上級貴族(じょうきゅうきぞく)だったからな」

アルダは、(あご)()()てて(はな)す。


「ああ、(おれ)本当(ほんとう)(おどろ)いたぜ。自宅謹慎(じたくきんし)停学(ていがく)処分(しょぶん)になると(おも)っていたからな」

(おとうと)のイルダも(うなず)いて賛同(さんどう)した。


「そうかしら?(わたし)は、今回(こんかい)処置(しょち)妥当(だとう)だと(おも)うわ。だって、エルク(くん)(ころ)そうとしたのだから当然(とうぜん)よ。それに、あまり()いたくないけど、これで、(すこ)しは学院(がくいん)(くに)平和(へいわ)になると(おも)うわ。正直(しょうじき)(わたし)はあの人達(ひとたち)のことは以前(いぜん)から(きら)いだったの。自分達(じぶんたち)上級貴族(じょうきゅうきぞく)だからって、いつも威張(いば)っていたし、他人(たにん)見下(みくだ)して嘲笑(あざわら)っていたから」

ララは、アルダとイルダとは意見(いけん)(ちが)った。


(おれ)もララと(おな)じだ。(とく)にバルサは、エルクに(たい)する(せっ)(かた)(ひど)いものがあったからな。だけど、まさか三人(さんにん)退学(たいがく)になると同時(どうじ)に、その親達(おやたち)悪事(あくじ)(おおやけ)になって経営(けいえい)破綻(はたん)するとか予想外(よそうがい)だった。(なん)だか(すこ)同情(どうじょう)するけど」

クラスメイトの男子(だんし)()(どく)そうな表情(ひょうじょう)になる。


「そう?(わたし)は、ララと(おな)じで自業自得(じごうじとく)だと(おも)うな。今回(こんかい)(けん)で、(すべ)てが(おおやけ)となって()かったと(おも)うわ。だって、これで(はたら)いていた(ひと)(たす)かるのだもの」

クラスメイト(たち)は、それぞれの意見(いけん)主張(しゅちょう)して()()う。



そんな(はなし)をしている(とき)、エルクとアリスがやって()た。


(みんな)、おはよう」

「おはよう」

「「おはようございます」」


「ん?どうしたんだ?そんなに(あつ)まって、(なに)(さわ)いでいるんだ?」

(あたま)(かし)げながら、エルクは(たず)ねる。


「バルサ(たち)退学(たいがく)になっただろ。しかも、それぞれの(おや)悪事(あくじ)(おおやけ)になって、(いま)暴動(ぼうどう)騒動(そうどう)()きているから、それで(はな)()っていたんだぜ」

イルダが説明(せつめい)した。


「ん?あのさ、アリス。ところで、バルサって(だれ)だっけ?」

(あたま)(かし)げるエルク。


「はぁ、ほら昨日(きのう)あなたを(おそ)った(ひと)よ」

アリスは、(あき)れてため(いき)をする。


「ああ、そういえば、そんな名前(なまえ)だったな。(おも)()したよ。というか、彼等(かれら)退学(たいがく)になったんだ。まぁ、どうでもいいけど」


「「え!?」」

エルクの言葉(ことば)(おどろ)くアルダ(たち)


「おい、エルク。お(まえ)本当(ほんとう)()らなかったのか?いや、その以前(いぜん)にバルサ(たち)名前(なまえ)すら(おぼ)えていなかったのか?」

イルダは、(おそ)(おそ)(たず)ねる。


「まぁ、興味(きょうみ)がないし。可愛(かわい)(おんな)()なら(かお)名前(なまえ)だけでなく、体型(たいけい)特徴(とくちょう)もバッチリ(おぼ)えるけど…」


「エ・ル・ク!」

笑顔(えがお)()かべて(はな)すエルクだったが、アリスからギロっと(にら)まれてたじろいだ。


「っというのは、冗談(じょうだん)だよアリス。アハハハ…。本気(ほんき)にしないでよ。で、でもさ、あのプライドが(たか)彼等(かれら)退学(たいがく)になったのなら、逆恨(さかうら)みで復讐(ふくしゅう)してきそうだけど」

