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スクールガーディアンズ  作者: 雪野
第43話
485/596

43-6






     43-6




 一瞬にして張り詰める空気。

 ある者は姿勢を正し、身なりを整え、露骨に逃げ出す者もいる。

「あら、戻ってたのね」

 至って気楽に声を掛けるモトちゃん。

 大きなバッグを受付に置いた北川さんは生返事を彼女へ返し、自警局内を見渡した。

「雰囲気が、少し違うんだけど。それに、どうしてここにいるの」

「私、今仕事がないから」

「……まだ、浦田君を代理に?」

「北川さんも話してみる?」

 モトちゃんの言葉を待たずに歩き出す北川さん。

 敵兵を捜す斥候って、こんな感じかな。



 彼女が辿り着いたのは、局長執務室前。

 間が悪い事に、今日に限って1年生がその前を警備している。

 当然向こうは北川さんを知っていて、慌てて敬礼をするが。

「誰を、何のために守っているの」 

 サトミを思わせる追求。

 ただあの子と違うのは、相手を追い詰めるためではなく純粋な疑問から来る質問。

 ねちねち攻める訳ではない。

 でもって、真後ろから睨んでは来ない。

「え、えと。その。浦田代理が仕事をしていまして」

「ここは常に解放されているはずでしょ。これは、浦田君の指示?」

「い、いえ。我々独自の判断です」

「我々……。とにかくここの警備は必要ありません。その旨を自警局全員に通達。今すぐに」

「は、はい」

 何か叫びながら逃げていく男の子。

 まさかと思うけど、あの調子で触れて回るんじゃないだろうな。



 北川さんはドアの前に立ち、鍵が掛かってないのを確認。

 私達を振り返った。

「これって、何かの罠?」

「意外と慕われてるのよ。我々って言うくらいの人数も揃ってる」

「クーデターもする気?」

 そこはあまり取り合わず、ドアの中へ入る北川さん。

 彼女に何かあっては困るので、私達も付いていく。




 執務室までの短い通路は、特に何もない。

 監視カメラが嫌だなと思うくらいで。

「彼が有能なのは認めるけど、上に立つタイプではないでしょ」

 ばっさりと切って捨てる北川さん。

 集音マイクで音を拾っていたら、泣きたくなるだろうな。

「さっきも言ったように、受けが良いの。他局の人間からも」

「信じられないわね」

 ひどい事を言いつつ、次のドアをくぐる北川さん。


 そこにいたのは、いつものメンバー。

 ケイと沙紀ちゃん。

 護衛にショウ。

 今日は柳君もいるようだ。

「久し振りね。随分、局長職が板に付いてるみたいだけど」

「かまぼこかな」

「……何言ってるの」

「板のないかまぼこなんて、ただのはんぺんだよね」

 ここでようやく、私も気付いた。

 彼がケイではなく、その双子の兄であるヒカルだと。

 少し距離があったのといつもの光景に収まっていたので、さすがに私も見間違えた。


 ただ能力としては同等。

 むしろ彼の方が、安定感はある。

 そうなると、ケイ本人がどこにいるかと疑問に思うが。

「浦田君。弟の方はどこに」

「すれ違わなかった?さっき出て行ったけど」

「見てない。逃げた訳ではないわね」

「逃げるタイプじゃないと思うよ」 

 書類にサインを終え、そう答えるヒカル。

 そう。

 彼が逃げるタイプなら、私達は今までどれだけ救われてきただろうか。


「とにかく、代理は今日で終了。お疲れ様でした」

「こちらこそ、ありがとうございました」

 丁寧に頭を下げるヒカル。

 そして資料を片付け、椅子から立ち上がった。

「じゃあ、後はよろしく。食堂で、何か食べてこようかな」

「大学院生でしょ、あなた。ここにいていいの?」

「ここにいるのも何かの偶然。巡り合わせ。そんな一瞬一瞬を大切に生きたいね」

「どういう意味?」

「いや。自分でも、全然分からない」

 膝から砕けそうな事を言ってくれるな、この人は。

 北川さんが、思わず拳を固めたのも無理はない。



 間の悪い。

 もしくは間が良いと言うべきか。

 そこに、小さなビニール袋を手に提げたケイが帰ってきた。

「ん。どうかした」

「久し振り。代理は、もう今日で結構。お疲れ様でした」

「それは助かった」

