野球いずこへ
打球が高々と舞い上がる、日本代表の選手ががっちりと最後の外野フライを捕球し仙台フェニックスに在籍をしている。野田がMLB相手にノーノーを達成した。五輪ヒル代表は野球を五輪競技からは外したものの自身としては野球がファンなのでどうにかしたくビッグエッグに来日をしていた。
その頃、時を同じくして都内ホテルで行われているNPB代表会議では東京スーパーズの代表の座を田邊氏が降り、6年前まで球界のエースだった金城大河が早期引退をして異例の代表となった。それだけではなく、NPBの幹部にはサッカーのJリーグ出身者も2人いた。
「私が去年まで選手をやっていて感じた事は、日本球界はファンとの距離は近くはなかったが、組織の構造がマンネリ化している」大河はテーブルにヒジをつき考える仕草をとる。電話が鳴った大河の父正義からだ。「あっ、お父さん。……はい、解りました」電話を切る。
場内がざわつく、大河の父金城正義といえば、NPB総裁であり田邊氏が退いた今、事実上の野球界の権力者である。
大河はその電話を置くと同時に第一声を切り開いた。「プロ野球の幹部で今までサッカーはJリーグの出身者の方にお入り頂いた事は私の体制になって初の試みです」
大河は仁王立ちで堂々としていた。「正直、侍ジャパンができただけで野球界の底辺は何も変わっていないと感じます」
「アジアのプロ野球を一つの管轄に入れて日本、韓国、台湾、中国、オーストラリアを統合します!」といい放ち机を力強く大河は叩いた。「それは、アジアのプロ野球団体を一つにするという意味かな?」と大阪ブルズの宮一オーナーが疑問を投げ掛けた。
宮一オーナーは退任した田邊氏動揺に一リーグ化推奨派の人物だった。ゆわば、球界の英雄スーパーズから譲り受けれる営利目的が全てという考えの人物であった。