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スクールガーディアンズ  作者: 雪野
第42話
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42-6






     42-6




 昼休み。

 食堂も開いているが、今日はせっかくの文化祭。

 だったら模擬店で食べるに限る。

 たこ焼き、焼きそば、お好み焼き。

 フランクフルト、フライドポテト。

 デザートはあんみつやシフォンケーキ。

 制服姿の女の子がウェイトレスさんで、少しぎこちない仕草で紅茶を運んできてくれる。

 味よりも雰囲気。

 もてなしてくれる気持ちが、何よりの楽しみ。

 なんて、私は思う。



 ただ世の中、誰しも私と同じ考えという訳ではない。

 人の数だけ考えがあるというか、意見が違うというか。

 メモ用紙片手に、たこ焼きの売っている模擬店をチェックしている子もいる。

「高いわね、ここは」

「儲けはないと思うよ、多分。でも機材の経費もあるし、少ししか仕入れないんだからさ。どうしても、金額は高くなるでしょ」

「ユウは、どういう方向性を考えてるの」

 理由はよく分からないが、模擬店の間取りをメモに書き出すサトミ。

 方向性なんて、今言われるまで意識すらしていなかった。

 とにかく美味しいたこ焼きを作って、みんなに喜んでもらう。

 というか、それ以外に考える事なんてあるのかな。


「美味しければ良いなんて、思ってないでしょうね」

 エスパーか、この人は。

「それ以外、何が必要なの」

「利益や勝敗は?」

「赤字にするつもりはないよ。でも、商売でやる訳じゃないからね」

 私がやるのは、文化祭の模擬店。

 店を構えてたこ焼きを焼く訳ではないし、それで生活をする事もない。

 美味しく作って、みんなに楽しんでもらう。

 方向性とすれば、それ以外にない。

「まあ、良いけど。それで、たこ焼きは得意なの?」

「苦手ではない」

 得意という程ではないが、そこそこの経験は積んでいる。

 それ以外の料理からの応用も利くし、余程のアクシデントがない限り失敗する事はないはずだ。



 そうこうする内に、各組織が出店しているたこ焼き屋さんのブースへとさしかかる。

 鉄板からの熱気。

 教室からあふれ出している生徒達の活気。

 加えて各組織同士の、妙な緊張感。

 少し独特な物があるな、この辺は。

「取りあえず、敵情視察でもする?」

 生徒会と書かれた垂れ幕と、揃いの法被を着た呼び子。

 何しろ資金は潤沢、人材も豊富。

 優勝候補の筆頭と言っても良いだろう。

「……でも自警局も、生徒会だよね」

「ガーディアンというくくりよ、自警局は。それに、その辺は色々複雑なの」

「つくづく、私達は主流じゃないね」

「そういう人生なのよ」

 しみじみ呟き合う私達。 

 ただ、たこ焼き一つで黄昏れてても仕方ないか。



 列の後方に大人しく並び、少しずつ進んでいくのを待つ。

 こういう時間が無駄と思うか、楽しみの序章となるか。

 少し考えておこう。


 回転は良いのか、すぐに鉄板の前にまで到達。

 ショウがいるので、取りあえずは人数分を頼む。

 メニューは色々あるが、ここは店側のお勧めで。


 パックを持って、部屋の半分を利用して作られている休憩所でたこ焼きをテーブルへとの乗せる。

 漂うカツオとソースの濃厚な香り。

 たこ焼きの上ではカツオが舞い踊り、青のりがそれに時折揺れているのが何とも頬を緩ませてくれる。

「では、頂きます」

 まずはオーソドックスなたこ焼きを一口。

 しみ出てくる、とろけた熱い具材。

 味の加減は申し分なく、出来たてという部分を考慮しても美味しいと評価出来る味。

「……チーズ、ね」

 次に食べたのは、チーズ入り。

 これもある意味、オーソドックス。

 でもってとろけたチーズは、やはり美味しいの一言に尽きる。

「無難にまとめたわね」

 鼻で笑うサトミ。

 食べ物に関しては無難な方が良いと思うんだけど、この人は何を作ろうとしてるのかな。


 他の組織が出店してるたこ焼きも食べて回るが、大体は似たような物。

 実際食べてるのはショウで、私はすでにお腹が満たされつつある状態。

 今日のお昼は、結局たこ焼きだけで終わる気がする。

「ここは、自警局か」

 雰囲気やお客さんの行列は、よそとそれ程変わらない。

