わたくし、追放までされましたわ。
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『聖女』についてお話いたしますわ。
この国では代々、
魔物から人々を守る『加護の力』を持った女子が誕生し、
国全体に魔を退ける『結界』を張る役目を担うのです。
それが『聖女』。
わたくしは数年前、
その『力』を確認され、
あれよあれよという間に『聖女』に祭り上げられてしまいました。
そして『聖女』は、
代々この国の王子と婚約し、
次の『聖女』が生まれたあとも『女王』として、
生涯夫を支え国の平和と発展に貢献するというのが習わしとか・・・。
正直「げー」ですわ・・・。
エスイクス王子を支え続けるとか・・・。
―――あれと最初にお会いしたのは、
『聖女』としてはじめて『結界』を張ることになった王都の中心、
儀式の間での事。
王族や神殿の方々の前で、
わたくし達は引き合わされました。
「はじめまして、フローレス。
僕の未来の奥さん。
君の婚約者のエスイクスだ」
「フローレスです。
これからどうぞよろしくお願いします、
エスイクス様」
と、最初はまあ良かったのですが・・・。
いざ『結界』を張ろうと、
わたくしが靴を脱いだ瞬間、
王子は「んん?」と顔をしかめられました。
そしてわたくしは、
両脚を横に大きく開き、
深く腰を落とし、
膝に手を当てた状態で、
片足を高々と上げたかと思うと、
そのまま勢いよく振り下ろし、
床をドン!と踏みつけたのですわ!
その瞬間、
わたくしの足元を中心に、
まばゆい光が地面をつたって辺り一面、
やがて国全体へと広がったのです。
国中の大地を覆った光はそこから、
ゆっくりと天に向かって浮上し、
やがて周囲に溶け込むかのように、
霧散していきました・・・。
こうして無事に『結界』を張り終えたのですが・・・
「?」
周りの視線がやけに冷たいような・・・。
それだけでなく、
何とエスイクス王子が、
わたくしに怒りだしたのです。
「何だよフローレス!
あのかっこ悪い『結界』の張り方は!?」
「え?あれは、
東洋の島国に伝わる『四股踏み』という、
邪気を鎮める儀式ですわ。
わたくしの『力』とも相性が良いのです」
「何だよそれ!?
『聖女』って胸の前で手を組んで、祈りで『力』を出すものだろう!?」
「『四股』もある意味、
地鎮を祈る姿勢ですけれど・・・。
それにわたくしは、
足からしか『力』を出せないのです」
「足から『力』を!?
何だよそれ・・・、
昔いたっていう『駄目聖女』じゃあるまいし・・・。
そんな足臭い『結界』に守られたくなんかないよ・・・」
その場は周りの大人たちに注意され、
王子もしぶしぶ口を閉じましたが・・・。
――その後、学院に入学し再会してからも、
王子の非難・・・罵倒は続きました。
「みっともない」
「『聖女』らしくない」
「僕の妻にふさわしくない」
「足がでかい」
等々・・・。
王子だけでなく周りの皆様も、
わたくしの『聖女の力』を馬鹿にして・・・。
「気品がない」
「信心が足りない」
「時期女王にふさわしくない」
「足がでかい」
等々・・・!
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―――ですから、今こうして宴席で、
エスイクス王子から婚約破棄に加え、
「フローレス!
『聖女』の名を騙った上に、
本物の『聖女』であるヒルルを虐待した罪は重い!
王家の名において、
君たち一族を国外追放とする!!」
と、宣告された時は、
マジでキレそうになりましたわ・・・。
【つづく、ですわ】
『君』は読み進める……。
(王子が婚約者を追放する……。
こういうのを見るたび思うんだよな。
『そんな権利がお前にあるのかよ!?』と……。
まあ、たいてい後で、父親である王様に怒られるのだが……。
それはともかく、
周りの聖女への悪口ひどいな。
年頃の女の子相手に『足がでかい』なんて、
デリカシーのかけらもない……!
ひょっとして、
作者のジョセフィーネもそんな風に、
セクハラまがいの事を言われた経験があるのだろうか……?
女の子は自分の心の傷を文章にしておこす、
と言うし……。
――とりあえず、
『いいね』や『コメント』でしっかり応援してあげよう。
それで作者が喜ぶのなら……)




