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スクールガーディアンズ  作者: 雪野
第30話
328/596

30-8






     30-8




 学校は今日で終わり。

 明日はクリスマス。

 そして冬休み。

 さすがにこの間は、揉める事も無いだろう。

 多分。

「ん」

 正門をくぐる前辺り。

 もっと言うなら、寮を出た時からの異変。 

 周囲の視線と、遠巻きのささやき。

 理由は言うまでもなく、先週の一件だろう。

 単なる乱闘騒ぎではなく、現在生徒会を支配している執行委員会への直接的な反抗。

 常軌を逸してるとしか言いようがない。

 いや。自分でやった事なんだけど。



 教室内はそこまで露骨ではなく、ただ普段とは違う空気なのは確か。

 私に遠慮しているというか、やや神経質なムード。

 勿論、先週の話題が出る事はない。

「おはよう」

「ええ、おはよう」

 物静かに答え、私の後ろに座るサトミ。

 彼女は特に変わった様子はなく、いつものように綺麗で少し眠そうなくらい。

 それに安心をして、話を振る。

「寮からここまでの間に、何かされなかった?」

「いえ。何も」

 首を振り、ハンドクリームを手の平にすり込んでいくサトミ。 

 同性でも見とれるような容姿と、学内学年1位の成績。

 他人から注目されるのは今更か。

 なるほどと思いつつ、自分もハンドクリームを少し塗る。

「つるつるするな、これ」

「だからいいんじゃない」

「そう?」

 その手でペンを持つが、手に付かず床に転がす。

 大袈裟なと自分でも言いたいところで、しかし拾い上げるのもちょっと苦労する。

「不器用な女だな」 

 だるそうな、しかしそれでも言わずにはいられなかったらしい口調。

 床から顔を上げると、今にも倒れそうな顔のケイがいた。

「ハンドクリームを塗ってるだけ。根本的にケイとは違うの」

 私の言葉に反論もせず、サトミの隣に座ってそのまま顔を伏せるケイ。

 この子の場合も、一応聞いてみるか。

「寮からここまでで、何かされなかった?」

「雪野さんが殴り込んだせいで、冷たい視線をさんざん浴びた」

 少しの間を置いて返ってくる、思った通りの答え。

 以前同じような事態になった時は落ち込んだりもしたが、今はそれを冷静に受け止める事が出来る。

 やりすぎたとは思っても、間違っていたとは思っていないから。

 無論それは私がそう思っているだけで、誰に聞いても間違っているという答えしか返ってこないけど。

「ショウ、まだ来ないね」

「来ないって、あんた」

「え、何」

「いや。別に。昨日、荷物を運びすぎて疲れたんだろ」

 とってつけたような答え。

 ショウの場合私とは逆で、持久力は並ではない。

 勿論彼も疲れはするけれど、段ボールを少し運んだくらいで学校を休む程柔ではない。

「ねえ、どうしてこないの」

「知らん。俺は眠い、お腹が痛い」

 もぞもぞと呟き、そのまま寝息を立てるケイ。

 さすがに今起こすのは可哀想だし、こういう事で口を割る人でもない。

「サトミは何か知ってる?」

「あの子も、男の子って事よ」

 くすっと笑い、前髪を横へ流すサトミ。

 綺麗な髪だなと見とれながら、当たり前じゃないとも思う。

「HR中よ」

 バインダーが振ってくる前に顔を前へと戻し、明るく微笑む。

 村井先生は私を真上から見下ろし、それをケイの頭へと落とした。

「女教師の体罰も、また一興」

 顔を伏せたままの気味の悪い台詞。

 サトミが即座にもう一撃、それもかなりの勢いで肘を振り下ろす。

「済みません。後で言って聞かせますので」

「お願い」

 さすがにケイへは近付かず、教壇へ戻る村井先生。

 最悪を通り越して、私も彼から逃げたいくらいだ。


「今日は終業式だけです。全員第2講堂へ移動して、式が終わったら戻ってきて下さい」

 端末にも配信されている内容通りの説明。

 それを聞き流し、今日から明日に掛けての予定を頭の中で考える。

 クリスマスに関しては、一通りの準備は終えた。

 刺繍もどうにか完成し、後は彼に渡すだけ。

 その前に、デートが待ってるか。

「はは」

「何か」

 怖い顔で睨んでくる村井先生。

 デートを思い出して浮かれてました。

 なんて事は口が裂けても言えず、もう一度笑って軽く手を振る。

 それはそれで気味が悪かったらしく、すぐに目を逸らされた。