エルクは、苦笑(にがわ)いを()かべながらはぐらかす。


「そうだな、バルサ(たち)がこのまま(だま)っているはずがないよな。(とく)にバルサの父親(ちちおや)であるラガイルさんは、この(くに)ライティア(くに)(なか)でも三本指(さんぼんゆび)(はい)るほどの資産家(しさんか)だ。それが、倒産危機(とうさんきき)まで()()まれたのだから、大人(おとな)しく(だま)っているはずがない。(かげ)賞金稼(しょうきんかせ)ぎや犯罪者(はんざいしゃ)盗賊(とうぞく)などを高額(こうがく)資金(しきん)(やと)ってエルクを暗殺(あんさつ)する可能性(かのうせい)がありそうだ」

アルダは、最悪(さいあく)事態(じたい)可能性(かのうせい)(くち)にする。


「それは、流石(さすが)にないと(おも)うわ。だって、そんな馬鹿(ばか)なことをしたら(つみ)(おも)くなるだけなのだから。それに、もしバルサ(たち)賞金稼(しょうきんかせ)ぎなどを(やと)ったにしてもエルクが()けるはずがないもの。それに、(わたし)助太刀(すけだち)(はい)るから大丈夫(だいじょうぶ)よ。安心(あんしん)して」

アリスは、アルダの意見(いけん)否定(ひてい)する。



「アリス(さま)()(とお)りよ。エルク(くん)なら(かえ)()ちにできると(おも)うし、それに、アリス(さま)助太刀(すけだち)なされるなら安全(あんぜん)よ」

ララは、アリスに肯定(こうてい)する。


(いま)(しん)じられないけど、あのララが、ここまでエルクを評価(ひょうか)しているということは、本当(ほんとう)にエルクは、あの三人(さんにん)(まと)めて相手(あいて)をして()ったのは本当(ほんとう)だったということか…」


「そうなるよな…」

日頃(ひごろ)のエルクの態度(たいど)()っているクラスメイト(たち)は、(いま)もエルクが一人(ひとり)でバルサ(たち)(たお)したことが(しん)じられずにいたが、ララの(はなし)()いて信憑性(しんぴょうせい)()()がった。



教室(きょうしつ)担任教師(たんにんきょうし)のサリサが(はい)ってきた。

「さぁ、授業(じゅぎょう)(はじ)めるわよ。(みんな)(せき)につきなさい」


「「は~い」」

サリサの指示(しじ)(したが)う、エルクやアリス、クラスメイト(たち)


そして、授業(じゅきょう)(はじ)まり、(しばら)()った(とき)だった。



快晴(かいせい)(まど)から()()()んでいる。

窓際(まどぎわ)(せき)にいるエルクは、(つくえ)(うえ)()いてあるパソコンの(かげ)(かく)れるように()せて気持(きも)()さそうに爆睡(ばくすい)していた。


「もう、エルクったら仕方(しかた)ないわね」

エルクの(となり)(せき)にいるアリスは、()ているエルクの姿(すがた)()(あき)れると(とも)(やさ)しく微笑(ほほえ)んだ。



教師(きょうし)のサリサは、()(ぼう)でスクリーンに(うつ)()されている文章(ぶんしょう)()みながらスライドさせていたが、(あと)文章(ぶんしょう)をアリスに()んで(もら)(よう)依頼(いらい)する。

「そうですね。ここはアリス(さま)(もう)(わけ)ありませんが()んで(もら)えませんか?」



「はい」

アリスは()()がり、スクリーンに(うつ)()されている映像(えいぞう)文章(ぶんしょう)()んでいく。


()()えたアリスは、椅子(いす)(すわ)ると(とも)にサリサが(ふたた)びスクリーンに(うつ)()されている文章(ぶんしょう)()(はじ)めた(すき)見計(みはか)り、アリスはエルクの(からだ)(やさ)しく()らす。

()きなさい、エルク。()ていることがバレるわよ」


「もう(すこ)しだけ…()かせて…」

エルクは、()きる()(まった)くなかった。


その(とき)だった。

「「~っ!?」」

エルクとアリスは同時(どうじ)に、異常(いじょう)気配(けはい)感知(かんち)して、エルクはバッと(かお)()げて(まど)(そと)視線(しせん)()け、アリスはエルクの(そば)()けつけて(おな)じく(まど)(そと)()た。


アリスの行動(こうどう)()たララ(たち)、クラスメイト(たち)二人(ふたり)()られて窓際(まどぎわ)(あつ)まる。


「どうされましたか?アリス(さま)