 寂れて閑古鳥でも鳴いている光景を想像したが、幸いそういう事には至っていないようだ。

 先程同様列に並び、自分の順番を待つ。

 やはり、この待ち時間は何とかしたい。

 回転を上げる以外の方法でも。


 ようやく列がさばけ、自分達の番。

 一通り注文をして、休憩所に移動して早速食べてみる。

「まあ、普通だな」

 流し込むように、熱々のたこ焼きを頬張っていくショウ。

 少し苦しいが、私も一つ口へと運ぶ。

 彼が告げた感想通りの味。 

 今まで食べてきた他の組織のたこ焼きと重なる、ごく普通の味。

 驚くほどまずくもないし、さりとて泣けてくるほど美味しくもない。

 そんな美味しいたこ焼きを食べた記憶もないけれど。

「少し見てみようか」



 鉄板の裏手へ回り、焼いている行程を確認。

 手際はそこそこ。

 後は材料か。

 小麦粉、ネギ、青のり、カツオ、紅ショウガ。

 具はタコと、チーズと、明太子。

 定番を無難にまとめた感じ。

 これなら大失敗もないと思う。

「雪野さん、ですか」

 私を知っているのか、馬鹿でかいバケツで種を仕込んでいた男の子が顔を上げる。

 それに頷き、種を確認。

 ちょっと固めで、焼きやすさ優先か。

「様子を見に来たんだけど。だし汁で作ってるよね」

「それは勿論。何かまずい点でもありますか?」

「具材は一つ増やしたい。チョコレートを。甘い物でしょ、やっぱり」 

 後ろで「冗談でしょ」なんて声が聞けるけど、気にしない。

 むしろ定番だと思うんだけどな。

 個人的にはクレープ感覚で楽しんでもらいたい。


 鉄板の前に立ち、一番端へタコの代わりにチョコを入れる。

 ネギや紅ショウガは無し。

 だが熱に弱いのか、チョコはすぐに溶けて周りへと広がっていく。

「難しいな、結構。一度凍らせた方が良いかも知れない」

「凍ったままになりません?」

「竹串とは別に、針で刺しても良いのかな。それかチョコのサイズをもっと小さくして、クレープ生地で作ってみるとか」

「参考になります」

 こくこくと頷く男の子。

 後は私から言えるような事は何もなく、自分もそこまでのレベルではない。

 ただ気になっている事は一つある。


 鉄板の向こう側に出来ている行列。

 列としてはかなり長め。

 その分時間を拘束され、言ってみれば無為に時を過ごす事になってしまう。

 そういう待ち時間も楽しいと思える人ばかりでは無く、苛々する人もいるだろう。

 だとすれば、そこにまだ改善の余地がある。

「並んでる人に、何か配れないかな。無理?」

「特に規則としては禁じられてませんけど。利益は減りますよね」

「利益は二の次でしょう。まずはお客様の笑顔じゃないの」

「はぁ」

 いまいち納得しない男の子。

 彼はおそらくここの責任者。

 売り上げの向上は、彼にとっての死活問題。

 効果があるかどうかも分からない事に飛びつく余裕はないらしい。




 たこ焼き屋の視察は終了。

 明日になればタコも届くし、その時もう一度見に行く事にしよう。

 自警局に戻ろうとしたところで、端末に着信。

 相手は渡瀬さん。

 個人的に話があると言っている。


 呼び出されたのは、最上階で営業している喫茶店。

 奇をてらったところはなく、内装もウェイトレスさんも普通のそれと変わらない。

 その分を最上階からの景色が補い、紅茶もより一層美味しく楽しめる。

「済みません。わざわざ」

 恐縮気味に呟く渡瀬さん。

 今日は随分殊勝だなと思いつつ、サトミがオーダーしたパフェの端っこを少しだけ食べる。

 睨まなくても良いじゃないよ、サクランボ一つで。


「ポスター、覚えてます?文化祭粉砕って書かれてた」

「あったね。何か分かったの?」

「傭兵と、生徒会の一部が関わってます。文化祭が混乱すれば、警備を担当する自警局に責任が及ぶとの考えらしいです」

「ふーん」

 さっきのたこ焼きではないが、これも随分オーソドックスな思考パターン。 

 ただここまで調査されてしまっては、もはや成功の目はないだろう。

 仮に成功したとしても、その責任は自警局以前に自分達へ降りかかってくると思うが。


 その報告かなと思っていたら、渡瀬さんはさらに真剣な表情になって話を続けた。

「どうしたらいいですか」

「捕まえて終わりでしょ。それは駄目なの?」

「生徒会幹部にも嫌疑は掛かってます」

 ここで彼女が相談してきた理由が少し分かる。

 とはいえ、こういう事を気にするタイプでもなかったと思うんだけどな。

