第6話 「デートできるよ。良かったね」ってさぁ……①
久し振りに和田くんを描きました!
◇◇◇◇◇◇
サッカーボールを入れた籠を体育倉庫に戻し、職員室へ鍵を返しに行こうと渡り廊下を歩いていたらパーン!とお尻を叩かれた。
「何これ!すっごい土埃!」
ケホケホ混じりの声は田中さんだ。オレの事を叩いておいて自爆している。
「しょーがねーじゃん!体育の後なんだからさ」
「体育の後だって汚れるとは限らないでしょ! 要は和田くんが“ヘタ”って事だよ」
「あのなあ~!」
「何?! 自己弁護なんて聞く耳持たないからね。私はあなたの事を見損なっていたんだから!」
「へええ?!」
「あなた!自分のお姉さんがプレゼント選びが得意な事を私に言わなかったでしょ?!」
「はああ??!!」
「とぼけないで!こっちは揣摩さんから聞いたんだからね!」
「それはだな!」
「ほら!また言い訳の自己弁護!」
「違げーよ!」
「違くない!ホンット!小っちゃい男だねえ~どこもかしこも」
「『どこもかしこも』ってなんだよ?!」
「そんな卑猥な事を女の子に言わせるつもり??!! サイテーッ!!!」
「はああ??!!意味わかんねー!」
「よく言うよ!トイレで横並びになってお互いに覗き合ってんでしょ?!」
「してねえし!」
「ほら!《《何を意味するか》》分かってんじゃん! っんとに!狡くて小っちゃい男!!」
「何でそうなるかな??!!」
「図星だからって怒らないでよ! とにかく!! 私は“お姉様”にプレゼント選びを手伝ってもらう約束を取り付けたから、私には付きまとわないでね!」
「誰が!!」
さすがに語気が荒くなると
「揣摩さんとデートできるよ。良かったね」って捨て台詞を残して田中さんは行ってしまった。
あああ!最悪だ!!