「帰省する人は、チケットの割引申請を忘れないように。寮を留守にする場合は、その旨を友達や管理会社に連絡するように」

 私も帰省はするが、実家はすぐ側。

 チケットは関係なく、寮に関しても忘れ物を取りに来る事もありそうなので問題はない。

 後は良く寝て、お正月を待つだけだ。

「最後に一つ。式の間は大人しくしているように」

 改めて感じる視線。

 村井先生だけではなく、教室中からの。

「私が何か」

「先週殴り込んだのは誰」

「私ですが、何か」

「もういい。今度暴れたら、休み中補習させるわよ」



 多分そんな権限は無いだろうが、そういう事は関係無くやらされると思う。

 私も補習は受けたくないし、昨日の今日で暴れる気はない。

 だるそうなケイを後ろの席へ座らせ、何気なく周りを見渡す。

 通路の要所要所に立っているガーディアン。

 以前の自分なら警備をする側であり、こうして座る事は無いと思っていた。

「今日は揉め事は無いよね」

「要素がないから。挨拶をして終わりでしょ」

「サトミが代表で何かしないの」

「しないわよ」 

 即座に否定するサトミ。

 学内学年トップなら、式ごとに何かをやってもおかしくはない立場。

 またそういう要請は過去幾度となくあったが、目立つのを好まないためそういうのを断ってきている。

 そう考えると、私達の中でこういう場所を好む人は皆無だな。



 単調に進む式。

 階段上となっている席を埋め尽くす生徒は、半分が寝ているかもしくは聞いていない状態。

 そんな中でもはるか下にある壇上では、見た事のない誰かが師走の意味について話している。

 確かに12月で師走だけど、そんな話を延々とされても少し困る。

「眠そうだね」

「いや、全然」

 さすがにショウも話を聞いてはいなく、欠伸をしながら目の辺りを抑えている。

 彼こそ少し疲れ気味というか、元気がないな。

「風邪でも引いたの?明日は、止めようか」

「え」

「いや。大丈夫ならいいんだけど」

「何一つ問題ない」

 今すぐ席を立ち上がって叫び出しそうな勢い。

 眠気は完全に吹き飛んだ様子で、見ているこっちが疲れてくるくらい。

 なんか最近、テンションの上下が激しいな。

「そう。でも買い物って、服でも買うの?」

「あ、いや。ん、まあ。服でも良いけど」

 しどろもどろの返答。

 途端に落ち着きを無くし、額にはうっすらと汗が浮かび出す。

「何か隠してない?」

「え」

「驚くような事があるとか」

「まあ、そうかな」

 少しだけ緩む表情。

 隠し事はあるが、悪い内容では無いらしい。

「じゃあ、明日の楽しみ?」

「ああ」

 短く呟き、それきり押し黙るショウ。

 だったら私も、明日を楽しみに待つとしよう。



 式も終わりに近付き、生徒代表の挨拶が始まる。 

 今までそんなのあったかなと思いつつ、壇上に視線を向ける。

 私の席からは遠すぎて、判別は不能。

 ただ、スピーカーを通じての声には聞き覚えがある。

「我々はまず規則を遵守し、規則正しい学校生活を送る責務があります。第1に勉学に勤しみ、第2に教職員の話に耳を傾け、第3に友人関係を……」

 当たり障りのない内容。

 ただ、やや鼻につく気がしないでもない。

 規則を守るのは当然であり、それをことさら強調する必要はない。

 何より卒業式や入学式ならまだしも、終業式に生徒代表の挨拶なんて記憶がない。

 サトミに提案したのはあくまでも冗談の話。

 それが、こういう形で実現するとは思わなかった。

「馬鹿じゃなかろうか」

 つい本音を漏らし、前の椅子を叩きそうになって思いとどまる。

 座ってるのは知らない人で、しかし怒りのやり場の持って行き場所がない。

「何か」

 私が座っていたのは通路側の席。

 その隣に集まってくるガーディアン。

 いや。警棒を腰に提げてはいるが、肩口にIDが付いていない。

 代わりに、胸元へ顔写真付きのIDが付いている。 

 つまりは、執行委員会の警備部門。保安部か。

「別に」

「今の挨拶に、不満でもおありですか」

 やはり来たか。

 おそらくは、私達が何かしないか待ち構えていたはず。

 こちらもガーディアンと彼等の違いくらいは理解しているし、何よりその雰囲気が違う。

 ガーディアンは秩序を守り、生徒の安全を確保するのが使命。

 しかし彼等は、執行委員会を守るのが第一。

 自ずとその態度や姿勢は違ってくる。

「何もない」

「でしたら、お静かに願います」

「スタンドプレーも程ほどにしろよ」

