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記憶持ち転生疑惑の少女  作者: 日下みる
18/31

~世界で私が一番!~

母親目線。母親の紹介を兼ねつつ、妹ちゃんとの関係もちらり。

私は、幼少の頃、失語症だった。

悲鳴すら上げられないので、幼稚園などには行かず、ずっと商売をしている両親の傍で育った。

弟がいたけれど、問題のない子だったので私ばっかり構われた。

小学校~中学校では、失語症こそ治ったものの、イジメられ不登校になった。


私が明るくなったのは高校に行ってから。

高校は受験に失敗した。私立に入れてもらった。

偏差値の低い学校だった。

不良の子も、大人しい子も、みんな頭のデキは似た程度。

それでもイジメはどこにでも起こることだった。

けれど、幸運なことに、いじめられそうになったら、姐御肌の同級生が助けてくれた。

当時、女性陣の裏番の子だった。

それからというもの、いじめられる事はなかった。

何かあったら、その友達に泣きつけば助けてくれた。

友達が沢山出来た。

みんな甘やかしてくれた。

「しょうがない子ね」って、頼めばなんでもしてくれた。

美人な友達も出来た。

私自身は、男の同級生に「十人並み」と称される容姿だった。

言われなくてもわかってる。


「胸があったらスタイル抜群なのにな」


ほっといて欲しい。

でも、胸以外はスタイル良いって事よね?

胸なんていくらでも厚底出来るのよ♪

美人な友達と街を歩いていると、面白いくらいナンパされた。

気分が良かった。楽しかった。

好きなアイドルを追いかけたり。

友達のコネでミュージシャンと会ったり。

人生で一番楽しかったのはこの時だと思う。


高校を卒業して、学校の推薦枠で銀行に正社員として入社した。

就職難なんて言葉とはほど遠い時代。

その銀行も一年程で辞めた。

お局様に目をつけられて煩わしかった。


「オバサンが若い私を僻んでるんだわ!」


媚を売る気になんてなれなかった。

あっちの方が年上なんだし、先輩なんだから、優しく教える立場だと思った。

私は褒められて伸びるタイプなのよ!


その後は喫茶店でアルバイト。

憧れていたの。

そこにカッコイイ男の子がいた。

好きなアイドルと同じ場所にホクロがあった。

声をかけたら簡単に釣れた。

お付き合いして、一年くらいで結婚した。

私がお父さんに「出てけー!」って言われて彼の家に押しかけたの。

そしたら、彼ってば、私の家に連絡して、プロポーズしてくれたのよ!

お父さんは大反対。

彼はお父さんのご機嫌取りを必死にしながら結婚の承諾を得ようとしていた。

うふふふ~♪

私って愛されてると思わない?


結婚後は数年間、新婚気分を味わった。

子供?いらないいらない。

私だけ愛してて欲しいの。

でも、数年経って、旦那に女の影がチラついた。

旦那が仕事に行ってる間に荷物を漁ったら離婚届が出てきた。


ヤバイ。


旦那は子供が欲しいタイプだった。

仕方がないから子供を作った。

男の子だった。

旦那に似た可愛い子だった。

お気に入りのホクロもちゃんと引き継がれてた!

すごく可愛いがった。

自分でもびっくりするくらい。

子供って嫌いだったんだけど、自分の子は別なのかしらね?


数年後、娘が生まれた。

これまた美人系の子が産まれた。

どっちに似たのかはわからないけど、隔世遺伝かな。

娘は手が掛からない子だった。

幼児くらいになると、色々やりたい事があった。


お洋服を手作りしたり。

ヘアアレンジを色々したり。

私の髪と違ってストレートだから楽しかった。

今度はアイロンもあててみようかな?

