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『おなか』 ─嘘のような本当のおはなし─  作者: 赤木 爽人
第1章 おなか
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第4話 Nくん(2)

「今日は不安定だからこれやっておいて」

「気分が優れないから俺はもうダメ、今日はお前がこれやってくれ」

「今日は不安定だから、わかってくれよなあ、出来ないんだよ!」

「ああーつらい死んだ方が楽だ」

「薬を置いて来たからもう帰る」

「お前には判らないだろうな、なんだか自分の周りに世界と遮断されるような壁があって息苦しいんだ」

「気分が不安定だ…仕事はしない、やっておいて」

「薬がきかない、おれもう駄目だ」

 顔を合わせると毎日この調子で一日中ぶつぶつぶつぶつ言っていた──一応病院には通院していたらしい。今思うとこんな奴がよくもディレクターをやってたと思うが(アシスタントに対する態度と偉い人への態度がまるっきり違って上手く仕事をとっていたみたいだ)…その仕事に関わって一ヶ月程で、極度の精神的ストレスから私は鬱病になった。

 しかし仕事からは逃げなかった、一年間本当に辛かった。

 その後三年ほどかかったが病気を克服して、どうにか正常な精神状態に戻す事ができた。

 なんとか自力で鬱病を克服した。しかし、N君は──


 で・き・な・か・っ・た


 その仕事を挟んで、N君の制作会社と三年ばかり仕事をしていなかったが、携帯に連絡がきた。

「Nが歩道橋から飛び降りた、即死だった。葬式があるから来てほしい…」


 ──愕然とした。


 葬式にでるとあの精神的におかしいディレクターも出席していた。N君の制作会社にも出入りしていたからだ。

 そこで聞いた、最後に一緒に仕事をしたのがこの男だった。

 N君はこの男の仕事にかかりっきりで他の仕事はせず、そのうち鬱病にかかり、自殺する一ヶ月前から二度ほど入退院していたらしい…


「この野郎とうとう一人殺した!」


私の脳裏にそんな言葉が駆け巡った 。

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