 小馬鹿にした台詞を残して去っていく集団。

 スティックへ手を伸ばそうとするが、あまりにも馬鹿馬鹿しくて鼻を鳴らす。

「落ち着きなさい」

「大丈夫。私もそこまで馬鹿じゃない」

「だといいけど」

 苦笑して、後ろから私の頭を撫でるサトミ。

 それに自分の手を重ね、高ぶった気持ちを和らげる。




 無事かどうかはともかく式は終了。

 教室へと戻り、荷物をまとめる。

「はい、お疲れ様。これで今年は終わりです。休みだからといって遊んでばかりではなく、勉強も頑張るように。クリスマスにお正月と続きますが、羽目を外すのも程ほどに」 

 何か視線を感じるが、それはそれ。

 私の気持ちは、すでに頭の上辺りに浮ついている。

「それでは、これで終わります。良いお年を」

 村井先生の挨拶も待たず教室を飛び出ていく生徒達。

 さすがにそこまでのテンションはなく、ゆっくりリュックを背負って荷物を確かめる。

「忘れ物も無しと。今日も、クリスマスのイベントあるんだよね」

「ケーキの試食でしょ」

「それそれ」

 イベントは幾つかあるが、メインは試食。

 いや。本当のメインは他にあるんだろうけど、私にとってはという意味で。

「あなた、たくさん食べられないじゃない」

「だから試食なの。少しずつ、たくさん食べられる」

「甘い物を食べる割には太らないわね」

 私のボディラインを上から下に向けて撫でていくサトミ。

 顔こそ丸く見えるが、体脂肪率はサトミより低いくらい。

 運動のおかげと、新陳代謝が活発なんだろう。

 少しくらい脂肪が付いてもいいから、少しは骨や肉にも回して欲しいものだが。



 みんなでやってきたのは調理室。

 試食会場は幾つかに分散されていて、それでもすでにかなりの賑わい。 

 というか、列が出来てる。

「並ぶのかよ」

 露骨に不満を漏らすケイ。

 この子の場合、ケーキに対してなんの感情も愛着も感じていないので。

「並ぶのよ。ほら、前詰めて」

 ぐいぐい彼を押して、列を進める。

 ケーキが無くなる事は無いと思うが、精神的に焦ってくる。

「雪野さん達も来てたの」

 サンタの赤い帽子を被って、調理室から現れる天満さん。

 服装は白のシャツとジーンズという、ラフな感じ。

 全身サンタスタイルでも、ちょっと困るけどね。

「このイベントは外せないので」

「はは。他にもクリスマスプレゼントの交換会とかやってるんだけど」

「私はケーキだけで手一杯です」

「甘い物は、確かに良いわね。食べるだけで、幸せな気になれる」

 しみじみと語る天満さん。

 それは私も同感で、落ち込んでいる時でも何かを食べれば立ち直るきっかけにだってなる。

 お菓子の場合は、その効き目が顕著だと思う。



 ようやく列がさばけ、調理室の中へと入る事が出来る。

 甘い香りと華やいだ空気。

 所々に置かれた紙コップからは白い湯気が揺らめき、弾んだ会話があちこちで行き交う。

 まだこれから冬という時期だけど、ここには一足早く春が訪れている。

 等間隔で並んでいるキッチンの付いたテーブルには、それぞれ同じ系統のケーキが並べられている。

 私はとりあえず、チーズケーキかな。

 まずはセルフサービスで紙コップに紅茶を注ぎ、やはり紙皿にブルーベリーソースの掛かったチーズケーキを取り分ける。

「美味しい」

 抑えめの甘さと、ブルーベリーの程良い酸味。

 チーズのコクもしっかりあって、この一口だけで満足になる。

「これは木莓か。……って、何してるんですか」

 新しいケーキを運んできた、やはりサンタの帽子を被っている男性。

 見慣れた顔というか、思わず鼻が出そうになった。

「僕も好きでやってる訳じゃない」 

 憮然と答え、ずれてきた帽子を直す沢さん。

 似合わない訳ではないが、あまりにもイメージと違うというか無理がありすぎる。

 面白い以前の問題だな。

「メリークリスマス」

 今度現れたのは、全身サンタの格好をした男性。

 というか、副会長。

 ただこの人の場合は、違和感はさしてない。

 何せ、女装歴があるくらいだしね。

「意外に似合いますね」

「外部から子供も来るようなので、天満さんに頼まれました」

 突き出たお腹をさする副会長。

 体型としては華奢な方なので、タオルでも詰めているのだろう。

「ちょっと待って。二人がいるって事は」

「俺もいるさ」

 諦めきった笑顔と共に現れる塩田さん。

 彼も帽子だけで、服は私服のまま。

 というか、サンタの格好をしてるのは副会長だけじゃないのか。