サリサは、怪訝(けげん)表情(ひょうじょう)でアリスに(たず)ねる。


「やはり…」

「あれは…」

(まど)(そと)()たエルクとアリスは、深刻(しんこく)表情(ひょうじょう)になった。


「おいおい…(うそ)だろ…」

(みんな)言葉(ことば)(うしな)い、イルダは驚愕(きょうがく)した面持(おもも)ちのままで(つぶや)く。


窓の外からは、黒色(くろいろ)のローブを(まと)っている集団(しゅうだん)が、一直線(いっちょくせん)にこのライティア学院(がくいん)()かって()ていた。


その集団(しゅうだん)は、エルクとアリスは見覚(みおぼ)えがあり、教師(きょうし)生徒達(せいとたち)(うわさ)()いたことのあった。


「ね、ねぇ、まさか、あれって(うわさ)のレジスタンスの()(ふだ)の【ブラッド・チルドレン】じゃない?」

ララは、(しん)じられない表情(ひょうじょう)(みんな)(たず)ねる。


「ええ、間違(まちが)いないわ。ララの()(とお)り【ブラッド・チルドレン】だわ」

アリスは、深刻(しんこく)表情(ひょうじょう)(うなず)いて肯定(こうてい)した。


エルク(たち)がいるライティア学院(がくいん)一直線(いっちょくせん)()かってくる(くろ)のローブを(まと)った集団(しゅうだん)は、【ブラッド・チルドレン】だった。



「ま、まさか、【ブラッド・チルドレン】の総隊長(そうたいちょう)(せい)なる女神(めがみ)】が()めて()たのか?それとも、あの数多(かずおお)くの(くに)(しろ)(ほろ)ぼし、数人(すうにん)聖剣(せいけん)様達(さまたち)(ふく)め、何千(なんぜん)何万(なんまん)(いのち)()()ったという【(しろ)死神(しにがみ)白夜叉(しろやしゃ)】が()めて()たのか?」


「このライティア(こく)(ほろ)ぶの!?私達(わたしたち)、ここで()ぬの!?」


「こんなところで()にたくないよ!お(とう)さん!お(かあ)さん!」


「いや~!(わたし)()にたくない!まだ()きたいよ!」


(みんな)()()いて!」

担当(たんとう)教師(きょうし)のサリサがクラスメイト(たち)()()かせようとするが、クラスメイト(たち)はパニックに(おちい)っており(さわ)ぎだした。


そんな(なか)

「ねぇ、エルク。何番隊(なんばんたい)かわかる?」

アリスは、(みんな)()こえない(よう)小声(こごえ)でエルクに(たず)ねる。


「いや、ここからだと判別(はんべつ)ができない」

エルクは、(ひたい)()を当てて()()らして()るがわからなかった。


「サリサ先生(せんせい)(みんな)()()いて()いて(くだ)さい!」

「「~っ!?」」

アリスは大声(おおごえ)()すとアリスの(こえ)教室(きょうしつ)(ひび)(わた)り、(さわ)いでいたクラスメイト(たち)(われ)(かえ)教室(きょうしつ)(しず)まった。


「こっちに()かって()ているのは【ブラッド・チルドレン】で間違(まちが)いありません。ここからだと何番隊(なんばんたい)判別(はんべつ)できませんが、大人数(おおにんずう)此方(こちら)()めてきています。(ただ)ちに(ほか)生徒(せいと)先生達(せんせいたち)にこのことを(つた)えて、(みんな)避難(ひなん)させて(くだ)さい」

アリスは、サリサに()(かえ)って依頼(いらい)をする。


「わ、わかりました。(わたし)は、このことを(ほか)先生達(せんせいたち)()らせてきます。(みんな)(はや)避難(ひなん)をすること、()いわね?アリス(さま)(もう)(わけ)ありませんが、(わたし)がいない(あいだ)(かま)いませんので、(わたし)()わりに指揮(しき)()って(みんな)避難(ひなん)をさせて(いただ)きたいのですが」

「わかりました」

「ありがとうございます」

アリスが了承(りょうしょう)してくれたので、サリサは(あわ)てて教室(きょうしつ)から()()った。


(みんな)、わかったわね?サリサ先生(せんせい)()(とお)りに、(いま)から私達(わたしたち)避難(ひなん)しましょう」

「「はい!」」

アリスは、指揮(しき)()って(みんな)避難(ひなん)させる。




【グランド】


教師(きょうし)のサリサの放送(ほうそう)によって、アリス(たち)がグランドに()(あと)、続々(ぞくぞく)と(ほか)のクラスも教師(きょうし)先頭(せんとう)にグランドに()()(あつ)まる。