「責任はモトちゃん達が取るんだから。相手が誰だろうと構わないでしょ」

「迷惑が掛かりませんか」

「掛かるかもね」

 というか、間違いなく掛かる。

 それでも不正や悪行を見過ごす方が悪いと私は考える。

 頭を下げて済む話と、後悔しか残らないのでは訳が違う。 

「沙紀ちゃんも、別に気にはしないと思うよ」

「でも私としては、先輩達に迷惑ばかり掛けるのも気が引けるんです。今まで、ずっとそうしてきた分余計に」

 そう呟き、目を伏せる渡瀬さん。


 翻ってみて、私はここまで悩んだ事があったのかなと自問する。

 多分、無い。

 行動した後で頭を抱えた事はあっても、どうするかと疑問に思う事は少ない。

 思い付けば、即行動。

 それが良いのかどうかは、退学を経験した今は分からない。 

 だからそれ程無責任に、渡瀬さんに背中を押すのもためらってしまう。

「他の子は、何か言ってた?」

「慎重になるべきだという意見もありました。生徒会が相手ですし」

「私はむしろ、生徒会だからとも思うけどね」

「言いたい事は分かります」 

 苦笑気味に答える渡瀬さん。



 この子は沙紀ちゃん達の後輩であると同時に、風間さん達の後輩。

 彼等はその生徒会や学校と対立して、他校に出向をしていた。

 つまり生徒会だからといって、頭を下げる子ではない。

 だが周りが消極的な分、板挟みになってるのだろう。

 そして沙紀ちゃん達への気遣い。 

 そういうところに彼女の優しさを感じる。


 一方で戸惑いが無くもない。

 私自身が相談を受けるという事に関して。

 元々相談をする側か、相談の種になる側。

 特に、後輩から相談を受けた経験が少ない。

 それ以前に、後輩と呼べる人自体も少ないんだけど。


 御剣君や真田さん達は自立型でもあるし、そもそも私に相談しても仕方ないと思ってる節がある。

 もし何かあっても、私ではなくてモトちゃんや木之本君へ話を持って行っているはず。

 またそれは、賢明な判断と言える。

 だからこそ、渡瀬さんが私に相談をする事への戸惑いというか不安はある。

 年齢、学年の上では、確かに先輩。

 しかし胸を張って彼女の先輩だと言える程の自信はない。


「ご迷惑でした?」

「いや。そうでもない。私に相談してくれるのは良いけど、良いアドバイスは出来ないなと思って」

「というと?」

「さっきも言ったように、相手が誰でも関係ない。悪いのは悪い。だったらそれを捕まえる。それ以外に私から言える事はない」

 これは私の考えでもあり、先輩からの教え。

 相手が強いからといって下がるような教育は受けてこなかったし、そんな先輩だったら付いても行かなかった。

 私が先輩と呼べる人は数少ないけど、その人の教えは今も私の中にある。

 正しい、正しくないではなくて。

 それはもう、私の生き方として根付いている。


 少し困った顔をする渡瀬さん。

 私が止めるか、もうちょっと違う事を言うと期待していたかも知れない。

「いや。別に無理をしてまでやる必要は無いよ」

「そういう訳ではないんですが。良いんですか?」

「止める理由がないからね。沙紀ちゃん達とは意見が違うかも知れないけど」

 彼女や北川さんはきっと、原理原則を重視するはず。

 それは即ち、まずは話し合い。

 駄目でも改めて話し合いといった姿勢。

 力に訴えるのは、最後の最後といった具合に。

 七尾君はもう少し私達よりだとは思うが。

「他の子は、慎重にって言ってるんだよね。だったら、それでも良いとは思うよ」

「慎重に行動して、解決するんでしょうか」

「無闇に暴れるのは、対症療法というか一時収まるだけって考え方もあるから。それが良いとも悪いとも言えない。私はそれでも良いと思ってるから、即行動するんだけど」

「全然良くないわよ」

 すかさず口を挟んでくるサトミ。

 仕方ないじゃないよ、持って生まれついた考え方なんだから。


「遠野さんは、どうお考えですか」

「ユウの意見も分かるけど、慎重に行動するに越した事はないわね。生徒会はともかく、仮に教職員が関与していたらあなた達の学籍に関わってくる。私達の学籍ならともかく、あなた達の学籍についてまでないがしろには出来ないでしょ」

「でも管理案の時には、遠野さん達は退学覚悟で行動してましたよね」

「ある意味いい加減なのよ、私にしろモトにしろ。自己犠牲ではなくて、歯止めがきかないとでも言うのかしら。ユウが言ったように、目の前で不正が行われている。話し合っても解決出来ない。それを見過ごしても構わないけれど、出来ないだけで」