「大変そうですね」

「バイトだバイト。金のためにやってるんだ」

「私は、子供達に夢を売るためですよ。メリークリスマス」

 背負っていた袋を降ろし、ストロー上のホイッスルを子供に渡す副会長。

 それを吹くと甲高い音がして、巻いていた先の部分が伸びていく。

 子供はきゃっきゃっと笑いながら、ホイッスルを握りしめてどこかへ駆けていった。

「沢さんは?」

「僕は、夢も希望も何もない」

 なんか、今にも消え入りそうな雰囲気だな。

「ケーキ食べます?」

「当分、甘い物は食べたくない」

「もしかして、バイト代の一部はケーキとか」

「年越しケーキだよ、今年は」 

 疲れ気味に笑う沢さん。

 そういう時こそ甘い物だと思うんだけど、今の彼には通用しないか。

「おい、それより玲阿を止めろ」

「止めるって、何もしてないですよ」

「皿ごと食ってるぞ」

「また、大袈裟な」

 そう笑い飛ばそうとして、ショウの頭を飛び上がって叩く。

 女の子が下げようとしていた皿を受け取り、残っているスポンジやクリームをフォークでかき集めながら食べている。

「恥ずかしいから止めて」

「もったいないだろ。これだけで、ショートケーキ一つ分はあるぞ」

「いいから、もう」

 彼から皿を取り上げ、指に付いたクリームを舐める。

 さっきよりもクリーミーで、さっぱりした味。

 じゃあ、こっちの赤い方はどうだろう。

「おい」

「え、ああ。追加、塩田さん追加」

「この野郎。豚になっても知らんぞ」



 豚になるとは思えないが、それ以前にお腹が一杯になった。

 天満さんからもらったサンタの帽子を被り、調理室を後にする。

「雪野、ちょっと待て」

「お土産ですか」

「あのな。執行委員会とは揉めてもいいが、丹下達とはあまり揉めるなよ。あいつらにはあいつらの立場があるんだから」

 諭すように話して来る塩田さん。

 私にそういうつもりはないが、周りから見ていると心配したくなるのかも知れない。

「大丈夫ですよ。この前も、沙紀ちゃんとそういう話をしましたから」

「どうもお前は不安定だからな。遠野」

「私達の事も良いんですが、モトや特に木之本君の件はどうなんですか」

 語気を強め、逆に質問するサトミ。

 塩田さんは帽子を撫でて、苦笑しながら壁にもたれた。

「あれくらいでおたついてたら、学校と戦うなんて夢のまた夢だぞ。闇討ちなんて当たり前だからな」

「向こうからは襲われ放題で、私達は守るだけですか」

「立場が立場だ。今のお前達には何の権限もない。そう考えると、矢田は上手く振る舞ってる。あいつは自警局長で、執行委員会の一員。権限は十分にある」

 権限だけじゃないかと思いつつ、廊下の壁を何度か叩く。

 内部から改革すると言えば聞こえはいいが、実際の所は何もしていない。

「その意味で、丹下達とのパイプは大きい」

「丹下ちゃん達を利用しろと」

「それは、お前達の考え方次第だ。自分達だけで何もかも出来るなら、何も言わん」

 静かに告げ、調理室へ引き返していく塩田さん。

 ただしそれは、今まで何度となく言われた事。

 自分達の信念を貫くためなら、何をしてもいいのかという。

 今の私に結論は出せないし、しばらくは出せそうにない。



 少し憂鬱な気分の中、学内を歩く。

 ふと目に付く、バザーの文字。

 正門に近い教棟の一階。

 使っている部屋は数室で、ケーキの試食会場よりも人は少なめ。

 それでも何となく、教室の一つに入ってみる。

 机の上に並んでいるのは、古着や文房具。

 本やおもちゃという、フリーマーケットを思わせるような品揃え。 

 ただ値段はかなりリーズナブルで、当たり前だが利益は度外視しているようだ。

「何か買ったら」

「俺の方が、愛の手を差し伸べて欲しいくらいだ」

 下らない事を言い、コウモリのぬいぐるみを指で突くケイ。

 多分これは、最後まで売れ残るだろうな。

「大体こういうのは、金持ちの道楽なんだ。恵まれない方に、私達が援助して差し上げますわって」

「偏見じゃないの、それ」

「どうかな」 

 コウモリから逸れていく視線。

 それは教室の前へと流れ、レジの所で止まる。

「わ」

 思わず声を上げ、慌てて口を押さえる。

 レジにいたのはサンタのキャップを被った矢加部さん。

 ケイが言ってたのそのままの光景だな。

「ああいう事もやるのね」

 苦笑気味ではあるが、好意的な表情を浮かべるサトミ。

 私はそこまで人間が出来ていないので、小首を傾げ豚のぬいぐるみを撫でてみる。

