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第12話 あとがき
まずは12話について、少し。
前半が春休み編、後半が3年卒業編。
モトちゃんのお母さんは、おそらく理系の教師だったんでしょう。
それとユウの祖父母(父方)は、結局ユウに甘いです。
お祖父さんは結構堅い性格で、ユウのお父さんはそれを引き継いでます。
お祖母さんは、もっとフランクですね。
後は、3年について。
アメリカ(北米連合)にいた河合達が通っていた高校は、3月卒業のスタイルを取ってます。
河合達が向こうで何をやってたかは、さて。
外伝なんて、もう無いとは思いますが……。
ちなみにユウが天満にあれこれ頼んだのは、彼等3年生を集める相談だったという設定です。
1年編は、以上で終わり。
第13話からは、2年編となります。
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ローテーブルの前にちょこんと座り、紅茶を飲む。
温かい。
「なに」
素っ気なく尋ねてくる舞地さん。
髪は解かれ、白いワンピースを着ている。
清楚な雰囲気だが、彼女が意識して着ている訳ではないようだ。
あったから身に付けた、くらいで。
「舞地さんも、4月から3年だなと思って」
「雪野も、2年だ」
「まあね」
ははと笑い、紅茶を飲む。
春休みが終わる前に舞地さんのアパートへ遊びに来たんだけど、二人ともお茶を飲むだけで何もしていない。
いつもの事とも言える。
「どうよ」
「なにが」
「いや、よく分かんないけど」
「それは自分でしょ」
当然の指摘。
まあ、そうだ。
「困ったね」
「なにが」
「さあ」
もう突っ込んでもくれない舞地さん。
寂しい。
「何とかなると、私は思う」
「なにが」
「知らない」
「自分こそ、訳分かんないじゃない」
二人して笑い合う。
差し込む暖かな日差し。
彼女の足元で丸くなる猫。
穏やかに過ぎていく時。
「寝ないで」
「あ、ああ」
慌てて顔を上げて、口元を拭く。
危機一髪だ。
ついでに、いい気分も吹き飛んだ。
「結局、春なんだよね」
「言い訳にもなってない」
笑って聞き流し、後ろに手を付く。
白い天井を見上げ、少し息を漏らす。
意味はない。
「私も2年か。どうしようかな」
「別に、何も変わらない」
「でも、後輩が出来る訳でしょ」
舞地さんは前髪を横に流し、優しく笑った。
「私も後輩がいるけど、別に困ってない」
「出来が悪くても?」
「それも含めて」
「なんだ、それ」
もう一度二人で笑う。
穏やかな昼下がり。
何もない一時。
幸せな気持ちと共に過ぎていく。
第12話 終わり
スクールガーディアンズ 1年生編 了
1999/5/1~2001/9/1
雪野