第二話
~意味腐(不)生徒会~ 第二話「見知らぬ誰かさんは、生徒会の人」
闇の中で、幼い声が消えていき…代わりに、違う声が聞こえてきた。
「起きろ…!此処で…寝てたら…駄目だっ…!」
うぅ…何、この声は…?男の子…?
朋君の声にしては、低過ぎるし…。
「起きろって…言ってんだろうがーっっっ!!」
行き成り声が大きく成り、私は飛び起きた。
「!?」
「はぁ…やっと、起きたか。」
私の横に居たのは、高校生の男の子。
同い年に見えるけど…って、美優はっ…!?
「み、美優はっ!?」
「あー…お前の横で倒れてた奴は、其処に居るぞ。」
男の子が指差した所に、私は目を向ける。
「美優っ!!」
「芙美っ、大丈夫かいなっ!!」
「うん!!」
お互いに抱き合う私と美優。
すると、男の子が立ち上がり、私と美優に近付く。
「無事に此処に来た2人に、話しておかないとな。」
「私と美優に?」
「あぁ。」
男の子は、周りを見て、慎重に言う。
何かを警戒してるっぽいけど…?
「俺に名前は、桐橋剛志。此処、時空間学校の第二生徒会の書記をしている。」
《………》
「お前達2人がさっきまで居た空間は楼地空間と言って、此処の空間の歪みによって、壊れた。」
《………》
「楼地空間は、壊れたがあそこに住んでいた人達は、別の空間に移動して有る。」
黙っていたらこの男の子は、何を言い出しているんだろうか…?
時空間学校…?
楼地空間…?
歪み…?
壊れた…?
《意味、分からんっ!!》
私と美優は、同時に叫ぶ。
「元に戻せよっ!!」
「何、此処はっ!!」
頭が混乱して、落ち着けない。
何がどうなってるのか、さっぱり分からんっ!!
「まぁ、落ち着いて下さい。」
又、声が聞こえて、私と美優は振り向く。
声を出した人は、少し年上っぽく綺麗な女の子。
「鈴木芙美さん、鎌倉美優さん。」
《えっ!?》
見知らぬ女の子に名前を言われて、私と美優は焦る。
「混乱している事は、分かって下ります。しかし、今は落ち着いて貰って宜しいでしょうか?」
丁寧な言葉遣いに私と美優は、惚れ惚れとする。
一旦、深呼吸して落ち着く事にした。男女の2人は、待ってくれた。
-10分-
頭の混乱も呼吸の乱れも落ち着き、1回謝る。
女の子は、笑顔で許してくれたけど男の子は、スッキリしない顔色。
「其れでは、説明しますね。」
「先輩、俺も1から言わないと駄目ですか?」
「えぇ、勿論です。」
あ、やっぱり年上だったんだ…。
先輩に対しては、言葉が丁寧だな…。まぁ…当然か…。
「此処の空間の事と私達の事も踏まえて、説明しますね。」
《はい…。》
「私の名前は、豪上院味季と言います。」
「俺は、さっき言った通り…桐橋剛志って言うからな。」
「私と桐橋君は、此処の学校『時空間学校』と言われる高校の生徒会の者です。」
うーん…『学校』は分かるけど…。
…『時空間』って、何…?
「時空間とは、鈴木さんと鎌倉さんが居た空間と同じです。」
「だが、3つ違う事が有る。」
同じ空間なのに、違う…?
うわぁ…何か、頭が又痛くなりそうな予感…。
1、此処の空間には、学校が1つしか無い。
2、幼稚園、小学校、中学校の3つは此処の学校と合併しており、全校生徒の責任者は4つの生徒会が管理している。幼稚園と小学校は1つ、中学校は1つ、高校は2つの生徒会が有る。
3、此処の空間には、大人が100人程しか居ない。
上記のが、此処の空間とさっき居た空間の違いらしいが…。
学校が1つしか無いって言うのが、不思議でならない…。大人の数もそうだけど…。
「あの、学校が1つしか無いのって理由が有るんですか?」
「はい。桐橋君、説明をお願いします。」
「分かりました。此処の空間は、幼稚園から高校までの年頃しか体力がもたない様に成っているんだ。」
体力がもたない?
じゃ、高校を卒業したら、如何成るんだろう?
もしかして、消えるとか?
「此処に居る大人達は、生活に役立てている為の道具だ。」
「本物の人間では無く、高技術で作られた人形です。」
うん、完璧に未来だね!!
人間と人形が共存するなんて、何年先の世界だよっ!?
1人、心の中で突っ込む私。
「え、あの…。」
美優がしどろもどろに言葉を言う。
次第に、顔が赤く成ってるけど…大丈夫!?
「はい、何ですか?」
「そ、の…言い難い事なんやけど…大人が人形って事は、新たな命を生む事って出来ませんよね?」
「あ…そうだよね。」
私も少しずつ熱く成ってきた…。
私と美優2人は、身体をモジモジした…。恥ずかしい事を、美優はよく言ったなぁ…。