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シシ狩り!〜自分の正義を貫いた結果、パーティを追放されたけどまあいいか!俺は自分の夢を信じて突き進むだけだ!〜  作者: 青山喜太
幻想英雄譚編

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第116話 魔女アレン

 雷に打たれたディランは苦悶の声を上げるが、それでも膝や、体を地面に投げ出すようなことはしなかった。全身に流れた電流が地面にいくと。

 ぎろりと、アレンと呼ばれた猫を睨みつける。


「アレン? テメェ魔人か」


 人語を喋る猫など、魔人、意外考えられない故に、そう結論づける。

 するとその言葉が衝撃的だったのかカインも目を丸くさせる。


「魔人? なんで魔人が……!」


 魔女アレンはそんなカインの様子を見ると、ニャアとため息をつき、ぼやく。


「ローザめ、やはり何も言っていないか」


 その言葉に、カイン達兄妹は再び衝撃を受ける。なぜなら魔人と半魔人は相容れない、『溝』があるからだ。


「下がっておれ、貴様ら、ローザの子なら助けぬ訳にも行かぬ」


 そう言って、白い毛を持つ猫の魔女はカイン達の前に出た。まるで、ディランに立ち塞がるように。

 そしてドンキホーテを一瞥すると、魔女アレンは言った。


「寝ておるのか? ドンキホーテ」


「冗談……まだ! やれる……!」


「そうか、無理はするな──」


「──わし一人でも大丈夫なのだからな」そうアレンは締めくくる。


「へぇ舐めてくれるな、魔法使いが戦士(オレたち)のレンジに入っておいて!!」


 そう言ってディランは突進する。彼に恐れなどなかったあるのは、勝利への確信それだけだ。

 闘気に目覚めた戦士にとって、近距離と言ってもいい距離に白猫の魔女はいたが故にディランはそう確信した。してしまった。

 一歩、また一歩加速して、ついに剣の切っ先が魔女に届きうるその時だった。


 ──バリッ!


 ディランの両手剣、その切っ先に、稲妻が走り、


 ──ドカン!


 という音共に、強烈な閃光がディランを襲う、その光はディランの体を貫き焼いた、閃光の正体は電撃であった。


「が、は……」


 再び苦悶の声を上げるディランその光景を見たマーシーは思わずつぶやいた。


「攻撃型魔法結界……!」


 ある一定の、領域に結界を張りその結界のうちに足を踏み入れた敵がいた場合、自動で攻撃する。

 それが攻撃型魔法結界である。


「がは、クソが!」


 思わず打たれた電撃にディランはアレンから距離を取った。


「戦士に対する対策なぞ、もうとっておるわ馬鹿者が」


 魔女の得意げな顔に、ディランは苛立ちを覚えつつもしかし、冷静に分析する。


 ──奴の結界は攻撃魔法型、ならば、城壁型のような持続力はない! だが問題は果たしてコイツは一体幾つの手を隠し持っているかだ! 今のコイツは攻撃魔法型だと俺にバレたにも関わらず、アクションを起こそうとしない! つまり……!


 コイツは、この魔女には別の手があるということだ、そう考えたディランは腹を括った。

 あちらの手の内はわからぬ、だが、だからといって何も手を出さないのは違う。


 ──コイツの背後にいる女子供どもは、結界に感知されてねぇ! つまりなんらかの攻撃の発動条件があるはずだ! 例えば!


 ディランは自らのアビリティを発動するべく地面に両手剣を突き刺した。


 ──視認とかなぁ!


 瞬間、ディランの両手剣に紫色の光が灯ったかと思うと、地面は爆発した。土煙が舞い、魔女アレンはいかにも忌々しいげに顔を顰める。

 そしてディランはそのまま姿を消してしまった、そのことを知ると、アレンはニャアとタメ息を吐く。


「ならほど、ただのバカ戦士ではないか」


 そしてアレンは感じた大地が震えている、そして音が地からゴゴゴと響く。

「なるほどの」と魔女は気がつく、ここまで材料が揃えば、一つの仮説が立てられる。


「あの戦士、地下に潜りよったか」


「正解だぜ!!」


 ──ドゴォォ


 という音と共に魔女アレンの足元の土が盛り上がる。そして土の中から戦士ディランがそんなセリフを吐きながら姿を現した。

 剣を突き出しなら出てきたディランに対して、アレンは焦ることなく。なんの言葉も動作もなく足元に氷の厚い盾を形成する。


 ──ガキン!


 ディランの剣が氷の盾によって弾かれる。


「チッ! 無詠唱とノーモーションかよ!」


「だがな!」とディランは叫ぶ。


「ハイパーインパクト!!」


 その言葉と共に、再び紫色に光り輝いたディランの剣は、盛り上がった土と剣の刺突によって宙に浮いた、氷の盾に目がけてまた突きを繰り出した。

 すると弾かれたはずの剣は今度は氷の盾に突き刺さり、粉々に砕けた。


「ほぅ」


 思わず感嘆の息を漏らしたアレンは乗っていた氷の盾が壊れると共に、身を翻し剣を避け地面に着地した。


「チッ、外したか」


 毒づいたディランは再び地面に潜る。


「なるほど、貴様、それが貴様のアビリティか」


 ならば、とアレンは叫んだ。


「視認されなければ問題ないとでも思ったか!」


 その言葉と共に、アレンの足元から大量氷塊が、まるで槍のように突き出す。そして数多くの突き出した氷の槍の一つに、ディランは脇腹を貫かれ、穂先にぶら下がっていた。


「ぐあ、なんだ! ただの魔法じゃ!」


「土に染み込んだ水分じゃ、貴様が馬鹿みたいに穴を掘ったお陰で魔力で干渉しやすかったぞ」


「な、まて、まさか──!」


 そして動けない、ディランを前にアレンは眼前に火の玉が形成させる。間違いない魔法だ。

 ディランは気がついたその光景が自分の見る最後の光景だろうと。


「やめろ──!」


「さらばじゃ」


 人間大の火球はまるで砲弾のように放たれた。火球は一人の男を、飲み込みそして消し炭へと変えた。

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