表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/41

4-5.第二回お茶会

第二回お茶会 デイジー


 ゼブは毎回の食事をクリスと一緒にマナー講座を受け、剣をジェームズから、ダンスをニコルから教わりました。お茶は遊ぶ間もなく励んだようです。


 クリスが貴族の客を呼ぶと言った日がきました。クリスがゼブに向かって

「昼を食べたら、"キングストンの家"に行くけど一緒に行く?すぐに戻ってくるけど。」

「遊びに行くんじゃないのか。」

「レミ達にメイドの手伝いをしてもらうから、迎えに行くんだ。長居はしない。」

「ふーん。それでもいいから一緒に行く。」

「じゃあ、そうしよう。」


 "キングストンの家"に着くと、今回も子供達にとり囲まれました。メイド服のレミにクリスが箱をかかえながら言いました。

「やぁレミ。準備できてるみたいだね。これ、おみやげのケーキだよ。」

レミが箱を受け取って「みんなー、クリス様からお茶会のケーキをいただいたよ、お礼を言って。」

「クリス様ありがとう!」「ありがとう!」まわりから口々に、お礼が言われました。

「ジュディはどうしてる?」

「中で他の女の子二人と一緒にいます。」

家の中に入ると夫婦とメイド姿の二人とジュディがいました。

「皆、こんにちは。」

「こんにちは。」「クリス様こんにちは。」「ようこそ。」「いらっしゃいませ。」

各自ばらばらに挨拶されました。

「ジュディ、キングストンの家はどうかな?」

「皆、親切にしてくれます。連れて来てくれて、ありがとうございます。」礼をされました。礼儀も教わっているようです。

「うん。その服も似合ってるよ。」ジュディは、この前とは違った服を着ていました。古着だと思いますが。

「ありがとう。でも、私もメイド服着てお城へ行ってみたかったなぁ。」

「ジュディも、お茶の注ぎ方ができるようになったら、次回のお茶会から手伝ってもらおうかな。その時にメイド服も用意しよう。」

「はいっ、お願いします!」ジュデイが嬉しそうに答えました。

「クリス、城でお茶会をするのか?」ゼブが聞きました。

「今まで黙っていたけど、これから第二回"キングストンの家の為のお茶会"を開催する。ゼブ、出席してくれるかな?」

「本当!?出席する!!ケーキも二つでるのか?」

「君のリクエストにお答えして二種類、用意したよ。ここへはフルーツのケーキの一つだけ。」

「やった。」ゼブは喜び、「ありがとうございます。」クレドとリザは頭を下げました。

「ただし、行儀悪くしたらジェームズに連れ出してもらうからね。」

「わかった。」ゼブは真剣そうに答えた。

クリスによると、ゼブは似たような歳の子供のいる夫婦二組と同席するそうです。


・お茶会にて  クリス


 準備万端のレミに「最初にゼブのいるテーブルに行く。こちらの挨拶が済んだら、テーブルの人達にゼブを紹介するからね。後はいつもどおりに。」

「はい、わかりました。」レミがにこやかに答えた。


 「クリスハート・キングストン伯爵だ。お茶会へようこそ。今日は楽しく過ごして欲しい。"キングストンの家"の子達にお茶注ぎを頼んだ。一生懸命練習してもらったが、粗相があれば、許して欲しい。」テーブルの皆へ軽く礼をした。

ゼブに立ってもらった。「既に紹介されたかもしない、私の友人、グレイシャー伯爵の長男ゼブルン殿。領地経営の見学でキングストンへ来ている。」

ゼブには"領民に親身な領主"を見に来た、と答えるように言いふくめてある。

「ゼブルンです。ゼブと呼んでください。」ゼブが頭を下げた。他の面々には自己紹介してもらった。

 「"キングストンの家の為のお茶会"へようこそ。キングストンの家のレミです。よろしくお願いします。」レミが挨拶した

 「本日はオレンジのケーキと、カラメルケーキを用意した。要望とあればおかわりして、両方味わってもらってかまわない。紅茶はストレートで両方に合う物を選んだ。」


 「カラメルケーキというは、この前のと違うのか?」ゼブに聞かれた。

「この前よりもほろ苦にした。両方食べるなら、オレンジを先にするのがおすすめだ。」

「それじゃ、オレンジがいい。」

メイドがケーキを取り分けると、じっと見て「この前のより小さい。」抗議されてしまった。

「このお茶会では、おかわりしやすいように、ケーキは小さくしてある。」

「そうなのか。」ゼブが納得した。


 「"キングストンの家"への寄付をお願いします。」お茶を注ぎ終わったレミと並んで頭をさげた。

「ゼブは寄付しなくていいからね。」

「なんで?」

「君はおこずかいを、もらってるの?」ジェームズを見ると首をふっていた。

「この件はキングストンの事よりも、自分の領地の事を勉強するように。」

「わかった。」

 二組の夫婦と軽く会話をかわして、次のテーブルへと向かった。


 一周して戻ってくると

「"領民に親身な領主"とはどのようなものか、ゼブ様から教えていただきました。」

と二組の夫婦から感激された。

 「ゼブ、どういう話をしたの?」

「ジュディと会ってから、"キングストンの家"で別れるまでを話した。」

ゼブ、泣いてたよな・・・。感動的な話になったような気がする。

「"キングストンの家"の話をしてくれてありがとう。」営業スマイルで言ってしまった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