 なんか怖い顔してるな、これ。

「ぶひひっ」

「うわっ」

 思わず叫び声を上げ、咄嗟にショウへしがみつく。

 正確には、彼の腕にぶら下がった。

「の、呪いの豚?」

「何だ、それは。センサーでも付いてるんだろ」

 私をぶら下げたまま豚に触るショウ。 

 しかし豚は何の反応も示さず、悪い目付きでこちらを眺めているだけだ。

「も、燃やそう。ケイ、火。ライター付けてっ」

「買ってから燃やせよ」

 鼻で笑い、冷静に言ってくるケイ。

 すぐに足先で彼のお腹を突き、その顔を青くさせる。

「ふざけてる場合じゃないのよっ」

「ど、どっちがだ。呪え、叫べ、歩き回れ」

 もう一度蹴って、呪文のような言葉を止めさせる。 

 もしかして、この子が操ってるんじゃないだろうな。

「騒がしいですが、どうかなさいましたか」 

 呆れ気味の顔で近付いてくる矢加部さん。

 彼女は足元でうずくまっているケイを一瞥し、私の方へと向き直った。

 こうなっては彼女がどうとは言ってられず、足先で豚を示す。

「な、鳴く。呪われてる」

「いつも幸せそうで結構ですね」

「ああ?」

「中に笛が入ってるだけです」 

 少し強めに豚を撫でる矢加部さん。

 その直後に、例の「ぶひひ」という声がした。

 よく考えると、ショウは軽く触れた程度。

 何だ、馬鹿らしい。

「はは。呪いだって。馬鹿馬鹿」

「誰がです」

「さあ」

「それと、何してるんです」

 怪訝そうな、若干の敵意すら感じる視線。 

 それに睨み返そうとして、ショウにぶら下がったままの自分に気付く。

「私にも色々事情があるのよ」 

「付き合いきれません」

 醒めた目で私を睨み、きびすを返す矢加部さん。

 所詮お嬢様には、私の心なんて理解出来ないのよ。

 というか、誰も理解してくれないけどさ。


「よいしょと」

 ショウの腕から飛び降り、改めて商品を眺めてみる。

 なんだ、この木刀って。

「誰が買うの、こんなの。というか、誰が持ってきたの」

「ちょっと嫌な気がしてきた」

 苦笑気味に呟くショウ。

 傷だらけの木刀。

 しかし柄の部分は握り込まれた艶が出ていて、相当使い込んだ品であるのが理解出来る。

「安いわよ、買ってって」

 観光地のお土産屋さんみたいな台詞。

 ふと顔を上げると、サンタの帽子を被った鶴木さんが立っていた。

 この人は矢加部さんと仲が良いし、手伝うとしたらやはりここか。

「木刀なんて、売れませんよ」

「真剣は駄目だって、美帆ちゃんが言うから」

「あのね」

「演舞をやった方が、お金取れるんだけどな」

 木刀を担ぎ、そのまま真っ直ぐ振り下ろす鶴木さん。

 切っ先が私の鼻をかすめ、前髪がさらさらと揺れる。

「そういう事をやるから、余計に駄目なんでしょ」

「あなたに言われると落ち込んでくるわ」

「ああ?」

 がっと吠え、木刀を握って軽く引く。

 でもってすぐに押して、彼女のバランスを崩させる。

 鶴木さんは不敵に微笑み、木刀を腰にためてすり足で横に動き出した。

「何してるの」

 呆れ気味の口調で声を掛けてくる土居さん。

 彼女もサンタの帽子と、腰には例によりバトンを差している。

「礼儀を教えてるところよ」

「じゃれているようにしか見えないけどね。危ないから止めて」

「助かったわね」

「へっ、そっちこそ」

 慎重に木刀を放し、それが届かない位置まで後ろへ飛び退く。

 終わったと思って油断出来る相手ではない。

 倫理観やルールとは無縁の世界に生きている人であり、私もかじった程度とはいえその理屈は理解している。

「遊んでないで、ちゃんと並べ直して」

「小うるさいな」

「何か言った」

「全然」

 へらへら笑い、木刀片手にセーターを畳み直す鶴木さん。

 土居さんはため息を付き、豚の向きを直している。

 見た目としては鶴木さんの方が生真面目そうだが、性格的には逆。

 というか、鶴木さんがアバウトすぎるんだ。

「相変わらず真面目だね」

 気楽に笑いながらやってくる右動さん。

 鶴木門下、勢揃いといったところか。

「あんたもやるんだよ。値札付け直して」

「へいへい。高いな、これ」

 そう呟き、右動さんは線を引いて勝手に値段を付け替えた。

 面白いけど、無茶苦茶だな。

「あんたね」

「売れ残りよりましだろ。それに、値段を付けたの真由ちゃんだし」

「なら、いいか」

「おい」

 低い声で唸る鶴木さん。

 何をやってるんだか。


「わっ」

 部屋の隅。

