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制服の準備

・制服の採寸

「それではこちらが完成した制服となります」

 お嬢様はくるくると回って服の調子を見ている。紺色の、ワンピース、に近い。

 袖は袖口に向かうにつれて緩く膨れていて、袖口と襟元だけが白く、胸元に赤いリボン、一般的であろう膝上丈程度のスカートに太腿中ほどまでの紺の靴下、茶褐色の女性用革靴。

「胸元のリボンはご自由にお取替えができますので」

「へえ」

「ふうん」

 お嬢様は何一つ興味が無さそうな顔だが。

「大抵変えてるのかい。色々」

「はい。色違い程度でしたらこちらでもご用意ができますし、ブローチやピンを付けたりする方、それから逆に何もつけないなんて方も男の子ですとよくいらっしゃいますね。女性ですと華やかに大きめのリボンを付ける方も多く……」

「……それじゃあ、別にそのままで……」

「じゃあ俺が選んでいいですかお嬢様」

「?」

 たぶんけっこう取り揃えてあるだろいろいろ、と思わないうちにざあっと手もみをするような小太りの商人顔の服屋が各種を並べる。なんならメイドが屋敷に本来あったであろう宝石ブローチを出してきた。一回も付けているのを見たことがないぞ俺は………………

「かまわないけれど……」

「流行とかあるのか?」

「今年はやはり先ほどのこういったリボンの形状が!それからもう少し高貴さや伝統的なものを重視する方ですとこういった白のジャボにお家に代々伝わる宝石をアレンジして着ける方ですとか、それから変わり種ですが、これは男性用のネクタイ!これをあえて女性の方が着けるというのが近々流行り始めるのではないかと社交界では噂で……」

「それから色違いもあるのか」

「それからこういったカフリンクスですとか、あえて首元にチェーンを付けるのも一興ですぞ。大抵毎年一人はこれをベルトに付けたがって3年後に後悔する男の子が……」

「………………」




「………………ねえダニー。」

「はい。なんでしょうお嬢様」

「……もう、2時間が経っているのだけれど」

「ちょっと待ってくださいお嬢様。5種まで。5種まで絞れたんですお嬢様。あっ足疲れましたか!?本当に申し訳ない。それなら本当に申し訳ない。椅子をご用意します」

「まだ続くのね……」

「なんならいっそ冬服の方もご試着いただき夏と冬それぞれに見合ったものを決めるのはいかがでしょう!!!冬服はこのようにすこし厚手な生地でございましてな。少し毛羽が立っていて、着こなし的な違いですとやはり冬は黒のタイツやストッキングを履く女性の方が多い。こういったブローチピンですと胸元を開けることになってしまいますから、きちんと閉めるにはこういった……いえある種流行を先取りしていくのが……いえこちらのお嬢様伝統的な、流行に流されないスタイルがお似合いのご様子……」

「そういうのが似合うからこそあえてここくらいはちょっと追っても……ああどうだ……?このブローチ。このブローチ似合うんだがちょっとなあ……ちょっと……高貴すぎるというか……」

「……そこのメイド。ちょっと……飲み物を持ってきてもらえる?」

「はい!」

 




 

「ついでに貴方の服も新調しましょうか、ダニーさん」

「えっ」

「これからお嬢様の側仕えとして学園に共に向かう立場。一見して使用人とわかる服のほうがわかりやすいものです」

「……つまり。」


 ……なんだったか。こういうことになったらしい。

 テールコートと言うのだったか。スージーさんも着ているこれ。今度からはこれが制服になるらしい。

「その髪型はどうにかなりませんかな」

「これはもうどーしようもありません」

 ……お嬢様が手を組みながら目をきらきらさせている。

「……にあうわ!」


 ……よし。

 ずっとこれでいこう。

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