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記憶持ち転生疑惑の少女  作者: 日下みる
26/31

~その微笑みは悪魔か天使か~

最初はお兄ちゃん目線。

途中から母親目線に代わります。

今日はパパとママがお買い物で外出です!

僕の友達二人と子供だけでお留守番でっす!

チャーンス!


実は、今日は友達の一人が、ジッポライターをこっそりお家から持ってきてくれたんだ!

カッコイイよね。タバコには興味ないけど。

(※昭和後期設定です。お察しください)

カチンッ シュボッ カチンッ

大人になった気分。

みんなで順番に着けたり消したり。

ママには危ない事しちゃダメって言われてるけど、ちゃんと気を付けるし。

妹じゃあるまいし、いちいちママの言い付けなんて守ってらんないよ。

妹は勿論、いつも通り別の部屋。

妹の目の前でこんな事したら、絶対面倒だし。


「あっ!やべっ!」

え?って見たら、友達が火が着いたままのライター落とした!

咄嗟に左手でキャッチ!

ゲッ!熱っ!!!

「いってぇ~・・・!」

「だ、大丈夫か?悪い、ワザとじゃない」

ワザとだったら殴ってるよ!

「それより、引火とかしてない?大丈夫?」

「あ、うん。大丈夫・・・っぽい」

みんなでワタワタオロオロ。

ど・・・どうしよう・・・!!!


スパーンッ!!


ビックゥゥゥゥ!!

「「「!!!?」」」


やばっ。妹だ・・・。

しかもかなりのお怒りモード・・・。

多分、音とか部屋を一目見たらバレてる。


・・・トン


ううぅぅ。そんな冷たい顔で壁に背中を預けて腕組まれると、威圧感が・・・。

ジッポで遊んだりしなくても、よっぽど妹の方が大人な気がする・・・。


チラッ


「「!!!」」


あ。視線が友達の方に。顔色悪いよ?冷や汗出てるよ?

気持ちわかるけど・・・。「いつまでここにいるつもり?」って聞こえる。


「あ、悪い、俺もう帰るわ」

「あっ!俺も!またな!」


慌てて帰り支度始めたし。

ちょっと、今の妹と二人きりって僕も嫌なんだけど。

友達が立ち上がって、妹とすれ違う瞬間、

「おとといきやがれ、ですの」

「「!!!(ビックゥゥゥゥ)」」


ドタドタドタドタ


「「お邪魔しましたー!!」」

バタンッ


あー。アレは靴もちゃんと履かないで出てったなぁ・・・。


コンッ


はっ!ヤバイ。

恐る恐る妹を見ると・・・見なきゃ良かったよぉ・・・。


クイッ


顎で呼ばれた・・・僕、お兄ちゃんなのに・・・。

怖いから着いてくけど。

死刑の順番が回って来た時の気分てこんな感じなのかな・・・。

台所?水をジャーっと出しっぱなしにして、僕の腕を引っ張って水に。

あ。冷やせってこと?

妹の顔を見ると、「このまま待機」とのこと。ラジャー!!

あれ?どこ行くんだろ?玄関?


カチャン


あ。鍵閉めたのか。

家は常に鍵掛けなきゃ怒られるもんね。

でもさ、何も僕が怪我してるのにそんな約束事優先しなくても良くない?

あ。帰ってきた妹と目が合った。「とやかく言える立場だと思ってんの?」とか聞こえる。

僕、声に出してないのに何でわかるの。妹も声出してないけど。

そのまま次はお風呂場へ。

なんでお風呂場?あ。洗面器持って帰ってきた。

水も入れてある。ここに手入れればいいのかな?え?まだ?

冷凍庫を開けて氷を洗面器に入れてる。

新しいお水を入れて冷凍庫へ。

何か、もうちょっと慌てて欲しい。

一応、僕、手のひらいっぱいにヤケドしてるんだけど・・・。

「だいじょうぶですの?いたくないですの?」とか言ってくんないかなー。

妹が塩の瓶持った。

え。入れるの?洗面器に入れるの?そこ、この後に僕が手入れるんだよね?

すみません。ごめんなさい反省してます。だから塩は辞めて。沁みる。絶対沁みる。

「・・・・・(溜息)」

うぅ。だって仕方ないだろ。何で塩入れようとするんだよ。

あ。塩は諦めてくれたみたい。

洗面器に手を入れていいのかなーって思ったら、妹は洗面器を持って移動。

え?何処行くの?ソレって僕の為じゃないの?