着せ替えしたりして楽しんだ。

最初は男の子って話だったけど、女の子は色々構いがいがあるから、結果的には良かったかな♪

物分りのいい子で、私が構う気がない時は一人遊びをしててくれた。

お兄ちゃんもしっかり面倒見てくれたらから、助かった。


そう。お兄ちゃんが面倒を見ててくれたの。

息子も一人遊びばっかりの子だった。

家族でご飯を食べてても全然喋らない子だったの。

それなのに、今は娘とキャイキャイお喋りしてばっかり。


旦那も娘にデレデレだった。

どう扱っていいのかわからないみたいで、あんまり構いはしなかったけど、娘に何かあると私が怒られた。

娘が悪いのに私が怒られるなんて理不尽!

前に、娘が泣いてる時に旦那が怒鳴ったら大泣きしたのだ。

泣き虫の娘が泣くことなんていつものこと。

ほっといたら「泣くな!うるさい!」だって。

逆効果ってわからないのかしら?

それからは娘に怒らないで私に怒るようになった。

こんな理不尽なことってある?


面倒だから、娘には一人で外出しないって約束させた。

お兄ちゃんと遊びに行っても、遊んでいい場所を限定させた。

これなら滅多に問題も起こらないでしょ?

しょっちゅう転んでくるけど、洋服を汚す事は滅多にないし。

目が見えてないんじゃないかって旦那が騒いだけど、視力に問題はなし。

高い眼鏡を薦められて、定期的に病院に来るように言われたけど、正直、こんな事にお金なんて使ってられない。

見えるんなら問題ないじゃない。

ただこの娘がドジなだけでしょ。

旦那には視力に問題なかったって伝えておいた。

眼鏡云々は伝えてない。

絶対大騒ぎするもの。


あんなに私の事を一番に愛してくれてたのに、今では私は何番目なの?

私だけを一番に見てて欲しいのよ。

どうして自分の誕生日のケーキを自分で買いに行かなきゃいけないの?

プレゼントもくれなくなった。

息子も娘にべったり。

おもしろくない。つまんない。なんで娘ばっかりなの?


娘が調子に乗らないように厳しくした。

旦那や息子がいる前で娘をきつく叱ると私が怒られる。

何せ、この娘は悪い事なんてしないから。

せいぜいが転んで食器を落とすくらい。

平日は旦那は仕事だし、お兄ちゃんは保育園。

二人きりの時間はいっぱいあった。

告げ口したり泣きついたりすると思ったけど、杞憂だったみたい。

叩いても泣きもしなかった。

可愛げがないにもほどがある。

泣いて懐いてくれば私だってもう少しは可愛いがってあげたのに。

感情のない、ガラス玉みたいな冷たい視線を向けてくるだけだった。

あの視線も大嫌い。こっちが馬鹿にされてる気分になる。

大人しくお人形になってればいいの。



だから、今日も娘は隣の部屋で一人遊び。

子供部屋は居間から死角になってるので、一人の時はいかせない。

何かあったら怒られるのは私だもの。


「Trrrrrrr」


ん?電話?誰かしら?


「はい。もしもし?」

「あ。もしもし?おっひさー?元気?」

「!久しぶりー!元気元気!」


高校時代から付き合いのある友達からの電話だわ!


