試験-⑤
「最後の試験は対人戦闘です。試験の方式は伝統である決闘の方式。私が直に貴方を相手取り、実力を確認します」
「はい」
「先日までとは顔つきが違いますな」
そりゃあ。何故行われているかがわかった上に。
……勝てれば。ご褒美がある。
どちらかといえば俺は褒められて伸びるタイプである。
執事が何故か手袋を投げ落とした。
「…この手袋を拾うことで、貴方は決闘に了承したというサインになります」
「成程」
「用意が出来たら。いつでもどうぞ」
「…剣だけですか?」
「そうですね。我が国では剣術の強さで強さを測ります」
…まあ。仕方がない。
やれるだけやろう。
試合場の中心に落ちた手袋を拾う。…この手袋はどうすればいいのだろうか。
とりあえず。ポケットにでも突っ込んでおいて。…うわっ!
「卑怯だろそんなもん!」
「拾った瞬間から開始となります!」
頬のすぐ横あたりに突きが飛び込んできた。卑怯だろそんなもんは……防御の構えを取る。
ひとまずは相手の様子を伺う……所作にブレるような、何かを感じる。
動きの全てが一定速度で、攻撃するにしてもその速度は変わらない。
……余裕を残しているのだ。まだ。
「貴方には私とお嬢様の話を聞かせてあげましょう」
なんで聞かなきゃいけないんだそんなもん。
「あれはお嬢様がまだ幼き頃……」
えっ。
あっ。
……気になる!
でも試合!