クイッ


あ。着いてけばいーのか。

水留めてっと。今は出来るだけ妹を刺激しないでおこう。うん。

居間のテーブル。僕の席の前に洗面器を設置。

どーやら、立ったままあそこで冷やしながらママの帰りを待つのは大変って事で座って冷やしておけ。という事らしい。

そのまま妹は子供部屋に消えました。

うーん。角度的に辛い。

氷がいっぱい入ってるからあんまり痛くないんだけど、関節がね、うん。

テーブルの上に座っちゃお。





「ただいまー!!良い子にしてたー?」

あら?出迎えがないわ。

寝てるのかしら?

「ヒー。重いっ!お前、買い過ぎだろ。」

「たまにある男手を使わないでどーすんのよ」

「だからって、米と醤油と油と洗剤纏めて買わなくてもいーだろ・・・。

 あ?チビ共どーした?」

あれ?お友達と遊んでるんじゃなかったっけ?

靴が家族の分しかない。

「おかえりなさいー」

あ、居間にいたのね。珍しいこと。

「あ?チビはどーした?」

「子供部屋・・・」

「いつもと逆か?」

「うん・・・まぁ・・・」

「お兄ちゃん?洗面器に手入れて何してるのかなぁー?」

コレは、絶対、何かやらかしたわね。

「うっ・・・」

「テーブルに座っちゃダメって言ってるでしょ。降りなさい。」

「はい・・・」

あら、いやに素直だこと。

娘に怒られた後かしら?

「ホラ、見せなさい。・・・あーもぅ。何したらこんなにヤケドするのよ。

 ちょっと待ってなさい。」

「あーあ。こりゃひでぇな。事情と説教は治療しながらだな。」

「ううぅぅぅ。」


さてと。準備も整ったし。

「で?何をしてヤケドしたの?」

あ、ちゃんと冷してあるわね。

まぁ洗面器でわかってたけど、これはかなり早い段階で応急処置したんじゃないかしら?

「えっと・・・その・・・」

うん。多分、洗面器を用意したのは娘ね。

「サッサと白状しなさい」

娘がいて、こんな危険な事するとは思えないから、別行動中ね。

「えっと・・・友達と遊んでて・・・」

遊びに来た子達もいないし。怪我した直後に娘に追い出されたかなー?

「何して遊んだらこんなヤケドするのかしらー?」

まぁ、火遊びでしょーね。

コレだから男の子は・・・。

火事にならなかったからまだ良かったけど、最悪大惨事よ?

「その・・・・・・ジッポライター・・・」

「ばーか!!十年早い!!」


ガツンッ


まぁ、そりゃパパの怒りの拳骨くらい貰うわよね。


スパーンッ


スッ


あら。娘の登場ね。

珍しく音立ててふすまを開けたと思ったら、そのまま自分の席へ。

珍しいことづくめね。足組んでるわ。

しかも肘をテーブルに置いて顔乗せてるし。


チラッ


シィィィーーン


くっ!空気が重い!冷たい!!

気の所為か、音まで凍ってる!!

過去最大級のお怒りモードですか・・・!!?


ふふっ


笑った?今、笑った?!声出して笑った?!

初めて聞いたよ?


うふふふふっ~♪


すみません。物凄く楽しそうに愉快そうに笑声が響いてます。

怪我人前にして出すモンじゃないと思うんですけ・・・ど・・・っ!

怖い!声だけは楽しそうなのに!

年齢不相応な色艶というか色気まで纏ってるけど、空気が相変わらず重い!!

パパも黙っちゃったよ・・・。

あ。お兄ちゃん、顔面蒼白。

私やパパの拳骨より効果あるかも。


うふふふふっ~♪


あ、ヤバイ。幻聴聞こえてきた。

「あーあ。悪いコトしたから罰が下った。悪い子だ~悪い子だ~♪」


うふふふふっ~♪


娘は変わらず上機嫌に最大級のお怒りモードで笑ってます・・・。

治療が終わるまで延々と続きました・・・。

笑い声のせいなのか、空気が重いせいなのか、

身体が上手く動かせなくて20分も掛かった・・・。



そうか・・・娘の怒りMAXは笑うのか・・・。

知りたくなかったな・・・なんて・・・。


お怒りMAXはドS。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

とりあえず、このシリーズはこのお話でお終いです。

妹ちゃん、平和に暮らせるといいですね。ある種、違う意味なら平穏を手に入れそうですけど。

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