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記憶持ち転生疑惑の少女  作者: 日下みる
17/31

~靴は必須アイテム~

母親目線。


バタバタバタッ


・・・・・ガッ


ドタドタドタッ


・・・・・ゴツンッ


タタタタターッ!


・・・・・ドゴンッ!



バタバタと足音うるさいのが息子です。

そして、足音こそ無いけど、何かしらに激突してるであろう音を響かせてるのが娘です。

うちの娘はなんで足音しないのかしら・・・?

家の中ならいいんだけど、これが外出した時に結構困るのよ。

足音も気配もなく気付いたらいないのよ?!

ちょっと目を離した隙にどっか消えてるのよ?!

困るので、パパと相談しました。

パパはすんごく嫌がってたけど、切実なのよ。

押し切りました。



ピヨピヨ靴を買うと!!!!



アレなら、歩く度にピヨピヨ鳴るので見失わないっ!!

ちょっと五月蝿いのが珠に傷だけど、背に腹は変えられないのです。


と、言う訳で履かせてみましたー!拍手ー!

家族4人でお出掛けです。


「ママ?あたらしいおくつー?」

「そうよー。かわいいでしょ?」


ぷきゅぷきゅ


うん。鳴る鳴る。これなら安心!


「はい、足出してー」

「はーい」

「・・・・よし。はい、立って歩いてー?」

「はーい」


ぷきゅっ


「?!」


うん。びっくりするよねー。今まで無音だったのに、突然まぬけな音出てるもんねー。

だけど、こっちはそれが目的なのよっ!


ぷきゅっぷきゅっぷきゅぷきゅぷきゅぷきゅ


足踏みうるさいわー。

買っといてなんだけど。履かせといてなんだけどうるさいわー。

でも、大丈夫そうね。レッツラゴー!!


ぷきゅっ・・・・ぷきゅっ・・・ぷきゅぅ・・・


足音を聞いて初めて発覚しました。

この娘、歩くの遅っっ!!!

本人をみると必死に歩いている。それでもパパに手を引っ張られてる。

どんだけ遅いのよ・・・


ぷきゅぅー・・・・ぷきゅぅーーー・・・


足音が「はーやーいー」っていう訴えに聞こえるのは幻聴かしら?!

あ。パパが耐えられなくなって抱っこした。

まぁ、五月蝿い上に遅いしね。

パパ、忍耐力ってほとんど皆無だもんね・・・。



ぷきゅっ・・・ぷきゅっ・・・


なんで音がするのか不思議に思って見てみたら、娘がパパを蹴ってワザと音出してましたー。

娘はご機嫌ね~。普段、抱っこなんてしないしね~。

パパもデレデレだわー。うん。娘馬鹿だわー。

私は何にも見てないよー。見えてないよー。息子で手がいっぱいだよ。


帰り道、パパには抱っこ禁止にしました。

靴の効果がちゃんとわからないでしょ!もぅ。


・・・・・・・。


・・・・・・・・・。


あれ?足音、しないんだけど・・・?


慌てて娘を探したら、普通にいる。パパと手を繋いでる。

え?ピヨピヨ靴は?と思ったら、ちゃんと履いてるし・・・。

壊れたとか?この娘、すぐ何かに躓くし、可能性はかなり高い。


「ちょーっと、お靴かしてー?」

「?」

お姫様の様に足を差し出してくる娘。

屈む私。

まるで、シンデレラと靴の持ち主を探してる従者の構図。

・・・・・軽く屈辱を覚えるのは気のせいか。

気にしたら負け。うん。頑張れ私。

脱いだ靴を押してみる。


ぷきゅ!


あれ?音出るわねぇ・・・。なんだったのかしら?

娘に履かせる。


・・・・・・・・。


・・・・・・・・・ガッ。


うん。歩いてる。そしていつも通り何かに躓いてる。

・・・。

・・・・・・・。

ピヨピヨ靴履いても足音消せるってなんでしょーか?!!!

あれか?!鶯板でも足音がしない忍?!!





そして、後日。

お風呂上がりに相変わらずバタバタガタンゴツンと五月蝿い兄妹をお仕置きでドアの外に放り出しました。

階下の人から苦情が来てるのよ。夜にこんな騒音出してたら、また怒られちゃうじゃない。

うるさいっ!って放り出したから、理解してるはず。


ドンドンッ!!

「ママー!いれてよ~。ごめんなさいー!」


あれは息子ね。反省してるかな。

あとは娘が反省したらお家に入れてあげましょう。


トムトム


・・・あれは、娘がドアを叩いた音・・?

ドアに肩叩きでもしてるの?力弱いにも程があるわよ・・?