 サトミにしては比較的、自分の感情をストレートに出した意見。

 普段は私やショウを止める側だが、本質的な部分は同じ。

 自分達にとって悪と考える対象を放置出来ない。

 そこへ至る経緯は若干違うけど、辿り着く先は同じ。

 そうでなければ、私達は今まで一緒に行動も出来なかったと思う。

「玲阿さんは?」

「俺もユウと同意見だ。悪い奴は悪い。それ以外には何もない」

「処分されたり、問題が後で起きるとしても?」

「されたらされただ。悪い奴がいるのに放っておくくらいなら、処分された方がましだ」

 きっぱりと言いきるショウ。

 渡瀬さんは少し頬を赤くして、彼の言葉にゆっくりと頷いた。

 ちょっと不穏な傾向だな、これは。


 気付けば紅茶は冷め、ウェイトレスさんが怪訝そうにこちらの様子を窺っている。

 紅茶一杯で長居して、しかも妙に重い空気。

 文化祭の模擬店にはおおよそふさわしくない客である。

「どういう結論を出しても良いと思うよ。最悪、ショウかケイを送り込むし」

「いえ。今回は、私だけで解決してみます」

 少し吹っ切れたのか、普段の明るい表情に戻る渡瀬さん。

 大したアドバイスは出来なかったが、気持ちを切り替えるきっかけくらいにはなったようだ。

「それと、無理しなくて良いからね。悪い連中を見過ごす訳にも行かないけど、渡瀬さん達が処分されても面白くないから」

「その辺は、私達も慎重に行動してみます。どうも、ありがとうございました」

 頭を下げ、小走りで教室を出て行く渡瀬さん。

 私達も席を立ち、こちらを見ているウェイトレスさんに挨拶をして出口へと向かう。

 取りあえず、叩き出されなかっただけましか。




 自警局へ戻る前に、生徒会と一般教棟の境界線で足を止める。

 そこにあるのは二枚のポスター。

 一枚は、私が書いた物。

 もう一枚は、名古屋高校の彼女が書いた物。

 特に変哲もない文章。

 だけど私にとってはかけがえのない、大切な宝物。

 よく考えればこれもポスター。

 渡瀬さん達が追求している物とは、意味も何も違っているが。

「これは破られないよね」

「無理でしょう」

 苦笑気味に視線を横へ流すサトミ。

 そこにいるのは、警棒を腰に差したガーディアン。


 彼等はポスターを守るためではなく、あくまでも生徒会の入り口を警備するための要員。

 名目上は、そうなっている。

 また武装した彼等の前でポスターを破ったり剥がす人間は、おそらくいない。

 少なくとも私達が卒業するまでは、このポスターは守られるはずだ。

「これを真似たのかな。婉曲的にさ」

「それは文化祭への破壊行為ではなくて、私達への挑戦ではなくて」

 少し声を低くするサトミ。

 もしそうならば、渡瀬さん達だけに任せて良い問題ではない。

 といいたいが、さっき彼女達に任せると言ったばかり。

 ここは取りあえず静観するしかないだろう。




 自警局へ戻り、お土産のたこ焼きをみんなに配る。

 私はお腹一杯なので、ソファーに座り渡瀬さん達の事。

 ポスターの件について、少し考えてみる。

 私達と無縁だとは思うが、背後に生徒会や教職員がいるなら多少厄介。

 渡瀬さん達を危険に晒す事はしたくない。

 ただ彼女達が自分で解決すると言った以上、その意志も尊重したい。

 何でも自分達が前に出て行動出来た頃が懐かしいというか、気楽に思える。

 そうして後輩達の身を案じるのも、先輩の責任だとは思うが。

「食べないのか」

 馬鹿でかいお好み焼きをかじりながら尋ねてくるショウ。

 さっきまでさんざんたこ焼きを食べてたように見えたのは、私の気のせいか。

「お腹一杯。小麦粉は、お腹にたまるしね」

「珍しいな」

 どっちがよ。

 この人って、牛みたいに胃が三つも四つもあるんじゃないだろうな。


「渡瀬さん達の事、どう思う」

「本人達がやるって言ってるんだ。大丈夫だろ。それにもう2年生なんだから、自分達で出来ない方が困るんじゃないのか」

「分かるんだけどね。どうもその辺が割り切れない」

「優しいな」

 頭に置かれる大きな手。

 そのぬくもりに心が少し軽くなる。

「というか、何でも自分でやろうと思いすぎてるのかも知れない。良くない傾向なのは分かってるけどさ」

「そもそも後輩がいなかったからな。武士や真田さん達も、ああいう相談するタイプではなかったし」

「そこだよね、結局は」

 これは去年から思っていたが、つまりは私達が後輩慣れしていない事に尽きる。

 そういう意味では、モトちゃんや木之本君を除いては人付き合いが下手なんだろう。



 難しいなと思いつつ、モトちゃんの所に届いていた渡瀬さん達からの報告書に目を通す。

 そこにはより詳細な状況が記載されていて、少なくとも生徒会の関与は間違いないとの事。

 教職員に関しては、疑いのある人間がいるとなっている。

