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悪役令嬢シルフィー・ド・バージリアンについて-②

 …怪しい男が屋敷の周りを彷徨いていても、一応、バージリアン家のお嬢様を護衛しているのだと伝えるとすぐさま背筋を伸ばして大人しくなる。威光、に、しても、流石に影響力が強すぎるような気がする。

 巡回の警備員を一人とっ捕まえて話を聞いてみた。……お嬢様について。


 ……シルフィー・ド・バージリアン。

 …別名『氷の悪役令嬢』。

 ……彼女の口からは罵倒しか飛び出してこない、唯我独尊傲岸不遜、我儘で気分屋で高慢ちきで見栄っ張り、人を人とも思わぬ態度、それでいて別のパーティーで主役の頬をひっ叩いたことがあるだとか、ひと月で使用人を15人辞めさせたことがあるだとか……とにもかくにも悪評に事欠かないくせ、公爵令嬢だから逆らうこともできやしない。

 …アンタもそんなとこに雇われて、災難だったな、と。


 ……何だろう。そりゃあ噂だ、多少盛られてはいるのだろうが。

 ……何故こんなにも、たった一つの感情を、えんえん膨らませてくるのだろう……。

 ……頭を抱えたくなる、という、感情を。

 ……お嬢様……

 ……お嬢様…魔法以外のこと……本当に…本当にヘタクソなんだなあ……と……

 興味は上達であるのだから、すなわち無興味はヘタクソである。興味もないのだろうな……。

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