中学生(31)
少し下ネタよりの話題が出てきます。苦手な人は注意してください
冬休みも終わって3年生となった。最高学年になると、新入生を見ると自分もあんな感じだったのかなーと懐かしくも感じる。年齢は少しだけ離れているだけなのに、置かれている状況が全く違うとは……ずっと新入生でいたいと思ってしまう。
Q、どうすれば新入生のままでいられますか?
A、時間旅行でもするしかないんじゃないですかね(適当)
自問自答をしながら学校に着くと、新しいクラスに割り振られている紙を渡される。学生の多くが4月で一番ドキドキするイベントのクラス替え。知っている人は同じクラスか、違うクラスか、自分のクラスに気になっているあの人がいるのか、嫌いなあいつがいないか、など様々な思いが錯綜する暗黒イベント。教師もクラス替えにはとても気を遣うようで、ただ授業をするだけでなく、こういった、学生の精神安定にも気を遣わなければならない。
しかも最近何かとうるさいから、何かあったらすぐに教員に責任の有無についてとやかく言われる。教員には何も非が無くても謝罪を要求されるなんて……、あれ、教員じゃなくても非が無いのに謝罪を要求されることが多すぎるぞ
Q、なんで非が無いのに謝罪を要求されることが多いのですか?
A、建前と本音を使い分けないと生きていけないぞ(適当)
そんな面倒な世界で生きるなんて……、はぁ、ほのぼのアニメの中に入って逃げたいなー。作品によっては1年間学生でループし続けるし、やりたい放題じゃん。でもそれはそれで精神が持つかどうか…2日間だけを繰り返した結果、発狂した人もいるし…はぁ
教室に着くと、見知った顔が3つあった
鳴海「あ」
吉良「お」
愛奈「ち」
1人舌打ちをしていたが、それは冗談だよな? 友達と思っているけど、心臓に悪い冗談はやめてくれよ?
鳴海と吉良は愛奈の舌打ちが聞こえなかったのか、聞き流したのか分からないが、愛奈と健也の関係には口をはさんでいない。愛奈と一対一で話すことなんて、少し前に新聞部に残ってと言われて鳴海のことを言われた時くらいだ。他にもちょくちょく話すが、それでも一対一というよりはグループ内で話すことしかない。
実は嫌われている? まぁ、もしかしたら後1年の付き合いだし、そこまで気にしなくてもいいかーと適当に流して指定された席に着いて、3人の元に合流する
吉良「また4人揃ったね」
愛奈「そうね」
鳴海「うん」
吉良「何か反応薄くない?」
愛奈「だってねー」
鳴海「うん?」
吉良「ちょ、ちょっと。健也からも何か言ってよ。僕だけが盛り上がっているみたいでバカみたいじゃん」
健也「そうだな」
吉良「健也?」
健也「あん?」
吉良「寝ぼけているの?」
健也「おー」
吉良「ダメだこれ」
夜遅くまで動画を見ていた影響か、何か聞かれているような気がするが、怠いのと眠気が合わさって生返事を繰り返す
健也「寝るわ」
愛奈「ここで寝るな」
健也「いて、頼むよー、少しだけ、少しだけでいいから」
愛奈「変な言い方しないで保健室に行きなさい」
健也「遠い」
愛奈「歩け」
健也「ここを保健室とする。さらば」
愛奈「………」
健也「いで、だから蹴るな」
吉良「今のは……ねー?」
鳴海「うん、今のは愛奈が正しいと思うよ」
健也「知るか、そんなことよりお眠りだ」
愛奈「永眠しろ」
健也「ぐっは」
肩を突かれていると、脳がグラグラと揺れている感じがしたが、次第に視界がクリアになって来た。
健也「あれ、あー、学校だったか」
愛奈「何を見ていたんだ」
健也「ループする方法?」
愛奈「知るか」
健也「知れ」
吉良「それ、この前の健也の家で遊びに行ったとき同じこと言ってないか?」
鳴海「今回は逆だけどね。なんか……2人仲良くなったよね?」
