~一人称って大事~
母親目線。
今日は何だか娘が悩んでいます。
娘が悩んでいるところなんて、初めて見ました。
「うーん…あたし…あたし…」
自分がどーした?
「わたし?…わたし…タワシ?」
アンタはいつからタワシになった。
「…ぼく?」
その歳で僕っ娘になる気か。
「…おれ?」
ガラ悪いな!外見に似合わないにも程がある。
「ウチ?」
アンタ、関西人じゃないでしょーが。
「ワシ…?」
まだ早い。
「せっしゃ…?」
武士か。
「まろ…?おじゃる?」
白塗りにするぞ。
「うーん…わたくし?」
社会人か。
「わらわ…?」
現代に生きろ。
「アンタ、さっきから一人でブツブツ何してんの?」
「なやんでるの」
見りゃわかる。
「何を悩んでんの?」
「あたしってゆーのは、こどもっぽいかなって。”ですの”もちょっとあきた。」
いや、アンタまだまだ子供だしね。てか
「”ですの”って口癖じゃなかったの?」
「くちぐせなの。だからなおそうかとおもって」
なるほど。確かにウザイしね。アレ。直るなら直して貰いたい。
「うーん。わたくし……わらわ……」
最終候補がソレかい。
わたくしか妾ねぇ…。
この娘の過去の台詞に当てはめてみると…
「わたくし、いきませんわ。おひとりでいってくださいまし」
あ。なんか腹立つ。
ウザイ通り越して腹立つ。
これならまだウザイ方がいい。
「妾はいかぬゆえ、ひとりでいってたもれ。」
いつの時代の人間だ。
なんか十二単とか着せなきゃいけない気がしてくる。
「妾のきがえはまだかえ?はようしてたもれ」
あ。うん。ないわ。
私がただの世話係になる。
女官とか下女になる。
「別に今のままでいいんじゃないのー?”ですの”だけ辞めたら?」
「うーん…そうしようかなぁ…」
「てか、いきなりどーしたの?」
「ほいくえんにいくなら、めだたないほうがいいですの」
なるほど。確かに目立つね。イジメられっ子街道真っしぐらだね。
……この娘がそんなのに負けるとは思わないんだけど、気のせい?
「おんなのこがあつまるとこわいですの。なめたらいたいめにあうですのよ?」
人の心読むな。
「一人称と語尾変えたくらいじゃ、アンタの場合、大差ないと思うわよ?」
主に毒舌吐いた時とか。
むしろ、ですの口調で毒吐かれる方が相手のダメージでかくない?
そもそも、この娘の場合、口調が舌ったらずなゆっくりってのが微妙じゃないのかと。
てか、アンタが一番怖いのは無言なのに幻聴が聞こえる時だし。
「そうゆうものですの?あと、あたしはどくなんてはいてないですの」
だから読むな。
「口癖、さっきから戻ってるわよー」
「うにゃっ!」
あと、悲鳴?が猫なのも辞めなさいね。
まぁ咄嗟に出る悲鳴だから、こっちは直せる問題じゃないと思うけど。
「う~ん……あたし…です…の…」
「アンタのことだから、保育園に行き出したら周りの子の口調が移るでしょ。
今から変えなくていいと思うわよー」
普段、側に私しか同性いないしね。
「そうするですのー。いっそ、みんなにうつったら、あたしがめだたないですの!」
いや、それだけはない。
それはそれで楽しい保育園ですけどね。