「アリス(さま)誘導(ゆうどう)ありがとうございました」

学院中(がくいんじゅう)()(まわ)って報告(ほうこく)しに()っていた教師(きょうし)のサリサも無事に(もど)って合流(ごうりゅう)した。


その()教師達(きょうしたち)は、生徒達(せいとたち)()れて【ブラッド・チルドレン】が()(まえ)避難(ひなん)をすると指示(しじ)()し、教師達(きょうしたち)は、【ブラッド・チルドレン】(たち)()いついかれた場合(ばあい)のことを(かんが)え、(ほとん)どの教師(きょうし)生徒達(せいとたち)(まも)(よう)後方(こうほう)にいた。


アリス(たち)生徒達(せいとたち)は、サリサの誘導(ゆうどう)(したが)って学院(がくいん)裏門(うらもん)()かう。



しかし…。


()いつかれて()ているな」

「ええ」

(みんな)避難(ひなん)している最中(さなか)、エルクとアリスは深刻(しんこく)表情(ひょうじょう)(はな)す。


(なん)だ、(なに)()きているの!?」

先頭(せんとう)(はし)って誘導(ゆうどう)していたサリサと(ほか)教師達(きょうしたち)は、微弱(びじゃく)だったが大地(だいち)()れていることに()()いた。


そして、避難(ひなん)している最中(さなか)のアリス(たち)(かこ)うように数ヶ(すうかしょ)同時(どうじ)にの地面(じめん)()()がっていき、背丈(せたけ)3mぐらいある大型(おおがた)のゴーレムが(あらわ)れた。


生徒達(せいとたち)は、(うし)ろに()がっていなさい!心配(しんぱい)はいらないわ!私達(わたしたち)先生(せんせい)があなた(たち)絶対(ぜったい)(まも)ってみせるから!」

ゴーレムを(まえ)にしたサリサ(たち)教師(きょうし)は、(ひる)みながらも生徒達(せいとたち)(まも)るために(まえ)()能力(のうりょく)武器(ぶき)召喚(しょうかん)して(かま)える。


「エルク!」

「ああ」

集団(しゅうだん)()(なか)位置(いち)にいたアリスとエルクは、ジャンプして生徒達(せいとたち)()()え、教師達(きょうしたち)(まえ)着地(ちゃくち)した。


エルクは授業で使われる木刀を握って構え、アリスは既に能力で召喚したレイピアを握って構えた。


「エルク、このゴーレムを()()能力(のうりょく)は、もしかして…」


「ああ、よりにもよって【ブラッド・チルドレン】9番隊(ばんたい)隊長(たいちょう)(つち)精霊(せいれい)ノームを宿(やど)している【ゴーレム・マスター】のゴンザレスだ。(まった)く、面倒(めんどう)(やつ)()たもんだな。それに、この武器(ぶき)だと(こころ)もとないし」


「エルク、()(ごと)()っている(ひま)()いわよ」


「わかっているよ、アリス」

舌打(したう)ちをするエルク。


「「グォォ…」」

召喚(しょうかん)された数体(すうたい)のゴーレムは、()赤色(あかいろ)(ひか)らせてアリス(たち)(おそ)()かる。


「はぁ、面倒(めんどう)だな…」

エルクは、面倒(めんどう)そうにため(いき)()いた。


「エルク、油断(ゆだん)禁物(きんもつ)よ!油断(ゆだん)していると怪我(けが)をするわよ」


「わかったよ、アリス。じゃあ、討伐(とうばつ)(はじ)めるか」

エルクは、木刀(ぼくとう)(にぎ)っている()(ちから)(はい)る。


「ええ」

教師達(きょうしたち)()()けて迎撃(げいげき)するつもりだったが、アリスとエルクは(みずか)接近(せっきん)する。


エルクとアリスの正面(しょうめん)から接近(せっきん)した2(たい)のゴーレムは、それぞれ(おお)きな(こぶし)()()ろす。



エルクはジャンプして、()()ろされたゴーレムの右拳(みぎこぶし)回避(かいひ)し、地面(じめん)にめり()んでいるゴーレムの右手(みぎて)(こう)着地(ちゃくち)した。


月華聖天流奥義(げっかせいてんりゅうおうぎ)一閃(いっせん)

