第十四話 エポロへ
オーロ村を一瞥し山を下ったリヴァイアサン、その背にはある男が乗っていた。その男はオーロ村を尻目に、大きく息を吸う。
そして自分がこれから成す事の大きさを再び、再確認した後、おもむろに呟いた。
「上手くいったか」
安堵とともに多少の後悔を口から空気とともに吐き出す。
――もう後戻りはできない。
後戻りする気などなかったがな、その男、デイル博士は自嘲気味に笑う。そして自身のポケットから綺麗な石ころを取り出した。
それはドンキホーテが見つけたモノと同じものだった。この白いまるで白亜のようなこの石ころをデイル博士は見つめ忌々しそうに呟いた。
「全く、まさかこんな安全装置が遺跡のそこら中に眠っていたとはな、よほどこのリヴァイアサンを封じ込めておきたかったと見える。セスティマス人め、相変わらず用心深い人種だ」
もはや無力化され、リヴァイアサンを止める力を持っていない、石をデイル博士は投げ捨てた。
そして見据える。未だ見えてはいないソール国、王都エポロを。
「必ず遂げる、私の復讐を」
そう宣言した、復讐鬼は、再びポケットを弄り紫色の光沢を放つ石を手に取る。そして石に語りかけた。
「行けリヴァイアサン、私の醜い思い出を押しつぶせ」
リヴァイアサンは王都エポロに進んでいる、そう気づいたドンキホーテ達は急ぎ村長に詰め寄った。
「村長! 馬を貸してくれ!」
「は、はい! ただいま!」
村長もリヴァイアサンの姿を見ていたため、事の重大さがわかったのか、説明をいちいち細かくせずともドンキホーテの要望に応えてくれた。
村中の馬をかき集めた村長は好きな馬を選ぶようドンキホーテに言う。
「ありがとうな! 村長!」
そうドンキホーテは言うと早速、馬を選び跨った。
「ドンキホーテ、馬に乗れるのか!」
レーデンスが聞くと、ドンキホーテは「もちろん」と返す。
「ちっちゃい頃にな、習ったんだ英雄と馬はセットだろ? レーデンスは乗れるよな?」
「オークは戦闘民族、当たり前だ」
そうレーデンスは笑みを浮かべながら言った。
「じゃあ行こうぜ、王都エポロによ!」
ドンキホーテは早速出発しようとする。
事態は急を要する、急ぎ王都エポロに行き、危機をしらせねば、その思いがこの二人に共通してあった。
そうしてドンキホーテとレーデンスが出発しようとした時、誰かに呼び止められる
「待ってください、ドンキホーテさん!」
「お、俺達も行くぜ!」
それはジャックとその動ける仲間たちそして、ジェイリー博士だった。それだけではない、先程まで消極的だった冒険者達も後に続いてた。
「お前ら……!」
ドンキホーテは、馬に乗りながら全員を見渡した。しかし彼は言う。
「無理する必要はねぇ! お前ら! これから俺たちは最短でエポロにいく、それは奴さんも同じだろう! つまり、あの大蛇と進路が被るかもしれねぇって事だ! 怖え奴らは村に残りな!」
命を張ってくれるのはありがたい、しかしだからと言ってそれを無理をしてやるのは逆効果だ。逆に士気が落ち足手まといになる可能性だってある。
だが、冒険者達は一歩も引かない。それどころか冒険者の一人が一歩、歩み出し言った。その冒険者は先程の消極的な発言をしていた男だった。
「エポロには、両親が住んでる! ここにいる他の奴らもだ! 守りたいものがある! 王都エポロに! こんなところで指を咥えて待つなんてできない!」
その言葉に続き、次々に冒険者達は賛同の声をあげる。
ドンキホーテは冒険者達の覚悟を肌で感じた。この者達は最悪、あの大蛇と戦う覚悟まで持っている。
それを示すかのように冒険者達は馬にそれぞれ乗った、村長の用意した馬に乗れなかったものは乗ってきた馬車に乗り込み、それぞれ出発の準備をし始める。
「そういうことですドンキホーテさん」
ジェイリー博士がにこやかに笑った、これから死ぬ事になるかもしれないというのに。
「ジェイリー博士は村にいてもいいんだぞ」
「何を言います、私はリヴァイアサンの伝説を研究したこともあるんですよ! なにかの役に立てるはずです!
それにデイル博士に直々に聞きたいことだってあるんですから!」
どうやら止めてもついてきそうだ、ドンキホーテは「危ない目にあっても助けねぇからな!」などと脅しを兼ねた、嘘をついた。
それでも「大丈夫です!」と元気よく返す、ジェイリー博士にドンキホーテはついに止めるの諦めた。
しかしジェイリー博士の動機はわからないのでもないが、ジャック達もついてくるというのは不思議だ。
「それにしてもよう、あんたがついてきてくれるとはなジャックさんよぉ〜どういう風の吹きまわしだい?」
「まだ、聞いちゃいねえからだよ! なんでテメェ俺を助けたんだ!」
ドンキホーテはうーんと頭を抱えてこう言った。
「俺が生き残ってたら、あとで教えてやるよ!」
「テメッ……クッソ、おいこれ持ってけ!」
ジャックはドンキホーテに何か投げ渡す。
「なんだこれ?」
「テレポートの魔法が込められてる、ルーン石! 短距離なら空間から空間に飛べる! いざという時それで逃げろ!」
「へっ、ありがたいねぇ、どうもな!」
そのやり取りを見ていたレーデンスは密かに笑う。
「おい、オーク何笑ってやがる!」
ジャックがレーデンスに対して照れ隠しなのか、そう叫んだ。
「いや、なに、お前のようなやつでも恩義を感じる心があるのだと思ってな」
「テメェ、俺をなんだと思ってやがる!」
笑い合う、ドンキホーテ達。
そして冒険者の一人が言う「全員乗り込んだぞ!」その言葉を聞いてドンキホーテは叫んだ。
「わかった! 道に詳しい奴は前に言って先導してくれ! いくぞ! 王都エポロへ!」
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