吉良「………」
吉良は何か考えるような顔をしていたが、健也は気にしないで吉良に話しかける
健也「吉良」
吉良「何」
健也「進学先どこにする気なんだ?」
吉良「あー、まだ考えているんだよねー。あはは……」
鳴海「そうなんだ。吉良君ならもう決まっていると思っていたけど」
吉良「そう? いや、こういうのってどこに行けば良いのか分からなくてさ。よく行きたいところに行けと言われるけど、行きたいところが無いんだよね。かといって行ける場所になると、そこそこ条件に当てはまる所がいくつかあって、そこがまた悩みの種に……」
健也「そうなんだ」
吉良「聞いた割に適当過ぎない?」
健也「いや、吉良が決めることだしな。それに……」
健也は周囲の会話を聞くように促すと、どこもかしこも志望校や偏差値、受験へのストレス、家庭の事情、受かる気がしないなどと話している。この時期なら嫌でも聞こえる内容だ。わざわざ自分からストレスのたまる話をしたくないし、健也自身は璃子と見た志望校を受けるつもりであるので、少なくとも暗い顔をしている連中よりも精神的に余裕がある。
かと言って何か楽しい話をしようと言えば、周りが余裕ぶりやがってなどと喧嘩を売ってくる、言いがかりをしてくることもあるので、迂闊に教室内で気楽な話がしにくい空気にもなる。まだ4月とは言え、人によっては既に試験直前という人もいるだろう。今では推薦の形も様々で学力がダメでも、何かの大会などで優勝をしていれば入れるところもある。
しかも教室内でいつの間にか形成される謎の序列。いつの間にそんな序列が出来ているのか分からないが、精神的に不安定になりやすいこの時期に変な争いを起こしたくない。ただでさえ、受験で不安定になっている教室の連中を不快にさせれば、下手をすれば迫害を受けることも十分にあり得る。ことによっては、全く関わりの無い人も、ストレス発散で加わってくる可能性もあり、3年生(最高学年)は非常に面倒な学年でもある。さらに人間関係も強固に結ばれているため、助けを求めても、助けてくれる可能性が低い。
なんだか話すのも面倒になり、適当なところで3人の元から去って、自分の席に座り教室を見渡す。先程の位置に3人は話をしているが、距離を取ったため何を話しているのか分からない。遠くから見ると、女子3人にしか見えないが、それを言えば吉良が不機嫌になるので何も言わない
クラスメイトA「あれが吉良か」
クラスメイトB「本当に男なんだよな。女にしか見えないけど」
そんな会話が聞こえたが、何もしない。ここで嚙みついたら、吉良が望んでいない事態に発展しかねない。本人も自分が男らしく見えないことにコンプレックスを抱いており、そのことを指摘されると暗い顔になる。本人は平気と言っているが、少し心配だ。
ループするなら中学3年生(最高学年)は絶対に嫌だなー
そんなことを思いながらHRが始まるまで仮眠を取った
担任がやってきて、適当に話をしてくれて、解散となった。教室には人が多く残っており、予備校に行きたくない、勉強をしたくないからの逃避行動なのかもしれない。あとは、最後の1年を満足に過ごすためか、人間関係をより強固にしたいという策略があるのかもしれない。
健也も勉強をする気ではあるが、せっかく学校に来たのに、そのまま帰るのもなと思ってしまう。3人が学校に来ていないなら何も迷わず帰るのだが……
健也「お前ら放課後どうするの?」
吉良「どうしようかなって今話していたところだよ」
愛奈「私は部室に寄るわ」
鳴海「じゃあ私もそうしようかな」
愛奈「2人は?」
吉良「僕も予定はないし、行こうかな」
健也「じゃあ俺もそうしよう」
4人で部室に向かう。
