中学生(9)
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健也「鳴海~、起きてる?」
鳴海「うん、大丈夫だよ?」
健也「そうか……」
2学期になってから、鳴海が学校を休む回数が増えてきていた。1か月に1回は休んでおり、多い時は1週間に2回休むこともあった。何で休んでいるのかを聞いても
鳴海「身体が怠くなることがあって……大丈夫だよ。そんな命に関わるようなものじゃないから」
健也「……そうか」
最近病院に行く回数も増えているようだ。鳴海母から聞いたが、どうも不定期に体調が悪くなり、熱が出る、吐き気があるなどだ。でも心配はしなくても良いと鳴海母が言っているので、多分大丈夫なんだろう。もしかしたら大丈夫じゃないかもしれないが、健也にはそれをきっと教えてくれないので、健也は自分の出来る限り鳴海に気を遣うくらいしか出来ない。
それともう1つ鳴海を気にする理由があった。それはこの前合コンに行ったときに、占いが得意な女性が健也のことを占ってくれたのだが、その時に言っていたのが
【その子はとても面倒な性格をしており、大事にしないと彼女自身が自爆をしてでも貴方のことを繋ぎとめようとするでしょう。これからも毎日彼女に、彼女のことを大切にしていると伝え続ければ何事も怒らないでしょう。ただし縁を切るなら、それなりの覚悟を持っておいた方がいいでしょう。それくらい危うい面を持ち合わせています】
更に吉良が
【危ないというよりは、急に爆発してしまうかもしれないという面はあると思う】
と言っていた
健也から見たら、そんな危ない面を持っているようにも見えないし、爆発するような面もあるとは思えない。いつも隣にいて笑っていることが多くて、偶に呆れたりしていることもあるが、傍にいないことはあまりなかった。危うい……爆発……もしかして何か病気を患っているのかもしれないが、もしそうなら医学と鳴海の身体の問題で、精神的な面でフォローすることは出来るが、肉体的な問題は鳴海と医学に頑張ってもらうしかない。
放課後になり、久しぶりに4人で集まって教室で駄弁ることに
吉良「そういえば僕達部活入っていないよね」
健也「あれ? 愛奈何か入っていなかったか?」
愛奈「新聞部」
健也「最近忙しそうにしていたのって」
愛奈「部活だよ」
鳴海「実際部員って何人くらいいるの?」
愛奈「私だけ。他の部員は幽霊だから実質私1人だね」
健也「1人じゃ退屈じゃないの?」
愛奈「そうでもないよ」
健也「新聞部か……」
鳴海「けん君何も部活入っていないよね」
健也「入る気が無くてな……入ってもさー、幽霊になると思うんだよね」
吉良「興味が無かったり、部員の関係次第で簡単に幽霊になるからねー」
健也「そういえば最近部活に入っている人が減っていると聞いたよ」
鳴海「そうなの?」
愛奈「それこの前私が新聞にした奴」
健也「バレたか……」
愛奈「バレバレだよ」
鳴海「……」
吉良「……」
健也「どうした?」
鳴海「別に?」
吉良「…そうだ、愛奈。僕達も新聞部に入っていいのかな?」
愛奈「今の時期に?」
吉良「1年生の2学期終了くらいだし、そこまで変じゃないでしょ」
愛奈「そう……だけど、何か調べたいものでもあるの? 書きたいものとか」
吉良「愛奈は何か事件でも追っているの?」
愛奈「まぁね」
吉良「どういう内容?」
愛奈「内緒」
健也「俺も入って良いのか?」
愛奈「私は平気だけど、ちゃんと入部届出してね。あ、私が部長だから」
鳴海「1年生が部長って……」
吉良「愛奈って社交性はそこまで高くないよね?」
愛奈「すっげー失礼なこと言ってんじゃねーよ」
吉良「いたっ」
愛奈が吉良の額に指を伸ばしてデコピンをすると、吉良は涙目になりながら健也を見ている。健也は鳴海に気を遣っているのでそれに気付かなかった。鳴海は特に身体が怠いとかそういう感じはなさそうだが、それでも演技しているのかもしれない。
健也「新聞部ってどのくらいの頻度で活動するんだ?」
愛奈「基本的に週3だけど、曜日は特に決まってないよ。来たいときは来て何か調べるとかそんな感じだから緩いよ」
吉良「運動部ってさ、詐欺だよね」
鳴海「どうしたの突然」
健也「あぁ、あれ?」
吉良「うん」
愛奈「あー」
鳴海「???」
吉良「いや部活紹介でさ、活動日を教えられるじゃん? 例えば週に4日活動とか言っているんだけど、実際は週6とか、週7になるんだよ」
鳴海「あれ? 夏休みとかそういう時の話じゃ」
健也「違う。平気で休みの日が練習になったり、祝日も練習だし」
吉良「強豪校はそうだろうね。しかも練習時間を決められているのに、教師が破っているからね」
健也「仕事で忙しい間に来るから大変なのはわかるけど、それでも教師が時間を守ってないし、約束も破るから基本的に先生いないときは練習しないらしいね」
愛奈「サッカー部とか、テニス部とかそうだって。この前取材した時も、先生がいないときはずっと話しているって」
鳴海「へー。そうなんだ。まぁ真面目な人以外はサボるでしょうねー」
健也「何かまだ手を付けていない事件とか無いか?」
愛奈にそう尋ねると、「うーん」と顎に手を当てて考えた後に、何かを思い出したのか後ろに電球が光ったような顔をして
愛奈「最近学生の帰りが遅いらしい」
吉良「どこかに寄り道して帰るのが遅いだけじゃ?」
