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第3話・あっこ現る!!!

村には、あっこという凶暴な女がいる。その女が、復旧作業をしている串亀君らの前に現れた。



一羽のハトが体育館に飛んできた。

「おお、よしよし。いい子だ~、ご褒美に新聞の切れ端と豆をあげよう」と福田の旦那。

とぅるーとぅるー


「なんすか?このハトは??」

「伝書バトのトウル君っつううんだ!!。ほら、おまえさんあてにお手紙だぜ」

「おおう、かあちゃんからだ」


<がんばれ!! イチロー>


イチローっつうのは串亀君の名前である。

次男坊なんだけど、一郎という。



「ようし、がんばるぞ!!」って自分に言い聞かせ、スコップ片手に、道の整備を開始した。





 


「おう、源治。そういや、例のあっこのお見合いの話だがよぅ。あれ、失敗したらしいぜぃ」

「あ?とっつぁん。それ、ほんとの話けぃ?。」

「おう、ホントの話だぁ。こりゃ、大変なことにならなきゃいいが、あっこの奴、すげえナーバスになってるってよぅ」

ふぅ~~。


一匹峠の復旧作業をいっしょにやっている源治さんととっつぁんが、倒木をかき分けながら話していた。

あっこの話は、村では有名な話である。

気の荒い性格でなので、お見合いをしてもうまくいったことがない。


「ダメなんだから、無理にお見合なんかしなくてもいいじゃねえか」と源治さん。

「そうはいかねんだよ。あっこはこの村の宝なんだから!!あっこに子供ができりゃ、村は潤うんだ」


山に陽が陰ってくると、冷たい風が吹いてくる。今日は、これでおしまいだな。


「とっつぁん、てえへんだぁ」「どうしてぇ?」「あっこが来たぞ」「なにぃ」

「なにしにきやがったんだ?こんなとこ・・・。おい、串亀君、あっことすれ違っても目を合わすんじゃねえぞ!!

大変なことになっかんな」


源治さんととっつぁんは懐に鎌を隠し、有事に備えた。


「串亀くん、ぜったいに目ぇ合わすなよ。どうなっても知らんぞ。」


あっこの足音が近づいてくる。

あっこの足音が、、あっこの、、、足音が!!見ちゃいけねえ。見ちゃいけねえ。

ああ、気になるが、見たら殺される。

ああ、気になる。見るなと言われると、見たくなるし、自然と目が、あっこのほうに!!!うぎゃ===。


あっこだ!!!


「串亀君、ばかたれ!!もう、知らねえぞ」ととっつぁん。


闇が近づいて空が暗くなってきた夕暮れ、

串亀君のところに、あっこが突進してきた。


「助けてくれ~、俺はまだなにも知らない!!」


あっこは、串亀君めがけ、襲いかかった。そんで、串亀君の顔を舐めまわし、上着をはぎ取られ、そんで、

母の手紙を引っこ抜いて、うまそうに食ってしまった。


「ああ、かあちゃんの手紙がぁ」


放心状態の無残な串亀君が体育館に戻ると、入口におにぎり2こと漬物と手紙が置いてあった。


串亀君は手紙を広げた


<がんばれ!! イチロー>


「今日は大変な目にあったな、クッシー」

「ああ、福田さん。あっこにヤラレマシタ」

「羊といってもな、凶暴なのも世界にはたくさんいる。気をつけろよ。」

「旦那さん、この手紙は・・・・・」

「あはははは、本物のクッシーママからの手紙さ。こんなことがあると思ってな、事前にすり替えといたんだ。大切なものは、引き出しにしまっておきなさい。」

「旦那さん、ありがとう。奥さん、ありがとう」


串亀君は泣きながら、月明かりの下、おにぎりを食ったとさ。



つづく



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