 ショウ達にお茶を配り、私物らしい物を机の上から回収してリュックに詰めるケイ。

 彼は何の未練も見せず、それを背負って歩き出した。

「……良いの、それで」

「自分が言ったんだろ、もう結構って。だったらそれに従うだけさ」

「何もしないわね」

「する理由がない。では、お疲れ様」

 振り返りもせず、すたすたと執務室を出て行くケイ。

 それに付いていったのはショウと柳君。


 唯一残った沙紀ちゃんは、恨みを込めた視線を北川さんへ向ける。

「ああいう言い方は無いんじゃなくて。浦田は、悪い事はしてないわよ」

「原理原則を言っているの。局長本人がいて、継承順位三位であるあなたもいる。だとすれば、代理を据える理由がない」

「立派に勤めていた人に、ああいう態度はどうかなって言ってるの」

「感謝はしてる。でも、代理は必要ない。それは全員分かってるはずよ。勿論彼も。だとすれば、一刻も早く体制を元へ戻すべきでしょう」

 非常に正論。

 そこに反論の余地はなく、沙紀ちゃんも口を閉ざしてしまう。


 北川さんは小さく息を付き、モトちゃんと目を合わせて執務用の机を指さした。

「まずは仕事。丹下さんは自警課へ戻って。遠野さんは元野さんの手伝い。木之本君も呼んで……。あの子は、どこにいるの」

「さあ」

「……幹部を全員招集。私から、話があります」




 という訳で、小会議室に全員集められる。 

 帰ったはずのケイも捕まったらしく、仏頂面で席に付いている。

「すぐ帰れば良かったのに」

「こいつが、壁伝いに降って来やがった。やり過ぎなんだ」

「ワイヤーはたまに動かさないとな。良い訓練にもなる」

「どんな訓練だ」

 舌を鳴らし、背もたれに崩れるケイ。

 彼に冷ややかな視線を注いでいた北川さんは全員が揃ってるのを確認し、机に手を付いて身を乗り出した。

「規律が少し緩んでいます。全員自分の持ち場からは離れず、その職務を果たすようにして下さい。それと浦田君の代理は本日で終了します。お疲れ様でした」 

 小さく頭を下げる北川さん。

 これについて発言は特に無く、全員がおざなりにそれを流す。

「私からは以上。規則に沿った行動を皆さんお願いします。では解散」

 最後に手を叩いて話を締める北川さん。


 こんな話だけならわざわざ集めなくてもと思うが、そういう部分が彼女にとっては面白くないのかも知れない。

 だけど私の持ち場って、どこだろうな。

 間違いなく、あのソファーでないのは確かだろうけど。

「とにかく、俺は帰るよ」

「どうぞ。誰か、送ってあげて」

「お嬢様じゃないんだ」

 軽く笑い、何の名残も見せずに会議室を出て行くケイ。

 それと入れ替わるようにして、何人もの生徒が入ってくる。

「浦田さんを解任って、どういう事ですか」

「これは元野さんの指示ですか?その根拠は?」

「誰か、答えて下さい」 

 集まってきたのは殆どが1年生。


 ケイに煽られたとか指示をされたからではなく、どう見ても自発的な意志から。

 これには北川さんも、面食らった顔をする。

「みんな、落ち着いて。それと解任ではなく、本来の体制に戻すだけ。局長も自警課課長もいるのに、代理を立てる必要はないでしょ」

「僕達には浦田さんが必要なんです」

「浦田さんがいないと駄目なんです」

「はぁ?」

 声を裏返して尋ね返す北川さん。 

 目の前で起きている事が、余程信じられなかったようだ。

 私もいきなりこんな事を言われたら、笑い飛ばすか夢だと思う。



 だけどこれは現実。

 1年生や2年生が真摯な態度で、北川さんに詰め寄っているのは。

 どう見ても、彼等の行動は自発的。

 ケイに促されたとは考えにくい。

「少し落ち着いて。そう、落ち着いて」

「お茶、いります?」

「お願い」

 ソファーに腰を下ろし、額に手を当てる北川さん。

 今の彼女は、悪い夢でも見てるような心境かも知れないな。


「どうぞ」

 すっとマグカップを差し出すエリちゃん。

 北川さんはそれを受け取り、彼女。

 つまり、ケイの妹に問いただし始めた。

「あなたは、お兄さんの件に付いてどう思ってるの」

「支持されているのは確かですし、無理に解任すると混乱するかと。期限を設けてみてはいかがでしょうか。来週、もしくは今週までとか」

「その間に、悪い事をするの?」

