表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/55

一人がはぐれて三人になった(上)

 ~~~~~~~~~~~~~


 ニコルの呪い・・・。


 ライラのその言葉に、

金色(こんじき)六翼(ろくよく)』全員の顔がゆがむ。


「馬鹿なことを言うな、ライラ」

 リーダーのウーゴがそう言ってたしなめるが、

 恐怖の波紋は広がっていく。


「ニコル・・・、そしてリリアンの握っていた焼け焦げた人形・・・」


「まさか、本当に死んだニコルが俺たちを・・・?」


「そうです・・・、

 あの時リリアンは火炎魔法(ファイヤー)でニコルを・・・」


「いい加減にしろっ!!」

 慌てて大声でどなりつけるウーゴ。


「呪いだ何だのとくだらない!

 ・・・確かに俺たちは、ドラゴンとの戦いでニコルを死なせてしまった。

 その事は、リーダーの俺も責任を感じている。

 だが、そういった悲劇は、冒険者ならば誰でも覚悟している事。

 死んだニコルだってそうだ。

 逆恨みで俺たちを呪い殺そうなどと・・・、あいつはそんな事をする奴じゃない!」

 と、まくしたてるウーゴ。


 まるで、自分たちは潔白だと説明するように・・・。



 ――しばらくして、モリアードが言った。


「つまり、二人の死は不幸な事故と言いたいのかい?」

 その顔は、とても納得がいっているようには見えない。


「馬鹿言ってんじゃねえよ!

 だったらあの人形は?

 二人が握っていたドワーフの人形は、どう説明するんだよ!?」

 ギースも至極もっともな疑問を口にする。


「こう考えてみてはどうだろう。

 リリアンの握っていたドワーフの人形は、ノックのものを持ってきたのだ、と」

 ウーゴは自分の推理を展開した。


「ノックの握っていた人形を?

 確かに見た目は同じようだけど・・・」

 モリアードが、手に持った人形を掲げて聞いた。


「そうだ。

 あの時俺たちは、死んだノックをそのままにしてきた。

 もちろん、あいつが握っていた人形もその手に返してだ。

 だが、もしリリアンがあの人形に目を付け、俺たちに気づかないようくすねて・・・いや、

 もらってきたのだとしたら・・・」


 言われて、手元の人形に目をやるモリアード。


「確かに・・・、なかなか精巧な人形だ。

 値段もそれなりにつくのかもしれない。

 リリアンが欲しくなるのも無理はない・・・か」


「人形が焦げていたのも、リリアンが階段から落ちた時、思わず持っていた手に魔力をこめたからだと説明できないか?

 人は身の危険を感じた時、思わず力をこめてしまうものだろう」



「・・・・・・」

 皆、黙り込んだ。


 ウーゴの推理は、細かい点は気になるものの一応筋が通っている。


 少なくとも、これが呪いだなどと言うよりは。


「分かったよウーゴ。

 確かにそう考えれば納得がいく」

 モリアードがウーゴの推理に同意の意を示すと、

 ギースも安堵の表情になる。


「でも・・・、さすがに引き返すしかありませんよね?

 二人も仲間を失ったのですから・・・」

 と、ライラ。


 彼女だけはいまだに、得も言われぬ不安の中にいるようだ。


「でもよ、ミノタウロスはもうすぐだぜ?

 確か、地下四階の奥に生息しているんだろう?」

 とギース。


 死んだリリアンとは男女の仲だったはずだが、

 既にその表情に、悲しみのかげりは見えない。


「行こうウーゴ。

 ミノタウロスなら、この四人だけでも何とかなる」

 金に汚いモリアードも、やはり先へ進もうとしている。


「それに、このまま戻ったら、

 我々『金色の六翼』の名は地に落ちてしまうぞ。

 何しろ依頼失敗だけでなく、単なる事故で二人も仲間を失っているんだ」


 パーティーの名声を失う・・・。


 リーダーとして、その事を誰より恐れているのはウーゴだ。


「・・・分かった、先へ進もう」

 そう言って、階段を降り始める。


 ギースにモリアードもそれに続く。


 最後までためらっていたライラも、

 やがて後を追いかける。


 おそらく、置いていかれて一人になるのが怖いのだろう。


 仲間とはぐれるのが・・・。


 まるで呪詛のように、

 あの詩の続きをつぶやき続けるライラ。


「『四人のドワーフが道に迷った・・・

 一人がはぐれて三人になった・・・』」


【つづく】

『君』は読み進める……。


(オイオイオイ、死んだわこいつら……多分。


 死んだ女をあっさり切り捨てる斥候。


 金の亡者の支援術師。


 一度手に入れた名誉にしがみつくリーダーの剣士。


 童謡殺人によく出てくる、歌詞に取りつかれた回復術師。


 死亡フラグ全開だな。

 

 さてと、次の回に行く前に、

 画面をスクロールして、

『ポイント』や『コメント』で評価をしよう。


 頑張れよ、作者の我妻 クリス

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