「どう?子供二人で大変でしょ~?」

「んー。うちの子、大人しいから大変ではないんだけど」

「あははは!あの手間の掛かる妹分がいまや二児の母なんて、人生わかんないもんねぇ」

「うっさいやい」

「あはは!ごめんごめん。でも、あんた子供嫌いじゃなかった?大丈夫なの?」

「うん。それは私もビックリした。自分の子供は平気みたい」

「そ?それならいーんだけど」

「うん。平気なんだけど、、、娘の扱いが難しくって、、、」

「あー。わかるわかる。うちも娘いるし。女の子って難しいわよねー。口ばっかり達者で」

「そうそう!やっぱ、どこもそうなの?」

「そんなもんよ~。良かったじゃない?ママに似ない賢い子で」

「うっさいわよーだ。みんなして私に似ないで良かったねって言うのよ?酷くない?」

「あはははは!!酷くない酷くない。アンタ、自分に似たような子の面倒見れないでしょーよ。手が掛かりすぎて」

「うっ・・!それは・・・まぁ、そうだけど!」

「否定出来ないんじゃん♪」

「私だってちゃんと母親してるもん!」

「みたいねー。安心したわー」

「どういう意味よ!・・・ってちょっと待ってて?」

「ん?どうしたの?」

「娘が盗み聞き?堂々と聞いてるから、どっか行かせるわ」

「はいはい。」

「~~♪♪(保留音)」


「そこで何してるの」

「・・・・・。」

「あっち行きなさい」

「・・・・・・・。」

「あっち行きなさいって言ってるでしょ!!」


バチーン!


「・・・・・・・・・。」


いつも泣き虫な癖に!

叩いた衝撃で下がった頭をゆっくりと上げて冷たい視線で見てくるのも気に入らない。


「あっち行きなさいって言ってるでしょ!!また叩かれたいの!」

「・・・・・・・・・。」


ヤレヤレって顔して大人しく向こうに行った。

声を出さないのは、多分、電話が保留中って知らないからかしらね。

電話中に邪魔しちゃダメってのは覚えてるみたい。

なんなの。ほんと。


「あ。ごめんねー。お待たせー」

「こっちは大丈夫だけど。そっちは大丈夫なのー?寂しがってんじゃないの?」

「あ、それは大丈夫。一人遊びばっかりしてる子だから」

「それはまた手の掛からない子だこと」

「おかげで本を読む時間がたぁっくさんあるわ♪」

「うっらやましーことでぇー」

「うふふふ~♪・・って。あ。ごめん。そろそろ買い物行かなきゃ。」

「あれ。もうそんな時間か。んじゃ、またねー。」

「うん。またね~。今日はありがとー」

「どういたしまして~。じゃぁ」

「はーい」


ふー。やっぱ、同級生と話をするのって楽しいわぁ~。

家で本を読むのもいいけど、さすがに毎日だとテンション上がらないのよね。

さてと、お買い物お買い物。

娘にも声掛けなきゃ。


「お買い物行くわよ。支度しなさい」

「・・・・・・・・(コクン)」


叩いた後はいつもしばらく話さないのよね。

なに?無言の抗議?

まぁ、この娘の場合、マシンガントークで文句言われる方が相手するの面倒なんだけど。


階段を下りた所でご近所さんと遭遇。


「あら?お出かけ?」

「えぇ。近所のスーパーに。」

「そう。ママとお買い物なの。偉いわねー」


何がどう偉いの。娘が買う訳じゃあるまいし。

まぁ、使い道はあるので抱っこする。


「あら。大きいお目めねー。落っこちちゃいそう」

「・・・・(ぎゅっ)」


肩を掴んでる手に力が入った。

首に顔を埋めない所が賢いわよね。

私が娘をどう使いたいのか知ってるのね。


「あら?一人見知りなのかしら?」

「えぇ。そうみたい。ごめんなさいね」

「しょうがないわよ。まだこんなに小さいんだもの」

「そうだといいんですけどね」

「大丈夫よ。子供なんて勝手に育つんだから。美人さんねー。パパに似たのかしらー?」


なんで美人だと私似じゃないんですかねぇ。

喧嘩売ってます?


「ごめんなさい。ちょっと急がないといけなくって・・・」

「あら。引き止めちゃってごめんなさいね。いってらっしゃい」

「はい。失礼します」


ふぅ。

可愛い子供の母親ってステータスはいいんだけど、

毎回毎回パパ似?って聞かれるのはちょっと腹立つ・・・!

娘を下ろして買い物しましょ。




毎度の如く、スーパーで娘を見失ったんですけど、誰か対策方法教えて!

妹ちゃん的には、白雪姫やシンデレラを読んでるので、母親の態度は普通だと思ってます。

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