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観察-①

 暫く経ったのち、一切具も入っていないような色付きの透明なスープが出てきた。お嬢様が匙を手に取り、一口掬う。舐める。

 首を横に振る。

「…もっと、薄いの」

 メイド長の顔がさあっと青くなる。

「はい。もうお水にしましょうか。ケイシー悪いもう一回、もうなんなら水に塩入れたやつ持ってきてくれ」

「えっ、えっ、は、はい!……!?」


 カップに入った塩水が出てきた。

 …お嬢様がカップを両手で手に取り、こく、こく、とグラスを傾ける。

 …飲み干した。

「……ちょっと、塩っ辛い、わね」

「……はい」

「ありがとう。もういらないわ」

 …どこかから悲鳴が漏れ聞こえたような気がした……

「いやお嬢様立たないでくださいというかどうして立てるんですか」

「?」

「抱っこします。俺が部屋まで運びますから。勉強部屋の隣が寝室でしたよね確か?」

「ええ……」

「運びます。じっとしててください。ケイシー医者の手配を。そっちの…ベティいつでも食べられる病人食用意しておくようにって厨房に伝えてきてくれ。それからお嬢様のお部屋に水。俺はお嬢様運んでくるから……」

 お嬢様を前に抱く。通り抜けるすがり、メイド長と目が合う。

「………何かあれば。また後で話しましょう」

 今はそれより先に。すべきことがある。








「お嬢様動かない。寝て。寝ていてください」

「どうして…」

「運動した直後の昼食が塩水一杯で終わる人は絶対に寝ていなくちゃいけない」

 …逆にどうして動けるんだ。

 やりすぎだったらそれでもいい。とにかく休ませる。

 お嬢様の寝室は勉強部屋側の壁の中央沿いに大きな天蓋付きのベッドが置かれていた。それ以外は特に何もない。反対の隣が衣装室らしい。

「これから自習時間だから…」

「それはいい。休むのに充てましょう」

「魔法の勉強がしたいの……」

 …ん?……魔法…………………………

『これを着けているとどこでも魔法が使えるのよ!』

『お嬢様は魔力量が多いですが、その分その力に頼りきりなところがありますな』

『自分の足でしっかりと立つように……』


「……お嬢様」

「なあに…」

「これ外しましょう。外しませんか」

「え、や、や!や!!!!」

 お嬢様のドレスの袖口を捲る。きらきらと輝く子供向けの腕輪。

 いつでも、どこでも、魔力の出力が可能になる………………

「これを外すと動けなくなっちゃうの!」

「だから外しましょうって言ってるんですよ!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 自覚あったのかこの人!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

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