エルクは、そのままゴーレムの右腕(みぎうで)(うえ)(はし)り、途中(とちゅう)でジャンプして(いきお)いがついたまま木刀(ぼくとう)聖霊力(せいれいりょく)()めてゴーレムの(むね)中心(ちゅうしん)にある球体(きゅうたい)(かく)高速(こうそく)()きを(はな)つ。


ゴーレムの胸元(むなもと)にある(かく)は、エルクの聖霊力(せいれいりょく)()められた高速(こうそく)()きによって木刀(ぼくとう)奥深(おくぶか)くまで()()さり、そこから、ヒビが(はい)っていき、まるでガラスが()れる(よう)(おと)()てながら(くだ)けた。


「グォ…」

(かく)()(くだ)かれたゴーレムは、(あか)(ひか)っていた()(ひかり)点滅(てんめつ)して()えたと同時(どうじ)にゴーレムの身体中(からだじゅう)無数(むすう)のヒビが(はい)っていき、そこから(くず)れて(すな)(もど)った。



「エア・スラッシュ!」

一方(いっぽう)アリスは、ゴーレムの(おお)きな(こぶし)(せま)(なか)、アリスは召喚(しょうかん)しているレイピアに(かぜ)(まと)わせて()()ろした。


アリスのレイピアは、ゴーレムが()()ろした(こぶし)切断(せつだん)しただけでなく、胸元(むなもと)()()まれている(かく)ごとゴーレムの(からだ)()(ふた)つに切断(せつだん)され(すな)(もど)った。



()(まえ)のゴーレムを(たお)したエルクとアリスは、苦戦(くせん)()いられている教師達(きょうしたち)援護(えんご)しに(むか)い、次々(つぎつぎ)にゴーレムを(たお)していく。


「「アリス(さま)!とエルク(くん)!?」」

教師達(きょうしたち)はアリスの(つよ)さは()っていたが、エルクの実力(じつりょく)()らなかったので、間近(まじか)でエルクの実力(じつりょく)垣間見(かいまみ)驚愕(きょうがく)した。




【グランド・生徒側(せいとがわ)


生徒達(せいとたち)は、教師達(きょうしたち)(うし)ろで避難(ひなん)していた。


流石(さすが)、アリス(さま)。あの(つよ)そうなゴーレムを次々(つぎつぎ)に(たお)しているわ。(わたし)もあんなふうに(たたか)える(よう)になりたいわ」

ララは、()()()ける(よう)にアリスの(たたか)いを()ていた。


「ああ、しかし、エルクは予想外(よそうがい)だよな」

エルクの(たたか)いを()たイルダは、予想外(よそうがい)展開(てんかい)(ほう)けた表情(ひょうじょう)になった。


「だな。アリス(さま)のボディーガードを(まか)せられているだけのことはある」

アルダは、エルクの実力(じつりょく)()()たりにしても(とく)(おどろ)いてはいなかった。


「そうね…」

エルクやアリスと一緒(いっしょ)のクラスメイト(たち)は、エルクの実力(じつりょく)()()たりにして呆然(ぼうぜん)(つぶや)(もの)納得(なっとく)する(もの)()かれた。



(ほか)のクラスの生徒達(せいとたち)もエルクとアリスの(たたか)いを()唖然(あぜん)としていた。

(すご)いな…」

「だな…」

(たし)かに(すご)いが、よく()(かんが)えてみろ。能力(のうりょく)使(つか)えない下民(げみん)があんなに簡単(かんたん)にゴーレムを(たお)せるなら、俺達(おれたち)でも簡単(かんたん)にゴーレムを(たお)せるんじゃないのか?」


無理(むり)だよ。私達(わたしたち)武器(ぶき)召喚(しょうかん)できるようになったけど、まだ能力(ちから)最大限(さいだいげん)発揮(はっき)できないし、属性(ぞくせい)解放(かいほう)もできないんだよ」


(たし)かに、俺達(おれたち)は、まだ能力(のうりょく)解放(かいほう)はできないのは事実(じじつ)だが、しかし、あの下民(げみん)使(つか)っているのは、ただの木刀(ぼくとう)だぞ。俺達(おれたち)能力(ちから)召喚(しょうかん)した武器(ぶき)は、あの木刀(ぼくとう)よりも()(あじ)など武器(ぶき)性能(せいのう)上回(うわまわ)ってはずだ」