「そこの辺りは分かりかねますが。期限を切れば、良くも悪くもみんな納得すると思いますよ」

 無難な提案。

 北川さんはあまり納得したくないようだが、不承不承頷いて今週限りと告げた。

「今後監視は強めるし、局長の権限を逸脱する行為は認めない。それと、七尾君を呼んで。話がある」

「分かりました」

「元野さん、本当にこれで良いの?」

「良くないだろうけど。エリちゃんが言ったように、意外と支持されてるのよね。何が良いのか知らないけど」

 結構ひどいな、それ。

 私も同感だけどさ。



 少しして、妙に青白い顔をした七尾君がやってくる。

 正座でもさせると思ったけど、そういう習慣は私達だけの様子。

 もしくは、南地区限定かな。

「他校侵攻って、何」

「え。何の話?」

 分かりやすくとぼける七尾君。

 北川さんは足を組み替え、顎を逸らして彼を見上げた。

「やらないのね」

「まさか、そんな。はは」

「やらない、のね」

「勿論。そんな子供じゃないんだから。あり得ないって」

 あくまでも笑い飛ばそうとする七尾君。

 しかし北川さんは、冷ややかな視線を彼に注いだままでくすりともしない。


「もう私達は、昔とは違うのよ。自分の考えや、自分の立場だけで行動は出来ないの。私は局次長、七尾君はガーディアンの統括責任者。そこを踏まえてって言いたいの」

「分かってるよ、俺も。だけどさ、人間やらないといけない時ってあるだろ」

「それが他校侵攻?」

「いや、しないけどね。もしそういう場面になったら、わざわざ下がる理由もないって言いたいだけ」

 あくまでもそこは譲らない七尾君。

 北川さんは小さくため息を付き、彼が腰に差している警棒を指さした。

「どうして、二本なの。阿川さんの真似?」

「ガーディアンも削減したけど、俺は甘くないよって姿勢を示してる」

「100人減らしたって言ったわね。それ、どういう意味」

「言葉通り、100人減らした。対外的な良いアピールだとも思うよ。何しろガーディアンは、数で威圧するって印象がある。あれは、イメージとして良くないから」

 肩を揺らして笑う七尾君。

 これは事実で、誰にも否定のしようがない。



 武装をして、訓練を積み、徒党を組む。

 その行動いかんによっては、学校を牛耳るのもたやすい事。

 それだけの力を、ガーディアンは持っている。

 だからこそ幹部である七尾君は、より一層の自制が必要だと言いたいのだろう。

「とにかく他校には攻め込まない。浦田君は今週限りで代理の仕事を終える。私達は規則を守り、それをみんなにも徹底する。それで良いわね」

「勿論。俺は北川さんの言う事に従うだけだよ」

「結構。はい、みんなも解散して仕事について。元野さんは、少し話がある。浦田君の事で」

「聞くと、疲れるわよ」

「聞かずに放っておく訳にも行かないでしょ。大体、継承順位はどうなったの?私がいないなら本来は、丹下さんが……」




 お小言はモトちゃんに任せ、私は執務室を後にする。

 私からすればこの最近の雰囲気は、連合を思い出すようで決して嫌いではなかった。

 ただ北川さんからすると、たがが緩んでるように思えたのかも知れない。

 これは地区の違いより、性格から来てると思う。

「相性が悪いのかな」

「悪いでしょうね」

 あっさりと認めるサトミ。

 彼女と北川さんが同一とは言わないまでも、似ている部分は多々ある。

 生真面目で、原理原則を重視する部分は特に。

 サトミは好き勝手にやっているように思われがちだが、自分内

の原理原則は決して揺るがない。

 その彼女が言うんだから、ケイと北川さんの相性は悪いんだろう。

 相性が良い人間がいるかどうかは、知らないが。


「まあ、いいや。私は今まで通りに過ごそう」

 ケイの思惑。

 サトミやモトちゃん達の考え。 

 七尾君の気持ち。

 傭兵の行動。

 いくつかの事が複雑に絡み合い、その先を非常に見にくくしている。

 だとすれば、あがいても仕方ない。

 なるようになれではないが、その時に改めて行動するだけ。

 また誰も、この学校にとって不利益になる事をしてはいないはず。

 だったら私は、彼等を信じるだけだ。



 まずはスティックの調整。

 木之本君を呼んで、内蔵されているパーツをチェックしてもらう。

「ケイ、今週限りだって。良かったね」

