表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幼馴染の意地  作者: ヤマネコ
31/43

中学生(29)

少し性的なシーンがあります。苦手な人は注意をお願いします


鳴海とショッピングモールで一緒に遊んだ(?)日から数日経つと、吉良と愛奈と鳴海が健也家に遊びに行ってみたいという話になった。健也は吉良家しか行ったことがないが、自分の家に誰かを呼ぶなんて初めてで、母親に相談してから決めることにした


健也「ということなんだ、お母さんは問題ない?」

健也母「いいんじゃない? 前も頻繁に止まっていた子がいたでしょう」

健也「え、お母さんの友達?」

健也母「いや、健也の友達じゃないの?」

健也「俺?」

健也母「誰だったかな……あれ? 誰かを連れ込んでいなかったかな?」

健也「そうだっけ?」

健也母「そうだよ。確かこのタンスに……あれ? その友達が泊まることが出来るようにって服を何着か置いていたような気がするけど……あれー」

健也「勘違いとかじゃなくて?」

健也母「そうだったかなー、あれー?」

健也「とりあえず、呼ぶこと自体は問題ないってことで良いの?」

健也母「何人いるの?」

健也「3人」

健也母「全員男の子?」

健也「男1人、女2人。あ、男の方は見た目が女の子で、そのことで指摘されて弄られるの嫌だからそこは気を付けてよね」

健也母「今はやりの男の娘ってこと?」

健也「自分からそうなりたがっているわけじゃないから。本人も自分の容姿が女の子に見えることに強いコンプレックスを抱えているから突かないで上げて」

健也母「分かった……いつなの?」

健也「いつなら平気なの?」

健也母「私達いない方良い?」

健也「え、まぁ、え、どうだろう……」


食事とかの準備は……確か鳴海さんと愛奈は料理が出来ると言っていたから問題ないか? 寝床は……リビングを掃除して女子2人はそこで布団を敷いて、吉良は俺の部屋に寝かせるとして……お風呂は……問題ないよな?


健也「どうしよう、いてもらった方が良いのかな……」

健也母「私個人としてはいない方が良いと思うけどね。というかいたくない」

健也「なんで」

健也母「だって自由に過ごせる場所が寝室くらいしかないもの。ずっと寝室にいるのも息が詰まるし、食事も一緒になったら色々と聞かれて面倒になるだろうし」

健也「ぶっちゃけすぎない?」

健也母「泊まる場合の話だよ。遊びに来る分には問題ないかな」

健也「分かった」

健也母「一応明後日は私仕事先で泊まることになっているから、その日にしたら?」

健也「じゃあそうする」

健也母「あ、健也。一応言っておくけど」

健也「?」

健也母「最近小学生や中学生が妊娠している数が増えていることは知っている?」

健也「そうなんだ、それで?」

健也母「子供、作らないでよ? アンタが責任を取るとか言っても、結局お金とか苦労とかは全部親である私達に来るんだからね? しかも相手の親とも話すのは私達だから苦労するのは確実に私達なんだからね? カッコ良く責任を取るとかほざいても、碌に収入源が無い人間がそれを言っても全く説得力が無いから。子供を育てるにも、中絶するにもお金はとてもかかるし。あと家をホテル代わりにしないでね。それやったら本当に家から追い出すし、もう二度とご飯も作らないし食べさせないから。ここは私達の家で、ホテルじゃないんだからね? 分かっている?」

健也「そんなことは無いから。確かに女の子もいるけど、2人とも友達だよ」


女性恐怖症になっている健也。鳴海はまだ比較的話せるが、触れることには少し抵抗がある。愛奈はどちらかというと健也のことを嫌っているようなところがあるので、そんなことはないだろう。何かの拍子でそんなことが起きたら……最悪自分で気絶すればいいか


