試験-③
「次の科目は対モンスター戦闘!南の森へ出発しモンスターの魔石を集めてくる仕事を……」
「お嬢様。ダメ。お屋敷へ帰りましょうね。待っててください」
「ませき……欲しいの……」
まあ得意分野ではあるが。
「……状態に条件は?」
「欠け・ひび割れ・損傷、どれも特に問題はありません。制限時間30分以内に、出来るだけ多くの魔物を狩ってきていただきます」
「ということはお嬢様。多分全部の魔石に損傷がありますから。テイムには使えませんよ」
「欠けがあってもほしいの……」
「損傷があるやつをテイムに使うと危険ですから。爆発したりしますから。ダメですよ。……屋敷で待っていてくださいね」
「……はあい」
「……そもそもお嬢様。必要以上の魔法の使用は魔法実学のウラコロダ先生に禁止されていらっしゃるでしょう。およしください。怒られてしまいますよ」
「……はい。できるだけ、……」
何でだ?やりすぎて昼夜寝食を忘れたとかだろうか?
「とにもかくにも試験開始!はじめ!」
まあ考えていても仕方があるまい。
……しかし。
誰に聞くのが一番良いのだろう。
帰ってくると渡した魔石を執事は魔石鑑定機にかけた。
機械の上にぼうと倒された魔物の姿が浮かび上がる。
「……すばらしい出来です。対モンスター戦闘については10の評価を差し上げましょう」
「よし。お嬢様は?」
「帰らせましたよ。もうすぐ日も暮れてしまいますから」
なるほど。……それならちょうどいいかもしれない。
「どの魔物も一撃で倒されていますね。どのように?」
「ああ。魔力の矢で、魔石部分だけを狙ったんだよ。傷は入るから魔石の価値はちょっと低くなるが、速さと確実性でいったら、これが一番速い」
「なるほど。試験の項目はあと3つあります。心構え、理性、それから対人戦闘です」
理性ってなんだよ。
「……なあ。ところで」
「私は貴方の上司にあたります。敬語を外さないように」
「……ひとつお尋ねしたいのですが」
「何でしょう?」
「……先ほどの。『必要以上の魔法の使用禁止』っていうのは、一体何だい」
「……貴方は、お嬢様のことに関してとても関心がある。使用人としては悪くない点です」
ですが、と執事は続ける。
「その件はお嬢様のプライベートに関わる問題です。貴方がテストに受かれば、聞かせてあげても問題はないでしょう」
「……わかりました」
「道中で心構えのテストをしてしまいましょうか。それでは。何か大事なものを一つお挙げください」
「……シルフィー?」
どういう反応だそれは。
「………………………………5000点加点!」
お。よし。
「次は最難関のテストですぞ!まずはこの水着に着替えてもらいます」
何故だ?泳ぐのか?
「そしてこのタオルで視界を塞ぎます」
何故?
「貴方の目の前には押して開ける扉があります。その扉を潜って、突き当りまで行ったら、引き返してこちらに戻ってきていただきます。ただし時間がかかりすぎた場合は失格とみなします。それではごゆっくりなどせぬように」
……?
扉を開ける。
肌が湿っぽくなる。蒸気がぶわっと立ち込めているのがわかる。足元はタイル張り。
……風呂?
「今の時間帯は女性使用人の使用時間となっております。それでは」