「本当だよ」

 しみじみと答える木之本君。

 そこまであの子の代理が不満だったのか。

「いや。浦田君が代理でもいっそ局長でも良いけどね。がははって」

「生徒会を潰す、でしょ」

「え、ああ。そう。そういう事を言うのはどうかと思って」

 結構引きずってるな、この人。

 ただ私も生徒会を潰すという発言は聞いている。

 口調は冗談っぽかったが、潰す事を前提とした話だったのは間違いない。 

「……あれってさ、ここじゃなくて他校の生徒会って事なのかな」

「ああ、そういう事。でも、潰しちゃ駄目だよね」

 それもそうだ。


 しかしこうなると、少し繋がってきた気もする。

 傭兵、他校侵攻、生徒会を潰す。

 必要なキーワードは、多分この辺り。

 あの時端末で連絡していた相手は、傭兵かそれに近い人物。

 他校にいるその人との会話で、生徒会を潰せばいいと言っていれば辻褄は合う。

 それが分かっても何かが解決する訳ではないし、むしろ困った話。

 また、生徒会が草薙高校の生徒会でない保証はない。


「……本当傷が付かないな、これは」

 専用の布で軽く拭っただけで、表面はこれを始めて手にした時と同じ鈍い輝きを取り戻す。

 自分としてはかなり酷使してきたつもりだが、この子は十分過ぎるほど私の期待に応えてきた。

「ケイも、このくらい素直だと良いのにな」

「素直?」

「言われた事を言われた通りにやるって事」

「まあ、浦田君だからね」

 始めから諦めるような台詞。 

 彼の気持ちは分からなくもない。


 素直で従順で、聞き分けが良い。

 それは彼と対極に位置する人間。

 だとすれば、浦田珪とは呼ばれていないだろう。

「今度もあっさり引き下がったしさ。結局、何がしたいのかな」

「あまり良い予感はしない」

 スティック内部の電装部品をチェックしながら呟く木之本君。

 それは私も同感で、良いイメージが湧いてこない。

「でも自分のためにガーディアンを動かしてはいないんだし、その辺はどうなんだろう」

「私利私欲ではないとしても、やって良い事と悪い事があるからね」

 この辺はさすがに頑な。

 彼らしい面が出たとも言える。

「困った人だね、今更だけど」

「本当に」

 ため息を付いて、スティックのグリップに電装部品を戻す木之本君。

 だからといってケイを襲うと言い出さないのが、また彼らしいのだが。 




 スティックを手の中で転がしながら気を抜いていると、完全武装のガーディアンが何人も目の前を通り過ぎていった。

 自警局という場所柄、そういう光景は良く目にする。

 ただこの慌ただしさから言って、緊急を要する自体なのは間違いない。

「ガーディアンは出来る限り各門へ集合。武器とプロテクターは必ず装備。決して単独では行動しないように」

 ガーディアンを前に指示を出している七尾君。 

 さすがに私も、まったりしている訳には行かないだろう。

「攻めてきたらしいわよ」 

 半笑いで、机の上にある卓上端末を指さすサトミ。

 そこに映っているのは、正門前の映像。


 警備員やガーディアンと対峙する恰好で、武装した小集団が確かに映っている。

「大体、どの門にもやってきてる。警備員だけだと手薄だから、ガーディアンにも動員を掛けたみたい」

「警察は?さすがに自治って言わないよね」

「連絡は入れてるけど、すぐには来ない。それまでは、ガーディアンが守らないと」

「分かった」

 ロッカーへ向かい、プロテクターを装着。

 私でも着られる、かなりの小さなサイズ。

 出所はあまり考えたくはなく、それでも強度は問題なし。

 車がゆっくりぶつかったくらいなら、転んだ時の擦り傷程度で済む。


 体を解していると、サトミが小声で呟いてきた。

「学内で暴れる人間が出てくる可能性はあるわね」

「ああ。ガーディアンが出払って手薄になるから」

「ガーディアン自体も削減してるし。……これが狙いかしら」

 サトミが言っている対象は、今攻めてきている他校の生徒か。

 それとも、こういう状況を作り出したケイに対してか。

「中にもガーディアンはいるんでしょ」

「若干はね。ただ殆ど門に回るから、最小限の数しか残らない。勿論今学内で暴れるのは、今までとは根本的に意味が違ってくる。他校生徒との連動、内応。草薙高校への背信行為。停学では済まされない問題よ」

