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幼馴染の意地  作者: ヤマネコ
16/43

中学生(14)

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これは体育祭が始まる少し前、とある場所で集まっている2人が会話をしている。2人ともチュッパチャプスを舐めていて、1人は低身長、1人は高身長の女性だ


低身長の女性「それで、結局あいつはどうなの? もうそろそろ限界じゃないか?」

高身長の女性「それがさー、何者かにお守りを渡されたみたいで自動更新扱いになっているみたいなのよね~」

低身長の女性「お守り~? ……え、もしかしてあれか?」

高身長の女性「じゃないかなー、私達の事知っているみたいだし、何か邪魔してきているのよね」

低身長の女性「はー? あの女があいつの味方になっているってことか? 面倒なことしてくれたなあいつ」

高身長の女性「いや、あの子じゃないみたいだよ」


2人の話に混ざって来た女子が1人、その子は健也達と同じ学校の制服を着ている


低身長の女性「星奈か、おめーがちんたらしているからこうなっているんだろうが」

星奈「ごめんごめん、あの男を口説こうとしたらあいつが邪魔してきてさー」

高身長の女性「次ミスしたらアンタ、どうなるか分からないわよ?」

星奈「大丈夫でしょ、そのままやられるつもりはないし」

低身長の女性「私達はお前を助けないからな。お前から破ったんだからな」

星奈「っは、言われるまでもねぇな」


星奈は普段学校で話をする猫なでな感じではなく、サバサバとした口調だった


高身長の女性「言っておくけど、あの女は敵対しているっていうか、味方をしているか分からないからね? アンタのことは既にバレているだろうし一応気を付けなよ?」

星奈「あら、優しいのね? 別にあの幼女、殴り殺せば問題ないだろ」

低身長の女性「っは」

高身長の女性「まぁ、好きにしなさい。さよなら星奈」

低身長の女性「バイバイ~」

星奈「そうね、私としてもアンタ達と関わるのもごめんだし。じゃあな」


星奈が2人の前から消えて、2人は話を続ける


低身長の女性「あの幼女……何者なんだか」

高身長の女性「あの2人も知らないみたいだしね……、警戒するに越したことはないけどさ、それよりも」

低身長の女性「あぁ、あいつだろ? まぁあと長くても数年しか持たないだろ、あのお守りも一時的に軽減するだけで、耐久値が変わるわけではないからな」

高身長の女性「それまでは夢を見させてあげるってこと?」

低身長の女性「本人がそう望んでいるんだ。なら私達は時期が来るまで好きにさせればいい。そして時期が来たら回収すればいいさ」

高身長の女性「…」

低身長の女性「どうした?」

高身長の女性「あの男の子、どうなるのかなって。だってこのままだと」

低身長の女性「あいつが選んだのがそいつだ。そいつには何の責任も無いが、強いて言うなら運が悪かった。小さいころにあいつの額に傷を付けたようだしな。それが意図的ではないとはいえ、それがいけなかった」

高身長の女性「……、まぁ、そうなんだけどさ」

低身長の女性「そいつは別にあいつを嫌っている感じはない、むしろ好意的な気持ちは持っている。しかしこのままだとそれは一方通行となるだろうな」

高身長の女性「なんとか出来ないかな…」

低身長の女性「やけにそいつの方持つな。なんかあんの?」

高身長の女性「そういうわけじゃないよ。ただこういう時の恋愛体験って今後の人生に置いて、とても重要な進路の分かれ道になるんじゃないかなって」


高身長の女性がそういうと、なぜか低身長の女性は苛立ったように口に入れていた飴玉を嚙み砕いた。それから髪の毛をガリガリと掻いた後に少しは落ち着いたのか、懐から新しいチュッパチャプスを取り出し、袋を剥がして飴を銜える


低身長の女性「確かに大事だろうな。子供のころの恋愛……、いや恋愛に限らず子供の時に過ごした生活は、大人になる時に自分の行動指針の基本となる。子供のころの価値観はどうしても消せないからな……それはお前も私もよく知っていることだろう。嫌というほど……」

高身長の女性「ん、だからそいつはせめて片思いで良いから幸せな時間を過ごしてほしいと思うんだよね」

低身長の女性「……どうだろうな、私から見たらこの関係はそこまで上手く行かない。だってあいつは…」

高身長の女性「それは分かってるっての。だから気になるの……あいつも本当の意味でそいつを好きになって、本当に僅かな時間とはいえ、両想いになれたら……って。私達はもうそんな恋は中々出来ないだろうし……」

低身長の女性「……そういう恋じゃなくても、恋自体は出来ると思うぞ」

高身長の女性「どういうこと?」

低身長の女性「……なんでもない」


低身長の女性は、高身長の女性と目を合わせないように顔を背けて舌で飴を転がす。高身長の女性は、低身長の女性のそんな挙動に少し首を傾げながらも話を続ける


高身長の女性「まぁ、その2人も気になるんだけどさ。もう2人なんだけど」

低身長の女性「それならあの時片方と会っている4人に向かわせたよ。運がいいなら見つかるんじゃないかな」

高身長の女性「1人は新聞部にいたやつだよね?」

低身長の女性「あぁ、間違いないっていうか、星奈の話だと3人とも新聞部になったみたいだ。まぁそいつはともかく、もう1人のこいつなんだけどな」

高身長の女性「どうするの?」

低身長の女性「現状放置、ただ女の方は少し調べようと思ってる。邪魔になりそうだし」

高身長の女性「邪魔ねー……ただの興味本位でしょ? 新聞部に入っているけど、その子は暴いてやろうとか、そういう野望を持っている感じはしないし。なんならあいつと協力関係を築いている感じがするよ」