部室について、各々適当な席に座り、自由行動をしている。女子チームは集まって何かを話している。吉良が女子チームに話しかけようとしたが、なぜか来ないでと言われていた。落ち込んだ吉良は健也の元にやってくる
健也「何だって」
吉良「女子だけでやっている物だから、男は参加禁止だって」
健也「何を調べているんだろうな」
吉良「さぁ、女子には何かあるってことじゃないの」
健也「吉良は何か事件を追っていたんだよな。どんなのだっけ?」
吉良「教えない」
健也「なんでよ」
吉良「教えたくないから」
健也「そうか、そこまで言うなら仕方ないな」
健也は過去の新聞を適当に見えていく
健也「あ、これとかどうよ」
吉良「何それ」
健也「カップル成立までの経緯」
吉良「あー、それは鳴海さんと健也が調べていたやつだね」
健也「え、そうなの?」
吉良「ほら、ここに2人の名前が書いてある」
健也「ほんとだ……書いた覚えがないけど……」
吉良「でもこれ健也の字でしょ」
健也「そうだな。うん、俺の字だ」
吉良「でも3年生になると自然消滅が多そうだよね」
健也「そうなのか?」
吉良「よく聞く話ではあるよ。聞かない?」
健也「今聞いた」
吉良「そうなの? ほら、3年生となるとさ、受験とか進路で頭がいっぱいで相手のことを想う事態の余裕がないとか、面倒になるらしいよ」
健也「お互い余裕があった時しか恋愛出来ないと」
吉良「やむを得ないで付き合う事もあるみたいだよ」
健也「まさか偽物の恋人とかベタなことを言わないよな?」
吉良「あとは脅されてとか?」
健也「偽物よりも胸糞悪い話をするな。気分が最悪だ。何か明るい話をしよう」
吉良「健也とこの前みたビデオの女優さんなんだけどっうわ、何するの!」
健也「こんんところでそんな話をするなよ! 2人に聞こえたらどうする気なんだ」
吉良「そ、それもそうだね。でもほら、健也にとって明るい話なんて、そういう話でしょ?」
健也「た、確かに盛り上がるけど。ここで盛り上がるのはまずい。女子がいないときに話そう」
吉良「女子も似たような話をしていると思うよ」
健也「そうかもしれないけど、ここで話す理由にはならないだろうが」
吉良「ある」
健也「え、そうなの?」
吉良「健也の焦った顔を見れる……痛いって、僕が悪かったよ! だから、ちょ、痛い」
健也「遺体にしてやろうか」
吉良「僕が悪かったよ! もう、この変態!」
健也「へ、へん、変態……だとっ」
吉良「あれ、何か思ったよりも刺さっている?」
健也は自分を変態と呼ばれたことに少し落ち込んでしまう。それも唯一の男友達である吉良に言われたことが大きかったみたいだ。他の男子とも話すに話すが「話す程度の仲」だが、友達とは思っていない。
健也「なぁ、吉良」
吉良「何」
健也「俺って変態なのかな……」
吉良「深刻な悩みかと思ったらそんなこと? 変態でしょ」
健也「そんな! 俺の、どこだ、一体、変態、なんだ!」
吉良「顔近いって……!」
吉良と目を至近距離で見つめると、とても慌てた感じで顔を真っ赤にして逃げようとするが、慌てていたのか吉良は椅子から落ちる
吉良「いたっ」
健也「あ、ごめん。大丈夫?」
吉良「うん、大丈夫」
冗談でも椅子から落ちたら本当に危ない。小学生の時にもあったが、座ろうとしたタイミングで椅子を引いて落とさせるという悪戯は本当に危ないのだ。骨盤の骨折などにより、後遺症として足の痺れや、痛みが残る場合がある。今回は椅子を引くという形ではないものの、それでも椅子から滑り落ちること自体はしているので、危ないものだ。吉良の安否を確認するが、大丈夫らしい。後遺症を残す可能性をする原因を自分で作ってしまったかという焦りが無くなり、少し距離を取って話す
健也「すまん、確かに近すぎた」
吉良「ううん、僕も少し悪かったよ」
