002 旅立ち
前置き長いと思いますが、これから始まっていくので、是非読んで下さい。
あれから一年ぐらい経った頃。
ついにその時はおとずれた。
旅立ちの日、前からシルフィが食べ物に興味を持っていたので、料理して食べさせてあげた。まぁ、食べなくても生きていけるらしいけど、美味しいので食べる。最近太ったかもしれない。下界に行ったとしてもすぐに帰れるので、神聖魔法はとても便利。
今日のシルフィは、泣いていることが多い。
(時々帰ってきてあげようかな)
と思った。だって私も悲しいから。やはり、心も女になってしまったのだと思う。それからシルフィは、下界では私の銀色の髪が目立つそうなので、フード付きの服を貰った。なんで目立つんだろう?と思った。しかしこれも女性服である。最近は普通に女性の仕草などをしているので、自分自身不気味に思った。人間の順応性恐るべし。
そう考えている間も部屋を掃除したり、整理したりしている。ここでも自分が女なのだなぁ・・・とやっている時に実感してしまう。
(もう開き直ってしまおう!)
そう思いながら準備を着々と進めていった。
しばらくして、シルフィのところへ行った。
シルフィに準備が出来たことを言うと、元気のない声で、
『どこにするの?』
と聞いてきた。私は一つずつ見ていった。そのなかに、魔法がある世界があったので、興味を持った。一度行ってみたいと思っていたのだから。
シルフィにこのことを伝えると、
『そう・・・・。』
と言った。不安ではあるが、好奇心が勝った。
『じゃあ、人気のない場所に送ってあげる』
「え、なんでですか?」
と聞いてみると、
『だって、急に人前に現れたら怖がられるじゃない』
と言われるまで気付かなかった。確かにそうである。あれ?でも・・今の言い方だと実際に体験したかのような言いぐさではないか?なので、聞いてみることにした。
「もしかしてやったことがあるのですか?」
『え・・あぁ・・昔にちょっとね・・・』
とどこか遠くを見ながら話をしていた。
少し気になった。シルフィの過去が。
『それはともかく、さっさとやっちゃおう!』
(誤魔化された)
と思ったが、追求せずに指示に従う。
『お金の使い方は分かる?計算出来る?』
などと母親の様なことを言われた。私は、
「分かるから!」
と言って、落ち着かせた。心配性だなぁ。
落ち着いたシルフィは、言った。
『じゃあ、名前つけないとね〜』
私は今まで今の自分に名前が無いことに気がつかなかった。
『アリスシアはどうかしら?』
『で、私だけアリスと呼ぶ!それでいいわね?』
と怖い笑顔でシルフィは言ってきた。
まぁ、女の名前はあったに越したことがないので、それでいいわ・・・と言って受け取った。
『それじゃあ、転移場所は使われていない山の教会にしておいたからね〜』
何故に教会?
『あと、必ずお姉ちゃんのところに定期的に絶対帰ってきてね!絶対!』
と言われ笑ったところで、私は転移された。
コメント、レビューへの評価、感想を書いて欲しいです。
これからもよろしくお願いします(^∇^)