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記憶持ち転生疑惑の少女  作者: 日下みる
24/31

~一人称って大事~

母親目線。


今日は何だか娘が悩んでいます。

娘が悩んでいるところなんて、初めて見ました。


「うーん…あたし…あたし…」

自分がどーした?

「わたし?…わたし…タワシ?」

アンタはいつからタワシになった。

「…ぼく?」

その歳で僕っ娘になる気か。

「…おれ?」

ガラ悪いな!外見に似合わないにも程がある。

「ウチ?」

アンタ、関西人じゃないでしょーが。

「ワシ…?」

まだ早い。

「せっしゃ…?」

武士か。

「まろ…?おじゃる?」

白塗りにするぞ。

「うーん…わたくし?」

社会人か。

「わらわ…?」

現代に生きろ。


「アンタ、さっきから一人でブツブツ何してんの?」

「なやんでるの」

見りゃわかる。

「何を悩んでんの?」

「あたしってゆーのは、こどもっぽいかなって。”ですの”もちょっとあきた。」

いや、アンタまだまだ子供だしね。てか

「”ですの”って口癖じゃなかったの?」

「くちぐせなの。だからなおそうかとおもって」

なるほど。確かにウザイしね。アレ。直るなら直して貰いたい。

「うーん。わたくし……わらわ……」

最終候補がソレかい。

わたくしか妾ねぇ…。

この娘の過去の台詞に当てはめてみると…


「わたくし、いきませんわ。おひとりでいってくださいまし」


あ。なんか腹立つ。

ウザイ通り越して腹立つ。

これならまだウザイ方がいい。


「妾はいかぬゆえ、ひとりでいってたもれ。」


いつの時代の人間だ。

なんか十二単とか着せなきゃいけない気がしてくる。


「妾のきがえはまだかえ?はようしてたもれ」


あ。うん。ないわ。

私がただの世話係になる。

女官とか下女になる。


「別に今のままでいいんじゃないのー?”ですの”だけ辞めたら?」

「うーん…そうしようかなぁ…」

「てか、いきなりどーしたの?」

「ほいくえんにいくなら、めだたないほうがいいですの」

なるほど。確かに目立つね。イジメられっ子街道真っしぐらだね。

……この娘がそんなのに負けるとは思わないんだけど、気のせい?

「おんなのこがあつまるとこわいですの。なめたらいたいめにあうですのよ?」

人の心読むな。

「一人称と語尾変えたくらいじゃ、アンタの場合、大差ないと思うわよ?」

主に毒舌吐いた時とか。

むしろ、ですの口調で毒吐かれる方が相手のダメージでかくない?

そもそも、この娘の場合、口調が舌ったらずなゆっくりってのが微妙じゃないのかと。

てか、アンタが一番怖いのは無言なのに幻聴が聞こえる時だし。

「そうゆうものですの?あと、あたしはどくなんてはいてないですの」

だから読むな。

「口癖、さっきから戻ってるわよー」

「うにゃっ!」

あと、悲鳴?が猫なのも辞めなさいね。

まぁ咄嗟に出る悲鳴だから、こっちは直せる問題じゃないと思うけど。


「う~ん……あたし…です…の…」

「アンタのことだから、保育園に行き出したら周りの子の口調が移るでしょ。

今から変えなくていいと思うわよー」

普段、側に私しか同性いないしね。

「そうするですのー。いっそ、みんなにうつったら、あたしがめだたないですの!」



いや、それだけはない。


それはそれで楽しい保育園ですけどね。

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