 地味に段ボールを運んでくる阿川君。

 それだけなら良いが、彼も赤い帽子を被ってる。

 出来たら、沢さんと彼だけは除外してくれないかな。

「笑うわよね」

 そう言って、ころころ笑う山下さん。 

 彼女も被っているが、優しい顔立ちなので結構似合う。

 確かこの二人も鶴木流を学んでいたはずで、まさに一門勢揃いか。

「鶴木さんに呼ばれたんですか」

「横暴なんだ」

 ストレートに告げる阿川君。

 しかし鶴木さんは気にした様子もなく、木刀を振ってみんなに動くよう指示を出している。

「そうすると、彼女の言う事は絶対?」

「それはないね」

 即座に否定する土居さん。

 他のみんなも、同意したように頷いている。

「俺達は鶴木流の門下生だから、兄弟子として敬ってはいるけどね。命令するされる、って関係じゃないよ」

「俺は門下生じゃないぞ」

「私も」

「あたしだって」

 再びの否定。

 そうなると、本人が認めているのは右動さんだけか。

 ちょっと不憫になってきた。

「という訳さ。分かった?」

「なんとなくは。私も一応は、鶴木家で教わった事もありますし」

 私が師と呼べる人は、水品さんただ一人。

 ただそれ以外の人にも数多くの事を学び、鶴木さんのお父さんからも色んな事を教えてもらった。

 無論、鶴木さん本人からも。

 その意味において私も彼女に敬意を抱いてはいるが、確かに命令するされるという関係ではない。

「まあ、何より気楽なのが一番だよ」

「はあ」

「それと本当に門下生って呼べるのは、俺の兄貴や佐古さんかな」

「ああ、転校した」

 以前塩田さん達から聞いた話では、学校のため生徒のために転校した人達。

 卒業式の時あったくらいだが、信念を持って行動する人達なのは間違いない。

「その兄貴達でも、真由ちゃんの言う事を全て聞く訳じゃないし」

「なるほど」

「だから実際は、俺や真由ちゃんはSDCには向いてないんだよね。あそこは完全な上下関係でなりたってるから。たまに、馬鹿じゃないかと思えてくる」

 ふと漏れる本音。

 彼の場合は言葉通り自由なタイプで、組織の中で生きるのはむしろ苦痛なのかも知れない。

 それでも彼はSDCの要職に付き、鶴木さんを補佐している。

 単に彼女の友人だから、というだけでも無いとは思うが。

「巧君、段ボール運んで」

「はいはい、今すぐ。お姫様が怒ってるから、またね」

「あ、はい」

「小姓は辛いよ」



 バザー会場を後にして、寮へと戻る。

 帰り支度は一通り終わっていて、後はそれを持って帰るだけ。

 ただ重いため、私一人では無理がある。

 もしかして、私よりも重いんじゃないだろうな。

「運ばないよ」

 バッグを持って廊下をよろめきながら歩いていたら、神代さんに先手を打たれた。

 どうも私の回りは、上下関係がなってないな。

「そういう事は玲阿さんに頼んで」

「今、車取りに行ってるの。飴、飴上げる」

「だから」

 真っ白けな顔で返してくる神代さん。

 はい喜んで、くらい言ってよね。

 私でも言わないけどさ。

「神代さんは帰らないの」

「クリスマスは、チィ達と遊ぶから。帰るのは、その後」

 少し楽しげな表情。

 浮き立った、普段よりも華やいだ。

 クリスチャンでは無いけれど、本当キリスト様は偉大だな。

「達って事は、沙紀ちゃんも?」

「え、うん。まあね」

 それがどうしたという顔。 

 彼女達と揉めそうになりかけたとは言わず、またそれは神代さんも分かってる事なので口にはしない。

 こうして彼女達は先輩と後輩という関係を育み、育てていく。

 一方私は、その辺がどうも希薄。

 先輩や後輩と呼べる人達は少なく、自分達の枠だけで固まっていた。

 それが良い悪いは別にして、上下関係にルーズな理由ではあるだろう。



 結局荷物はショウに任せ、素早く助手席に乗り込む。

 運転席に彼がいないのは、サトミの荷物も運んでるから。

 本当、人が良すぎるのも程ほどにだな。

「ご苦労様」

 ショウと一緒に戻ってくるサトミ。

 彼女は後部座席に乗り、ショウも荷物をバックシートに運び込んで運手席に乗り込んでくる。

「ご飯、食べに行く?」

「え、いや。いい」

 何やら慌てつつ、地下駐車場から車を出すショウ。

 窓には初冬の日差しが降り注ぎ、空は限りなく青い。

 この分なら明日も晴れで、ホワイトクリスマスはなさそうだ。



 家に運び込むくらいは自分でやろう。

 そう思ったが、玄関へ辿り着く前に力尽きた。