 一段と低くなる声。

 またそれは、彼女の言う通り。


 いくら生徒会や学校に反発していようと、ここは私達の学校。

 学校が攻められれば、守ろうとするのは当然の心理。

 迷うまでもない選択だ。

 だけどもし、サトミの言うように今学内で暴れる人間がいたとしたら。

 それが学外の人間と呼応しての動きなら。

 その生徒を、草薙高校の生徒と認める訳には行かない。

「私も中を見て回ろうか」

「大丈夫だと思う。それはケイも考えてるでしょ」

「……この時のための傭兵?」

「可能性はある。ガーディアンが出払って油断してる連中には、丁度良い罠ね」

 もはや確定した事実のように語るサトミ。

 だが私もそれに、異論は無い。


「ここの警備は?」

「ドアを閉めてキーを掛ければ問題ないでしょ。生徒会と一般教棟前のシャッターも下ろす。ポスターの手前でね」

 そこは重要な点で、サトミも分かってくれている。

 だったら私の取るべき行動も決まる。

「正門で良い?」

「ええ。程々にね」

「分かってる。何かあったら連絡して。すぐ戻る」




 直属班を招集し、他のガーディアンと一緒に正門へと向かう。

 プロテクターが邪魔で多少走りにくいが、気分が高揚しているのか疲労感は薄い。 

 学内は全体的に浮き足立っていて、教室内へ逃げ込んでドアをロックしている生徒も多い。

 中に入れば、外で銃撃戦があっても平気。

 ただ他校の生徒は、まだ門の前にいるだけ。 

 少し過敏だと思うが、ここまで露骨に攻め込まれた事はないのでどうしてもこういう反応になるのだろうか。



 息が切れる前に、正門が見えてくる。

 これ以上は体力を消耗するだけなので、走るのを止めてゆっくり歩く。

 正門が突破された様子はなく、ヘルメットに内蔵されたインカムからもそれぞれの門が侵入を許したという連絡はない。

 やがて警察も来るし、ここは少し持ちこたえさえすれば大丈夫。

 問題はやはり、学内にあるのだろうか。


「お」

 小さく声を出す荒子君。

 横2列で隊列を組んでいたガーディアンに、武装した小集団が真正面から突っ込んで来た。

 ラグビーのスクラムを思い起こさせる状況。

 だがフェアな精神などある訳が無く、プロテクターの上に容赦なく警棒や木刀が降り注ぐ。

 ガーディアンもそれを前提とした訓練を受けているし、プロテクターの強度は折り紙付き。

 人数でも負けてはおらず、そこが突破される可能性は薄い。


 正門にはそれ以上近付かず、スティックを抜いて地面にその先端を軽く当てる。

「あそこでぶつかってる隙に、脇を抜けてくるかも知れない。それを捕まえる」

「殴っても良いんですか」

「加減はしてね。骨を折るくらいは構わない」

「了解と」

 背中のバトンを抜き、やはり地面に突き立てる荒子君達。

 全員臆した様子はなく、かといって過剰に高ぶってもいない。

 修羅場をくぐり抜けてきた経験がそうさせるのか、彼等の元々持つ素養からか。

 頼もしい限りである。



 予想通りと言うべきか。

 激突している脇を抜けて学内へ侵入してくる武装集団。

 人数は5。

 ガーディアンは周りにもいるが、プロテクターを着ているので身軽な彼等には追いつけない。

「この連中は大丈夫。全体的に後退。正門前以外のガーディアンは少し引いて、突破してくる連中に対応して」

 インカムで正門前のガーディアンに指示。

 その間に突っ込んで来た連中へ、私も後輩の後を追いながら距離を詰める。


 問答無用と言えばいいのか。

 いきなりの跳び蹴り。

 それで先頭を走っていた男が倒れ、後続がつまずいていく。

「そこまでだ」

 倒れた男達の前に立ちふさがる荒子君。 

 拘束は彼等に任せ、周囲を警戒しつつサトミと連絡を取る。

「……正門は大丈夫だと思う。……そう、塀の方を確認して。……分かった、移動する」

 胸元のカメラの位置を直し、後輩達を集合。

 街路樹の先にある、塀を指さす。

「門よりも、向こうが気になる。勿論たくさんは入ってこないだろうけど、サトミと連絡を取りながらそっちを警戒する」

「分割しますか?」

「……その方が良いかもね。荒子君と川名さん。沢上君と高蔵さん。鳴海君と八田さんでペアを組んで。全体で連絡を取り合って、すぐに助け合える状況を作っておいて」

 再び床を叩くバトン。

 南地区、北地区、転入組。

 多分コンビネーションは、これがベスト。

 彼等なら、武装している相手でも問題はない。

「私は、取りあえずここに待機してる。何かあったら呼んで」

「了解」

 素早く散っていく後輩達。


 その間にもサトミからの細かな連絡が、ひっきりなしに入ってくる。

 とはいえ情報は彼女の方で精査されていて、実際は各自に対応した情報しか伝わっていない。

 私は全員分の情報を聞いているので、少し圧倒されるだけで。

「……どう?」

「ここは問題ないよ。武装したガーディアンは、相当卑怯な存在だからね」

 バトンを担いで苦笑する七尾君。

 全体を統括している彼がこの余裕なら、正門はやはり問題なし。

 後は塀から侵入するであろう人間を潰していくだけか。

「私の部下は、塀の警備に当たってる」

「助かる。俺達は正門を出て、外周を回るから」

「分かった。……サトミ、そっちの状況は?」

 今の所、特に問題ないとの返事が戻ってくる。

 だが、こうなる前に侵入されてる可能性もある。

 ここの目処がある程度付いたら、教棟へ戻ってもいいだろう。


 七尾君と並び、状況報告に耳を傾ける。

 各門は完全に封鎖完了。

 一部では、すでにガーディアンと警備員が外周を警戒に当たっている。

 警察車両も正門に現れ、赤色灯の明かりが辺りに威圧感を与える。

「……分かった。そっちは任せる」

 後輩達も、殆ど侵入者は見つけてないとの事。

 また単独で数名侵入したくらいでは、むしろ恰好の的。

 やはり学内を気にした方が良さそうだ。

「一度塀の上から見てみる。大丈夫そうなら、私は教棟へ戻るから」

「俺も正門の外へ出る。気を付けて」

「お互いに」

 敬礼を交わし、一緒に正門へ向かって走る。

 私はスティックを地面について勢いよく踏み切り、そのまま塀の上へ舞い降りる。

 七尾君は正門を駆け抜け、何人かを連れて左側へと走っていた。

 だとすると、私は右か。




 センサーやカメラを踏まないように気を付けつつ、細い塀の上を小走りで駆けていく。

 右側は街路樹の茂る学校内の敷地。

 左側は歩道と車道。

 時折周辺を警戒するガーディアンとは出会うが、不審な人物は見当たらない。

 塀の上を走っている私が不審なのはともかくとして。

「……サトミ、状況は?……飛び越えたかもね。……そっちは、誰かいる?……一応御剣君を外へ出して、生徒会と一般教棟の境界線を確認させて。……いや、ケイ達は多分自分で動いてると思う。……うん、分かった」