ガゴーーーーーーン!!


?!!蹴った?!あの娘、ドア蹴った?!!!


「ママー。いれるですの~。ここだとごきんじょさんにめーわくですの~。

 ごきんじょさんにめーわくかけちゃだめですの~」


一欠片も反省してないっ?!!!


「ママ~?きいてるですの~?

 ひとのおはなしはちゃんときかないとだめですの~」


それどころか、こっちが説教された?!!


「ママー。おはなしがあるならちゃんとはなすですの~。

 ちからづくではなにもかいけつしないですの~」


その上、諭された?!


「ママー?こどもをすてるなら、パンもないとこまるですのー。

 おかしのおうちをみつけられないですの~」


ヘンゼルとグレーテルかいっ!!確かに兄妹だけど!!

あんたは魔女を殺す気満々か?!


「・・・・くちべらしなら、すてるよりも、

 おかねもちにうったほうがおとくですのー」


今度は姥捨て山か!てか、なんつー提案?!

スーパーで「お買い得」の読み方と意味を教えたけど、

まさかこんな使い方をするとは!!

教えなきゃよかった・・・。

もぅ、ご近所さんに変な誤解されちゃうじゃない!!

しばらく誤解を解いて歩かないとダメかしら・・?なんてめんどくさい・・・。


「ママー?このままだと、わるいうわさがたつですのー。

 それがいやならはやくいれるですのー」


こっちの心読んだ?!!!

え。ワザと?!ワザとなの?!

説教された上に諭されて要求されて物騒な提案されて脅迫されたんだけど?!!


ぜったい!!!謝るまで入れてあげないっ!!!!




ママは知らなかった。

ドアの外で子供達がこんな会話をしてることに。


「?おにーちゃん?どこいくですの?」

「おばーちゃんち」

「よるにおそとにいっちゃだめですのよ?」

「今はきんきゅーじたいってやつだからいーの」

「あぶないですの」

「だいじょぶだって。一緒に来る?」

「あたしはいかないですの。おこられちゃうですの」

「じゃ、僕だけいってくるー」

「きをつけてですのー」



ーーーーーーーーx時間後ーーーーーーーーー


「Trrrrrrrrrrrrrrr」


こんな時間に誰かしら?

パパかしら?夜ご飯いらないなら、もっと早く連絡して欲しいんだけど・・・。


「はい。もしもし?」

「あ。あんた?私だけど。」

「お母さん?どうしたの、こんな時間に」

「どうしたって、それはこっちの台詞よ。何があったの?」

「え?何もないけど?」

お仕置き中ではあるけど、大した問題じゃないし。

「・・・お兄ちゃんが家に来てるのよ。しかも、パジャマと裸足で。」

「・・・・は?」

「身体も冷えてるし、汚れてるしで、今おじーちゃんがお風呂入れてるけど、何があったの?家出?」

「え・・・お仕置きでドアの外に放り出したぐらいだけど・・・。」

ここから実家までは車でも10分以上かかるのよ?

園児が歩いていける距離でもないはずなのに・・・。

しかも、夜に裸足で!

「一人で歩いてきたのね・・・・出したのはお兄ちゃんだけ?」

!!!!!

「え。娘は一緒じゃないの?!」

「お兄ちゃんだけだけど・・・?」

「「・・・・・・・・・・・・・・(蒼白)」」

「わ、私、娘探してくる!お母さんはお兄ちゃん預かっておいて!パパが帰ってきたら迎えに行ってもらうから!」

「わ、わかったわ。」


うそでしょ?!

ただでさえ誘拐してくださいっ言って歩いてるようなぼんやりした娘が

こんな時間にパジャマ姿でウロウロしてた日には・・・

いーーーやぁぁぁああああああ!!!!!


バターン!


「・・・・・・・・・・・・。」


「Zzzzz」


ドアを開けてもぶつからないくらい程よく距離を取った場所で娘が寝てるのを発見しました・・・。

娘を抱き上げてお布団へ。

何かしら、この脱力感・・・・。

お母さんに電話して、娘を発見した事を報告。

あとはパパの帰りを待とう。


はぁ・・・・今度から締め出す時には、お兄ちゃんの靴と、ブランケットも一緒に放り出そう・・・。

それとも、違うお仕置き方法を考えるしかないかしら・・?

なんか無駄に疲れた。すごく疲れた。考えるのは後日にしましょうそうしましょう。


妹ちゃんは一人遊びが多いので読書量が半端ないです。

彼女にとっては漢字も名詞も同じ認識。

お母さんも本ばっかり読んでいるので、発想が若干ファンタジー。

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