健也母「それさえ分かっていればとやかく言わないから。楽しんできなさい」

健也「分かった」


部屋に戻り、3人に明後日なら良いと伝えると、3人とも了承してくれた






ここで1つ問題を見つけた


友達が家に来るということは、家で遊ぶものが必要だ。ずっとお喋りでは間が持たないかもしれない。お菓子も必要だが、その類は多分3人が適当に持ってくるだろう。問題なのは遊ぶ道具だ。ゲーム機はあるにはあるが、全て健也が1人でやるようなもので、4人全員一緒に出来るものが無い。交代すればありかもしれないが、それでもせっかくなら4人で遊べるものが欲しい。


遊べそうな物に何があるかを確認する


トランプ……トランプしかない


でも一日だけだしトランプで持つかな? トランプで遊べるものとなると、大富豪、ポーカー、ババ抜き、ソリティア、ダウト、七並べ、ブラックジャック、スピード……あれ、調べれば調べると沢山あるけど、あまりやらないようなものをするのは……いや、それもやってみるのもありかもしれない。


もしかしてトランプって万能? 調べると聞いたことの無い遊びがあるが、遊ぶ気にはなれなかったが、それでも数がある。


あとは、無難に王様ゲームとかか? でもあれ男女でやると最悪子供出来そうなことが起きるような……あれだけ忠告されたんだ、あの人はやる時は本当にやる。前もあの子を泣かせたりしたときにご飯抜きやお菓子抜きになって廊下に……あの子って誰だ? 今誰のことを話していたんだ? ……っくそ、思い出せない


……でもそういう空気になったら壊せばいいか。空気を読まない奴と思われるかもしれないし、言われるかもしれないが、それでも子供が出来ないだけましだ。


トランプ、大様ゲーム……後は何だ。友達が家に来た時に遊べるものって何だ? 共通点……4人の共通点は新聞部。新聞を読むとか書くとか? 家なのに? そんなことをするのか? でも候補にはなるか


他には……何があるんだろう。来る側は何も考えないで良いけど、来られる側って結構神経使うな……。お母さんが、居心地が悪くなる感じの事を言っていたのはこういう事か? 母からしたら、ちゃんともてなさないと自分の名誉というかイメージダウンになりかねないし、ママ友を通じて陰口を叩かれるのも嫌なのかもしれない。お母さんが3人の保護者と友達なのか知らないが、それでも子供を他人の家に送る以上、恥ずかしいところは見せられない……お母さんがあそこまで嫌がっていたのはそういうことか……。


流れで自分の部屋を見せろとか行ってきそうだよね……。自分の部屋……特におかしなところは無いし、後で掃除をするとして、他に気になることは……っは!


健也はゴミ箱に妙に丸まっているティッシュが沢山入っているのを見つける


匂い! 部屋の匂いは平気なのか!? くんくん……くそ、自分の匂いって分かりづらい。でも確実にあの匂いはするのに気が付く。お母さんに嗅ぐように頼む? それはそれで恥ずかしい! えー、でもあの女子2人に臭いところに入れるのも……入れないようにすればいいのか? お父さんに頼む? でも同じ男だし、絶対あの匂いに気付くよね……


そういえば、女は男のあの匂いに敏感って聞いたことがある。そもそも異性の匂いには直ぐに気づく年頃だ。男は近くに女の子が通っただけで良い匂いがすると勝手に認識してしまう。それは女の子も、男の子の汗臭さとか体臭にも直ぐに気づくだろう。汗臭さも恥ずかしいが、それよりもあの匂いを嗅がれるのは何としてでも避けたい


お父さんに相談する? こんなことを? 言えるわけないだろうが!


そういえばお母さんが時々部屋に入って、勝手に洗濯物を入れることがあるよな


……


…………


…………………


あれ? もしかしてお母さんに気付かれている? あのティッシュが何か感づかれているのか!??  まさか、そんなはず………気付かれているよなそりゃあ。だってお母さんもお父さんとそういうことをして俺が生まれているんだから、間違いなくあの匂いを知っているはずだし。気付いているけど何も言わない……ありがとう。もし言われたらしばらく落ち込む自信があるわ