「生徒会は、文化祭を盛り立てる側でしょ」

「誰もが善人って訳でもないんだろ」

 達観したような事を言い出すショウ。

 ただそれを言い出してはお終いで、話は終わってしまう。

「我慢するのも仕事か。大丈夫だよね」

「ああ。塩田さんって、こんな心境だったのかな」

「どうだろう」

 今の私達は、彼等への心配。

 その身を気遣っての心労。


 一方塩田さんは、それもあったかも知れないが相手への心配。

 私達がやりすぎるのではと思ってたはず。

 その辺は明確に違う。

「つくづく、私達って駄目だね。先輩としても後輩としても」

「駄目?なにが」

 自覚なしか、この人。

 それとも前向きなのかな、私よりも。

「こっちの話。今のところ、警備は問題なさそうだね」

「ガーディアンを結構配置してるらしいからな。暴れる前に止めるらしい」

「やる事無し、か」

 結局ソファーへ収まり、深く座って息を付く。

 あれこれ考えて、少し疲れた。 

 体は大して動かしてないのが、精神的な疲労がたまっているようだ。

「寝るのか」

「いや。少し疲れただけ。文化祭なのに、いまいちぱっとしないね」

「体育祭で燃え尽きたんだろ」

「それはある」


 最近はとにかく、ニャンとのレースに向けて生活をしてきた。

 そこに体調のピーク、集中を高めるように。

 成果としては十分あって、勝ちはしなかったが良いレースは出来たと自分でも思う。

 ただ上り詰めてしまえば、後は下がっていくだけ。

 体力も一旦使い果たして、今は回復期といった状態。

 集中力も途切れたので、文化祭だと頭では分かっていても気持ちがそう簡単には切り替わらない。

「弾ける年でもないのかな」

 手にしていた端末を床へ落とすサトミ。

 何も、そこまで大げさに驚かなくても良いじゃない。

「熱でもあるの?」

「至って普通。私も、もう高校3年生だよ。はしゃぐ年でも無いでしょ」

「世間一般では、そういう人はいるでしょうね」

 何だ、それ。

 私は世間一般ではないって言いたいのか。

「不満でもあるの」

「不満しかない」

「あなたは少し悩んでなさい。渡瀬さんの件も含めて、自分で先頭に立とうとしない事ね」

「だってさ」

 これは反論というか、気持ちの問題。


 自分が出来るんだったら、人に任せるよりも突っ走った方が早い。

 ただサトミは、それでは今までと同じ。

 何のための組織か。

 先輩として後輩を見守るべきだ言いたいんだろう。

「少しは人に任せる事、それと落ち着く事。分かった?」

「分かってる。だから、大人しくてしてるじゃない」

「だったらいいわ。それと、目は大丈夫でしょうね」

「特に問題ないよ」

 サトミが言いたいのは、私があれこれ考えている事について。

 視力の低下は身体的な原因だが、過去の経験上精神の不安定さがそれを呼び起こしてきた。

 適度に悩むのは良いが、あまり沈み込むなという事か。


「結局、退学した時から今まで悪くなった事がないからね」

「逆を言えば、ここでの生活がストレスだった訳でしょ」

「生活というか、管理案がね。まあ、今も似たような物だけど」

 当時ほど露骨に悪い環境ではないが、その劣化版とでも言いたくなる状況ではある。

 その分ストレスの度合いは少なく、ただ全く無い訳ではない。

 それは、程よい悩みという程度でもないと思う。

「大体一日ここに閉じこもっていても仕方ないしさ」

「外へ行くなとは行ってないわよ。おかしな事に首を突っ込まないでと言いたいの」

 軽く頭を撫で、端末を二つ操りながら去っていくサトミ。

 その感覚に目を細めつつ、自分の事を考えてみる。

 自分で言っていたように、高校3年生。

 何もかもは変えられないけど、少しくらいは落ち着くようにしよう。

 せめて、気持ちだけでも。




 ソファーに収まり、深呼吸。

 気持ちを落ち着ける。

 ここにいる限り、何もない。

 変化する環境がない限り、気持ちが乱れる事もない。 

 大げさに言えば傷付かない代わりに、何一つ変化もない。

 平坦な時間が、ただ過ぎていくだけだ。

 それで良いと言えば良いし、否定はしない。

 波風が立たないに越した事はない。

 そういう世間から隔絶された生き方が、現実的かどうかはともかく。


 などと、ソファーに座ってるだけで考える事でもないのだが。

 どうも気持ちが内向きになりすぎているようだ。

 気付けばショウもいなく、受付の隅にあるソファーに私一人が座っている。

 いまいち良くない兆候ではるな。

「よいしょと」

 ソファーを降り、軽く体を動かす。

 少しずつ暖まる体。

 気持ちも解れだし、意識が内側から外へと開いていく感覚。

 結論は何一つ出なかったが、何も考えずに過ごしているよりは多少なりともましだろう。

 何がましかは知らないが。



