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03

--次の日


「あっ!リー!!昨日はいきなり帰っちゃったからどうしたのかと思ったよー」

怪我をしているのにはよく喋る男だ。


「食べ物。あと毛布。」


「ありがとう!!リーのおかげでかなりよくなってきてるよー。」


「そう。良かった。」

そう言って帰ろうとした瞬間。


「待って!!」

グイッ。腕をつかまれる。


「なんだ?」


「待ってよ。もう少しここに居てくれない?」


「なぜ?」


「なぜ?って、、、んー。もう少しリーと話がしたい。そのほうが俺も早く傷が良くなる気がするんだ!」


「話?傷が良くなる??」そういうものなのか?まぁ今日はもうやることはないから少しくらいならいいか。


寝ている男から少し距離をとって座った。


「ありがとう。リーは優しいね。可愛いし。」


「?」


「困った顏も可愛い。そうそう、リーはどこに住んでるの?」


「山をおりた先の村。」


「リーの住んでる所には治癒師はいないの?」


「いない。」


「え?じゃあケガや病気をした時はどうするの??」


「薬師がいる。あなたの傷も薬師のもの。町まで行かないと治癒師はいない。」


「この薬は薬草なの?薬師って「質問ばかり。疲れる。」


「あぁ、ごめんね。少し驚いてしまって。俺はなにも知らないから。。。」

なんだか悲しい顔をしている。

なぜだろう。治癒師がいないからだろうか。


「治癒師がいないから悲しい?」


「違うんだ!治癒師がいないから悲しいわけではないんだ。薬師の薬がこんなに効くなんて知らなかったんだ。知らないことがありすぎて悲しくて。薬のことや村のことを色々教えてくれるかな?リー。」


そう言って悲しい笑顔をしている。


やっぱり悲しそう。この男にはなんだか似合わない気がして、時間が許す限り教えた。


薬草のこと。村のこと。

村では畑を耕しながら魔物を倒して皆、生活していること。


上手く伝えられない私に男は優しく微笑みで聞いていた。

こっちの顔のほうが似合うと思って

男に「太陽のような金髪にはそっちの顔のほうが似合う。」と言ったら「アル。アルって呼んで。」と言われたので、今度からはアルと呼ぶことにした。




あっという間に夕焼け空になってしまったので、続きはまた明日。





--そうして気づいたら毎日、山穴に来ていた。


「今日は少し多めに食料を持ってきた。明日は来れない。」


「え?どうして??」


「少し仕事がある。」


「薬草取り?それなら俺も手伝うよ。かなり良くなってきてるから。」


アルはかなり良くなっている。じい様の薬のおかげもあるけれど、魔力が強いのだろう。一度、火を起こしているのには驚いた。

「違う。村の人と一緒にやること。」


「そうかぁー。残念だな。リーが来ないと寂しいよ。」


そう言って悲しい顔をする。そんな顔は似合わないと思わず顔を触ってしまう。


「/////、リー!?」


「その顔は似合わない。」


「ああ、そういうこと////」


どうしたのだろう?なんだか変だ。

「顔が赤いよ。熱ある?」


「だ、大丈夫!!そ、それよりもう日が暮れてきたよ。帰らないと!魔物が出てくる時間だ。」


「あぁ、帰る。じゃあね。」

あまり気にしないことにした。もう帰ろう。

今日は夜から朝にかけて仕事がある。

だから明日は来れない。なんだか寂しい。

不意にブレスレットを触ってしまう。






--足早に山を下りるリー。


その後ろ姿を顏を真っ赤にしながら見送るアルの姿など知らないまま。


「まったく。あんなの不意打ちすぎるよ。こっちの気も知らないで。」


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