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記憶持ち転生疑惑の少女  作者: 日下みる
8/31

~乙女~

アニメを見るようになりました。

彼女は兄によく引っ付いていた。

見るTVの優先権も兄にあった。

子供用アニメを親は見せてくれた。

朝の子供番組は彼女が起きれないので、専ら夜のアニメしか見れなかった。

最も、彼女に”時間”という概念はまだ生まれていない。

そして、”曜日”という概念もなかった。

なので、好きなアニメがいつやってるのか知らないのである。

誰かがTVを付け、チャンネルを合わせてくれなければ見れなかった。

今は昔、昭和の時代である。

某聖闘士達が戦うアニメがあった。

その中で彼女は一目惚れ?したのである。

オマセもいいところだ。

母国語を覚えるより先に好みを覚える方が早いとはどうゆうことだ。

そう。彼女はちゃんと言語を覚えていなかった。

記憶も出来なかった。

なので、TVを見ていても映像をぼんやり見ているだけである。

なにせ、アニメと言っても、

動く、台詞、説明、効果音と情報が多かった。

彼女の脳は処理出来なかったのである。

結果、彼女の記憶には映像が静止画で印象に残っているシーンしかなかった。

つまり、物語なんて理解していないのである。

なんとなく流れはわかっているものの、なんとなくだ。

見目が好みなキャラが出ていれば満足である。


彼女の祖父は

「この子は、ルールも状況も知らないのに、強者を嗅ぎ分ける能力に長けている」

と評した。

野球のルールもチームも知らない彼女に「どのチームが好き?」と聞くと、必ず一位のチームを答えるのである。

どう判断しているのか、誰もわからなかった。

聞いても「なんとなく」としか答えないので謎のままだった。

親戚が集まって麻雀をしていても、彼女は牌がツルツルしてて楽しい。と、口に入れるような状態にも関わらず、座って覗いているのは必ず勝っている人だった。

庇護を必要とする弱者としては、かなり高性能かもしれない。


そんな彼女が惚れた瞬間は…

黄金の聖闘衣を着た青年が眼を開けた時である。


金色の長い髪。

綺麗な緑の瞳。

美人な顔立ち。


彼女は面食いだった。


彼女が惚れたキャラは最強の聖闘士、という設定だった。


状況も言葉の応酬も理解してないのに、最強キャラに惚れるとはお目が高い!


時間も曜日も知らない彼女は、勿論、年、月、週、という概念がなかった。

当然、黄金十二星座なんて知らないのである。

黄金や青銅、銀、どれが優れている金属かも知らなかった。

「なんとなく」黄金が好きだったのだ。

「なんとなく」乙女座の彼をじっと見ていたのである。

そして、彼が瞳を開いた瞬間に惚れたのである。

当然、「彼の目を開かせてはいけない」なんていう別キャラの忠告なんぞ理解していない。

むしろ、そんなキャラは彼女は記憶していない。

好みじゃなかったのである。


彼女は大人になって、そのキャラの

「地に頭をなすりつけ、私を拝め」

と言う台詞を聞いてポカーンとした。

かなりのフリーダム、俺様、自己中、電波キャラだったのである。


乙女座贔屓は作者の趣味です。

作者の年代がバレる。とか言っちゃダメ。絶対。

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