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記憶持ち転生疑惑の少女  作者: 日下みる
23/31

~お風呂で遊んじゃいけません~

日常が些細なキッカケで非日常になったりしますよね。

母親目線。

今日は子供達とお風呂に入った時のある事件のお話をしたいと思います。

流石に子供達だけでお風呂に入れるのはまだ危険なので。

お風呂場で下手に遊んだら大事件。

それに娘の髪は腰近くまで伸びてるので、小さい子じゃ洗えない。

パパが「女は髪が長い方がいい!!」と断固として譲らないので、

私も娘も髪を伸ばしています。


娘は水が嫌いらしく、特に顔や耳が濡れるのを物凄く嫌がります。

シャンプーハットは手放せません。

そして、タオルは必需品です。

少しでも濡れたら、即座に拭かないとダメみたいです。

私としては、娘にも子供らしい苦手な部分を知って、ちょっとほのぼのしてたり。


ほのぼのしてたのに・・・

まさか、お兄ちゃんによってそれが台無しにされるとは思ってもなかった・・・。


事の始まりは、いつも通り、私が娘の髪を洗った後です。

ついこの間まで、自分だって使っていたくせに、

お兄ちゃんがシャンプーハットを使ってる娘を馬鹿にしたのが

今思えば発端だったのかしら・・・?


最近のお兄ちゃんはちょっと娘に意地悪なのよ。

多分、娘の態度が前よりも素直じゃなくなったのが原因だと思うのだけど、

お兄ちゃんへの信頼度が下がったのは恐らく、

約束をしょっちゅう破るお兄ちゃんが原因な気がする・・・。

兄の威厳だか男の沽券だか知らないけど、

同じ女から見ても、娘の性格を考えても逆効果だと思うのよねぇ。


「やーい。シャンプーハットなんて使ってやんの。だっせー」

「・・・・・。」


娘はあまりにもくだらない挑発は総スルー。

それに、お風呂場で遊んじゃダメって言ってあるし。

と、いうか娘は本当に水がダメらしくて入浴中は常に緊張と警戒態勢。

無視されたと思ったのか、お兄ちゃんは気に食わなかったみたい。

娘としては、大嫌いなシャワー責めから開放された一時の休憩タイム。

くだらない事に乗る余裕なんて皆無だと思われます。

気が弛んだ瞬間に、なんとお兄ちゃんが暴挙に出ました。


バシャッ!


「!!!!」


あろうことか、娘の顔面にシャワーをぶっ掛けたーーー!

泣く!絶対泣く!!

慌ててタオルを娘に。


「大丈夫?目に入ってない?耳とか鼻に入ってない?」

「・・・・・ふぇぇ(ふきふき)」

あー。やっぱ泣いたか。

「コラ!お風呂で遊んじゃダメって言ったでしょ!」

「遊んでないもーん。ワザとじゃないもーん」

このクソガキッ!!

「・・・・・・・・・・・・ひっく。ひっく。(ふきふきふきふき)」

大声で泣かないのは助かります。お風呂場、響くもんね。

ご近所さんに迷惑だもんね。

「この子が水嫌いなの知ってるでしょ?謝りなさい!」

「ワザとじゃないって言ってんじゃん」

ワザとじゃなきゃ謝らないでいいって言う理由にはならないでしょうが!


「いいから謝りなさい!」

「へーへー。ごめんなさいよー」

「・・・・・・・・・・・・・・・・。」


ユラァ


え。ちょ。まずい。娘がゆっくりと立ち上がって、お兄ちゃんの正面に。

目が据わってる!据わってるよ!!

今までのほんわかぼんやりモードは彼方遠くへ。

お風呂場なのに冷気と重力が心なしかズッシリそしてヒンヤリ。


「・・・・・・・(ジロリ)」

「なっ。なんだよっ!謝っただろ!」

アンタの中であれは謝ったのか。私には喧嘩売ってるようにしか聞こえなかったわ。


ヒュッ


ガシィ


ブンッ


ガッ


バシャンッ!!


ゴボゴボゴボゴボゴボッ


すみません。流れるような動きすぎて解説が間に合いません。

娘の左腕が動いたな、と思ったら、

あっという間に息子の髪ごと頭を掴んだ。

手が小さいから、頭を鷲掴み出来ないとみたのか、髪を握りこんでます。

そのまま湯舟に一直線☆

湯舟の縁にお兄ちゃんの身体が激突しようが無視。

そのまま頭ごと上半身を湯舟に沈めましたー!

もがいてるけど、どうやら体重をかけてるらしく浮上も無理。

お兄ちゃんはすでに体勢を崩してる。

って!解説してる場合じゃない!死ぬ!死んじゃう!


「待って待ってー!ストップー!死んじゃうから!」

「・・・・・・・・(チラ)」

いやいや。「まだ大丈夫」じゃないから!!

「お願いだから!これくらいで勘弁してあげて?ね?」

「・・・・・・・・・(はぁ)」

溜め息吐かれた!でもこうなった娘に私は勝てません。

明らかに渋々といった雰囲気で手を放してくれました。


「プハッ!ゲホゲホッ!うえぇぇええええええええええええん!!!!」


まぁ、そりゃ泣くわよねー。

でも、今のはお兄ちゃんが悪いし。

娘を恐る恐る伺うと

「フンッ。これくらいで許してあげたんだから感謝して欲しいくらいよ」

と、いう雰囲気で不満気。どうやら娘の中ではまだ足りないらしい。

そっかぁ。顔面に突然シャワーをかけられるのは、

この娘にとっては、水責めの刑でも足りないくらい重罪らしい・・・。


その後、お兄ちゃんは恐ろしいくらい静かになりました。

最初からそうしてればいいのに。まったく。


「ママ、からだ」

「あ。はいはい。」


丁寧に心して洗わせていただきます。

少しでも機嫌が直るようにね!!

と、言う訳で、いつもは子供用の敏感肌対応のシャンプーで洗うんだけど、

今日はお花の匂いのシャンプーを使用。

次第に娘の纏う雰囲気がゆったりぼんやりモードに入れ替わっていきました。

良かった・・・!良かったよ。うん。お花好きだもんね。


良い子も悪い子も真似しないでください。

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