自室の中から、リビングで何かカチャカチャとしている母に敬礼のポーズを取る。男の子の大事なことを守ってくれてありがとう、そしてこれからもその匂いは途切れることがないだろう。健也が男であり続ける限り、この匂いは無くなることはない。だからこれからもあの匂いを嗅ぐことになると思うけど、ごめんなさい


とりあえず自室の掃除と匂いを最優先にしないとな。あとはリビングと玄関も掃除して、トイレも掃除しないと。人の家に来た時に一番神経を使う場所がトイレって聞いたことがあるし。トイレットペーパーは……あるな。あとは便器の掃除か。まぁ、ここは第二優先




それから健也は数日かけて、3人をもてなすために掃除をして部屋や廊下・玄関を綺麗にして、部屋の匂いも消臭剤を置いて、トイレの掃除もこなした。もしかしたら、この家に過ごして初めてここまで1人で掃除をしたかもしれない。お母さんも喜んでいてくれたし、これらかも掃除を手伝った方が良さそうだな。これを1人でやっているお母さんスゲー。テレビとかスマホでゴロゴロしているお父さんにも、手伝わせるように仕向けた方が良いかな。そのためにはちゃんと自分で掃除を継続しないと!














健也の家に遊びに来る日となった


ドキドキしながら家のインターホンが鳴るのを待つ。両親はいないし、今日はそれぞれどこかに泊まるらしい。住所は送ってあるので、地図アプリとかを駆使して今頃あの3人は来ているころだろう。3人が来る前に最後の確認をしていく。特に自室は、もうこれでもないかというくらいに確認した。大丈夫だよなと安心して扉を閉めても、見落としがあったかもしれないという不安を拭い切れず、何度も扉を開けては閉めてをしていた。傍から見たら扉に何か仕掛けをしている盗人に見えるだろう


インターホンが鳴った


ドキドキしながら画面を見ると3人が映っている。手には何かビニール袋やエコバックのような物を持っており、何かを持ってきたようだ。玄関のカギを開けて扉を放つと、3人がいた


吉良「やっほー、来たよ」

鳴海「こんにちは」

愛奈「どうもー」

健也「よ、よ、ようこそ」

吉良「ようこそ?」

愛奈「何だその出迎えは」

吉良「緊張しているの?」

健也「き、緊張? 俺が?」

鳴海「見るからに緊張しているけど……」

健也「……どうぞ」

吉良「あ、なんか雑になった」

愛奈「お邪魔しますー」

鳴海「お、お邪魔します」

吉良「お邪魔しまーす」


3人を家に入れる。3人とも他の人の家に入るのが、初めてなのか、あちこちをジロジロと見ている。自室を見られたわけでもないのに、なぜか変なところは無いかと緊張してしまう。大丈夫だよな……自分の鼻が信用出来なくなってきたぞ


3人は持ってきた袋からお菓子や遊べそうな物を持ってきていた。女子2人をリビングに待機させて、吉良とお菓子を袋から出してお皿に乗せていく。愛奈と鳴海は飲み物まで持ってきていて、愛奈はオレンジジュース、鳴海はアイスコーヒーだった。お菓子は吉良が中心で集めたらしい


あれ? 俺の知らないところで話し合っていたのか。もしかして俺だけのけ者にして3人グループなんか作ってない? 俺の知らないところで俺の陰口を叩いているのではないかと友達不信になりそうになったが、吉良の楽しそうな顔を見るとその考えも無くなった


吉良「僕誰かの家に来るのは初めてだったから。ほら、前に4人で僕の家に来たじゃん。初めて来られた時も緊張したからさ、健也も困っているんじゃないかって心配したんだよ?」

健也「そうなのか。俺も今日初めて友達を家に上げたから緊張している。何かおかしなところは無いか?」

吉良「おかしな所? 特に無いよ。そもそも人の家におかしいとか無礼極まりないこと言わないって」

健也「いや、そういう意味じゃなくてだな……その」

吉良「健也の言いたいことも分かるよ。うん、大丈夫。僕から見た限りは問題ないよ」

健也「そこは3人を代表してとか嘘でも言って欲しかったな」

吉良「僕は女の子視点での評価方法は知らないから」

健也「それもそうだ。よし、それを持って行ってくれ」

吉良「分かったー」


吉良にお皿を持たせて、待っている女子チームの元に運ばせる。無理に1人でやって醜態をさらすよりは、お客様だけど、一番の友達でもあるし、手伝ってもらえるところは手伝ってもらおう。


女子チームは、あちこち視線を向けて話している。男子組が戻ってきたのを確認した2人は、何やら会話を止めて、また会話を始めた


何、何を話しているの? なんで会話を切ったの? なんか変なところがあるの?