健也「真面目な話をしよう」
吉良「金の話?」
健也「真面目な話」
吉良「あー、聞き間違えたよ。真面目って?」
健也「エロ系の話」
吉良「…」
健也「待て待て、真面目な話だろうが」
吉良「一応聞くよ。どこが」
健也「人間の三大欲求を知っているか?」
吉良「食欲・睡眠欲・性欲でしょ」
健也「その通り。だから真面目な話だ」
吉良「え、うん? 真面目? まぁいいや、続けて」
健也「どうして男って直ぐに女の身体に興奮するだろうな」
吉良「どうしてなの?」
健也「それを話し合おうってことだろうが」
吉良「一言もそんなことを言っていなかったよ?」
健也「今言った」
吉良「適当だなー。あ、そういえば、この辺に……あった。これを見たら?」
吉良から一冊の黒いノートを渡される。ノートを数ページ開くと、そこには露出度の高い女の裸の写真が貼られていた。筆記した形跡は無く、写真集や雑誌から切り取った物が、等間隔を置いてペタペタと貼られている。時間が経っているからか、一部は今にも剥がれそうになるが、落ちはしないようだ。
健也「こ、こ、こ」
吉良「鶏?」
健也「これはすごい。吉良が集めたのいでっ」
吉良「僕じゃない。置いてあったんだ。そこのふすまに入れて隠していたみたいだけど、偶然見つけたの」
健也「愛奈はこれを」
吉良「どうだろう、愛奈の事だから見たかもね。なんせ一番の古株だし」
健也「愛奈ってエロ系の話は食いつくのか?」
吉良「僕は愛奈がその系統の話をしているところは聞いたことないかなー。女子会はそういう話ばっかりと聞いたことはあるけど、愛奈自身が話をしているところは聞いたことないよ」
健也「じゃ、じゃあ今あの2人は」
吉良「話すとしたら男の僕達がいないところで話すと思うけどね」
健也「それもそうだ。とりあえずこれを見てから考えよう」
吉良「………ここでしないでよね?」
健也「するかぁ!」
吉良「いった! 何するのさ~」
健也「吉良が変なことを言うからでしょうが」
吉良「僕が? いつ? というかその潜水艦をどうにかしてよ」
健也「潜水艦?」
吉良「燃料が溜まっているのか、浮上してきているよ」
吉良が指さしたところは健也の股間を指しており、確かにたった一つの砲台が発射用意されている
健也「ちが、これは」
吉良「何が違うの」
健也「生理現象だ」
吉良「もう主砲が発射されるんじゃないの?」
健也「そんなことはない」
吉良「うっそだー、ちょ、痛いって」
健也「さっきも失礼なことを言ったろ」
吉良「え、いつ」
健也「ついさっき」
吉良「言ってないよ」
健也「もういいわ」
吉良「聞いておいて会話を切るとか、失礼すぎるよ」
健也「男はこれの前には抗う事は基本的に出来ないんだよ」
吉良「ちょ、それ広げて見せないでよ!」
吉良を黙らせるために、ノートを開いて吉良の前に見せびらかす
健也「見たんじゃないの?」
吉良「少しだけだよ」
健也「そっか、じゃあ俺は見ながら話すから、話そう」
吉良「一体何を話すの……」
困惑する吉良を前にして、ノートを手元に置くと、沢山の女性が裸に近い格好で映っている写真が沢山ある。
吉良「家に持ち帰れば良いんじゃないの?」
健也「親に見られたらどうするんだよ」
親にあれをしているところは既にバレているようなものだが(31部、中学生29)、流石にしているところと、何を見ているのかは知られたくない。それすらばれたら、もうどんな顔をすれば良いのか…
吉良「だからってあの2人がいる前で見るの??」
健也「吉良が壁になって。うおっ、この人良いなー」
吉良「鼻の下を伸ばしながらそういうことを言わないのっ!」
健也「いたっ!」
吉良にチョップされたところが痛いが、それよりも今は目の前のお宝だ
