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ある公園の植え込み。
そこのわずかな切れ間をすり抜け、生い茂る草木の中を歩いていく。
やがて回りを背の高い木々が囲み、視界は緑と茶色だけとなる。
足元には枯れ葉や枯れ草が敷き詰められ、聞こえるのはそれを踏みしめる自分の足音ばかり。
不意に木々が途切れ、広場と呼ぶ程でもない空間が現れる。
多分以前は散策路で、いつしか木々が生い茂る内に忘れ去られた道なんだと思う。
多少の右左折を繰り返さないとここには辿り着かず、私自身どうして迷わないか不思議なくらい。
それだけこの場所と自分は、何かの縁があるのだろうか。
ベンチに腰を下ろし、バスケットと水筒を置いてダッフルコートを膝に掛ける。
風は広場を囲む木々に弱められ、木漏れ日が優しく降り注ぐ。
少しずつ戻りつつある視力。
ただ、ここの景色は心の中にいつもある。
思い、悩み、苦しみ、絶望しても。
私はまだ、こうしてここに来る事が出来る。
ここを思い出す事が出来る。
私の体がどうなろうとも、その心だけは変わらない……。
第25話 終わり
スクールガーディアンズ 2年編 前編 了
雪野
第25話 あとがき
これで、2年編前編が終了。
という事は、後編もある訳です。
さてはて。
今回は苦悩編、もしくは再生編。
学校と対峙するよう決意するターニングポイントでもあります。
今までは惰性や、結果的に学校側と対立した事もあっただけ。
でもこれからはその姿勢を定め、明確にしていきます。
ちなみに目の不調に関しては、本編内でもあるように今後もひきずっていきそう。
後編におけるポイントの一つですね。
ちなみにこの話は、あくまでも雪野優からの視点。
彼女の理想や考え方が正義であり、それに反する物は悪という内容。
ただ一般生徒が、彼女の考えと同じという訳ではありません。
さらに言うなら、学校やそれに協力する生徒達が必ずしも悪とは限りません。
このストーリーが彼女の心情で語られているため、彼女の正義が前面に出ているだけで。
三人称なり学校側の人間の一人称を書けば、また違う面も見られるかも知れません。
とはいえ主人公が彼女である以上は、当然ながら彼女の正義が絶対的な物として定義されます。
意味が分からんという方は、第10話などを読み返して下さると幸いです。
あれはもっと、管理案について詳しく書くなり学校側の意見を登場させるべきでした。
河合達が、管理案に賛成した部分とかを。
勿論本作はユウの正義を追い求めるストーリーですが、学校=悪ではないと私は考えているという事だけお伝えしたく支離滅裂な文章を書いてみました。