吉良に言われて、分かってはいるものの、やはり気にしてしまう。4人でお菓子をつまみながら適当に話をして、なんやかんやゲームをすることになった。


吉良「何する?」

愛奈「無難にトランプじゃないの?」

鳴海「トランプ? 何やるの?」

健也「ババ抜きとか? 大富豪とか? みんながルールを知っているゲームにしよう」

愛奈「じゃあババ抜きじゃない? ただ抜くだけだし」

吉良「そうだね。始めだし、それくらい簡単な方が良いよね」

健也「じゃあやるかー」


健也はトランプを取り出して、適当にシャッフルをしてからカードを配って行く。カードを配っている間、3人は話をしていた


吉良「何か罰ゲーム用意する?」

愛奈「罰ゲーム? あぁ定番ね」

鳴海「何するの?」

愛奈「ふふ、こういう時こそあれよね」


愛奈は部屋の隅に置いてある荷物に手を伸ばし、ティッシュ箱を取り出す。ティッシュは全て抜き取られており、ただの箱だが、中に小さな紙きれが沢山あるのを見せてくれた


鳴海「それは?」

愛奈「こういう罰ゲームって、実際にやるとネタに詰まることがあるのよ。その救済措置用の箱」

鳴海「?」

吉良「つまり、罰ゲームの内容が浮かばなかったらこの箱の中にある紙きれをとって、その紙切れに書かれている内容を罰ゲームとするってことでしょ」

鳴海「あー、なるほど」

愛奈「そういうこと」


愛奈が珍しくニヤニヤとしている。そんなに罰ゲームの内容に愛奈が喜びそうなものが入っているのだろうか……


頼むから子供が出来そうなものはやめてくれよ……


100%そんなものは入っていないと思うが、場の雰囲気自体ではそうなりかねない。鳴海は可愛い、愛奈は綺麗、吉良は可愛い(だが男だ)、健也は普通。万が一があり得るので、少し震えながらカードを配り終える


じゃんけんで順番を決めて、健也が鳴海のカードを引く、鳴海が愛奈のカードを引く、愛奈が吉良のカードを引く、吉良が健也のカードを引く(健也→鳴海→愛奈→吉良→健也)という順番になった。健也の手札にはジョーカーがあり、まずはこれを吉良に引かせたい。せめて罰ゲームに選ばれないように、この3人を蹴落とす勢いでやらなければ……


鳴海にカードを引かせるとき、当然目線は合う


健也「あ」

鳴海「っ」


鳴海は健也と目が合うと、少し緊張したような顔になった。鳴海の手札から一枚カードを引く。持っていた数字と同じカードが来たので、一緒にカードを捨てる。ここで一安心したように一息つく。ジョーカーを持っているのは健也だが、それを悟らせないための演技だ


吉良「なんでこんなに緊張しているの」

愛奈「罰ゲームの内容が内容だからね」

吉良「え、どんな内容を入れたの?」

愛奈「ふふ」


愛奈はただ笑っただけで、何も答えなかった


今度は鳴海が愛奈のカードを引く番だ。ジョーカーは健也が持っているままなので、鳴海が緊張して愛奈のカードに手を伸ばしているところを心の中でにやけながら見守る


俺の顔大丈夫かな? にやけていないよな?