 インカムに話ながら、街路樹の下に隠れていた男に跳び蹴り。

 まさか上から人が降って来るとは思わなかったのか、ショットガンを使う間もなく床に倒れた。

 使ったところで、ゴム弾程度ならプロテクターが跳ね返すが。

「一人倒した。……大丈夫そうだから、教棟に戻る。……分かった、随時伝えて」

 当初の予想通り、学内でも散発的にトラブルが発生しているとの事。

 それが侵入していた他校の生徒なのか、元々この学校の生徒かはまだ判別出来ない。

 どちらにしろ、暴れる人間がいるなら取り押さえる。

 私の選択肢は、それ以外にない。



 林の中を駆け抜け、よく分からないがどこかの一般教棟へ到着。

 正面玄関の鍵が掛かってるのも確認。

「……そう、キーを開けて……良いよ、すぐに閉めてもらえば」

 微かな解錠の音。

 大きな取っ手を引っ張り、力を込めてドアを引く。

 わずかに出来た隙間から中へ侵入。

 すぐに自重で閉じていくドアから逃げて、鍵が掛かるのを確かめる。

「……B棟?それって、生徒会のある教棟?……いや、違っても良い。適当に見て回る。……連絡通路はあるよね。……分かった、また連絡する」

 荒くなった息を整え、壁にもたれて少し休息。

 ヘルメットのシールドを上げ、新鮮な吸気を胸一杯に吸い込む。

 疲労が抜けていく感覚を味わいつつ、サトミから聞いた連絡通路へのルートを頭の中で再現。


 教棟は基本的に、どこも同じ作り。

 入っている教室の名称が違うだけで。

 ただ同じ作りだからこそ、混同して間違いやすい。

 という言い訳をさせて欲しい。


「良し、と」

 体力が回復した所で、ヘルメットのシールドを下ろして廊下を右に走る。

 でもってすぐに、左へ戻る。

 出だしから間違えたな。



 廊下に人影は全くない。

 生徒達は教室へ逃げ込んだか、すでに学校の外にいるか。

 カメラが付いている所に関しては、サトミ達が中を検索。

 今のところ、不審者の情報はない。


 学内の混乱が目的なら、襲撃してきた生徒達の勝ち。 

 ただ学内の掌握が目的だとすれば、全く話にならない。

 削減されたにしろ、ガーディアンはそれでも数百人存在。

 各門へ2/3出動しても、残ったガーディアンだけで学内を見回る事は可能。

 100人いるガーディアンに対抗出来るほど、事前に他校の生徒が侵入していたとも思えない。


 ずさんな計画。

 もしくは、読み違えたと言うべきか。

 これだけの規模の建物と敷地を制圧しようと思ったら、学内にいるガーディアンと同数以上は当然必要。

 それをこんな散発的な攻め方をしていたのでは、計画以前の問題。

 それとも、余程隙があると思われていたんだろうか。




 などと悠長に考え事をしている内に、前後から囲まれていた。

 少し気を抜きすぎてたな。

 他校の生徒かどうかは、私服なので判断不可能。

 映像をサトミに送り、判断はそちらへ任せる。

 逃げ遅れた生徒という顔ではなく、全員武器を所持。

 一人でのこのこ歩いている私を、良い鴨と思ったようだ。

「……いや、逃げないけどね。……近くに誰かいるなら、応援をお願い。……大丈夫」

 スティックを抜き、スタンガンを作動。

 ここで悠長に時間を使うつもりはない。

 寄らば切る。

 剣士ではないが、そのくらいの心境。

 実際は寄らなくても、姿を見つけた時点でこっちから襲いかかるが。



 壁へ走り、軽く跳躍。

 そのまま壁を蹴って宙を舞い、斜め上から飛びかかる。

 通常ではあり得ない角度からの攻撃に、防御もままならずスティックを浴びる男達。

 スタンガンを作動しているため、触れるだけで倒れていく。

 倒れないのは位置が遠かったか、耐性があるか。

 それは着地と同時に水面蹴りで倒し、改めてスティックを振ってスタンガンの触れさせる。


 左半分は全滅。

 左半分は、戦おうか逃げ出そうか躊躇している様子。

 迷う暇など与えず、今度は真正面から低く突っ込む。

 反射的に振り下ろされた木刀をかいくぐり、スティックで鳩尾を付く。

 一人後ろへ吹き飛んだ所でそこを駆け抜け、背後からスティックを横に薙ぐ。