「お帰りなさい。荷物は?」

「私には荷が重すぎた」

 お母さんにそう答え、玄関のドアを開けてショウが来るのを待つ。

 彼は私のバッグとサトミのバッグを両手に提げ、平然とした顔で短い階段を上ってきた。

「ご苦労様。何か食べる?」

「いや。いい。じゃ、また今度」

 慌ただしく帰って行くショウ。

 車はあっという間に走り去り、名残惜しさすら感じさせなかった。

「どうしたのかな」

「男には色々事情があるのよ」

 鼻で笑い、私を抜いて家に上がるサトミ。

 お母さんは彼女に付いていき、私一人が残される。

 この家って、雪野家だよね。


 小分けにして荷物を二階まで運び、ジャージに着替えてリビングに転がる。

 これでもう、年明けまでやる事は何もない。

「優、庭の掃除して」

「また、冗談ばっかり」

「猫が来るから」

 妙に真剣な顔でせき立てて来るお母さん。

 別に粗相をする訳でもなさそうだし、放っておいても良いと思うんだけどな。

「サトミにやらせれば」

「お客さんにそんな事はされられないわ」

 ソファーに横たわって英訳の文庫本を読んでるけど、お客様って誰の事かな。



 掃除と言っても落ち葉はなく、雑草も殆ど目に付かない。 

 結局は猫の監視という訳か。

 外は寒いので、窓から庭の様子を確かめる。

 しかし早々都合良く現れる訳はなく、少しずつ庭の色が失われていく。

 室内には暖房が入っているが、心はどこか切なくなる。

 ため息を付き、窓辺から離れリビングに戻る。

 夕暮れは嫌いではないけれど、一人きりで見るには物悲しすぎる。 

 この時期ともなると、特に。

「ご飯まだ」

「今作ってる。猫は?」

「切ないのよ」

「はい?」

 声を裏返して振り向くお母さん。

 ちょっと言葉足らずだったな。

「夕暮れは切ないの」

「意味が分からない。もうすぐお父さん帰ってくるから、お酒買ってきて」

「外、寒い」

「子供は風の子でしょ。お釣りは、お小遣いにしていいから」



 お釣りって、殆ど料金ぴったりじゃない。

 スーパーを出て、駐輪場の付近に並ぶ屋台を眺めるが買えそうな物は無し。

 繰り返されるクリスマスソングと、ケーキの売り子の声が夕暮れの空に響き渡る。

 東の空はすでに暗く、車道を走る車はヘッドライトを灯している。

 風は冷たさを増し、グローブ越しにも指先がかじかんでくる。

「はぁ」

 ため息を付き、スクーターにまたがってエンジンを掛ける。

 点灯するヘッドライト。シート越しに伝わる微かな振動。

 ヘルメットの位置を直し、ゆっくりとスクーターを走らせる。

「え」

 一瞬消える目の前の景色。

 バランスを崩す前に両足を付き、周囲に意識を配る。

 幸い人や物にぶつかった様子はなく、おそらく殆ど走ってもいない。

 どちらにしろこのままでは危険で、エンジンを切ってスクーターを降りる。

 刺すような夜風、冷え込む空気。

 視界は回復せず、周囲のざわめきとスーパーからのBGMだけが耳に届く。

 例えようのない不安感。

 切なさを通り過ぎた孤独感。

 目が見えなくなり、自分の殻に閉じこもっていたあの時と同じような気分。

 また事態としては、自宅では無い分あの時より悪い。 

 音と風のせいで周囲の状況を完全に把握出来ず、迂闊に動く事もままならない。

 とりあえず目薬を差し、痛みや不快感を和らげる。

 ただ視力回復には直接つながらず、気持ちを抑える事も出来ない。

 クリスマス・イブは明日。

 ショウとのデートも。 

 楽しさと幸せだけで全てが出来上がるような一日。

 それを前にして、私は一人寒空の下震えている。

 今までの自分がどれだけ恵まれていたか。

 目が見えていなかったあの期間、どれだけ大勢の人に守られ助けられていたかを強く実感する。

 何より、今の自分が置かれている状態を。




 永遠とも思える時間。

 ただ実際は、数分も経っていないと思う。

 しかし体は冷え、視界は殆ど回復しない。

 元々暗い時は見えにくく、今はかろうじて物の輪郭が見えている程度。

 動きもどうにか理解出来、記憶を頼りに移動する。

 あくまでも一歩ずつ、慎重に。

 他人の邪魔になりたくはないが、今は致し方ない。

 自転車や手に触れる物を頼りに前へ進み、スーパーの方へ歩いていく。

 多分駐輪場の真ん中で立っているよりはましで、ベンチがあったはず。

「え」 

 何かにつまずき、地面に転がる。

 厚着とグローブをはめていたため、怪我はない。

