表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シシ狩り!〜自分の正義を貫いた結果、パーティを追放されたけどまあいいか!俺は自分の夢を信じて突き進むだけだ!〜  作者: 青山喜太
幻想英雄譚編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

131/145

第131話 二人の男

「反対じゃ!」


 アレンの声が応接室に響き渡った。


「止めないでくれアレン先生」


 ドンキホーテの口調からは決して揺らぎようのない覚悟が感じられた。

 もはや無視していくことはできない。


 奴と、デリメロと相対する日がきたのだ。


「先生、そういえばいつ出発するか決めたか? まだ休むだろ? みんなの疲労具合を考えて」


「あ、ああ、今はもう夕暮れじゃから、明日の朝には……」


 その言葉を聞いてドンキホーテは安心する。


「なら、その時間まで奴と、対決できる訳だ」


「馬鹿者! リスキーすぎる!」


 しかしアレンのその怒号は、ドンキホーテを止めるほどには至らない。ドンキホーテの意思は岩のように固く、動かなかった。


「ダンさん」


「私も、反対だ、もし体をまた乗っ取らられば、また元に戻れる可能性はないかもしれんのだぞ……また後で時間がある時にやればいい」


「そうじゃ何も、今──」


「逆だぜ、ダンさん、アレン先生」


 ドンキホーテは言う。


「ここで奴を制御しなきゃ、必ず、俺たちの目的を邪魔しにくる」


「どう言うことだ?」


 ダンの疑問に、ドンキホーテはただ、滔々と答える。


「俺の心の同居人はな、俺の嫌がることが好きなんだ、多分、アレン先生を狙ったのも私怨ありきの、俺への嫌がらせだ」


 そして、そこでアレンとダンは気がついてしまった。もはや、ドンキホーテが目的地を知っている時点で、東の聖域に行くと知っている時点で、すでに──。


 ──ドンキホーテ自身が、障害となっているのだ。


「奴は、絶対にカイン達の邪魔をする。それが俺の心を壊すことにつながるからだ」


「だから」とドンキホーテはダンに向き直る。


「頼む! ダンさん! アレン先生! 俺に奴と向き合う時間をくれ!」


 ダンは数秒黙った後、意を決し言う。


「わかった……」


「ダン殿……!」


 アレンはダンの決定に食い下がる。だがアレン自体も、ドンキホーテの説明を聞きたしかに、もはや、選択の余地はないと感じていた。

 ドンキホーテの中に眠る悪魔と、殺人鬼は凶悪だここで、野放しにして、もしシーライ神父と連携を取られたら……。


「だがアレン殿の許可が降りない限り私も、協力はしない」


 ダンの一言で、決定権はアレンに委ねられることとなった、それもそうだ最終的にはアレンが衛生エーテラウスへとカイン達を導くのだ。


 決める義務がアレンにはある。


「……わかった……。じゃが必ず戻ってこいドンキホーテ」


 苦渋の決断により捻り出した、そのアレンの言葉にただドンキホーテは感謝の言葉を伝えることしか出来なかった。


 ─────────────


「準備はできたな」


 ダンの声が教会に響く。

 ドンキホーテは教会の中、祭壇前にて、椅子の上に座る。目の前にはパラディンのダンが、ドンキホーテを見下ろしている。


「おさらいしておくぞ、本来、この術は悪魔払いようだ、だが今の君の複雑化した魂の状況では、無理に悪魔は払えない」


 あくまで、安全のために別人格を引き出すだけだ、そうダンは言った。


「わかってるぜ、頼む」


 ドンキホーテにもはや迷いはなかった。ただ一つ懸念があるとすれば──。


「なぁ、もし俺が暴れ出したら、遠慮なく殺してくれ」


「不吉なことを言うでない!」


 ドンキホーテの言葉に、アレンは冗談じゃない、とそう言い返す。

 その様子を笑うドンキホーテは、ただ一言アレンに言った。


「行ってくるぜ、先生」


「戻ってくるのじゃぞ」


「もちろん、朝食までには帰ってくるぜ」


 フッ、とアレンが笑う。


「ダンさん」


「ああ、では行くぞ、安心しろ、時が来たらひっぱり戻す」


 ダンの手がドンキホーテの額に触れる。熱が伝わる、それはおそらく、ただの熱ではない。深い信仰、純粋なる祈りによって、生み出される聖職者が持つ聖なるエネルギー。

 それを変換した、奇跡の再現『サクラメント』の熱なのだとドンキホーテは実感する。


 溢れる緊張と、恐れがドンキホーテの胸の内を支配しそうになる。

 しかし彼は思い出した。


 マーシーの曇った顔を、チャルの涙を、カインの優しさを。


 ──もう、足は引っ張らねえ。


 ドンキホーテの意識はそのまま、薄くぼんやりとしたまま、やがて完全に消え失せた。



 ─────────────


「へぇ」


 何もない、草木もない、日が照る、白夜の暗い砂漠。そこで二人は出会った。


「俺に会いにきたのか嬉しいねぇ」


 ああ、そろそろいい加減お前に向き合わなくちゃいけないって思ってな。


「はっ! はははは! 嬉しいねぇ!! 俺の話を聞いてくれるのかい?」


 ああ、お前の話聞いてやるよ。


「ふん、嘘だね、お前は俺を抑えにきた。俺を否定しに来たんだ」


 そうかもな。


「だったら!!」


 でも、きっと、お前には──


「テメェをぶち殺す!!」


 剣じゃあだめなんだ。


 一人の男は剣を抜いた、一人の男は言葉を尽くす。


 二人の違いなどもしかしたら無いのかもしれない

 だからこそ、二人は二人のやり方で。

 今、戦う。

ここまで呼んでいただいてありがとうございます!

もし

面白いな、だとか

応援したいな

と感じてくださいましたら

下にある[☆☆☆☆☆]マークをタッチして。

[★★★★★]にしていただけるとモチベーションにつながります!

どうかよろしくお願いいたします!


そしてよろしければいいねの方もよろしくお願いします!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