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パーティー後

 パーティー後。屋敷に戻ってきて。

 お嬢様の横の壁を足で蹴り飛ばした。

 お嬢様はびっくりぱちくりしている。

「………………お嬢様?」

「な、なあに、」

 壁を蹴ったまま、にこやかに迫る。

「いったい先程のグレア殿下とは、いつ頃からのお知り合いで」

「え、ええと………きゅ、きゅうさい、くらい…」

 ふうん?お嬢様が今15歳だから。6年か。

 クソ野郎が……

「年に何度程度お話を?」

「……に、にかい……?」

 ハア?年2回?

「い、いままでに……にかい、くらい…」

 な〜〜〜んだ今までで2回か!そんなら友達じゃないな!大丈夫だな!

 いや待て……

「……お嬢様」

「な、なあに……だにー……」

「……あの。大変申し訳ありません。その状況の方を、お友達であると……」

 あっ!

 あっまずい!

 泣いちゃう!

「いやお友達ですね。お友達なんですね。お友達ですね一回会えばまあ何年経っても別に友達は友達ですからね」

「と……ともだちって……言ってもらった……」

「そうですね」

 そうなのかあのクソ野郎。

 6年で2回のくせにずうずうしくも(いや王族なら図々しくはないのかもだが)可愛い可愛いシルフィーに友達だと……????

 ……暫定9歳のシルフィーに、可愛い可愛いシルフィーに友達だと……??????

 クソ野郎

「と……ともだち……」

「そうですね……」

「…でも、そうね。貴方のいうとおり……」

 ん?

「……会って、ないもの……もしかしたら、相手は、もう友達と思っていないかもしれないわ」

 いやそんなことはないんじゃないか?最低でも旧友か昔の知り合い昔に知り合いやがったのかあのクソ野郎………………

「…し、知り合いくらいのきょりかんを、心がけようかしら」

「最高の判断ですねそれは」

「そうかしら」

 あっまずい全てを下心の状態で言葉を発してしまった!

 信じちゃう!

「……」

「どうしました?」

「………………かなしいの」

 ……あっ。

 そうか。長らく。唯一の友達と。思っていたのだものな……

 ……腕の中に入ってくる。

「……ともだちって、もう、思っていてくれていないのかもしれないと思ったら。……すごく、かなしく、なって……しまって」

 もうともだちじゃないのかしら、と。

 ……。

 それにつけ込むような男ではない、が。

 抱きしめるくらいは、許されるのではないかと。

「……重たいわね!」

 そういう言葉も知っているのか。

「……へいき……」

 ……。

「嘘はお嫌いなのでは」

「……そうね」

「わかりませんよ。本人に聞いていませんから。とっても友達だって思っているかもしれません」

「……そうよね」


「……でも。期待って、できるだけ、しないほうが得よ」

 裏切られたとき、…とっても、悲しくなってしまうもの、と。

「ありがとう。抱っこしてくれて……」

 離れようとする。

「…………………………?あの、だ、ダニー」

「何でしょう」

「…何だか、前も、こんなことがあったわ」

 あったかもしれませんね。記憶力がある。

 そんじゃあ今度はこうしてみようか。

 抱き上げて暴れないようにしっかりと抱える。

「!」

「このままそうですね、お部屋まで。送っていってあげましょうか」

「……」

「お嬢様が望むなら。ずっと抱っこしていても構いませんよ」


 ——ずっと友達!


「……そうかしら」

  

「……ねえ、ダニー。ほんとうに、ずっとって、あるものなのかしら……」

 




 ……そう言われて。

 一晩程度で手を離すほど。俺は酷い男ではないのだ。

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