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第十九話 風を切り裂く音の正体は

 ドラゴンすら飲み込んでしまいそうな巨大なリヴァイアサンの頭の上で再び相対した、ドンキホーテとデイル博士。

 ドンキホーテは尻餅をついている、デイル博士を見下し言った。


「デイル博士、さっさとこのリヴァイアサンを止めな、じゃねぇとマジにあんたを殺すことになるかもしれんぜ!」

「できもしないことをペラペラと……!」


「ああ?!」ドンキホーテは威嚇がわりに怒鳴る、しかし、それはどこまでいっても威嚇にしかならない、彼に人を殺せるほどの覚悟は未だないのだ。


「それに、今更わたしがここまで来て、リヴァイアサンを止めるとでも思っているのですか?」


 デイル博士は、ニヤリと笑う


「……まあ、でもそういうと思ったぜ」

「ほう聞き分けがいいですね、冒険者君」


 ドンキホーテもまたデイル博士にニタリと笑い返しいう。


「だったらリヴァイアサンの方を止めるだけだぜ」

「なにを……!」


 ドンキホーテは頭の上にある鱗の一枚を、突如剥がした。


「やめろ!」


 デイル博士の制止を振り切りドンキホーテは顕となったリヴァイアサンのやわい肌に剣の切っ先を向けた。





「待ってください、ドンキホーテさん!」


 少し前、ドンキホーテが出発しようとしたところ、ジェイリー博士に呼び止められた。


「何だい博士?」


 ドンキホーテは振り返った。


「伝えたいことがあって……リヴァイアサンのことです!」


 ジェイリー博士はそのまま説明を続けた。


「あの、リヴァイアサン、遠くから観察していて確信を得ました! あれはおそらく、土属性を操る、伝説の大蛇、アースドラゴンです!」


 ジェイリー博士は力説する。


「アースドラゴンには、ある弱点があると、文献で読んだことがあります、それをドンキホーテさんとレーデンスさんに教えようと思って……」


 ドンキホーテは、それを聞くと素直に喜んだ。それは頼もしい、弱点の一つでも知ることができればあの大蛇に対抗できるかもしれない。


「弱点ってのはなんなんだ博士?」

「アースドラゴンの弱点、それは――」





 そして現在に戻る、アースドラゴンの弱点それは――


「頭の上にある逆鱗の下!」


 そう言ってドンキホーテは剣をジェイリー博士に教わった、アースドラゴンの頭の上にある逆鱗の下の皮膚に突き刺した。


 深く剣がリヴァイアサンの皮膚に突き刺さった。


 するとリヴァイアサンは、悲鳴をあげ身をよじる、どうやら絶命までは至らないが、かなりの激痛を与えることに成功したようだ。


「くっ! うおおお!」


 デイル博士はリヴァイアサンが身をよじったせいで頭の上から吹き飛ばされた。それはドンキホーテも同じだった。

 刺した剣が身をよじられたお陰で、再び抜け、デイル博士とともに地面に落とされた。


「ドンキホーテ!」


 レーデンスは落ちたドンキホーテの元に駆け寄ってくる、その側にはデイル博士もいた。なんらかの魔術により、デイル博士は無傷のようだ。

 同様にドンキホーテも闘気により強化された肉体のおかげでなんの傷を受けることもなく着地することができた。


「イテテ……だがこれで形成は逆転だぜデイル博士!」


 外傷はなかったとはいえ、痛覚が正常に機能したのか、痛がりながらドンキホーテは起き上がりそう言った。

 そしてデイル博士を睨みつけた、ここまで近づけば安易にリヴァイアサンの魔法で攻撃しようものなら博士は巻き添えを食らうだろう。


「形成逆転? 愚かな! 既に私の目的は達成された!」


 そう強がるデイル博士そして紫の石を懐から取り出し命令を下そうとする。


「させるかよ! レーデンス!」

「わかっている!」


 ドンキホーテはレーデンスとともに、デイル博士を取り押さえるべく、博士に飛びかかる。


「来るな!」


 しかしデイル博士の方も無策ではなかった。懐から何やら魔法のかけられているようなスクロールを取り出す、それを片手で広げる。

 すると案の定、スクロールは広げられたとたん、光の粒子とかし、四つ目の犬の魔物として転生を遂げた。

 数にして四体、出現した出現した四つ目の犬の魔物はドンキホーテとレーデンスに襲いかかる。


「くっ、邪魔だ!」

「どきやがれ!」


 しかし、二人にとってそれは大した障害では無かった。二人とも抜剣すると、いともたやすく、犬の魔物の攻撃を躱す。

 そして二つの剣が弧を描き、それぞれ二体ずつ犬の魔物を切った。

 犬の魔物達は真っ二つに割かれ、再び光の粒子となって消えた。

 だがこの一連の出来事に時間をとられてしまう。


「行けリヴァイアサン、そのまま前進し暴れろ! 」


 結果としてデイル博士は、そうリヴァイアサンに石に叫ぶ時間を確保することができた。


 リヴァイアサンはその命令に従い、未だ激痛に身を捩りながら、その痛みを怒りに変え王都エポロへと向かっていく。


「しまった!」


 もう王都エポロは目と鼻の先、リヴァイアサンは到達してしまうだろう。

 デイル博士は笑う。


「ここまで誘導できれば、もはや細かい指示を出すことはない! 私の勝ちだ!」


 そう、デイル博士が勝ちを確信していた時だ。風を裂く音がドンキホーテ達の頭上から聞こえた。ドンキホーテは思わず空を見上げる。

 それは帆のかわり回転する羽、プロペラを持つ、空飛ぶガレオン船、飛空艇だった。

 デイル博士は忌々しそうに呟く。


「第十三騎士団……!」

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