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記憶持ち転生疑惑の少女  作者: 日下みる
15/31

~理由~

母親目線。

「ママー」

「なに?」

「きいてもいー?」


珍しい。

娘が自分から話かけてくる事も少ないけど、質問の許可まで尋ねてくるなんて初めてじゃなかろーか。

だが、この娘の質問。しかも、聞いてもいいか尋ねる程の。

あまり聞きたくない・・・。

絶対答えにくい質問に決まってる。

うぅ~~ん・・・。

でも、これ以上、娘からの信頼度が下がるのも不味い気もするし・・・。

聞くだけ聞いてみよう・・・か、な。


「うん。いいよ。何?」

「ひとはどうしてもうまれてくるの?なんのためにうまれてくるの?」


聞かなきゃ良かったよ・・・!!


「い・・・いきなりどうしたの?」

「あのね、テレビでね、”ひとはしぬためにうまれてくる”ってゆってたの」


そういえばこの間、アニメでそんな台詞があったような・・・。


「そうよ。でも人間だけじゃなくて、動物も植物もそうなの。特別な事じゃないのよ。」

「・・・わんわんも?」

「そうよ」

「うさぎさんも?」

「そうよー」

「うしさんもぶたさんもおさかなさんも?」

「そうよー」


いつまで続くの?生物全部挙げるの?


「じゃぁ、なんでうしさんやぶたさんやおさかなさんをたべちゃうの?

 にんげんにたべられるためにうまれたんじゃないんでしょ?

にんげんもたべられちゃうの?」


そこ行くのか。

うーん。弱肉強食とか言ってもわかんないだろうし。

むしろ、より面倒な質問が返ってきそう。

お兄ちゃんですら質問をしないようなことを何故この幼児の娘が質問してくるのか。

お兄ちゃんも同じアニメを見てたはずなのに・・・。

んー。ちょうどいいから、命と食べ物の大切さを教えようかしら。

この娘、食べず嫌いはないけど、好き嫌いはあるのよね。

お兄ちゃんみたいに、お菓子とお肉しか食べないよりマシだけど。


「人間は滅多に食べられないわよ。牛さん達は私達の為に犠牲になってくれてるの。

 それに、牛さん達だってご飯は食べるのよ。」

「ぎせい・・?」

「私達が生きるために命をくれてるのよ。」

「・・・・・。」

「だからね、これからは」

「じゃぁ、にんげんなんていないほうがいーのに。

 そしたら、うしさんたちや、ちきゅうにめいわくかからないもん」


何がどうしてそうなったのかな?!!!

環境汚染問題とか絶滅危惧種とかこの子は知らない筈だよね?!

え?まさか知ってるの?!知っててもおかしくない気がするのが怖い!!

そしてまさかの人間排他発想?!

この子にとっては人間よりも動物とかの命の方が重いの?!

え。この子、実は人間じゃないとか?

いやいや。私、人間。私が産んだ子。うん。人間だわ。


「め、迷惑なんかじゃないと思うわよー?」

「・・・・?」


うわぁい!おべんきょう以来の疑わしい視線いただきましたー!!


「ホラ、迷惑だったら、神様が怒って人間なんて滅んでるでしょ?

 私達は生きてるから、それは許されてるってことなんじゃないかしら?」


ちょーっと無理あったかなー!?

でも、この子の見てるアニメって神様とか出てくるし、信じてる気がするのよねー。


「・・・みすててるだけじゃないの?」


シビアだわー。きっついわー。


「うーん。じゃぁ、貴女なりに納得の行く答えを探すために生きるってのはどう?」


確か、アニメのキャラもそんな返事貰ってたよーな気がする。

こんなことなら、私もちゃんと見てればよかったわ・・・。


「・・・・・・(コクン)」


なんだか絶望したような表情が気になるんですけど?!

とりあえず、質問は終わったらしい。

相変わらず難しい事ばっかり気にする子だこと。



それ以降、娘がお肉関係を一切食べたがらない事にかなり困りましたけど何か?!!


ちゃんと食べないと、ヒロインみたいな体型になれないわよ?

と言ったら食べるようになりました。

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