低身長の女性「断定するのは時期尚早だ。表はそうでも裏では全く違うなんて私達は嫌というほど見てきただろう?」

高身長の女性「ほんっと……この仕事は人間不信になるわね~。それと、アンタ飴舐めすぎよ。流石に虫歯になるわよ」

低身長の女性「舐めていないとイライラするんだよ。それにお前も……」

高身長の女性「はいはい、悪うございました~」

低身長の女性「……あ、あの4人今から学校に向かうって連絡来たぞ」

高身長の女性「あの3人は?」

低身長の女性「それぞれ妹喫茶、ゲームセンター、クラブに行ってくるってよ」


低身長の女性はスマホを高身長の女性に見せると


高身長の女性「皆……気楽だね」

低身長の女性「お前は気にしすぎだ。仕事自体はやっているから文句はないけど、それでも情が移りすぎる時があるぞ」

高身長の女性「うっさい。私には私の考えがあるの。そっちにもそれはあるだろうけど、あまりごちゃごちゃ言わないでくれる?」

低身長の女性「ご、ごめん。気に障ったなら謝る。済まなかった」

高身長の女性「別に、いつものことでしょ。私達は」

低身長の女性「……そうだな」

高身長の女性「ねぇ! あれ!」

低身長の女性「あー?」


2人が見た先にはさっきまで話題に上がっていた者がいた。彼女は2人に気付いていないようで、どこか目的地に向かって歩いているようだ。しかも学校の制服を着ているのと、胸には大きな花束を抱えていてとても目立っている


高身長の女性「あれ、星奈は?」

低身長の女性「……かもな」

高身長の女性「あ、ほんとだ。4人から幼女が現れたような形跡があるって……じゃあ」

低身長の女性「まぁいいさ。星奈ももともとはそんなに長くなかった。それが早まっただけだ」

高身長の女性「幼女…の後は追えないみたいね」

低身長の女性「あれは妹大好きのあいつでも厳しいだろうな。あの腹黒女にも分からないみたいだし」

高身長の女性「こら、仲間でしょ!?」

低身長の女性「手は組んでいるが、正直あれは私のことを嫌っているぞ。それもかなりだ。うざいとか、気にいらないとかそんなレベルじゃなくて、憎んでいると言っても良いくらいだ」

高身長の女性「そもそもなんで2人ともそんなに仲悪いの?? それが私には分からないんだけど」

低身長の女性「……」


低身長の女性は「何を言ってるんだか」という呆れ顔で見つめ返すが、高身長の女性はなんで見つめらているのか分からず、見つめ返すことしか出来なかった


低身長の女性「あいつを追いかけながら話すよ。それよりも急ごう、見失う」

高身長の女性「そうね」


2人はそこから1人の彼女の後を見つからないように追いかけた











時刻はお昼ごろ、学校では昼休みで各自お弁当を食べているころだろう


彼女はどんどん人気のないところに歩いていき、階段を上がり、門を通ると、近くに置いてあった桶を手に取る。近くの水道水から桶に水を入れて、花瓶を洗い、そこに花を入れる


そして建てられている墓に向かって、両手を祈るように手を合わせ、その格好のまま数分が経過した。伝えたいことを伝え終わったのか、涙を流しながらもお線香の処理や、お花の角度を調整した後に、桶を元の場所に戻して門を通り、出て行った


2人は彼女を追いかける。けして見つからないように…十分な距離を取って、足音を立てないように、注意深く


彼女は途中で立ち止まり、ある一点を見つめていた。彼女が見つめていたところには、小さな草原が広がっており、そこには沢山の種類の色とりどりな花があたり一面に咲いていた。そよ風が吹いて、まるでそれを浴びて気持ちいと言っているように花は揺れている。彼女はその草原に近づき、近くにあった古びた椅子に腰を下ろす


2人もそんな彼女を見る


空は青く雲も全くない良い天気だ。程よく風も吹いているため、こんな日は外を元気よく走り、身体を動かすのに絶好な日だと2人も感じる。彼女は気持ちよさそうにその風に髪をなびかせ、花を取り、それをじっくりと見ている


低身長の女性「なぁ、あの花って」

高身長の女性「ワスレナグサ、リナリア、キンセンカだね」

低身長の女性「他にもあるみたいだけど」

高身長の女性「……人が花を見ている時にあれこれと突っ込むのは野暮よ」

低身長の女性「…………そうだな」


彼女の身体は震えていた、頬には涙が流れ、可愛い顔に似あわず鼻水も啜っていた


2人は静かに彼女を見守る


彼女がどんな表情をして花を見ているのかについて、2人は何も言わなかった


彼女が歩む道を知っているから……


彼女は立ち上がり、スカートについた汚れを手で払うと草原から戻り、喧騒が大きくなっていく場所に移動し始める。2人も無言で彼女の後を追いかける


長い道のりを歩き、空も青から茜色に変わってきた


彼女はいつも彼と通っている門をくぐり、建物内に入って行く


2人はそれを見届けた


低身長の女性「…………」

高身長の女性「…………」

低身長の女性「帰るぞ」

高身長の女性「……うん、ねぇ」

低身長の女性「ダメだ、これはあいつが望んだことなんだから。それを曲げるのはあいつの気持ちを踏みにじることと変わらない。するとしたらあの男から言ってからだ」

高身長の女性「………そうね。あ」

低身長の女性「あいつらも終わったみたいだしな。そろそろ帰るぞ、今日は気分転換に焼肉でも行こう」

高身長の女性「そうね」


女性2人は肩を並べながら茜色から暗闇になった景色に向かって歩き始める。いずれ2人の姿は見えなくなった



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