鳴海「……」


鳴海は無言で取ったカードと手札のカードを捨てる。どうやら鳴海も当たりを引いたらしい。今度は愛奈が吉良のカードを引く番だ。愛奈は吉良の一番端のカードを手に取るが、どうやら手持ちのカードの中にはない数字だったようで、残念そうに溜息をつく


愛奈「さぁ、吉良、頑張れー」

吉良「え、どういうこと」

愛奈「……」


愛奈はただ微笑み返しただけで、何も言わない。さっきからこの女に流されているためか、心理戦で押されている。このゲームはただのゲームじゃない。罰ゲームありのゲームだ。どんな罰の内容を考えたのが分からないが、愛奈のにやけ方からして、まともなものが入っているのか分からない、いや、入っているわけがない(偏見)。


ここは吉良を犠牲にしてでも勝たなければ、許せ吉良


愛奈に謎の釘を刺されたからか、吉良は健也の顔をジッと見ている


健也「あんだよ」

吉良「持ってる?」

健也「何を」

吉良「ジョーカー」

健也「持ってないよ。ほら」

吉良「…っほ」


カードを引いた吉良は安心したように2枚カードを捨てる


こんな感じで話しながらカードを捨てていき、残ったメンバーは













健也「…絶対負けない」

愛奈「あら、それはどうかしら」


健也と愛奈の2人となった


鳴海、吉良の順で抜けて、2人は何か話ながら健也達を見ている。愛奈のカードは1枚、健也のカードは2枚。つまり健也がジョーカーを持っているということだ。ちなみに健也からジョーカーは一度も移動していないので、愛奈からしたらどちらがジョーカーか分からないということだ(ジョーカーが誰かに移動した時の手の動き方で特定されることがあるが、今回はその心配がない。健也はジョーカーの位置を一度も動かしていないためである)。





健也「どうした愛奈、心理戦なんか捨ててかかってこい」

吉良「それじゃあ勝負にならないでしょ」

鳴海「だね。健也君って時々アホになるよね」

吉良「そこが健也の良いところでもあるんだけどね。アホなところは変わっていないから、僕からしたら一番安心できる部分かもしれない」


愛奈は健也のカード2枚の上空に手を伸ばして、どちらを取ろうかと揺さぶりをかけてきた。これは健也の反応を見て取るつもりのようだ。健也は敢えてジョーカーでない方に慌てたような顔をして、逆のカード(本当のジョーカー)を取らせようとする。愛奈はそんな健也の顔を見て、ニヤッと笑い、カードに手を伸ばす


健也「…」

愛奈「…」

健也「ぐふっ」

愛奈「良い戦いだったわ」


愛奈は手に取ったカードと、持っていたカード両方捨てて、手をパーにして健也の前で手を振る。健也の手には白黒のピエロが嘲笑しているカードだけが残った。


敗者は健也となった


一番の鳴海が最下位の健也に命令することが出来るわけだが、鳴海は何にしようか決まらなかったようで、さっそく爆弾の入ったティッシュ箱に手を伸ばす


鳴海「えっと……一人称をオイラにして、語尾はざますだって」

愛奈「軽い方を引いたわね」

健也「オイラ愛奈を絶対に許さないざます。オイラは愛奈を絶対に最下位にさせるざます」

吉良「殺意が高い」

愛奈「睨むな。罰ゲームでも軽い方だと思うけど」

吉良「確かに語尾に○○ってのは優しいほうなんじゃないかなー」

鳴海「ごめんね?」

健也「オイラ、愛奈、倒す、ざます」

愛奈「なんでこんなに殺意を向けられているのか不思議で仕方ない」


ゲームは続く









しかし








健也「オイラ、この前たこ焼き食べたんでございますでやんす」

愛奈「俺っちが相手すれば、健也なんかいちころだっての」

健也「がはは、オイラ、愛奈大好きだーでございますでやんすのってーら」

愛奈「わっはは、アタイ俺っちも健也のことが大好きでらぶちゅーですらー」

吉良「…」

鳴海「…」


吉良と鳴海は気まずそうにしながらもゲームは進行された。それからもゲーム(ババ抜き以外、例えば大富豪や七並べなども)は続いていったが、健也が一度も1位になることは無かった。ゲームばかりして、少し休憩を取ることになり、罰ゲームの内容すべてが効果切れとなり、健也と愛奈はぐったりと力なく横になる