「そうだな!この()にアリス(さま)()(まえ)活躍(かつやく)すれば、感謝(かんしゃ)されて将来(しょうらい)は、あの下民(げみん)(おな)じアリス(さま)直轄(ちょっかつ)のボディーガードになれるどころか、この(くに)ライティア(こく)英雄(えいゆう)になってアリス(さま)結婚(けっこん)でき、この(くに)国王(こくおう)になれるかもしれないな」


(なに)馬鹿(ばか)なことを(かんが)えているのよ。危険(きけん)だよ。やめた(ほう)()いと、(わたし)(おも)う」


「そうだよ。危険(きけん)だし、アリス(さま)先生(せんせい)足手(あしで)まといや邪魔(じゃま)になると(おも)うからやめなよ」


「はぁ?お(まえ)らは(なに)(おび)えているんだ?あの下民(げみん)()ろよ。あの能力(のうりょく)使(つか)えない下民(げみん)が、ただの木刀(ぼくとう)簡単(かんたん)(たお)しているんだ。俺達(おれたち)簡単(かんたん)(たお)せるはずだろ。こんな美味(おい)しい(はなし)見過(みす)ごすのは勿体無(もったいな)いだろ?どんなことを()われようが、(おれ)将来(しょうらい)のために(たたか)うぞ!」


(おれ)もだ!」

(ほか)のクラスの男子達(だんしたち)は、女子達(じょしたち)制止(せいし)()()り、次々(つぎつぎ)に男子達(だんしたち)能力(のうりょく)武器(ぶき)召喚(しょうかん)して前線(ぜんせん)()かう。




【グランド・教師側(きょうしがわ)


()(まえ)のゴーレムを(たお)したサリサは、周囲(しゅうい)見渡(みわた)してゴーレムの(かず)確認(かくにん)した。

「ふぅ、これなら行ける。あとゴーレムは数体(すうたい)です。このまま、油断(ゆだん)せずに()きましょう!」



「「おう!」」

「「はい!」」

サリサの(げき)により、気力(きりょく)体力(たいりょく)消耗(しょうもう)していた(ほか)教師達(きょうしたち)(いき)()(かえ)した。



そこに、数名(すうめい)男子生徒達(だんしせいとたち)がやって()た。


先生(せんせい)俺達(おれたち)加勢(かせい)しに()たぜ!」


「「なっ!?」」

希望(きぼう)()えた教師達(きょうしたち)だったが、生徒達(せいとたち)此方(こちら)()かって()ているのを()絶句(ぜっく)する。


「この馬鹿野郎共(ばかやろうども)!なぜ此処(ここ)()たんだ!お前達(まえたち)は、(はや)(もど)れ!ここは危険(きけん)なんだぞ!」

激怒(げきど)したヤザンは、怒鳴(どな)りつける。


先生達(せんせいたち)だけ美味(おい)しい(おも)いはさせないぜ」


「そうだ」


「はぁ?お前達(まえたち)は、(なに)()っているんだ?それよりも、(はや)(もど)れ!ここは危険(きけん)だ!何度(なんど)()わせるな!」


先生達(せんせいたち)は、誤魔化(ごまか)しているだろ?本当(ほんとう)は、このゴーレムは(たい)したことないんだろ?」


「お前達(まえたち)は、さっきから、一体(いったい)(なに)()っているんだ?」


「まだ、誤魔化(ごまか)すのですね。まぁ、()いですよ。()くぞ!」


「「おお!」」


()まれ!お前達(まえたち)本当(ほんとう)()ぬぞ」

男子生徒達(だんしせいとたち)は、教師(きょうし)制止(せいし)()()り、ゴーレムに()かって()く。


(くそ)っ、あいつらは一体(いったい)(なに)(かんが)えているんだ!?」

ヤザンは、舌打(したう)ちをしながら(いそ)いで生徒達(せいとたち)()い、(ほか)教師達(きょうしたち)(あと)()った。



「ゴーレムの(むね)中央(ちゅうおう)にある(あか)(かく)(ねら)うぞ!あれを破壊(はかい)すれば、(たお)すことができはずだ!」

「「おう!」」

男子達生徒(だんしせいとたち)8(にん)は、一体(いったい)のゴーレムに()かって接近(せっきん)する。


「ゴォォ」

ゴーレムは、(おお)きな右拳(みぎこぶし)(なぐ)りにいく。


「「うぁっ」」

先陣(せんじん)()っていた二人(ふたり)男子生徒(だんしせいと)は、()けることができず、(けん)(ふせ)いだが力負(ちからま)けをして(うし)ろに()()ばされた。