健也「女って男の身体に興奮するのか?」
吉良「するんじゃないの? 同じ人間だし」
健也「どんな時に興奮するんだろうな。やっぱり露出が高い服を着ているとかか?」
吉良「聞いてみれば?」
健也「出来るわけないだろ」
吉良「なんで女子がいる空間でエロノートを見ることが出来て、それは聞けないのか不思議なんだけど」
健也「エロノート? 名前と顔があれば……ふへへ」
吉良「そういう漫画ありそうだよね。あと顔が凄いことになっているよ」
健也「顔が凄いってなんだよ。吉良は映像よりも漫画とかアニメ派なのか?」
吉良「今は映像中心かな。と言ってもまだ裸は恥ずかしくて、水着とかだけど」
健也「分かる、最初はそこからでいいんだ。アニメとか漫画は映像の後から見る人が多いと思う」
吉良「何が良いんだか……でも、不思議だよね。なんで男って女の人の身体ってあんなに興奮するだろうね」
健也「不思議だよな。でも知っているか? 昔は身体を見られること自体当たり前で、混浴も当たり前だったらしいよ」
吉良「あ、それ知っているよ? そもそも外で排泄すること自体も当たり前だったとか」
健也「その当たり前が当たり前じゃなくなったことに興奮しているということか?」
吉良「当たり前を恥じることに興奮するってこと?」
健也「例えばさ、自分以外全員女で、しかも女全員裸だったとしよう」
吉良「あ、そういうの健也見ていたよね」
健也「好きだから良いだろうが。それよりもだ、そこで女子達は裸で外を出歩くのが当たり前で、恥じらう姿なんてどこにもなかっただろう?」
吉良「そうだね、健也が持っていた映像はそんな感じだった」
健也「でもあれって数日経てば、男の人も慣れたのかあまり興奮しなくなったじゃん。そして更に数日後になると、女子達は衣服を着て、登校していることに興奮していたろ」
吉良「健也が興奮していた映像はそんな感じだったね」
健也「……」
吉良「ん、どうしたの?」
健也「いや、なんで一々俺の名前を出して言うのかなって」
吉良「偶然だよ」
健也「そうか、偶然か、なら仕方ないな」
吉良「そうそう」
健也「あれ、何の話をしていたっけ?」
???「女の裸の魅力でしょ」
健也「そうそう、あれ? 吉良ってそんなに声が……」
振り向いた先には、女子2人がいた。女子2名は、健也が開いているノートの内容を見て
鳴海「あ」
愛奈「そういうのは家で見なさいよ」
鳴海は恥ずかしそうに、愛奈は呆れたような対応をした
健也「吉良?」
吉良「何」
健也「裏切った?」
吉良「僕も気が付かなかったよ」
健也「……」
愛奈「そのノートって健也の?」
健也「違う」
愛奈「ここで俺のって言うと思った」
健也「俺のじゃないからな」
吉良「そこまで堂々としているのは笑う」
鳴海「健也君……」
愛奈「とりあえずそのノートは上げるよ。部室に置いてあって扱いに困るノートだし、処分にも困っていたから」
健也「それなら仕方ないな」
迷わずノートを鞄の中に入れる
愛奈「…」
鳴海「…」
吉良「迷いのない洗練された無駄のない動き……カッコいい」
愛奈「あれはカッコいいの?」
鳴海「私に聞くの!?」
愛奈「まぁいいわ。それより、この後私と鳴海は出かけるけど、2人はどうするの? 用がないなら部室に鍵を閉めるけど」
吉良「あー、僕は特にないからどっちでも」
健也「俺は帰る」
吉良「……」
愛奈「そう、じゃあ帰る準備してね」
4人で帰る準備を整えて、部室を出ると、愛奈と鳴海はそのまま健也達と別れてどこかに行ってしまった
吉良「僕達はどうする」
健也「帰りながら考えるか」
吉良「そう」
2人で帰っている途中、制服を着たギャルみたいな女子が道の真ん中でウロウロしていた。制服は健也が志望校としている学校のだ。ここは志望校から少し離れているため、少し不自然だなと思いながらも
