第130話 向き合うべき相手
浴場から上がったドンキホーテは再び、ダンのいる応接室に訪れていた。
風呂上がりに再びダンに呼び止められたのだ。
何の話かはなんとなく予想がついていた。やがて魔女アレンも応接室にやってくるといよいよドンキホーテの予想は確信へと変わっていた。
ドンキホーテ達が席に着くとダンもテーブルにつき地図を広げて、話し始める。
「聖域、とやらに行きたいのだろう? 君が寝ている間に渋々、アレン殿が教えてくれたよ」
やはりその話か、ドンキホーテは腕を組む。
「その場所、ここルラン村からそう遠くはない、バルナッド遺跡と呼ばれる場所だ」
そういうと、ダンは地図を指した。
たしかに遠くはない、だが、
「俺たちはもう半日以上休んでる、絶対に追手がくるぜ」
そうドンキホーテは予想する。いままで追手は凄まじい速度で追いついてきた。
それは今やドンキホーテにはない憎しみによるモチベーションの高さもあるのだろうが、恐らく指揮しているであろうシーライ神父も優秀なのも起因しているのだろう。
故にこのルラン村には追いついていないものの、いずれは追いつかれるそうドンキホーテは推測していた。
そしてその推測はおそらく現実になるだろう。
ダンは言う。
「そこで私の出番だ」
ドンキホーテは目を見開いた。何を言っているのか理解が追いつかない。
「私が、時間を稼ぐ君達は聖域へ行け」
その言葉を聞くとドンキホーテは思わず、口を挟んでしまった。
「そんな! 危険すぎるぜ!」
その疑問にダンは目を伏せ言った。
「なに、私もパラディン、そうそう負けはしない」
「でも、なんでそこまで……」
ドンキホーテの疑問は止まらない本来、ダンはこの事件に関係はないそれなのに対してなぜここまでやってくれるのか、理解が及ばなかった。
「これも、運命だとしか言いようがない」
「運命……?」
「どう言う意味じゃ? ダン殿?」
疑問符を浮かべるドンキホーテとアレンの二人に、ダンは言った。
「聖十字教のパラディンとして教えを護りたいと言うのがあるが、なによりも──」
ダンは聖書を見つめながら言った。
「──友の暴走を止めるのは、同じく友でなければな」
「それって……」
ドンキホーテの問いにダンは頷く。
「シーライ神父は私の……なんと言えばいいのか……親友なのだよ、古いな」
その言葉にドンキホーテは驚きを隠せない。
対してアレンは冷静にそして冷徹に言った。
「戦えるのか? お主」
ダンは、儚く笑いそして言った。
「信じられないかもしれないが、私は戦える」
そして拳を握りしめる、強く強く、何かを押し殺すように。
「逆にだ、こちらからお願いしたい。是非、私に戦わせてくれ」
「な、なんだよ、急に」
ドンキホーテは戸惑いを隠せないしかしそれを気にも留めずにダンは頼み込む。
「本来我々パラディンが、このような暴挙に出ていいはずがないんだ、未来ある子供達は守るもの。それを一時の感情で彼は、道を踏み外そうとしている。だから頼む!」
ダンはそして続けた。
「私に友を止める権利をくれないか、それさえできれば私はなんでもしよう」
ようやく本音が聞けた気がした。ドンキホーテはアレンの顔を伺う。
どうやらアレンも同じ考えのようだ。
ドンキホーテは手を差し伸べて言った。
「ダンさん、よろしく頼む」
ダンはただ一言、ありがとうと言って、ドンキホーテの手をテーブル越しに取る。
そしてドンキホーテは、
「ダンさん、早速一つお願いがある」
と、手を取りながら言った。
「いいだろう、可能なことなら」
ダンはそれを受け入れドンキホーテの願いを聞くべく、ドンキホーテを見つめた。
「ダンさん、あんた、俺の魂がどうなったいるか、初見で気がついたよな、アレン先生も魔法を使わなきゃ無理なことをあんたは何もせずに見抜いた」
「パラディンの技能さ、神から与えられた「ギフト」とも呼べるものだ」
「そうか、なぁ俺の魂が見えるってことはさ、もしかして、少し操作をすることも可能か?」
「……できる、というか悪魔祓いなどの私たちの仕事はその力を使う、魂の干渉を」
そこまで聞いて、アレンは途中でドンキホーテの意図に気がつく。
「まて、ドンキホーテ、お主まさか!」
ドンキホーテは臆せず言った。
「どうか、俺の別人格を表出させてくれないか」
彼の目にもはや迷いはなかった。
「奴と決着をつける時だ」
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