健也「はー疲れた。なんで愛奈ばっかりにしないといけないんだよ、ふざけんな」

愛奈「それは私もだよ。なんで鳴海と吉良ばかり1位になるの。まさかグル?」

吉良「僕と鳴海さんはグルじゃないよ。完全に2人とも運が無かったからでしょ。むしろ2人ともビリになりまくっていて少しドン引きした」

鳴海「どうやったら最下位をそんなに取れるの」

健也「憎しみ」

愛奈「殺意」

吉良「わけわからん」

鳴海「疲れたー、何か頭からっぽにしようー。そう言えば何時までいて良いの?」

健也「任せる。一応泊まることも出来るぞ」

愛奈「は、着替え持ってきてないけど」

健也「一応って言ったろ、愛奈様?」

愛奈「あ?」

健也「は?」

吉良「2人とも最下位になりすぎてテンションがおかしくなっている……」

鳴海「だねー。あ、そうだ、健也君。裏紙ないかな? 皆でお絵描きしようよ。それなら問題ないんじゃないかな」

健也「いいけど、みんなは」

吉良「やる」

愛奈「どっちでも」

健也「じゃあ持ってくるわ、少し待っていてくれ」


寝転がってダラダラしていたが、立ち上がり適当に裏紙を取って、鉛筆を1人ずつ渡していく。


健也「何書くの?」

鳴海「まずはそうだね……あ、このコップとかどうかな」


鳴海は自分が飲んでいたアイスコーヒーの入っているコップを指さす


吉良「いいんじゃない? 最初だし」

愛奈「そうね、健也ごときじゃ描けないだろうけど?」

健也「愛奈当たりが強いぞ、あれは俺が命令したんじゃなくて、そこの2人だからな」

愛奈「命令したのは確かに2人だけど、私の恥ずかしい姿を見たのは健也。責任取って」

健也「知るか」

愛奈「知れ」

鳴海「まぁまぁ、ほら、仲良くして」

愛奈「はーい」


4人でコップを書いていく


コップは分かりやすかったので、全員描くことが出来たが、愛奈が群を抜けてうまかった


鳴海「コップじゃ簡単すぎたかな」

健也「じゃあ、次は犬を描こう。全身でも顔だけでもどっちでも構わない」


4人で犬を描くが……


健也「あれ、なんかおかしい」

鳴海「健也君のそれ、ねずみ?」

健也「犬です」

吉良「あれー、なんか、こう、あれー」

愛奈「そこはこうしてみたら?」

吉良「あ、ほんとだ。少しまともになった」

鳴海「愛奈上手いねー」

愛奈「っふ」


愛奈は健也にどや顔を向ける。さっきから挑発されまくりな健也はムカッとするが、事実愛奈の描くものはこの中で一番綺麗に表現できているので、何も文句が言えなかった。


吉良「じゃあ次は僕だね。そうだな……お花とかどうかな? 沢山描くか、1つだけ描くかは任せるよ」


4人で描き始める。女子チームはどの絵も安定しているが、健也と吉良は中々うまく描くことが出来ない。そもそも花の構造すら理解していない健也、構造を把握できていなければ絵は描くことが出来ない。


子供がお絵描きをしている姿を見るとほほえましいが、あれは実は結構難しいことをしていることに気付く。子供の絵は基本的に目立つ部分を大きく描くので、その見ている物の一番の特徴を自分なりに考えて、どの色を使うか、色の組み合わせはこれで良いのかと神経を使う。子供達は自覚をしていないことが多いだろうが、自分の価値観が現れやすい物の1つがお絵描きだ。


今までの中で一番絵がぐちゃっとしているのは健也

健也よりもマシだが、女子2名に劣る吉良

どの絵も安定しているが、所々形が崩れている鳴海

どの絵も安定しており、遠近法や影の付け方など素人目には文句なしの愛奈


それからも楽しく時間は過ぎていき、空も暗くなり始めていた。女子2名は泊まる気は無いようで、片付けをして帰って行く。途中まで送ろうとしたが、吉良が送って行くと名乗り出た。健也も行こうと思ったが、鍵を閉めたとしても、家に誰もいないことが不安になり、吉良だけが2人を送ってもらうことにした。