吉良「なんだろうね。あの人達」
健也「さぁ、誰かを探しているんじゃないか?」
女子が健也達に気付いたようで、話しかけてきた
女子「すいません、少し良いですか?」
健也「っ」
吉良「はい、何ですか」
女子「この近くで、こんな人を見ませんでしたか?」
健也は女子が怖くて少し距離を取るが、女子はそれを見て不思議そうな顔をしながらも、話を続ける。女子は一枚の写真を吉良に見せてきた
吉良「僕は知らないです」
女子「君は?」
健也「っ……」
吉良の後ろに回ってしまう
吉良「すいません、この人は女性が苦手なので」
女子「あーそうなの? じゃあこれ見せてもらえるかな?」
吉良「はい」
吉良が受け取った写真を健也に見せる。写真にはハットを深くかぶった人が映っていた。手にはカメラを持っているが、顔は隠れていて見えない
健也「分かりません」
女子「そうですか、ご協力ありがとうございます」
吉良「いえいえ」
女子「この人、カメラを持ってウロウロとしているようなんですよ。それで盗撮に遭ったという人もいるみたいで」
吉良「そうなんですか」
女子「はい、それで今探しているんです。もしこの写真の人について何か心当たりがあって、また会うことがあったら教えて欲しいです」
吉良「分かりました」
女子「それでは、ありがとうございました」
女子は去って行った
吉良「健也、平気?」
健也「……うん」
健也は冷や汗をかいており、顔も少し青くなっていた。手も震えており、さっきまでいた女子に怯えていたことに気付いた吉良は、安心させるように健也の背中を撫で始めた
吉良「まだダメそう?」
健也「話す程度は良いんだけど、さっきみたいに急に距離を詰められる、長い時間目を合わせるとキツイ……かな。はぁーーー」
吉良「そっか、でも映像の方は大丈夫なんだよね?」
健也「あれは俺を見ているわけじゃないからな」
吉良「鳴海さんと愛奈は」
健也「あの2人も少し苦手だけど、他の比べるとマシかな。鳴海さんとはどうしてか少し落ち着くんだ」
吉良「…そっか」
健也「あとは璃子さんとかかな」
吉良「誰それ」
健也「あれ、言ってなかったか。もう1人知り合いの女子がいるんだ」
吉良「……」
健也「どうした?」
吉良「写真ある?」
健也「え、ないけど」
吉良「そっか。どんな感じの子なの」
吉良に璃子の容姿を説明すると
吉良「そっか、何でもない」
健也「何でもないって?」
吉良「僕の知っている人かと思ったけど、名前が一緒で違うみたい」
健也「そうなのか。まぁその人は大丈夫なんだよね」
吉良「どうしてなの?」
健也「璃子さんも男が苦手みたいで、シンパシーを感じたんじゃないかな」
吉良「へー」
健也「何か適当だな」
吉良「まぁ、仲の良い友達が増えるのは良いことじゃん。その璃子さんはどこのクラスなの?」
健也「あ、違う学校なんだ」
吉良「他校の人? ますますどうやって知り合ったのか気になるなー」
健也は璃子と初めて会った時のことを話す
吉良「そっか…」
健也「どうしたの、さっきから」
吉良「いや、健也から僕と愛奈と鳴海さん以外の人の話題が出ることはあまり無かったからさ、少し驚いただけだよ」
健也「そうか?」
吉良「そうだよ。エロ話と、アニメ・ゲームのキャラクターとか内容はよく話すけど、現実の人の話なんて滅多にしないじゃん」
健也「……それもそうだな」
吉良「じゃあ帰ろうか」
健也「おう」
健也の背中に回していた手を下ろして歩き出す。いつの間にか、さっきまでの恐怖心は薄らいでいた。2人で適当に話しながら家に帰った
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