第4話・謎の男カーター!!!
復旧作業の上空にヘリが飛んでいる。ヘリを操縦しているのは、カーターという謎の男。道を閉ざされた串亀家に物資を運んでいるらしい。
ペコペコペコペコ・・・・・・
ヘリコプターが串亀君の家に向かって飛んでいく。
ペコペコペコペコ・・・・
「カーターがクッシーん家に救援物資をヘリコプターで届けているんだ」と福田さんが言った。
一匹峠が土砂崩れにあって、道を閉ざされてしまった串亀家の人々は、
村の支援により、救援物資を受けていた。
福田夫妻や源治さん、とっつぁんらも、村の支援者として、串亀君を支援しながら、
復旧に携わっている。
ペコペコペッコペコ・・・・・・
「おお、どうやら、物資を無事に届けられたようだよ」と福田さん。
ペコペコペコペコ・・・・・、
ヘリコプターが串亀君らの頭上に止まり、スピーカーから何やら叫んでいる。
<串亀君、串亀君、聞こえるかね。聞こえたら、手を輪っかにしてみてくれないかね>
串亀君は、ヘリに向かって、手を輪っかにして見せた。
<おお、聞こえてるようだねー。わたしは君の家に、食糧を届けに行ってきた。みんな元気だから安心してくれ。
わたしの名前はカーター。
妻と愛人とシャム猫と暮らしているんだ。聞こえるかね串亀君。
聞こえたら、あそこを手で押さえてみてはくれないかね。>
串亀君は、ヘリに向かって、あそこを手で押さえた。
<ははははははは、君はまじめでいい子だ。それじゃあ、また物資を届けに行くからなーー、がんばれよー>
ペコペコペコ・・・・・
まだまだ先は長いな、と串亀君は、一匹峠を眺めながらつぶやいた。
今でやっと600mだから、家まであと2400mだ・・・。
串亀君と源治さんととっつぁんの3人は、汗をぬぐいながら、復旧作業にいそしんだ。
そんで、寝泊まりしている体育館に戻ると、
福田さんの手作りのおにぎりが、いつものところに置いてあった。
村の人たちに、支えられながら、串亀君は「明日もがんばろう!!」と、心に誓った。
つづく