悪役令嬢シルフィー・ド・バージリアンについて-①
馬車が止まったのは夜になった頃だった。お嬢様が馬車から降りて、到着地の屋敷の中へ入っていく。
お招き頂きありがとう、いえこちらこそ、かのバージリアン家の令嬢様に来ていただけるとは、ええとっても大変だったもの……?
……お嬢様?
「もうすこし貴方の屋敷が王城に近くならないかしら」
「ははは…………」
お嬢様!?!?!?!?!?!?
「それじゃあ。入らせてもらうわね」
「……はい。今夜は息子の誕生日です。是非祝いの言葉を」
「勿論。そのために来てあげたのだもの」
……お……おじょ……おじょ〜〜〜〜〜〜さま……………………
……魔法以外のことへッッッッッッッッッッタクソだなあの人は……!!!!!!!!!!!!!
お嬢様は屋敷へ入っていくああもう……ん?
執事も、御者と話した後はお嬢様の後へ着いて行こうとする。
「……あの」
「はい?」
「これから、恐らくパーティーか何かですよね。自分はどこで待機していれば?」
「……」
執事は考えている。まさか何も考えてなかったのか。
「……まあ。どこにいても問題はありません」
「はい……」
「何かあればバージリアン家の名を出して問題ありません。出発は明朝の9時になります、その時間までにここ、辺境伯の屋敷の前に待機しておくように。よろしいですね…ああ、お嬢様、お待ち下さい、」
「……」
さて。
自由にしていろと言われたが。
どこに行く宛もない。…強いて言えば、多少お嬢様が心配なので。
屋敷の周りでも見て回っていようか。




