04
日が完全に落ちてから村の男達と仕事が始まる。
「気を付けるんじゃぞ。リーシャ。」
じい様に見送られて家を出たら村の入り口にはすでに男達が集まっていた。
どうやら私が1番遅かったらしい。
「今日は、南の森の魔物退治へ行く。最近は暴れまくってて山賊も殺されたらしい。このままだと村の近くまで来てしまうから今のうちに殺してしまおう。先頭はリーシャ。その後ろには私たちが構えておく。あまり無理はしなくていいが、いいか?リーシャ??」
「大丈夫。」
「いつも先頭ですまないな。」
村の村長の息子のルドルフはいつも謝る。
私は先頭のほうが村の役に立てる気がしているから別に気にしないのに。
「では、行こう。皆、命が大事だ。無理はせず自分の命を一番に。」
ルドルフの掛け声の後に村を出発する。
ぞろぞろと森の中を歩いていると後ろの男達の話し声が聞こえる。
「そーいえば聞いたか?王都で第二王子が失踪したらしいぞ。なんでも敵国の刺客に襲われたらしい。そのせいでこんなところまで騎士団様が捜索してるんだとよ。」
「そうなのか!?だから最近、騎士団様がうろちょろしてるのか。なんだか物騒だなぁ。俺なんか悪いことしてないのに騎士団を見るたびにビクビクしちまうよー。」
「俺は第一王子の企みだって聞いたぞ。なんでも戦に強い第二王子への嫉妬だとか。剣の扱いは第二王子がとびぬけて上手いらしい!」
「おい!!お喋りはそこまでだ。そろそろ魔物が出てくる場所に着くぞ。」
ルドルフの声で男達の話は終わってしまった。
あまり町にいかない私はもっと話を聞いていたかったのに。。
グルァァァァァァアア!!
「来るぞ。皆、かまえろ!!!!」
村の中で唯一、魔力がある私は魔力で剣を出す。
この剣で何度も斬ってきた。魔物も人も、今回も大丈夫だ。
なるべく後ろにいる村人たちに魔物を近づけないようにしないと。
金属と獣の刃がぶつかる音が森に響く。
勢いよく私に向かってくるのは狼のような形の魔物だ。
それに一匹ではないようだ。
「ちっ。」
思わず舌うちしてしまう。早くこの一匹目を倒してしまわないと村の男達に向かってしまう。
--「リーシャ!!!!後ろだ!!!!」
ザシュ!!!
ルドルフの声で最後の一匹を倒す。
あぁ、体中が魔物の血で臭いな。
振り返ると魔物の死体の中に立っていた。村の男達がこちらを見ている。
唯一、ルドルフがこちらに近づいてきた。
「ケガはないか?リーシャのおかげでほとんど俺たちはなにもしなかったよ(笑)」
「大丈夫。ケガはない?」
「俺たちはないよー。みんな無事だ。それよりリーシャはまた血を浴びてしまったなー。またじい様にグチグチいわれそうだ(笑)」
「ごめん。」
「謝るなよ。もう慣れたさ!それにリーシャに頼りっきりの俺らも悪いんだから。」
--「さぁ、帰ろうか。こんなところに長居もしたくないしな。」
村に帰るともう朝になっていた。
「リーシャ!!!!あぁまた血だらけじゃのう。怪我はないかの?」
入り口にじい様が立っている。
「大丈夫。」
「リーシャは今回も大活躍だったよ。あまり興奮すると血圧上がるぞ、じい様。」
「これ!ルドルフ!!またリーシャに無理はさせてないだろうな!!」
「はいはい。愚痴は後から聞くよ。先に休ませてくれ。親父に報告もしないといけないしな。」
そう言って、ルドルフは帰って行った。
「逃げおって!これじゃから「じい様帰ろう。お風呂入りたい。」
「おお。そうじゃのー。
リーシャ、おかえり。」
お風呂に入って、ご飯を食べたらすぐに寝てしまった。
気づいたら夕方になってしまった。
明日は山穴に行けそうだ。
そういえば、アルはどこから来たのか。身なりはいいから噂の騎士団なのかな。
明日、聞いてみよう。