鍵を掛ければ大丈夫というのは分かってはいるのだが、初めて友人達を家に呼んだことにテンションが上がっているせいか、そうではないと分かってはいるものの、どうしても家を空けることに心配になる。両親とも今日は帰っておらず、万が一にも泥棒が入ってきたら怖いというのもあった。


吉良が帰ってくるまで軽く部屋を掃除する。幸いなことに自室を見られることはなく、一番心配していた部分を女子達に見られなくて心底安心している。一応丸まったティッシュは昨日ゴミで出したし、臭いも数日掛けて消臭剤を使っているが、それでも不安は無くならなかった。女子って男子の匂いにどこまで敏感なのか知らないので、これでも実は察知するのでは? と心配していたからだ。


吉良「ただいまー」

健也「お帰り」


吉良が30分以上経って帰って来た。少し遅いような気がしたが、手には何か手提げ袋を持っている


健也「それは?」

吉良「泊まろうと思って、良いよね?」

健也「あぁ、いいぞ」


男同士だし問題ないだろう。お母さんが心配していた妊娠の心配もなくなったし良かった。吉良に自室を見せてほしいと頼まれたので、案内する。


吉良「ほへー、片付いているんだね」

健也「そりゃな」

吉良「部屋に入れようとしていなかったから、てっきり散らかっているのかと思っていたよ」

健也「まぁ、そんなところだ」

吉良「…」


吉良が部屋の中に入り、どうしてかベッドの下を漁り始める


健也「吉良君」

吉良「ふぁい」

健也「何をしているのかね?」

吉良「お宝さがし」

健也「何か見つかったかね」

吉良「埃」

健也「流石にベッドの下までは気を配れなかった」

吉良「そりゃあね。むしろ掃除していたらそれはそれで面白いけど」

健也「それで、何を探していたのかね? 隠さないで言ってごらんなさい」

吉良「いやー、普段どんなの見ているのかなって。こういうトークって直接話してすることって滅多にないでしょ」

健也「そもそも吉良自身、そういう猥談はあまり好ましくなかったんじゃないの? なんだかんだ避けているイメージがあったけど」

吉良「いやほら、僕もう3年生になるけど、ぶっちゃけそこまで男らしくなったと思えないでしょ」

健也「いや、筋力もついてきたし、そんなこと……」

吉良「それでも少しだけで。ほら、今でも女の子みたいな声だし、背も小さいし童顔だし毛も生えてこないし……全然男らしくないんだ」

健也「なるほど、それで?」

吉良「健也みたいな男になるにはどうすれば良いのかを考えて、健也と同じ物を見れば少しはヒント出るかと思った」

健也「なるほど、天才だな」

吉良「もっと男性ホルモンを活性させるしか方法は無いと思ったんだ。そこで」

健也「アダルトな物を見て興奮して活性化させよう?」

吉良「流石健也。僕は性欲が強いのか弱いのかいまいち分からなくてさ」

健也「ほう、ちなみにどれくらいの頻度でしているんだ」


そう言うと吉良の顔は真っ赤になる


吉良「それって……もしかしてあれのこと?」

健也「多分あっているよ、それで」

吉良「その……は、恥ずかしい」


頭を抱えてその場で蹲る


健也「ま、まぁ無理に言わなくても良いよ。それよりも一緒に見たいのか?」

吉良「1人だとまだ恥ずかしくて。でも健也となら頑張れる気がするんだ」

健也「はぁ、まあでも確かに俺もしたことなかったな。よし、今日は一緒に沢山見よう!」


アダルト系の映像を1人で見て楽しむことはある。作品を紹介しあうこともある


しかし


一緒に同じアダルト映像を見て感想を言いあうことは一度も無かった


これは自分の価値観と違った価値観を聞いて、妄想の幅を膨らませる良い機会なのでは? 


