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第一話

~意味腐(不)生徒会~   第一話「日常空間、歪む」

朝の日差しに私は、手をかざし、目を掠める。季節は、春真っ盛りの4月。

今日から私は、高校生に成る。


「お母さん、行って来るねっ!!」

「気を付けてね!お母さんも後で、行くから!」

「はーいっ!!」


高校生に成る事が『夢』だったから、凄く楽しみ!

2週間前に周知会が有って、色々な宿題とか制服の準備とか…忙しかったけど…。

高校に通えるって考えたら、疲れとか直ぐに吹っ飛んだ!


「~♪」

「朝からアンタは、機嫌がええなぁ~!」

「あっ、美優!おはよ~♪」

「ホンマに、付いていけんわぁ~!」

「アハハ、楽しみだったからさ!」


桜並木の中学校の頃の通学路を踏み締めて、笑顔で言う。

幼稚園からの親友、鎌倉美優は私を支えてきてくれた良き理解者。


「いや~此処の高校に受かるなんて、うち自身びっくりやわぁ~…。」

「毎日、勉強を頑張ってたもんね!」

「まぁな~☆」

「此れで又、美優と一緒だね!」

「せやね!」


私は、幼稚園の時から内気だった為、友達も少なく親から心配されていた。

でも、美優のお陰で友達が増えた。凄く、感謝してる。


「あ、朋君は?」

「えっ!?」


突然の男の子の名前に、大慌てする美優に、私はにやける。


「あー…もしかして、置いて行ったのー…?」


肩をギクッと震わせ、図星かと私は、溜め息をつく。

朋君とは美優の彼氏、早嶋朋樹の事。告白をしたのは、朋君の方で一目惚れだったらしい。


「小学校の頃だよね?」

「うっ…。」

「転校生として来た朋君が、優しく接する美優に一目惚れして、直ぐに告白…流石だよねっ!!」

「うぅ…。」

「美優は、遊び半分だと思い込んで、あまり本気に付き合わなかった…駄目だねぇ~…。」

「うぅぅ…。」

「でも、中学の時に本当に好きなんだと判明して、その頃から正式に付き合い…長い道のりでした。」

「もうーアンタは、ベラベラと話してよって!アカン奴やなっ!」


はい…私は、内気だが親友の美優だけには、意地悪をしたりと悪い癖を持っている。

でも、さっき話したのは本当の事だし…。


「本当の事でも話して良い所と話したらイカン所があんねんっ!!」

「ごめん、ごめん!それで、朋君は如何したの?」

「あー…今朝、朋樹を起こしに家に行ったんやけど…。」

「おぉーもう、家まで行く様に成ったんだっ!」

「そ、そりゃー…そうやん…。」


頬を真っ赤に染める美優の顔を見て、思わず笑みを溢す。

話によると、朋君を起こしに行った美優だが…朋君を何度起こしても寝てしまい、朋君を置いて先に行く事にしたのだと言う。


「成る程、でも朋君も朋君だよね!」

「へっ?何がやの?」

「彼女の朝のキスさえも気付かないなんて…。」

「…いい加減…その口を黙らせや…。」

「すみません…反省します…。」


急いで謝り、美優の怒りを抑えた。

いつもの事だが、この怒りは別の感情で…照れ隠しとも言う…。


「殴るで…。」

「口、黙らします…。」

「宜しい。」


腕を組んでいる美優と笑いを堪える私は、周りから見ると漫才コンビか姉妹に見えるのだと言う。

私も美優も兄弟姉妹なんか居なく、正直それを言われると嬉しい。


「うーん…はぁ…。」

「どないしたん?」

「うん、私ね…高校生活、満喫出来るかなぁ…って、悩んでるんだよ…。」

「大丈夫やろ!」

「え…?」


私の頭を撫でて、優しい笑顔で言う。


「芙美は、毎日笑顔をするよう成った。明るい子に変身したんや!それに、うちも一緒やし!」

「…。」

「絶対、芙美なら、高校を満喫出来るで!」

「美優…有り難うぉぉぉ…。」

「えっ!?此処で、泣くんっ!?」

「だ、だってぇぇぇ…美優、格好良い言葉を言うからぁぁぁ…。」


本当の事を言って、美優が男の子なら完全に惚れてた…。

でもまぁ…美優が女の子だから、私は打ち解けたんだと思うし…此の侭で良いっか…。

何か…自己満足したけど、良いよね…?


「今日って、入学式だけだよね?」

「せやろ?」

「あのね…ゼ●に、入学式当日に新入生テストが有る!って、書いて有ったんだよ。如何思う?」

「いやいや、ゼ●に書いて有ったのは、当日じゃなくて翌日じゃないの?」

「………」


ピンポーン…!!

頭にライトがつき、人差し指を立てて、閃く。


「そっか!!」

「はぁー…ホンマに、付いていけん…。」


苦笑いの美優。納得して、スキップし始める私。

何処から如何見ても、漫才コンビ及び姉妹です。

しかし、この2人に最悪な出来事が起きる。


“軋ま…れた空…間に新たな…空間を取…り込み…”


「うん?」

「又、どないしたん?」

「さっき…声、しなかった?」

「うん…?うちは、聞こえなかったで?」

「…気のせい、かな…?」


“歪みは…光と闇を取り…入れる…さぁ、光の者達よ…来るが良い…”


「み、美優っ…!」

「うっ…ゲホッ…っ…芙美…。」

「美優っ…!?痛い、頭の奥が…割れる様に…痛ぃ…。」


私と美優は、地面に座り込み、頭を支えた。

ガンガンと頭を叩き、無理矢理…頭を割ろうとしているかの様に…痛いっ…!

身体も引き裂かれる様に、苦しい…。


(し、視界が…歪んでる…?)


全体的に耐え切れなくなり、私は目を瞑り、倒れた。


横に居る美優は、大丈夫だろうか…?

ちゃんと、傍に居るのか…?

1人に成って無いよね…?


“起きて…。お願い、私を助けて…怖い、捕まる…。”


目を瞑っている為、暗闇のはずなのに…何故か、1つの光を見付けた。

その光の奥に、幼い女の子の声が…そして、震えている…。

…助けないと…あの子が…危ない…。

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