第115話 再会
──なんだ?
ドンキホーテは理解ができなかった、浮遊感、そして激痛を感じると共に、視界がぼやけどこかにいるかがわからない。
唯一正常なのは、どうやら聴覚のようで、反響する爆発音をドンキホーテは捕らえる。
そしてドンキホーテは思い出す。自分は闘気の光線によって吹き飛ばされたのだと。
ディランとの剣を切り結んでいる時だった一瞬の隙を突かれディランは闘気による光線を剣から放ちドンキホーテに直撃させた。
故に彼の体は洞窟の中へと爆風により吹き飛ばせている
衝撃が体に伝わる、ついにどこかの壁に当たったのだ。頭を降り意識を覚醒させるだがそれでも、視界が戻らない。ぼやけたままだ。
「舐めてくれるぜドンキホーテ」
反響音が響いている。それがディランの声だと気づくまでドンキホーテは時間がかかった。集中ができない、頭を打ったようだった。
「なんだあの剣はよぉ、まるで殺気が感じられねぇ剣は! 通りで暗殺なんて向いてない仕事を俺が任されるわけだ。
テメェはまるで障害にならない!」
落ち着け、相手は挑発しているだけだ。頭を打ちながらもそんな冷静な思考をドンキホーテはめぐらせる。
そしてやっと周りを見渡す余裕ができた。吹き飛ばされたのは洞窟の中だ、それもどうやら広く、しかし光源が入り口から指す光以外なかった。
ドンキホーテは考える。ここで、この洞窟の手前でコイツを防ぎ切らねばならないと。
そこまで考え、ようやくドンキホーテは視界がはっきりとした。
「さて、第2回戦と行こうか、ガキ」
ディランが両手剣を構える、ドンキホーテもまた力を振り絞り、剣と小盾を構えた。
「死ねやぁ!」
「ッ!!」
二人の戦士の高速の移動は衝撃波すら発生させ、そして疾風と貸した二人の剣と剣が交差した。
─────────────
「はぁ! ハァ!」
カインは走っていた。重たい体を引きずってマーシーを魔法で魔法で浮かせ、そして抱えながら。
「兄様! まだ真っ直ぐ!」
妹のチャルは兄からペンダントを譲り受けそのペンダントから発する光の差す先へと兄と姉を導いていた。
入り口ではほぼ光がないと思われた洞窟も、入るにつれとある光源が見つかるようになった。
光苔。それが洞窟を照らしていた。
僅かな栄養で、生き永らえるその苔は栄養物を取り込む際に何故かはわからぬが光を発する能力を備えている。
それが洞窟中にびっしりと生え、淡い青空のような光で道を明るく、照らしていた。
その光によりカイン達は闇に彷徨うことなく、洞窟を進むことができた。だがそれでも一抹の不安がカイン達を襲う。
──ドゴォォ!!
カイン達の背後の方で、爆発音が反響してくるのだそれも、複数にわたって。
果たしてこれはドンキホーテが勝っている音なのかそれとも──。
そこまで考えたところで、カインは一歩を歩む。
「カイン……私も歩けるわ」
マーシーはそう提案するもカインは首を縦に降らない。
「ダメです姉様、もし、ドンキホーテが負けた場合走れないのは姉様が一番危険なんですよ!」
「でも、貴方の体も!」
「僕ならば大丈夫です! 霊薬を飲ませてくれたんでしょう! 痛みもほぼありません!」
それは痩せ我慢だ、そんなことはマーシーは見抜いていた。だがカインはそれでもマーシーを下ろそうとせず、進み続けた。
「兄さま見て!」
すると、チャルの声が響く。どうやら洞窟のさらに先に開けた場所があるようだ。
急いでチャルのいるところまでカインは姉を抱え行くと、それを見た。
広大な空間だった、ドーム状になったその空間は、光苔が青く照らし幻想的なその光景を晒していた。
驚くカインはそのままドームの真ん中へとチャルのいうまま進む。
だが、ふとチャルは真ん中まできたところで、「あれ?」と疑問符を浮かべた
「どうしたチャル」
「兄様、光が消えた!」
その言葉の通りペンダントからは光が消えていた。
目的地へと進む場所が示されないその意味は、ただ一つだった。
「まさか、こんなところが……目的地だっていうのか! 母様!」
カインはそう言いながら辺りを見回した、何も、何もない、何か特別なものも何もただの、巨大な空間の余白だけが虚しくあるだけだ。
「なんで……」
そう呟いた時だった。
──ドガァァン!
カインが通ってきたの入り口が唐突に爆発した。土煙が舞い、そして土砂が降る。その中の土砂の中に見知った人影がいた。
ドンキホーテだ。
「ドンキホーテ!」
思わずカインは叫び、チャルは絶句する。
マーシーも口を塞ぎ、声を出さないようにしていた。
そして土煙の中、ちょうどカイン達が通ってきた道から一人の男が現れた。
「採掘完了だな、オイ!」
男はそう言いながら現れた。間違いないカインは思い出す、刺客の男だ。
ドサリと倒れたドンキホーテを見下しながら刺客の男、ディランは言った。
「あーあ、めんどくせえから土と一緒にこのガキも連れてきちまったじゃねえかよ」
「まぁ、いいか」とディランはぼやき、両手剣を構える。
「さあ! 死んでもらうぜ……! 化け物が」
まずい、どうして、そんな思考を巡らせ前にカインが感じたのは、恐怖だった。
死ぬ恐怖ではない。
傷つけられる恐怖でもない。
家族を失う恐怖だった。
ローザが、母が死ぬ時の光景がフラッシュバックする。
「うあああ!!」
カインはただ叫ぶしかなかった。剣が迫る、空気を裂き、カイン達の元へと命を刈り取るために。
「全く相変わらず人間は野蛮じゃな」
──バン!
その時、その言葉と共に閃光が雷が、ディランを撃った。
「ぐっガァ!!」
苦悶の叫びを上げるディラン。この洞窟の中で雷が発生するなどありえない。
間違いないこの雷は魔法だ。
カインは声のした方を見る。この魔法をあったであろう張本人を。
カインの目線の先、そこには白い毛を携えた白い猫が立っていた。明らかにどこか雰囲気がただの猫ではない。
すると、倒れ伏していた。ドンキホーテがその猫はみるやいなや、思わず口走る。
「アレン……先生……」
「あの事件以来じゃな、小僧」
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