 ただ誰かが助け起こしてくれる雰囲気もなく、やはり何かを伝って立ち上がる。

 全身に触れ、改めて怪我がないのを確認する。

 特に痛む箇所はなく、ただ事態が好転した訳でもない。

 BGMを頼りに、再び自転車伝いに歩き出す。

「邪魔ね」

 軽く肩を押される感覚。

 転ぶまでには至らないが、バランスを崩し咄嗟に自転車へしがみつく。

「てめえ。何人の自転車に触ってるんだ」

 再び押される体。

 自宅や学校とは違い、周囲の配置を把握出来ていない状態。

 改めて何かにぶつかり、地面に転がる。

 激しく体を打つ事は無いが、回りに伝って立ち上がれる物がなくなった。

 BGM越しに近付いてくる足音。

 粗野な罵声。

 この先どうなるかは、相手の人間性による。

 すでに体を押され、倒されている自分。

 その自分に罵声を浴びせる人間が何をするかは、想像するのは大して難しくはない。

 今は頼れる者は誰もいない。 

 そう。自分の身は自分で守る以外にない。

 誰もいなくても、誰の助けが無くても。

 私が私である限り、理不尽な仕打ちには屈しない。



 目を閉じ、視界を遮断。

 足の裏と手の足の位置を頼りに、平衡感覚を修正。

 声の定位を確認し、その振動と足音を照合。

 手を付いて素早く立ち上がり、腰を返して回し蹴りを放つ。 

 小さく聞こえる呻き声。

 ヒットはさせていないが、顎を完全に捉えた位置で足を止めている。

 このままの姿勢でダメージを与えるのも可能で、軸足にも余裕はある。

「おい、どうした」

「こ、この女がケンカ売ってきやがって」

「ほう。さらって、悪い事でもしてやるか」 

 あちこちから聞こえる下品な笑い声。

 スーパーに来るくらいなので、おそらくは中高生。

 仲間で群れ、歯止めが利かない時期でもある。

 止まる風、遠ざかるBGM。

 つまりは周囲を囲まれたか。

 スティックはないが、大した威圧感は感じない。

 またこの程度で後れを取るようでは、私もそこまでという事だ。

「ぐっ」

「がっ」

「うわっ」

 ほぼ同時に上がる叫び声。

 再び冷たい風が吹き、BGMが届いてくる。

「自転車って、これか」

 何かが折れ、地面に叩き付けられる音。

 悲鳴と共に足音が響き、全員が逃げ去ったと理解する。

「ショウ?」

「え」

 間の抜けた声。

 多分男達を全員なぎ倒し、自転車を半分に割ったのが彼。

 でもって、この反応。

 だからこそ、彼らしいとも言うが。

「いや。別に付けてた訳じゃなくて。水品さんの所の帰りに、通りかかってさ」

「そう」

「でも、俺がいなくても大丈夫そうだったな」

 苦笑気味の台詞、そっと添えられる彼の腕。

 それに片手を掛け、後ろを指さす。

「急に見えなくなって。スクーターは大丈夫?」

「ああ。後で家に届けるから、病院行こうか」

「お願い」



 診断結果は普段と変わらず。

 結局、特効薬はないし何がきっかけで視力が一時的に低下するかも分からない。

 ただ、それでも自分はどうにか出来ると分かった。

 いや。出来るという気持ちが生まれたというべきか。

 病院からの帰り。

 車に揺られながら、ふと気付く。

「スクーターはどうするの」

「優を送ってから、取りに行く」

「ごめんね」

「何だ、急に」

 隣で明るく笑うショウ。

 まだ視力が回復していないので、笑顔までははっきりと見えない。

 それでも、彼の暖かさは十分に伝わってくる。

「明日は、止めるか」

 さりげない口調。

 思いやりと優しさに満ちた。

 理由は良く分からないけど彼は明日の事を楽しみにしていた様子で、今日早く帰ったのもそれのためだろう。

 だけど彼は、私の体を気遣いそう言ってくれる。

「大丈夫。ただ、迷惑を掛けるかもしれないけどね」

「何だ、迷惑って」

「なんだって言われると、私も困るけどね」

「俺は別に、迷惑なんて思った事無いぞ」

 小さくなる声。

 薄暗い視界の中に見える、いつもより落ち着きのない彼の姿。


 いつも頼ってばかりで、私からは何の恩返しも出来ず。 

 結局今日も、そうなった。

 ずっと守られ、大切に思ってくれている。

 誰かに頼るのはもう止めようとも思ったけど。

 いつまでも頼ってばかりでは仕方ないという気もしていたけど。




 でも、彼だけは頼りにしていいのかも知れない。












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