 まずは卓上端末で、警備状況を確認。

 やはり大きなトラブルは無し。

 小規模なトラブルの件数が、さっきよりも多少増えている程度。

 敷地が半分になったのと、警備員を大幅に導入。

 私服のガーディアンも各所に配置。

 トラブルを未然に防ぐ体制が、より色濃くなっている。

 それはトラブルを減らす効果を生み出すと同時に、人を信頼してないと言えなくもない。

 つまりトラブルは起きる物で、人は暴れる物だという前提。

 実際そうなのだから仕方ないが、警備をする私達も含めて生産性に乏しいなとは思う。

 警備をする私達から、何かが生み出される事はないのだから。



 再び考えが深くなりそうなので、それを適当に振り払い受付へと向かう。

 ガーディアンは慌ただしく出入りを繰り返しているが、いつもより多い訳ではない。

 多少人数を少なく感じるのは、各所にガーディアンが配置されている関係か。

「別に問題は無いよね」

「大きなトラブルの報告は受けていません」

 生真面目に答える受付の女の子。 

 これは卓上端末でも事前に確認済み。 

 何もない日常はともかく、トラブルはないに越した事はない。

「渡瀬さんは?」

「戻ってませんが、連絡してみます?」

「いや、いい。モトちゃんは」

「執務室だと思います」

 丁寧に、多少無機質に答える女の子。

 受付なので、こんな物なのかな。

 というか、あまりフレンドリーに接されても困る。



 特に用もないが、執務室を訪ねる。

 いたのは、モトちゃんとサトミと木之本君。

 忙しそうでもなければ、深刻さもない。

 現場の指揮をしている訳でもなく、ここはあくまでも報告が上がるだけ。 

 ここが慌ただしくなる時は、自警局がもっと追い込まれた時だろう。

「模擬店、見に行かなくて良いの」 

 カレンダー。

 赤い丸の打たれた、今日の日付を指さすモトちゃん。

 言うまでもなく、今日は文化祭。

 ガーディアンの仕事は大切だが、それがないならここに閉じこもってる理由もない。

 サトミも、一日ここに留まれとは言っていなかったし。

「たこ焼き屋さんを回って、少し疲れたから。モトちゃん達こそ、遊びに行かないの?」

「一応は責任者だから。誰か、代わってくれる人がいればいいけど」

「沙紀ちゃんか、北川さんは?」

「それぞれに忙しいのよ、私達は」

 しみじみと呟くモトちゃん。 

 彼女も木之本君もだが、少し疲れているように見える。

 代わり、か。


 エリちゃんも、多分忙しいはず。

 小谷君も同じ。

 真田さんや神代さんは、いわゆるリーダーというタイプではない。

 1年生に任すのも不安だし、よそから呼ぶのも違う気がする。

「……止めた方が良いわよ」

 私の考えを呼んだのか、口にする前から制止するサトミ。

 気持ちは分かるが、そこまで無茶な考えだとも思っていない。

「ケイで良いでしょ」

「良くないでしょ」

 あくまでも、真っ向からの否定。

 ただこれは、サトミの意見。

 モトちゃんの意見ではない。

「まあ、監視を付けるならね」

 条件付きで認めるモトちゃん。

 監視が必要な代理も考え物だけど、代わりが勤まるのならそれでいい。



 という訳でケイを呼び、午後からの仕事を任す。

「俺は俺で忙しいんだ」

「午後だけだって言ってるでしょ。明日は遊んでればいいから」

「明日は明日で忙しいんだ。この分の報酬は出るんだろうな」

「たこ焼きで良いんでしょ」

 私としては結構真剣に言ったつもり。

 ただ世間的にはあまり良い回答ではなかったらしく、珍しくケイが絶句して手だけをもどかしく動かした。

「友達を助けるのに報酬とか言う方が悪いんだって。じゃあ、後はよろしく」

「おい、今からなのか」

「監視、監視を呼ぶ。沙紀ちゃんで良い?」

「好きにしろ」

 舌を鳴らし、それでも局長の椅子へ座り卓上端末を引き寄せるケイ。

 人間性はともかく、有能なのは確か。

 一度引き受ければ、それを成し遂げるだけの責任感もある。

 人間性はともかくとして。

 また、そこが一番肝心なのは忘れるとして。




 いざという時に備えてショウも彼の監視に付け、私とサトミとモトちゃんの3人で出かける。 

 昔は当たり前で、気にもしなかった関係。

 だけど今はそれぞれの事が忙しかったり、何かと問題があったりで3人だけで行動するのはちょっと久し振りな気がする。

 という訳で二人の間に入り、その手を握って歩いていく。

 手のぬくもりとか柔らかさがただ嬉しくて、何でもない廊下が輝いて見える。

 さっきまでの陰った気持ちはぬぐい去られ、ふわふわした雲の上を歩いているような心境。

 我ながら、現金としか言いようがない。

「茶屋って、そろそろやってるかな」

「茶屋?」

「天満さんが昔演出した、和風の喫茶店兼お芝居小屋かしら」

「説明は良いからさ。とにかく行ってみようよ」