「くっ、(かた)まるな!左右(さゆう)()かれ…え?」

男子生徒(だんしせいと)指示(しじ)()していた(とき)一体(いったい)のゴーレムに()()られていたので背後(はいご)から(せま)るゴーレムに気付(きづ)かず、背後(はいご)から(おお)きな(かげ)(おお)われたことで気付(きづ)き、()(かえ)るとゴーレムが左拳(ひだりこぶし)()()げていた。



「ゴォォォ」

ゴーレムは、()()いた男子生徒(だんしせいと)()かって左拳(ひだりこぶし)()()ろした。


「ぐぁ」

「「うぁ」」

男子生徒(だんしせいと)は、ゴーレムの(こぶし)直撃(ちょくげき)して()()ばされ、(ちか)くにいた男子生徒(だんしせいと)三人(さんにん)にぶつかり四人(よにん)(たお)れた。



残った男子生徒(だんしせいと)二人(ふたり)は、(あと)から気付(きづ)いたゴーレムの(ふところ)(はい)ることができた。


「「(もら)った!」」

男子生徒(だんしせいと)二人(ふたり)は、(けん)()()ろしてゴーレムの胸元(むなもと)中心(ちゅうしん)にある(かく)攻撃(こうげき)した。


だが、ゴーレムの(かく)無傷(むきず)で、二人(ふたり)(けん)(はじ)かれる。


「「なっ!?」」

想定外(そうていがい)なことが()き、男子生徒(だんしせいと)二人(ふたり)驚愕(きょうがく)する。


「どうなっているんだ!?なぁ?おい!」

「つ、()きだ!下民(げみん)()きで破壊(はかい)していた。俺達(おれたち)()きで破壊(はかい)するぞ!」

「そ、そうだったな。わかった」

「「ウォォ!」」

エルクが()きで破壊(はかい)していたの(おも)()して男子生徒(だんしせいと)二人(ふたり)は、すぐに同時(どうじ)()きを(はな)つ。


しかし、ゴーレムの(かく)球体(きゅうたい)なので、二人(ふたり)(はな)った()きは、(かく)表面(ひょうめん)(すべ)って()()さらなかった。


「な、(なん)()さらないんだよ!?」

「「うぁぁ」」

「ゴォォ…」

ゴーレムは、()(わめ)二人(ふたり)()かって右手(みぎて)(てのひら)()()ろし()して(つぶ)そうとする。


「「うぁぁ…」」

二人(ふたり)は、恐怖(きょうふ)(こし)()けて(うご)けず(なみだ)(こぼ)しながら(さけ)ぶしかできなかった。


そんな(とき)、エルクが二人(ふたり)(うし)ろに(あらわ)れて二人(ふたり)(うし)ろの襟首(えりくび)(つか)んで(うし)ろに(ほう)()げる。


「「わぁ!?うっ…」」

男子生徒(だんしせいと)二人(ふたり)は、地面(じめん)(ころ)びながら(たお)れて(うめ)(ごえ)をあげた。


「エルク!」

(はな)れていた場所(ばしょ)でゴーレムを(たお)していたアリスは、悲鳴(ひめい)(よう)(こえ)をあげる。


()(さま)、エルクは後方(こうほう)にジャンプして、()()ろされるゴーレムの右手(みぎて)()けようとしたが、()()わずゴーレムの右手(みぎて)指先(ゆびさき)がエルクの右肘(みぎひじ)(かす)り、右肘(みぎひじ)(ほね)()れて()(したた)る。


「ぐっ」

エルクは、(ほう)()げて(たす)けた男子生徒(だんしせい)二人(ふたり)(まえ)着地(ちゃくち)した。


「ちっ、しくじった」

エルクは、左手(ひだりて)負傷(ふしょう)した右肘(みぎひじ)()さえて舌打(したう)ちをする。



「くっ!邪魔(じゃま)よ!そこを退()きなさい!」

アリスは、一刻(いっかく)でも(はや)くエルクのもとに()けつけたかったが、()(まえ)のゴーレム(たち)()()(ふさ)ぐ。



「ゴォォォ」

ゴーレムは、エルクと男子生徒(だんしせいと)二人(ふたり)()()ちをしようと(はし)って(せま)る。



そんな(なか)男子生徒(だんしせいと)二人(ふたり)(こし)()けており()げることもできず、ただ呆然(ぼうぜん)()(まえ)にいるエルクの右肘(みぎひじ)から()(したた)るのを()ていた。