 今度も結果は一瞬。

 全員が呻き声を上げ、地面へひれ伏す事になる。

 七尾君が言っていたように、武装しているガーディアン相手はかなり卑怯な存在。

 もしくは、この連中の見通しが甘かったと言うべきか。



「……全員排除した。当分起きないはず。……ドア?御剣君は?……分かった、すぐ向かう」

 生徒会のエリアは最上階で、かつ廊下の突き当たり。

 無論真っ先に狙われる場所なので、驚くには当たらない。

 それでも御剣君が外へ出る前にドアへ取り付かれたのは、少なくともここに関しては用意周到に計画を練っていたのかも知れない。

 とはいえドアに取り付いただけでは意味が無く、その先にあるいくつものドアを突破する事が必要。

 それは外部からではほぼ不可能。

 銃撃にも耐えられる構造で、木刀や警棒では表面に傷を付けるだけ。


 ただ生徒会に襲撃を仕掛ける。

 それも他校の生徒。

 もしくは、それに同調した生徒が。

 この点だけは許せない。  



 ドアは、すぐに御剣君が確保したとの事。

 私が急ぐ必要は無く、残党を狩りつつ自警局へ戻ればいい。

「……ドアの状況は?……御剣君一人?……分かった、少し急ぐ」

 予定変更。

 意外と人数が多く、かつガーディアンの数が少し少ない。

 私一人で変わる訳でもないが、いないよりはましだ。

「ケイ達は?……出来たら呼んで。……いや、全然違う所」

 道を迷いかけ、廊下をUターン。

 こういう時間が無駄過ぎるな。

 そんな事を良い出したら、私が迷い続けた今までの時間の累計はどうなるかと思うが。




 階段を二段飛ばしで駆け上がり、廊下をとにかく走る。

 結構疲れてきたが、体育祭に向けてトレーニングを積んでいた分多少は持久力が残っていた様子。

 息切れをする前に、どうにか生徒会のある最上階までは到達した。

 それでも壁にもたれて息を整え、もう一度休息を取る。

 とにかく体力が足りないな。

「良しと」

 呼吸が元へ戻り、体だけ温まった状態。

 不調な箇所は無く、視力も依然問題なし。

 またプロテクターを装着してるので、多少の乱闘にも耐えられる。


「っと」

 そう思った途端、こっちに向かって飛んでくる大きなゴム弾。

 初速はともかく、距離さえ取ればただのボール球。

 スティックを構え、足で壁を作って力任せに振り抜く。


 真芯で捉えた手応え。

 「ぱかん」という少し間の抜けた音がして、ゴム弾は振った力と反発力分の勢いで戻っていく。

 それを10回くらい繰り返した所で、銃撃が止む。

 効果がないと思ったのか、何人かが倒れたかのどちらか。

 何よりプロテクターがあるので、至近距離から打たれても軽い衝撃程度。

 元々効果はない。

 打たれっぱなしになるのが気にくわなかっただけで。

「……最上階のフロアに来た。……ゴム弾は問題ない。……私は後ろから攻めるから、御剣君達にはそれを伝えて」

 元々彼は守備よりも攻撃型。

 私が到着すれば、防御に徹する必要はなくなる。

 これで自体の半分は解決したと考えて良い。


 後は言ってみれば、メンツの問題。

 草薙高校で勝手に暴れておいて、それを見過ごすつもりはない。

 ここがどこなのか。

 私達が誰なのか。

 彼等が帰るのは、それを知ってからだ。



 スティックを構えながら、低い姿勢で廊下を走る。

 向かってくるのは、隊列を組んだ集団。

 今までと違うのは、向こうもプロテクターを装着している点。

 とはいえ、いくらそれが強固とはいえ無敵の防具ではない。

 戦い方、攻め方はいくらだってある。


 正面からぶつかる寸前で跳躍。

 ただスティックは振り下ろさず、プロテクターの肩に乗って反対側へと回る。

 防御には優れているが、機敏な動きには向いていない。

 連中が振り返るより早く、スティックを腰にためて連続の突き。

 直接的な攻撃には強く、これも大したダメージは与えられない。

 それでも息が詰まるくらいはあったはずで、全員前のめりに床へ転がる。


 後はプロテクターの可動部分や継ぎ目に、スティックを叩き込んでいく。