 茶屋に到着するとテーブルというか長椅子は殆ど埋まっていて、端の方に空いていた椅子へかろうじて3人座る。

「ご注文は何に致しましょうか」

 着流し姿で現れる女の子。

 これにはモトちゃんも吹き出しそうになり、お茶とおまんじゅうのセットを頼む。

 サトミも同じ。

 私はお茶と桜餅にする。


 ウェイトレスさんは全員着流し。

 店内は本当に江戸時代辺りの茶屋や居酒屋といった雰囲気。

 壁は全面木の板で覆われ、時折ちょんまげを結った侍が目の前を通ったりする。

「これだけで、来た甲斐はあったわね」

 感心しながらお茶をすするモトちゃん。

 ただ本当の演出はこれからのはず。

 サトミの言う芝居を目当てに、これだけの人が集まっているんだと思う。



「やいやいやい。店主はどこだっ」

 怒号と共に茶屋へ押し入る、うろんげな輩。

 腰には刀、徳利を肩に担いでる者もいる。

 悲鳴を上げて逃げまどう茶屋の娘達。

 中には慌てて逃げ出す客もいて、演出と知らなければ私も身構えていただろう。


 やがて厨房から表へと引きずり出される店主。

 どう見ても生徒ではない、年配の男性。

 教師か職員か、よく分からないが配役にも凝っているようだ。

「今日こそ返してもらうぜ、借金を」

「あ、後三日。い、いや。二日待ってください。それまでには必ず用意しますから」

「期限はとっくの昔に過ぎてるんだよ、爺さん。とはいえお前をいたぶっても、こっちは腹の足しにもなりゃしない。……そこで、だ」

 ちろりと横へ向けられる視線。

 そこにいたのは一際派手な着流しを着た女の子。

 浪人風情は彼女を茶屋の中央まで引き連れ、周りを見渡しながら話し出した。

「結構な上玉じゃないか。借金は、こいつで勘弁してやるぜ」

「む、娘には手を出さないで下さいっ」

「すっこんでろ、爺っ。……うっ」


 店主を蹴ろうとしていた足を押さえてうずくまる浪人。 

 廊下から拭き流れてくる紅葉の花びら。

 切ない旋律の口笛。

 肩に担ぐのは6尺あまりの長い竿。

「てめぇ、なにしやがる」

「だんごでも食おうと思ったら、この騒ぎ。お前らこそ、静かにしやがれ」

 長椅子からさっと立ち上がる数名の生徒。

 そこに腰掛け、足を組む突然の来訪者。

 口調は男だが、どう見ても女性。

 長身で綺麗な、それでいて品のある。

 黄色い歓声が自然と行き交うのも頷ける。


 男装の麗人の注文通りに運ばれてくる串団子と抹茶。

 彼女がそれを堪能する間もなく、浪人が周りを取り囲む。

「立て、この野郎」

「わいわい騒ぐな。だんごくらい、大人しく食べさせろ」

「うるせぇっ」 

 激高して腕を横に薙ぐ浪人。

 その指先が串団子をかすめ、団子が一つ宙に舞う。


 瞬速の突き。

 気付けば宙に浮いた団子は串にささり、元の位置へと収まっていた。

 麗人はすくっと立ち上がり、団子を指さして大きく周りを見渡した。

「てめえらの命。この団子一つにすら劣るぜっ」

 そういうや、団子を一気に三つ頬張る麗人。

 どうでも良いけどこの人、団子を落とされそうになって怒ってるんじゃないだろうな。




 それを合図に揃って後ろへ下がる浪人達。

 麗人は串を置き、最後にお茶をすすって長椅子に置いてあった竿を手に取った。

 ただよく見ると先端が微妙に細く、もしかして団子の串に似せているのかも知れない。

「今日は満月。良い団子月が見られそうだぜ」

「昼間っから、寝言を言いやがって。掛かれっ」

「おうっ」

 抜刀し、足場を固める浪人達。

 麗人も表情を引き締め、担いでいた竿の真ん中辺りを握りしめる。

 長さよりも両端を使う事を優先した戦い方か。


「いやっ」 

 真正面から力任せに振り下ろされる日本刀。

 麗人は竿を横に構えてそれを受け止め、素早く竿を下へ振って反対側で浪人の鳩尾を付いた。

 悲鳴を上げて吹き飛んでいく浪人。

 その間にも、他の連中が挑み掛かる。


 非常に激しい、観客からは悲鳴が上がるような戦い。

 ただ見ている限り、演舞に近い動き。

 真剣ではあるが、あくまでも決められた動きをなぞるだけ。

 それでも見応えは十分で、思わず手の平に汗が滲む。


 浪人は一人また一人と倒され、最後に頭目格だけが残される。

 また技量としてもかなりのもので、長い竿の攻撃を器用に避けて細かく麗人に打ち込み続ける。

 鍔迫り合いの後、大きく離れる両者。

 ふっと変わる空気。


 麗人は竿の端を握り、下段に構えた。

「地獄の旅の一里塚」

 突然呟き出す麗人。

 どうかしてしまったのかと思ったが、それは杞憂。

 周囲からは、「よっ、だんごっ」という威勢の良いかけ声が掛かる。

 時代劇なら定番の場面。

 決まり文句らしい。

 それと団子が、いまいち結びつかないが。


「団子を食べて一休み」