それもこんなに初心な奴の視点だ。初心に戻れるような気がする


健也はごくりと唾をのみ込んだ後に、お気に入りの動画を再生する。吉良も顔を真っ赤にしながらも、それを血走った眼で見ている。なんやかんやで吉良も男だ。そういう女の裸については興味津々なのだろう。健也も友達と一緒にお気に入りの作品を見ることに思いのほか楽しくなり、色々な物を見せていく。


学生、人妻、教師、近所のお姉さん、ロリっ娘、ギャル、清純系、オッドアイ


貧乳、美乳、巨乳、爆乳、太もも、腰、足、お尻、背中、脇


裸、ニーソ、制服、体操着、スク水、部活着、裸ワイシャツ、裸エプロン、ウエディングドレス、拘束、目隠し、複数人


時間停止、透明人間、壁尻、水中、車内、自然の中、催眠、媚薬


様々なシチュエーションや体位、衣装を吉良と見る




吉良「う、うわーー。これすごいね」

健也「だろ、これとかどうよ」

吉良「うわ! エッチすぎるよ……すごい」

健也「さっきからすごいしか言ってないよ」

吉良「いや、だってすごいもん」

健也「分かる」


自分も初めてこういうアダルト系の映像を見たときに胸の高鳴りと、ドキドキしながら先をもっと見ていたいこと、最初は見るのに夢中でドキドキしか感じないが、見慣れるとムラムラとすることを吉良と見ることで思い出していく。


そう言えば最初は、水着とかパンチラで興奮していたのに、今では裸とか着衣ありの行為の方が興奮しているよな……、っふ、俺にもこんな初心なところがあったな……


吉良「わ、わ、わ」


吉良は目を両手で隠しながらも、隙間からバッチリ映像を見ている。女性は喘ぎ、画面は一定のリズムで打ち付けるような音が聞こえる。吉良は恥ずかしそうにあわあわとしているが、それを見て、これから少しずつ激しい物も見れるようになって語り合えたらなと思ってしまう。


健也「懐かしいなー」

吉良「え、経験あるの!?」

健也「いや、吉良の反応を見ていると、初めて見たときを思い出してきてな。懐かしいよなそのドキドキ」

吉良「ぼ、僕はドキドキなんか」

健也「えい」

吉良「ひゃぁ!」


吉良の胸に手を当てると、すごいドキドキと言っている。収まるどころか、更に早くなっているような気がした。いいね、そのドキドキ、お兄さん懐かしいよ……




健也「もう時間だしな。お風呂に入ろうか」

吉良「1人で入るから!」

健也「分かった分かった」


吉良は裸を見られることを極度に嫌がる。それは友達である健也にも同じだった。健也なら少しは我慢できると言っているが、あくまで我慢が出来る。見られたくないという気持ちはあるようだ。先に吉良をお風呂に入れている間に、軽く料理をしようかと思ったが


健也「面倒だな」


カップラーメン2つを手に鷺池、後は冷凍の唐揚げとかピザを取り出す。夜も遅いので間違いなく体に悪い食事だろうが、それよりも今は美味さが欲しい。健康? そんなこと知ったことかーっと思いながらレンジに入れてボタン連打していると吉良がお風呂から上がってきた。


吉良「お風呂ありがとうー。なんだこれ」

健也「夜ご飯」

吉良「身体に悪そうなものを」

健也「今日くらいはいいだろ、祝杯だ」

吉良「何の」

健也「吉良が映像を最後まで見れたこと、途中で投げなかったこと」

吉良「…」

健也「恥ずかしがるなよ。普通の反応だ。むしろ反応しないと男じゃない」

吉良「うっさい馬鹿ぁぁ!」


吉良は顔を真っ赤にしてリビングの方に逃げてしまった。それから少し落ち着いたのか一緒に食事をして、健也が風呂に入っている間に適当に時間を潰してもらい、夜遅くまで作品を一緒に見て感想を言いあった。これが滅茶苦茶楽しかった。



もしよろしければ評価ポイントをお願いします! ☆1でも評価をくれると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