 反撃しない相手に攻撃するのは卑怯と言われそうだが、それならこの場にいなければ済む話。

 戦いの場にいて、卑怯も卑劣もなにもない。

 攻めるのなら、攻められる覚悟も持つべきだ。



 再びプロテクターの集団。

 今度は盾付き。

 しかも突っ込んでは来ず、ゆっくりと慎重に近付いてくる。

 ご丁寧に背後を守るように、後列は後ろ向きで歩いてくる。

 防御に徹するのは良いが、ここで徹してどうなるかという話。

 待っていれば助けが来るならともかく、自分達が攻めて来ている側。

 意味がないとしか言いようがない。

 何より、私の前でこの選択肢を選んだ事が。



 息を整え、スティックを正眼に構える。

 足を肩幅よりやや広く開き、左足を前に。

 腕の力を少し抜き、グリップを強く握りしめる。

 意識を研ぎ澄まし、じりじりと近付いてくる集団を真正面から見据える。

 本来なら一瞬にしてこの体制を作り出すべきだが、私はまだその域にない。

 ただ域にはないが、境地にはかろうじて辿り着ける。


「せぃっ」 

 気合いと共に、スティックを振り下ろす。

 ただ真っ直ぐに、教わってきた通りに体を動かす。

 非力な自分。

 軽い荷物一つを持ち上げるのも一苦労。

 でも私に才能と呼べる物があるのなら、これがそう。

 誰よりも早く、鋭く動く。

 車の衝撃にすら耐えうるプロテクターを引き裂く程に。


 兜割とでも言うのだろうか。

 ヘルメットは中央から真っ直ぐに割れ、それが正中線に沿ってプロテクターを左右に分ける。

 集中の度合いを高めなければ出来ない事で、スティックを振り下ろしただけだが体力的にもかなり消耗した。

 その分、相手に与えた衝撃は大きかった様子。

 隊列はあっさり崩れ、全員背を向けて逃げ出した。

「……プロテクターの集団は、一グループ消えた。……大丈夫、見えてきた」

 廊下を走ってくる一際大きな体。

 それが御剣君だと確認。

 スティックを背中のアタッチメントへ戻し、壁にもたれる。

「状況は?」

「ドアの前にまで到達した連中は、全員壊滅。後は教棟と学内の検索ですね」

「分かった。少し集中しすぎたから休む」

「了解」

 敬礼をして、廊下を走り去っていく御剣君。

 その背中を見送り、ヘルメットを外して大きく肩で息をする。


 自分の強さもだが、体力の無さも強く実感する。

 しばらくは歩くのもだるいくらいで、物を考えるのも辛い。

 この体力の無さこそ、私が弁える事だろう。

「……大丈夫。少し疲れただけ。……すぐ戻る」

 とはいえ少し休めば、ある程度は回復。

 体力はないが、回復も早い。

 先日の100m走のように、限界を超えてしまってはどうしようもないが。




 廊下に倒れる人。

 血飛沫。

 木刀、警棒、プロテクターの破片。

 ただ倒れている人間は、意外に少なめ。

 私に襲ってきた連中が、もしかして主力の一部だったのかもしれない。

 慌ててここに駆けつけたのは、万が一セキュリティが破られた場合を考えて。

 だがこの程度の人数だったら、慌てる事も無かったな。


 廊下に降りたシャッターの前を警備しているガーディアンに声を掛け、下だけ少し開けてもらう。

 腰を屈めてそこを潜り、生徒会のエリアへ入る。

 ポスターは無事。

 それを確認し、こちら側への侵入がなされてない事も確認。

 草薙高校は、そこまで甘くはなかったか。


「……生徒会のエリアに入った。……後は大丈夫だと思う。……はい、了解」

 これで、取りあえず私の役目は終了。

 後輩達は外にいるが、そちらに顔を出すのはさすがに辛い。

 今はソファーに寝転び、少し眠りたい気分。

 そのくらいの余裕はあると思いたい。


 そんな疲れに紛れている、一つの考え。

 他校侵攻どころか、侵攻を許してしまった今の状況。

 これにどう決着を付けるべきなのか。

 勿論、笑って済ませられないのは確か。

 目が覚めたら、その結論は出ているだろうか。 






    







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