愛奈「ぶっちゃけ私もそうじゃないかなって思っているけど、他に無いしねー。そもそも調べたいものがあるなら自分で調べようとしないと意味ないよ。どうせ投げるでしょ」
健也「確かに……」
サッカーやりたいと言っている少年に、花道やピアノをやれと言っても中々続かないようなものか。もしかしたら興味を持つかもしれないが、それでも長続きはしないだろし、今回の場合では、せっかくネタを教えたのに途中で投げられたら愛奈も苛立つだろう
愛奈「まぁ入るなら止めはしないけど」
健也「うーん」
吉良「僕は入ろうかな」
吉良がそういうと愛奈は少し顔を真っ赤にしたがそれも一瞬、健也の方を見て参加するのかを見ている
健也「そうだな……俺は」
鳴海「私も入りたい。けん君も入ろうよ」
愛奈「まぁ3人なら私は止めないけど」
吉良「じゃあ入ろう」
健也「あいよ」
鳴海「はーい」
3人は新聞部になった(あらかじめ親の部分は判子押しされており、急いで担任に犯行を押してもらい、新聞部の顧問にも判子を押してもらった)
それから数日、新聞部に入ってから機材の種類やどういう手続きをすれば何が出来るかを愛奈に軽く説明をしてもらい、新聞部部員として動けるようになった。意外にも鳴海は調べたい事件を既に見つけており、愛奈と協力をして取材をしているようだ。どんな内容かを聞いてみたが
鳴海「ひ~み~つ」
ニカっと笑いながら調べていた書類を背中に回して見えないようにされてしまった。愛奈と同じ取材かと聞いてみれば
鳴海「重なる部分はあるね~。けん君には教えないけど」
健也「え、なんで?」
鳴海「そっちの方が良いから?」
ニヤニヤと背中に回していた片手を健也の頬に伸ばしてツンツンとしている。それから奥にある会議室に愛奈と入って行き、何かを話している。会話を盗み聞こうかと思ったが、それをやって鳴海の心身に負担をかけてしまうかもしれないな……と思いとどまることに
吉良「健也は何を調べるか決めていないの?」
健也「んー調べたいもの……特にないなー」
吉良「じゃあ僕が調べている物を手伝ってくれない?」
健也「何を調べているの?」
吉良「最近行方不明になっている事件があったみたいなんだよ。と言っても調べていた人が途中で投げたのか、記録が途中から書かれていないんだけどね」
健也「どのくらい前なの?」
吉良「分からないけど、記録が書かれているノートの汚れ具合的にそこまで前ってわけじゃなさそうだね。まぁ、見た感じだし、もしかしたらもっと前かもしれないし、意外にもつい最近かもしれないよ」
健也「はーそうですかー」
吉良「今の結構イラッてしたんだけど?」
健也「ごめん。いいよ、俺も手伝おう」
吉良「おお、ありがとう。とりあえずこれに目を通してくれるかな」
吉良から渡されたノートを見ると、そこまで多い情報ではなかったので、30分程度の読み込みで見ることが出来た。ちなみにその間に鳴海と愛奈は部室から出て行ってしまった。残っているのは吉良と健也の2人だけだ。
・行方不明になっていた生徒が見つかるが、行方不明前の時よりも性格・行動が大きく変化している
・このノートに書かれている男子:女子の行方不明者は2:8程度。女子がとても多いみたいだ
大きくまとめるとこの2点だった。あとは名前と生年月日が書かれているも、それ以上は無かった
健也「名前はともかく、生年月日とかどうやって知っているんだろうな?」
吉良「聞き出したか、無理やり知ったかとかじゃない?」
健也「無理やり? 拉致?」
吉良「学生なら学校に侵入するとか、内通者を使うとか?」
健也「そこまでするか?」
吉良「本気の遊びほど楽しいものはない」
健也「あ?」
吉良「そう思わない?」
健也「まぁ、そう思うけど……だからってそこまで…」
吉良「僕はあくまで暇つぶし程度にやるから、そんなことしないけどね。偶に思いついたら聞き込みでもするかもしれないけど、本当に暇つぶし程度だから健也も調べたいものが見つかったらそっち優先で良いからね?」
健也「そう……分かった」
吉良は行けたら行く程度の感覚で活動をする気らしい
健也「……どうしようかな」
吉良「鳴海さんが心配?」
健也「……」
吉良「顔がそう言っているぞ~」
吉良が健也の頬をプニプニと突いている。他の男や女なら振り払うが、吉良とはこれくらいは普段よくやること(健也は吉良の首を絞めて頭をグリグリしている)ので、むしろ心地よいくらいだ
吉良「鳴海さんを取材したら?」
健也「鳴海を取材?」
吉良「そうそう」
健也「んー」
吉良「普段一緒にいるから見えなくなるものも沢山あると思うよ?」
健也「え、どういうこと?」
吉良「あ、この紙粘土固まって取れなくなってる」
健也「?」
吉良が持っている物を見ると、丸い紙粘土2つの一部が完全にくっ付いており、トレニンーグで使うような器具(ダンベルみたいな感じ?)になっている
吉良「健也~、この紙粘土引きはがして~」
健也「お、おう」
両手に紙粘土の両端を掴んで思いっきり引き剝がそうとするが、健也の力では剥がすことが出来なかった。力のある人なら出来たかもしれないが、わざわざこんなことをお願いするほどでもない
吉良「そういうことだよ」
健也「はぁ?」
吉良「……僕は帰るけど、健也は?」
健也「俺も帰る」
吉良「じゃあ一緒に帰ろうか」
持っていた紙粘土を箱に戻して蓋をして適当に空いている場所に置いて、吉良と一緒に帰った