 微かに上がる竿の先端。

 浪人がそれに釣られ、奇声を上げながら上端で思いっきり打ち込んでくる。

 速度、切れ、動き。

 文句の付け所のない、けれんみのない一撃。

 だが、麗人がそれを一歩上回る。


 下から跳ね上がった竿が振り下ろされた刀を両断し、がら空きになった胴を薙ぐ。

 コマのように回って倒れる浪人。

 麗人はふっと寂しげな表情を浮かべ、竿を肩に担いだ。

「だけどな。お前らは、その資格すらねえよ」

 さっき同様吹き流れてくる紅葉。

 そして「よっ、団子侍っ」のかけ声。

 茶屋の娘が声を掛けるが、麗人は振り返りもせずに去っていく。


 ドアが閉まった所で、ひとしきりの拍手。

 ようやく、芝居が終わったのだと気付かされる。

「以上をもちまして、「団子侍・茶屋の団子はひと味違う」の公演を終了させて頂きます。なお明日は午前3回、午後4回の公演を予定しております。皆様お誘い合わせの上、ご観覧下さい」

 着流しを着た女性がマイクを使い、今後のスケジュールを紹介する。

 結構やるんだな、これ。

「隣の売店におきまして、ただ今より団子侍グッズを販売しております。タオル、マグカップ、Tシャツ。数は十分用意しておりますが、売り切れの際はご容赦下さい。またお買い上げの方には団子侍と撮影会をご用意しております。以上、団子侍友の会でした」

 どっと移動する観客達。

 団子侍のグッズが。

「欲しい?」

「ちょっと」

「それ程は」

 控えめに否定する二人。

 見てる分には面白いが、私もそこまで入れ込んではいない。

 というか、団子侍ってなによ。




 茶屋を出て、改めて3人で廊下を歩いていく。

 模擬店、売店、アトラクション。

 別なお芝居か、ドレスを着た女の子とすれ違ったりもする。

 絶え間ない喧噪。

 行き交う人々。

 私達もその中へ紛れ、大勢の生徒の一人になる。


 手作りの小さなぬいぐるみを見て嬌声を上げ、お菓子のゼリーを食べて喜び合って。

 輪投げをして、お互いを笑い合う。

 昔はこんな時間が当たり前にあった。

 こんな時間だけが続くと思っていた。


 でも今は違う。

 後輩達からの相談、それへの責任。

 自分達自身の抱える問題、そして立場。

 何もかもを自由にやっていた頃が、ただ懐かしい。

 それはたった数年前の事なのに、今は胸の奥にしまわれた記憶になっている。


「ユウ、どうかした?」

 体育祭の写真を飾っている、報道部のブース。

 それに一瞬目を向け、すぐに声を掛けてきたモトちゃんを追いかける。

「自分でも映ってた?」

 振り返って写真を指さすサトミ。

 それに首を振り、二人の手を取る。

「見てただけ。行こう」

「どこへ」

「どこでも。3人で、一緒に」

「相変わらず、意味が分からないわね」

 呆れるサトミと、くすくす笑うモトちゃん。



 彼女達がこうしていられるのも文化祭だけ。 

 今はつかの間の休息。

 私達の抱えている問題が解決した後の安らぎではない。

 それでも今を楽しいと思う気持ちは、嘘ではない。

 この瞬間のきらめきは、誰にも否定は出来ない。


 一瞬のささやかな幸せ。

 親友と過ごす、穏やかな時。

 なんでもない、だけど私にとってはかけがえのない幸せな一時。





 毎日こんな時が過ごせる場所。

 私が抱く、学校のイメージ。

 だけど今の草薙高校は、決してそうではない。

 そのために私は力をふるう。

 ささやかな幸せをえるために、自分の力を尽くす。 






                                                           第42話 終わり













     第42話 あとがき




体育祭編、文化祭編でした。

体育祭は、再びニャンとの対戦。

今回は個人レースで、やはりユウの負け。

ニャンは世界レベルの短距離走者なので、当たり前なんですけどね。

それでも彼女は挑み続けるようです。


文化祭では、1年生登場。

彼等は今後あまり登場しませんが、北地区、南地区、転入生という構成。

北地区は丹下さん達の後輩、南地区はユウ達の後輩に当たります。

中等部編3年生編があれば彼等についても色々書けるんですが、ここは申し訳ありませんとしか言いようがありません。


ちなみに文化祭で行われた「団子侍」は、原案が天満さん。

かつて南地区において行われた企画がベースになってるようです。

設定は江戸時代。

上演時間は短めで、一話完結。

団子侍は女性剣士。男性を演じているのではなく、あくまでも女性。旗本の長女かも知れません。

演じる場所は、和風喫茶。

観客参加型形式の場合もある演目となってます。


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