「すまない」

「すまん」

(ころ)んで(たお)れたままの男子生徒(だんしせいと)二人(ふたり)は、もう(たす)からないと(おも)いつつも、エルクに(あやま)る。


「そんなことは()いから、(あやま)(ひま)があるなら(はや)()()がって、()がってくれた(ほう)(たす)かる」


「いや、それが(こし)()けて()てないんだ。だから、俺達(おれたち)見捨(みす)ててくれ」


「はぁ、本当(ほんとう)最悪(さいあく)事態(じたい)(おちい)ると(つづ)くよな…」

ため(いき)()いたエルクは、右手(みぎて)(にぎ)っていた木刀(ぼくとう)左手(ひだりて)()()えて()いかけてくるゴーレムに()かって(はし)る。



「ゴォォォ」

ゴーレムは、両手(りょうて)(ひら)いてエルクを(たた)(つぶ)すように()(たた)く。


エルクは、ジャンプしてゴーレムの攻撃(こうげき)(かわ)し、ゴーレムの左腕(ひだりうで)(うえ)着地(ちゃくち)した瞬間(しゅんかん)、すぐに(ふたた)びジャンプしてゴーレムの胸元(むなもと)にある(かく)接近(せっきん)した。


月華聖天流奥義(げっかせいてんりゅうおうぎ)一閃(いっせん)

エルクは、(いきお)いがついたまま木刀(ぼくとう)聖霊力(せいれいりょく)()めて高速(こうそく)()きをゴーレムの(かく)(はな)つ。


ゴーレムの(かく)はヒビが(はい)ったが、(かく)(くだ)ける(まえ)にエルクの木刀(ぼくとう)刀身(とうしん)(なか)ばが(くだ)()った。


ゴーレムは、(こし)()として右手(みぎて)でエルクを(たた)(つぶ)そうとする。


月華聖天流奥義(げっかせいてんりゅうおうぎ)破城槌掌(はじょうついしょう)

ゴーレムの(おお)きな()頭上(ずじょう)(せま)(なか)、エルクは左手(ひだりて)(にぎ)っている()れた木刀(ぼくとう)()てて(からだ)(よこ)()け、左手(ひだりて)()いてスクリュー回転(かいてん)をかけた左手(ひだりて)掌底打(しょうていう)ちでゴーレムの(かく)()()さっている()れた木刀(ぼくとう)()()む。


ゴーレムの(かく)(はい)っていたヒビが(さら)(ひろ)がっていき、そして、パリンっと(おと)()てながら(くだ)()った。


エルクの頭上(ずじょう)まで接近(せっきん)していたゴーレムの(おお)きな右手(みぎて)は、エルクに()れる寸前(すんぜん)のところで()まり、(すな)となって(くず)()ちた。



その()、ゴーレムの攻撃(こうげき)()けた男子生徒達(だんしせいとたち)(なか)には、重傷者(じゅうしょうしゃ)もいたが全員命(ぜんいんいのち)には別状(べつじょう)はなく、教師達(きょうしたち)男子生徒達(だんしせいとたち)(ささ)えたり(かか)えて避難(ひなん)させた。



最後(さいご)のゴーレムを(たお)したアリスは、エルクの(そば)()けつけた。

「エルク!その怪我(けが)どうしたの!?大丈夫(だいじょうぶ)たの?」

アリスは、心配(しんぱい)した表情(ひょつじょう)になる。


大丈夫(だいじょうぶ)だけど、この状況(じょうきょう)非常(ひじょう)不味(まず)い」


「ええ…」

エルクとアリスは、深刻(しんこく)表情(ひょうじょう)(あた)りを見渡(みわた)す。



エルク(たち)は、(すで)(すな)(よろい)(まと)った子供達(こどもたち)【ブラッド・チルドレン】9番隊(ばんたい)包囲(ほうい)されていたのだった。

次回、目覚める死神と【ブラッド・チルドレン】9番隊長ゴンザレス


とうと、【ブラッド・チルドレン】同士の戦いが始まります!


もし宜しければ、次回もご覧下さい。

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